夢見たことを
ひとつずつ花にして
花束をつくろう
優しい朝や
零れる微笑み
煌めく明日や
あなたの愛
夢見たことを
色とりどりの花にして
花束をつくろう
涙の色も
怒りの理由も
すれ違った時間でさえも
いつか綺麗な花になるから
夢見たことを
大切に花にして
花束をつくろう
どんな一瞬も
どんなやりとりも
きっと大事なものになるから
花にすることを諦めないで
夢見たことを
二人で花咲かせて
花束をつくろう
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言葉が伝わらないとき
右腕の空気が冷たいとき
通話ボタンを押せないとき
とっさに誰もつかまらないとき
ただわけもなく胸がふさぐ日
夢で誰かに恋をしてた日
コトバの暴力を受けてしまった日
世界にたった一人きりの気分の日
ただなんとなく
もうわけもなく
さみしさが胸に押し寄せる夜
(2009.10.29)
好きにしていいよって
言われると困ってしまう
あたしどうしたいのかな
あたし何がしたいのかな
何をしてもいいよって
言われても困ってしまう
あなたどうしたいのかな
あなた何をしたいのかな
寛容な態度は
裏返したら非協力みたい
もっとちゃんと考えて
もっとちゃんと付き合って
全部決めていいよって
あたしに任せてしまわないで
だって二人のことなのに
だって二人の明日なのに
きっとどこにでも行けた
あの頃の私
心許ないけど自由だった
あの頃の私
あれから私が選んだ道を
後悔したりはしないけど
誰かと一緒にいることを
不自由だと言いはしないけど
あの頃の私の背中を
時々街の中で見る
時折風の中に見る
どこかへと駆けて行く
あの頃の私
いまならわたし
何もかもを置き去って
行ってしまえるわ
あなたの声も届かない
誰の腕も届かない
遠い遠い場所へ
夢も見ない
明日さえ知らない
そんな遠い眠りの中へ
朝焼けの遊園地で
あなたと二人迷路を歩いた
わたしそのまま迷っても良かった
だってあなたに惑っていたから
日差しの下の遊園地で
あなたと二人コースターに乗った
わたしそのまま飛んで行きたかった
だっていつかは終わるのだから
夕焼けの遊園地で
あなたと二人観覧車に乗った
わたしこのまま落ちても良かった
だってあなたが好きだったから
真夜中の遊園地で
あなたと二人ただただ歩いた
わたしそのまま消えても良かった
だってあなたと一緒にいたから
あなたは私のものだけど
私だけのものじゃないから
行かないでなんて言えない
あなたは私のものだけど
私とは違う人間だから
行かないでなんて言わない
誰かと楽しく過ごしても
誰かと新たに出会っても
誰かに恋をするかもしれなくても
やっぱり
行かないでだなんて言えない
私はあなたのものだけど
あなただけのものじゃないから
行かないでなんて言えたりしない
だって私もきっと行くもの
誰かと楽しく過ごすため
誰かと新たに出会うため
誰かに恋をするかもしれなくても
私はあなたのものだけど
あなたは私のものだけど
だから言えない
行かないでなんて
天秤にかけてみる
あれとこれ
それとそれ
たとえば愛とか
たとえば夢とか
現実と理想
現在と未来
天秤にかけてみる
あれとこれ
だれとだれ
たとえば恋とか
たとえば思い出
矜持と打算
妥協と駆け引き
どっちが重くても
どっちが軽くても
それはそれで構わない
たとえば釣り合っても
たとえば釣り合わせても
何かの弾みでずれてゆく
天秤にかけてみる
己の本心
己の本音
たとえば建前
たとえば空論
揺れて揺らいで
止まらなくても
比重を知るのが大事だから
(2009.10.28)
人は誰も歩幅が違う
同じ道を歩いても
速度が違う
見る場所が違う
休みながら行く人もいれば
跳ねるような足取りの人もいる
ただひたすらに駆け抜けていく人も
空を見て歩く人もいれば
道端の花に目を留める人もいる
ただひたすらに道の彼方を見る人も
人は誰も違うのだけど
同じ道を歩いていれば
時にすれ違う
時に並びあう
自分が見つけたものを教えながら
誰かの見ているものを見たりしながら
そうしてまた己の速度で歩いていく
(2009.10.21)
足の裏に刺さった小さな棘
見えないけれど鋭く痛む
