一人きりで過ごす夜更けは
少しやさしくて
少しさびしい
少ししみてきて
少しいとおしい
一人きりで過ごす夜更けは
ちょっとかなしくて
ちょっとなきたくて
ちょっとしずかすぎて
ちょっといたい
一人きりで過ごす夜更け
やさしくてかなしい
一人きりで過ごす夜更け
誰かの夢を待つ
温かなお酒を飲みながら
あなたのことを想う
泣きたくなる日もあれば
優しくなれる日もある
甘やかなお酒を飲みながら
あなたのことを想う
嬉しくなる日もあれば
切なくなる日もある
温かく甘いお酒に
あなたのことを想う
私の恋心に似ている
微酔いの感じさえも
いつもなぜ私だけ
そう思うことがある
不幸なのは
不公平だと
そう思うことがある
だれもかれもが
不幸になれと
そう願うわけではなくて
だれもかれもが
公平であれと
そう祈りはするけれど
いつもなぜ私だけ
そう思うことがある
つらいことは
つらぬかれるようだと
そう思うことがある
どこかに行くとするなら
青い空の似合う町へ
通り抜ける風に
花の匂いが分かる町へ
古ぼけた革のトランクに
ガラクタを詰めて
そんな町を求めて
どこまでも行こう
どこかへ行くとするなら
青い夜の似合う街へ
通り過ぎる人が
花の匂いをさせる街へ
古ぼけた革のトランクに
思い出を詰めて
そんな街を求めて
どこまでも行こう
一人でお留守番
あなたが帰ってくるのを待つ
録画したドラマも見ちゃったよ
買ってきた雑誌も読んじゃったよ
お茶とお菓子も済んじゃった
一人でお留守番
あなたが帰ってくるのを待つ
寂しくて退屈だよ
何でもいい話したいよ
でもちょっと気楽だよ
一人でお留守番
あなたが帰ってくるまでは
手持ち無沙汰で暇だけど
自由気ままな時間なの
でも早く帰ってきてね
歌を歌おう
のびやかに
かろやかに
広い世界に
届くように
私は今なら
どこまでも
いけるから
広い世界を
歌って廻ろう
好きな歌を
好きなだけ
好きな道を
好きなだけ
選んでいこう
歌を歌おう
季節を探し
時間を追い
広い世界を
包んでいこう
悪いことから目をそらす
そんな大人になりたくないと
思っていたのはいつだった
悪いことから耳ふさぐ
そんな大人になりはしないと
思っていたのはいつだった
見なかったふり
聞かなかったふり
少しずつ上手くなって
見なかったこと
聞かなかったこと
そうして忘れてしまうふり
そんな大人になりたくないと
思っていたのはいつだった
凍った湖の上であなたを待つわ
恋の熱さで溶けたなら
あなたとともに沈みましょう
あなたとともに沈んだら
春が来るまで眠りましょう
誰の目にも触れない水底
青白い夢に抱かれて
凍った湖の上であなたを待つわ
もしもあなたが来なくても
ただひたすらに待ちましょう
ただひたすらに待ったなら
誰にも知られず眠りましょう
春が来ても溶けない氷の
仄白い恋に抱かれて
ご飯を作る
冷蔵庫の中や
戸棚の中と
相談しながら
料理の本や
ネットのレシピと
相談しながら
ご飯を作る
美味しいと良いな
美味しいと
言ってくれると
良いな
ご飯を作る
お肉や魚と
お野菜や乳製品と
相談しながら
香辛料や
調味料と
相談しながら
ご飯を作る
美味しいと良いな
美味しいと
笑ってもらえたら
良いな
熱いお茶を飲んで
気持ちを落ち着かせる
それが私の儀式
泣きたくなった時も
怒りたくなる時も
全てを飲み込むように
全てを吐き出すように
熱いお茶を飲む
哀しい時には
甘いお茶を
苛立つ時には
ハーブティーを
時々にはチョコを添えて
あるいは素朴なビスケットと
熱いお茶を飲んで
気持ちを落ち着かせる
それが私の儀式
そうでなくても
お茶は飲むけど
不器用な強さを抱いて
あたしは今日も生きていく
涙も苦笑いに変えて
弱音も強がりに変えて
ぎこちない強さを抱いて
あたしは今日も生きていく
誰にも寄りかからないよう
誰にも守られないように
頑なな強さを抱いて
あたしは今日も生きていく
