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預金通帳の数字が逃げ出した
闇夜に白いページだけが浮かび上がっている。
月に協力してもらって、ようやく捕まえたが、どうにも足りない。
流れ星に数字を印字してもらった。
こっそり多目にしてもらったが、大目に見てもらおう。



夜更けに話を書いていたらページで指を切ってしまった
これを塗るといいわ、と桜貝に入ったハンドクリームを手渡された。
塗ったら傷は塞がったが、潮騒が押し寄せてきた。
たちまち部屋中に桜貝が満ちて、書いていた話は攫われた。
指先が滑るので、今宵はもう何も書けそうになかった。



夜道を歩いているとオレンジが転がってきた
拾い上げると、綺麗な女性がやってきて何事かを話しかけてきた。
言葉が分からずにいると、見かねた空の月が通訳をしてくれた。
君は今、恋の始まりを一つふいにするところだったよ。
自慢たらしく言うので、勉強することにした。
次の満月には見せ付けてやる。



アロマキャンドルはラベンダーの香りがした。
女に愛を伝えたが、炎が揺らめくと返事も揺らいでしまうらしい。
いつまで経っても埒が明かないので、キャンドルを吹き消すと、
ラベンダーの香りだけを残して女は夜に溶けてしまった。
マッチよりは長いかもしれないが所詮儚い夢でしかなかった。



ススキ野原で月を見ながら酒を飲んだ
団子や芋を肴に飲んでいると、月がそれは俺のものだと文句を言った。
降りてきて一緒にやれば良いだろうと言ったが今日ばかりはそういうわけにもいかないと言う。
語らいながら飲んでいるうちに心地よくなって眠ってしまった。
目が覚めると、残っていた酒も肴も全てなくなって、朝が来ていた。



久しぶりに会う恋人と小高い丘の上で待ち合わせをした
が、丘一つ分待ち合わせ場所を間違えたらしい。
送電塔の上で電線越しに会話をしながら同じ夜景を眺めた。
呆れ顔の月が全てを見下ろしていた。



暗闇にハイヒールの足音が響く
街灯の下で振り返ってみたが誰もいない。
ただ、私の影の隣に女の影があった。
帰りの遅い私のために女が影だけを迎えに寄越したらしい。
心配せずとも他所に女などいないのに。
夜更けの道にめかしこんでいる影のヒールの音だけが響く。



とてもよく効くダイエットのお菓子を見つけたので友人に薦めてみた。
今そんなものを食べさせるのはやめてくれと友人は怒って空に上ってしまった。
太ったり痩せたり大変だなと思いながら月明かりの下お菓子を食べた。
中秋の名月が近かった。



お茶会をするというので夜の公園に出向いた。
月が持っていたブランデーを垂らしたので、ほろ酔いで浮かれてしまった。
記念写真を撮ろうと誰かが言ったので皆で写ったが、あいにく私は写らなかった。
仕方がないので墓の下で大人しく眠ることにした。
次の茶会はいつだろう。



買い物に行ったら街頭で謎の男がアロマオイルを売っている。
「媚薬入りだよ」と言いながら薄桃色のオイルを勧めたので買ってみた。
帰る道筋で転倒して全て零してしまった。
途端に、全てが求愛してきたので慌てて逃げ帰った。
虫の声が煩くて眠れない。

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2009.10.07 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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