上手く歩けないのよ
まるで人魚姫のように
喉の奥に刺さった小さな棘
見えないけれど鋭く痛む
上手く話せないのよ
まるで人魚姫のように
胸の奥に刺さった小さな棘
見えないけれど鋭く痛む
上手く伝わらないのよ
まるで人魚姫のように
腕の中に隠した小さな棘
見せないけれど鋭く尖る
だけど殺せないのよ
まるで人魚姫のように
私に出来ることは
詠うことだけ
いろんな人の
いろんな言葉を
いろんな世界を
詠うだけ
戦う人や
頑張る人に
力は貸してあげられないけど
悲しむ人や
落ち込む人の
涙は拭いてあげられないけど
あなたの気持ちを楽に出来たら
私に出来ることは
詠うことだけ
いろんな人の
いろんな心を
いろんな想いを
詠うだけ
恋する人や
夢見る人を
応援するしか出来ないけれど
誰かの記憶や
誰かの未来を
知ったようにしか詠えないけど
あなたに共感してもらえたら
腹が立つこともある
喧嘩になっちゃいそうなことも
我慢が足りないのかな
上手く伝わらないのかな
一旦距離を置こうか
暫く頭を冷やそうか
怒りたくなるときは
泣きたくなってしまうから
あなたと仲良くいたいから
ずっと一緒にいたいから
喧嘩をしても
何があっても
冷蔵庫の中にあるもの
全部入れちゃってさ
ことことくたくた煮ちゃうのさ
キャベツにベーコン
トマトにタマネギ
ジャガイモと一緒に
コーンとお豆
牛乳の残りと
コンソメ二かけ
それから塩と胡椒で味付け
卵やご飯を入れてもいいし
ミルクがなければ水でもいい
台所にあるもの
適当にぶち込んでさ
ことことくたくた煮ちゃうのさ
仕上げに愛情入れるから
騙されたつもりで食べてみな
乾いてく
季節のせいかな
気温のせいかな
心のせいかな
ほっこり熱いお茶を飲んで
ふんわり優しく体を包んで
潤いを与えよう
ほっかり暖かな夢の中で
ふうわり優しい気持ちになって
瑞々しさを取り戻そう
乾いてく
だから乾ききる前に
自分で自分に水をあげよう
綺麗に花を開くため
全てウソ
全てユメ
どれもこれも
どこか遠く
違う世界の
そんなお話
寝物語に
読んでちょうだい
お暇潰しに
聞いてちょうだい
一息ついたお茶の時間の
小皿に添えたクッキーみたいに
そんなつもりで
食べてちょうだい
(2009.10.20)
ママと君の根比べ
見ててごらん
君に美味しいと言わせてみせる
シチューにカレーにハンバーグ
プリンにケーキにドーナッツ
君の苦手なお野菜を
大好きだよって言わせてみせる
ママと君の知恵比べ
(2009.10.15)
まるで禁断症状
逢いたくて
逢いたくて
逢いたくて
仕方ない
あなたなしでは
ただの一秒も
安心できない
安眠できない
そんな気分
まるで禁断症状
逢いたくて
逢いたくて
逢いたくて
泣きたくなる
あなたなしでは
ほんの一瞬も
耐えられない
我慢できない
そんな気分
なのに
あなたに逢えないなんて
世の中はいやらしいことで溢れている
毎日山のように送られている迷惑メール
油断すると書き込まれている掲示板のコメント
独居アパートの郵便受けの中
一つずつゴミ箱に捨てながら
見も知らぬオトコたちに呟く
こんなうまい話があるわけはないよ
こんな都合いいオンナはそうそういないよ
ゲンジツのオンナで試すのもやめておくれよ
世界はいやらしいことで溢れている
金と快楽とそれから詐欺
欲望に忠実な言葉と
それによって引き出される欲望と
それをまとめてゴミ箱に捨てながら
全部本当だったらと考える
現実よりももっと奔放だけど
きっと愛は現実よりも疑わしくなる
あたしは愛を守るために今日もそれらをゴミ箱に捨てる
あたしと言葉は
切っても切れない
言葉を紡ぎ
言葉を綴り
言葉を繙き
言葉を読む
あたしと書物は
とっても近しい
言葉を辿り
会話を追い
伏線を探り
結末を知る
推理でも
恋愛でも
学園でも
SFでも
過去を
未来を
異世界を
書いて
読んで
夢見て
描く
あたしと文字は
隣り合わせで
背中合わせで
だから幸せ
人と一緒でいいなんて
つまらないと思うかしら
自分らしさが欲しいなんて
思ってみたりするかしら
そうね
それも一理あるわ
でも
オリジナリティを出すのなら
一から作り上げること
それがどんなに大変か
あなた分かって言ってるの?
