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食べられるのを嫌がったクロワッサンが空に逃げて三日月になったが
満月に怒られて食べられてしまった。
ちょっと焦げてたけどなかなか美味かったよ、と昨日の月が言った。



奮発して綺麗なピンクのブラウスを買った。
朝焼けの色だねと太陽が言えば、夕焼けの色だろうと月が言う。
どっちの意見も通ったので、朝晩二度出勤する羽目になった。
勤務時間は短くなったが面倒くさい。
次に買うときは、オーロラ色のシャツにしよう。



ぎゅうぎゅうに押しつぶされて羊の群れの中にいた。
編み棒を取り出して片っ端からセーターや手袋を編んでいった。
裸になった羊は去っていくが、5935匹を越えたところで眠ってしまったので抜け出せなかった。
とりあえずほかほかしている



グレーのカッターシャツにアイロンをかけている。
二代目だというアイロンマスターが来て、それでは皺が取れないという。
私ごとシャツを皺ひとつないようにしてくれた。
折り目正しい人間になった。



オレンジのリゾットを作った。
そんな邪道なものは食えぬと老人が怒る。
お客様、これはオレンジのリゾットではありません。
太陽を絞って作ったお粥です。
それならばと老人はぺろりと平らげた。
ペテン師めと太陽が呆れるので言ってやった。
食わせてしまえばこっちのものだ。
食えないやつだと笑われた。



水晶売りの老人が声をかけてきた。
青月光入りの水晶を買わないかと言う。
思ったよりも高かったが、買うことにした。
水晶を月に透かすと落ちた光の中に蒼い薔薇が咲いている。
芳しい香りの中で星の歌を聴きながら眠った。



目の前にでかい山がそびえている。
登るのも厭で、どうしたものかと考えていると声をかけられた。
こうすればいいんだよと、太陽がジェンガか将棋くずしのように木々や土を抜き取った。
なるほど、と思ったが、かえって時間がかかる。
太陽は沈んでしまって手伝ってくれない。
しまいには、上から落ち込んできたブロックに押しつぶされてしまった。
こんなことなら、北風でも捕まえて飛ばしてもらうのだった。



ピンク色の森にいる。
良かったら一緒に住まないかと森人たちに誘われた。
可愛らしいが目がちかちかするので丁重に断る。
彼らの姿をメモ用紙にスケッチして去ることにした。
森の絵は部屋の片隅で、時折ピンク色に揺れている。
今のところ、全身をピンクで染める勇気はない。



気づいたらロンドンにいた。
見つけたチッピーでフィッシュアンドチップスを食べていると、月がやってきた。
同じものを、と注文して腰掛けるので、仕事はどうしたと訊く。
こんな霧の夜じゃあ、仕事なんてやってられないよ。
お前さんもだろ、ジャック、と月にナイフを指差された。
計画を変更して月の野郎をやってやろうかと思ったがやめておいた。
切り裂かなくても、今宵の月は細すぎた。



古くなったノートを拾った。
中に書かれているのは見覚えのある自分の文字だ。
青臭さに赤面しつつびっしり書かれた黒い文字を追った。
文字を捕まえると、昔の自分が浮かび上がってきて、物語を再生しだした。
恥ずかしすぎたので、急いでページをめくった。
何も書かれていない白いページの上で、今の自分が待ち構えている。
さて、何を書いたものか。
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2009.11.04 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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