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屋根裏に眠っている
一人の西洋人形
色褪せたベルベットのドレスと
縺れた金の髪に
蜘蛛の糸のベールをかぶって

あの小さな子はどうしたかしらと
誰にも聞こえぬ声で呟く
あの湿った熱い手の子どもは
どうしているかしら

隙間から差し込む朝日が
煌めく埃を水晶に変える
静かに降り注ぐ月光は
揺らめく大気を花の香に変える

ここは王宮の広間
日毎夜毎に開かれる宴
そう聞かせてくれたあの子どもは
今はもう来ないけれど

屋根裏に眠る
一人の西洋人形
埃にまみれてしまった今でも
愛された記憶を誇りに
忘れられても幸せを知っている

やがていつか
誰かの手に抱かれることを
夢見てはいるけれど


                      (2005/06/24)


タイトル縛り、数字篇、「埃」
10のマイナス10乗です。

一幅の絵のような、静かな絵本のような、光景を思い描いていただけたなら嬉しいです。
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2006.07.16 Sun l 月々 l コメント (3) トラックバック (0) l top

コメント

埃にまみれた西洋人形… 私が思い浮かべたのは…横溝シリーズ(TV)の雰囲気です(笑)
西洋人形・日本人形… ぬいぐるみと違う印象が、あの雰囲気を連れて来るんです…
2006.07.16 Sun l しぶ. URL l 編集
お久しぶりです。

人形って、毎日かわいがってあげると、
表情が生きてきて、可愛くなるんですよ!

これ、ホントです^^
2006.07.16 Sun l koro7310. URL l 編集
コメント、ありがとうございますv
>しぶさん
 西洋人形。確かに、横溝作品に似合いそう(笑)
 精巧な人形には、不思議な世界が潜んでそうですよね。

>koro7310さん
 分かる気がします。
 持ってはいないんですが、人形やぬいぐるみは、他のものよりも、心があるのがわかる気がします。

 そこに、お話が眠ってるんでしょうねv
2006.07.16 Sun l あーるぐれい. URL l 編集

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