人と一緒がいいなんて
ワガママだって思うかしら
ないものねだりをするんじゃないって
思っていたりするかしら
そうね
それも分からなくないわ
でも
誰かと一緒だからいいんじゃなくて
私は私の気持ちで決めたの
あなたにそれは分かって欲しいわ
あなたのくれる
言葉も
気持ちも
嬉しくないわけじゃないけど
自分がまだ
女だと
素敵だと
思えることは嬉しいけど
あなたに答える
すべを持たない
だからお願い
一人にして
(2009.10.13)
一番初めに
物語を書こうと思ったのは
詩を紡ごうと思ったのは
いつだったろう
一番初めに
物語を書きながら
詩を紡ぎながら
誰に見せたいと思ったのだろう
一番初めに
物語を書き綴りながら
詩を織り紡ぎながら
いったい何を思っただろう
もう忘れてしまうくらい昔
あのときの気持ちはまだ
胸のどこかにあるだろうか
(2009.10.09)
私は私だけを持っていく
他には何も持たない
歩くための足と
掴むための手と
感じ取るための目と鼻と口と耳
明日を信じて高鳴る胸と
心の中の愛と夢
私は私だけを持っていく
他には何も持たない
(2009.10.06)
いいことばっかりじゃないけど
いいことが待ってる気がする
信じるものは救われるって
自分に言ってみたりするよ
自信を持っていいよ
最良の相手に会うよ
友達が助けてくれるよ
心配は要らないよ
あの日神様がそう言ったから
その言葉を大事に持ってる
もちろん神様任せにはしないよ
あたしが動くから未来も動く
占いなんてって笑わないで
おみくじなんてって言わないで
信じるものは救われるって
いい言葉が背中を押すよ
いいお告げが後押しするよ
いいことばっかりじゃないけど
いいことが待ってる気がする
あたしがここにいるのは
それを励みに動いたからだよ
おめでとうをありがとう
みんなが祝ってくれるから
私ここにいて良かったな
ここにいられて良かったな
そんなふうに思えるよ
おめでとうをありがとう
あなたのその言葉一つが
私をあたたかくさせる
嬉しい気持ちで満たさせる
優しい心でいられるよ
おめでとうにありがとう
たくさんの愛にありがとう
みんなの優しい気持ちに
みんなと繋がる喜びに
たくさんのありがとう
考えても仕方がない
やってみなくちゃ分からない
悩んで立ち止まってたって
何も始まりはしない
考えてもしょうがない
動いてみなくちゃ分からない
怖がって止まってたって
何も動いたりはしない
なるようになるんだから
なってみなくちゃ分からない
ここで考え込んだって
何も分かったりはしない
だから動け
だから進め
とりあえずは
そこから
泣きたいときがあって
でも誰もいないとき
誰の腕もなくて
誰の胸もない
ただ私一人きり
寂しさと心細さに身を委ねて
涙を流してしまおう
溺れるほどの哀しみの中に
たまには酔いしれてみてもいい
泣きたいときがあって
でも誰もいないから
私は私のために
私を抱きしめてあげる
誰のためでもなく
苦しさと開放感に身を委ねて
涙を流してしまおう
千切れるような喪失の中に
たまには酔い浸ってみてもいい
泣きたいときがあって
誰もいないのだから
はばかることもなく
取り繕うこともなく
泣いてしまっていい
疑心暗鬼も
意気消沈も
ぜんぶあなたのせいだよ
八つ当たりだって分かってるけど
言いがかりだって知ってるけど
それでもあなたのせいだよ
あたしが可愛くないのも
あたしが素直じゃないのも
ぜんぶあなたのせいだよ
だから今夜はあなたには
電話一本かけないわ
気分転換も
記憶喪失も
うまく行きそうにないよ
何を見たとしたって
どこにいたとしたって
ぜんぶあなたを思い出すよ
あたしが時々可愛いのも
あたしがたまに素直なのも
それもやっぱりあなたのせいなの
だから今すぐここに来て
そんなあたしを抱きしめて
突っ走るのはいいけど
ちょっと待って
あなたのスピードで
連れてかないで
一人ならいい
かけっこなら一等賞
二人三脚なら
きっと転んでしまうよ
突き進むのはいいけど
ちょっと待って
あなたのペースに
巻き込まないで
分かり合ってるならいい
騎馬戦なら突撃だ
大勢だったら
ダンスは乱れてしまうよ
運動会ならいいけど
ちょっと待って
あなたのテンションで
攫ってかないで
人にはそれぞれの
生活があるの
誰にもその人の
歩幅があるのよ
(2009.10.05)
滴り落ちる蜜を掌に受けて
喉を鳴らして飲み干した
濡れる唇に星屑が光り
浮かんだ笑みを切り裂く牙
夜よりも濃い闇を纏って
貴女の元へ忍び寄ろう
熱く激しい接吻をあげよう
貴女の白い喉元へ
愛よりも甘い愛の泉に
私を浸してくれないか
誰よりも熱い貴女の胸に
私を埋めてくれないか
零れんばかりの蜜を舐めて
貴女の命を飲み干した
臥せた身体は青白く光り
夜の中へと流れて消える
(2009.10.01)