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明日になれば恋をする
そんな予感のした日から
もう何年も日は過ぎて
ひとり寝る夜の恋の夢

待てど暮らせど来ぬ人を
待ちくたびれた老嬢の
こぼした溜め息ひとひらの
紙片に浮かんだ恋の歌

そこに吹き込む一陣の
風に揺られて鳥になる
空に羽ばたく行く鳥の
切なく響く恋の唄

零れて馨る花びらの
蜜を飲み干し鳥は啼く
探し当てたる待ち人の
掌の上で詩歌となる

風よりも疾く駆け抜けて
老嬢の元へ辿り着く
今その時に始まった
恋はもうはや間に合わぬ

枯れて乾いた唇に
冷たき涙の接吻を
とこしえに眠るかの人の
耳元で歌う愛の歌

明日になれば恋をする
そんな予感はとうに無く
ただ目覚めては遠い日の
愛を鳥音に想うだけ


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2009.03.02 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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