FC2ブログ
9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった
白くて清潔な仔熊

お日様に会いに行くときも
月夜の夢路に行くときも
一緒だった

抱き上げてしまえるほど軽くて
抱きしめてしまえるほど小さい
なのに
抱きとめるかのように頼れるウィルビー

よく晴れた青空に目を細めると
睫毛に溜まった光の粒が見えることや
いきなりの夕立が訪れると
溶けた道路の上に白い雲が出来ることを

よく冷えた麦茶の入ったグラス
浮かび上がる水滴にいくつもの話があること
いきおいよく回る扇風機の羽根に
話し掛ける秘密の呪文があることを

あたしの膝の上で
あたしの腕の中で
教えてくれた

ふわふわの毛並みの
青い瞳のウィルビー

10歳の夏には
ウィルビーはいなかったけど
あたしは冷凍庫の白熊を食べながら
あの仔熊を思い出して探した

今でも覚えている

9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった



14:九夏
スポンサーサイト



2006.08.24 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

お題。
あーるぐれいさん、こんばんは。

「詩語」お題で最近も数編書かれているので、いつもどんな風に料理(?)されるのか楽しみに読んでいます。
ただ、これにはえっ!と思ってびっくりしてしまいました。
こういうのもありなのですね。正攻法もあり、こちらが考えもしなかったような手もあり、今回は特に面白く読ませていただきました。(最後までお題縛りと気づきませんでした~)
もちろん、季節感あふれる詩も好みですv

例の件大変そうですけれど、一応ここでは触れないでおきますね。
次の更新も楽しみにしています。
2006.08.26 Sat l アクア. URL l 編集
コメント、ありがとうございますv
お題の出来上がり具合を楽しんでくださって、嬉しいですv

うんうんと唸りつつ、いろいろと頭を捻るのが楽しいのですが、唐突に、全く違うところに発想が行くことがあります。
割とそういうときには採用率が高いです。
これはその顕著な例(笑)

驚いていただけて、にやりです♪

例の件、お気遣いありがとうございます。
本当、皆さん、あたたかくて、涙が出ますv
2006.08.26 Sat l あーるぐれい. URL l 編集

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://tearoombergamot.blog55.fc2.com/tb.php/352-2e2135ce
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)