押し潰されそうになっても
押し流されそうになっても
不器用な孤独を抱いて
あたしは明日も生きていく
好きな歌を歌いながら
お部屋の掃除をしようよ
よく晴れた朝なら
洗濯も気持ち良いよね
手が冷たい
足も冷たい
それさえ心地いい休日
好きな人を想って
おいしい料理を作ろう
ちょっとの失敗なら
笑顔でごまかせるかな
熱いお茶と
甘いお菓子
それで一息つく休日
楽しくなる
嬉しくなる
充実した休日
青い空
明るい部屋
明日もがんばれる
誰かがいるって嬉しい
安心して泣けるから
誰かがいるって嬉しい
あったかくなれるから
誰かがいるって苦しい
悲しくなってしまうから
誰かがいるって苦しい
冷たくなってしまうから
誰かといるって楽しい
小さなことで笑うから
誰かといるって楽しい
優しい気分になれるから
誰かといるって難しい
私とあなたは違うから
誰かといるって難しい
一人じゃないってことだから
誰かといるってことは
良いことも悪いことも
誰かといるってことは
それも受け容れるってこと
喧嘩したり
意思疎通ができなかったり
言葉が通じなかったり
同じ生物だけど
違う人間だから
仕方ない
泣くこともあるし
怒ることもある
それを我慢するのは
難しいけど
仕方ないのは
分かるから
あなたはわたしじゃないから
わたしもあなたじゃないから
通じないことはある
すれ違うこともある
だから
泣くこともあるし
怒ることもあっても
それを我慢したりは
しなくても
仕方ないって
言ってみる
喧嘩したり
意思疎通ができなかったり
言葉が通じなかったり
同じ生物だけど
違う人間だから
仕方ないって
ただ
泣くときには抱きしめて
怒るときには宥めてね
大きな楠のある神社へ
お参りをしました
中に大きなうろのある
とても大きな楠の木です
子供の頃に憧れた
秘密基地みたいで
どことなく
わくわくしました
大人の女になった私は
中に入ることはできず
幼い私の幻影を見ながら
周りをぐるりと巡ります
傍らにいる人と二人
穏やかな気持ちで
手をつなぎ
ゆっくりと歩きました
大きな楠のある神社に
お参りに行きました
小さくて古いお社で
これからのことを祈りました
引いたおみくじは
小吉でしたが
いい年に
なるように祈りました
いつの日かもしかしたら
一人で来る日があるかもしれない
いつの日かもしかしたら
一人で泣く日が来るかもしれない
神社にあった大きな楠は
そんな私の不安を
うろの中に眠らせてくれる
そんな気がしたのでした
あたたかいご飯を作る
あなたのために
お野菜をたっぷり
愛情もたっぷり
あたたかいお茶を淹れる
あなたのために
お砂糖はちょっぴり
愛情はたっぷり
あたたかいお風呂を入れる
あなたのために
お湯も泡もたっぷり
愛情をたっぷり
あたたかいお布団で眠る
あなたとふたり
夢や愛もたっぷり
睡眠もたっぷり
楽しいことは早いもので
お休みなんてあっという間
何をしたのかなんて
覚えてないまま
お休みなんてあっという間
どこへ行ってしまうのかな
同じ一時間なのに
同じ二十四時間なのに
お休みの日はあっという間
楽しいことは早いもので
お休みなんてあっという間
明日からいつもの日々が
待ち受けている
お休みなんてあっという間
だけどホントは知っている
お休みが長すぎても
お休みばかりが続きすぎても
それはそれでつまらないこと
楽しいときは早いもので
お休みなんてあっという間
だから次の楽しみが
だから次のお休みが
待ち遠しくなるってこと
何が待ち構えているのか
それはまだ分からない
まだ始まったばかりの
今年なんだもの
何が待ち受けているのか
それはまだ分からない
でもそれが楽しいの
そう思うことがいいの
ずっと続いてきた道は
今年もまた続いていく
続いていこうと決めたから
歩いていくことにしたの
何がこの先にあるのか
それはまだ分からない
でもそれが面白い
何だって楽しみなの
今年も道はまた続く