あたしを呼んで
遠くからでも
あたしを呼んで
いつだって
照れたりなんて
しなくていいの
みんなあたしを
好きでいいのよ
あたしを呼んで
どんなときでも
あたしを呼んで
誰だって
拗ねたりなんて
しなくていいの
あたしはみんなを
好きでいるから
あたしを呼んで
焦がれるほどに
あたしの名前を
呼んで欲しいの
あたしを呼んで
あたしの名前は
夢や希望や
未来と言うのよ
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僕のおじいちゃんの持っていた
真っ黒な帽子には魔法がかかってた
そこからはいろんなものが出てきた
飴もジュースも鳩やウサギさえも
おじいちゃんがいなくなって
真っ黒な帽子の魔法は消えてしまった
僕には使いこなせないまま
真っ黒な帽子は物置に眠ったまま
ある日思い出した僕は
真っ黒な帽子を取り出してみた
僕のおじいちゃんの持っていた
真っ黒な帽子の魔法は使えないけど
僕はその帽子をかぶって街を歩く
飴を舐めジュースを飲みながら
僕はその帽子をかぶって君と手を繋ぐ
鳩を見上げウサギに似た雲を見つけながら
そして君に話すだろう
僕が見た真っ黒な帽子の魔法のことを
いつか君もまた思い出す
真っ黒な帽子には魔法がかかっているんだよ
世の中はぐるぐると繋がる行列みたいだ
誰もその先に待つものを知らないまま
ただ行列があるから並ぶ
俯瞰してみれば人はみな
蟻のように見えるだろうか
行きつ戻りつ列を成す
世の中はつらつらと繋がる行列みたいだ
誰もその先に待つものを知らないから
外れるかどうか迷う
俯瞰してみればそれはただ
なんとなく並んでみただけの
ただの線なのかもしれないのに
君のために言葉を贈ろうと
ずっと考えていたけれど
上手い言葉が見つからない
素敵な文句が見当たらない
君のために言葉を贈ろうと
今日も考えていたけれど
飾りすぎては嘘のようだし
簡単すぎては心に足りない
君のために言葉を贈ろうと
ずっと考えていたけれど
どんな言葉も物足らなくて
結局のところ口に出来ずに
だから黙って指を繋いだ
(2009-06-30)
探しても見つからないものが
呼べば出てくればいいのに
遠い昔に見た夢や
幼い恋の面影や
失くしてしまった本の頁や
落としてしまった指輪のかけら
探しても戻ってこないものが
呼べば出てくればいいのに
たとえばあなた
(2009-06-29)
声にならない声を貰う
風に乗せて返事を返す
二人の間に流れるものは
言葉を超えた感情だった
愛にならない愛を拾う
土に埋めて花を咲かせる
二人の間に満ちてたものは
形にならない感情だった
夢にならない夢を見つめる
炎にくべて熱を加える
二人の間で迷ったものは
距離感のない感情だった
正しい言葉を口にして
優しい言葉を口にして
生きていければよいけれど
世界は時につらいから
世界は時に弱いから
時々言葉を見失う
正しい言葉を喪って
優しい言葉が地に堕ちる
そんな時もあるけれど
言葉には魂が宿るという
言霊の幸う世界にいる限り
正しい言葉を口にして
優しい言葉を口にして
生きていこうと思うのです
いやなことは
石鹸を泡立てるみたいに
洗い流してしまおう
あとには
つるつるの
綺麗な私が残るから
時折
気が合わない
感覚が合わない
考えが食い違う
意見がぶつかる
時折
不安になる
それでも
一つ傘の下で
歩いていこうと
決めたなら
肩寄せ合って
出来るだけ濡れずに
歩いていこうと
決めたなら
時折
襲い掛かる
不安の風や
不満の雨や
涙の雨に濡れぬよう
一緒の道を
歩いていこう
君の笑顔
それが一番のごちそう
笑ってて欲しいから
ボクは君を笑わせる
おどけてみたり
笑える話をしたり
くすぐってみたり
でも
君の笑顔が
一番咲く方法を
ボクは知ってる
ボクの言う
大好きだよって言葉が
君を笑顔にすることを
自転車に乗って
隣町まで行こうよ
キラキラ光る川に沿って
疲れたら土手に寝てさ
蒼い空でも見よう
まっすぐな飛行機雲追って
行く宛てはないけど
どこまでも行こうよ
背中を押す風に乗って
僕たちはいつでも
どこへも行けると信じた
キラキラな未来を知ってた
自転車に乗って
明日まで行こうよ
誰も追いつけないほどに
(2009-06-25)
初めてのデートは雨で
一つずつ差した傘の分
遠い距離を歩いた
雨音にかき消された会話は
ちぐはぐでぎこちなくて
けれどほっこりあったかかった
初めてのデートをいつも
雨が降る日に思い出す
一つ傘に入った今も
会話がなくて雨音だけでも
しっくりとなじんだりして
そしてやっぱりあったかいままで
(2009-06-23)
