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藤樹庵さんは
老舗の和菓子屋
今日もわりかし繁盛してる

隣にあるのは
老藤の大樹
そろそろ花が綻び始めた

下には斑の
老猫が眠る
実は年経て尻尾が二つ

藤の向こうには
老人が住む
悠悠自適のご隠居暮らし

さてさてそこで
話が始まる

今宵辺りは
宴の気配
老猫のったり
片目を開けて
老藤の幹と
会話を交わす


空に浮かんだ
細めの月は
地上に降りて老猫の細目

夜に浮かんだ
匂い立つ花は
人に転じて匂い立つ美女

ご隠居こっそり
自宅を脱け出て
猫と藤との宴に混じる

気配に誘われ
宴は佳境
人であるもの人ならぬもの

さてさてそれでは
話を継ごうか

今宵の宴の
主役に沿うた
あの女童
囀り歌う
それに合わせて
花は零れる


藤樹庵さんには
美味しい和菓子
そして美味なる綺譚がひとつ
2006.05.02 Tue l 一枚の茶葉 l コメント (2) トラックバック (0) l top
どんなに
大事だって
失ってしまえば

どんなに
大切だって
喪ってしまえば

それはすべて
想い出に変わる

無くす前に
気付いてたのに

無くしてから
気が付くんだ


お願い
想い出にしないで

想い出にするくらいなら
僕を全て消し去って

春先の粉雪
砂糖のように
僕にふりかけて

僕ごと溶けてしまって
あの人の前から


どんなに
大事だって
なくしてしまえば
想い出に変わる

綺麗でも
素敵でも
触れられない


お願い
あなたを
想い出にしないで

想い出にするくらいなら
僕の前に現れないで
2006.03.06 Mon l 一枚の茶葉 l コメント (2) トラックバック (0) l top