雨が降ったら窓際においで
つややかに濡れるアジサイや
染み入るような雨音を
水滴で歪む窓越しに
君にあげる
雨が降ったら窓際においで
氷を浮かべたアイスティーと
香ばしく焼いたクッキーを
まるでカフェの気分ごと
君にあげる
雨が降ったら窓際においで
晴れたら出かける海辺の町や
気になる映画や本の話を
肩寄せ合って話す時間を
君にあげる
雨が降ったら窓際においで
雨が好きになるような
雨も嬉しくなるような
そんな二人の時間ごと
君にあげる
いろんなことが折り重なって
いろんなことが積み重なって
押しつぶされそうになるから
時々叫びたくなる
理不尽なことも違ってるものも
耐え難いことも合わない人も
全部飲み込んでしまうから
時々吐き出したくなる
私の中を空っぽにして
綺麗なもので満たしたいのに
叫ぶことも出来ないままで
吐き出すことも出来ないままで
今日もまた生きているから
時々は逃げたくなるけど
どんなに立体的でも
どんなにリアルでも
あなたがそこにいなければ
それはただの絵と同じ
僕たちの町は湖の中
雨は天で波紋を描く
魚が横切る天の上で
揺らめく森に風が吹く
僕たちの町は湖の中
太陽は天で砕けて滲む
水面を横切る鳥の水脈が
煌めく飛行機の軌跡にも似る
僕たちの町は湖の中
星は天で朧に消える
岸辺で囁く蛍の光が
僕らに星座を教えてくれる
僕たちの町は湖の中
沈んでしまった町の夢
何を見ても
あなたを感じるように
あなたも私のこと
考えてくれているかしら
こんなにも想う人がいることが
そんな人に出会えたことが
この世で一番の奇跡
何を見ても
あなたと一緒にいれば
大好きが増えていく
あなたも同じならいいのに
こんなにもそばにいたい人だと
お互いに思えるような二人が
寄り添えることが幸せ
いつか何かが
二人を離しても
今ここで感じてる
この想いは嘘にしないから
何を見ても
あなたを思い出すように
あなたも思い出すように
今はあなたと二人生きてくの
こんなにも想う人がいることが
そんな人に出会えたことが
この世で一番の奇跡だから
甘いお酒で宇宙へ飛んだ
月の色したカクテルで
良ければ君も一杯いかがと
流れる星に声をかけ
月の色したカクテルを
三日月グラスに流し込む
甘いお酒で宇宙へ飛んだ
三日月を丸く光らせた
(2009-06-20)
温度差がある二人は
きっとこれ以上近づけない
分かち合い混ざり合うには
あまりにも違いすぎるから
熱を奪われて凍える者と
熱に耐えられず溶ける者と
同じ温度になるには二人
あまりにも離れすぎていた
初めからわかっていてもなお
ほんの少し夢を見た
同じ景色を見ることを
ほんの束の間信じてた
温度差のある二人は
きっとこれ以上騙せない
信じて手を取り合うには
あまりにも違いすぎたから
(2009-06-10)
傷つきながら
迷いながら
それでも帰っておいで
君を待ってる人がいる
手土産よりも
話よりも
それより帰っておいで
君の事を待っているから
一人きり
長い旅をして
一人きり
暗闇をさまよってたね
差し伸べられた手や
見守る視線があったから
君は今戻ってこられる
帰っておいで
まずは無事に帰っておいで
悲しいことも
苦しいことも
つらいことも
きついことも
ないわけじゃない
怒ることも
嘆くことも
沈むことも
凹むことも
ないわけじゃない
でも
出来るだけ明るく
なるべく前向いて
良いことを探して
楽しみを見つけて
そんな気分転換
そんな発想転換
できないわけがない
そんな私が好き
君が御飯を作る背中を
ソファから眺めてる
手伝おうかって聞いたら
いるだけで幸せだと言って
笑いながらキュウリを切る
君が料理を作る横顔を
こっそりと眺めてる
見つかったら照れるから
うたたねをしてる振りで
鼻歌まじりの君を見る
君の出来たよって声を
キスとともに受ける
美味しいかなって聞くから
モチロンだと言って
おかわりまでしちゃうんだ
君がくつろいでいる気配を
背中で感じてる
優しい視線が飛んでくるから
お皿を洗う泡だらけの手で
ちょっとほっぺた掻いてみる
幸せだから
良いことが降ってくるのかな
幸せだから
良いことが舞い込むのかな
それとも
何かの帳尻合わせ?
戦地で見せる恋人の写真や
一人で立てこもった人みたいな
そんなフラグだったりするのかな
いやいや
幸せだから
良いことが降ってくるんだよ
幸せだから
良いことが舞い込んでくるんだよ
これから
幸せが続く予感さ
時計の針が駆け足で過ぎてく
待って
止まって
行かないで
このままじゃ終われないから
待って
止まって
行かないで
今日が終わってしまう前に
やらなくちゃならないのに
時計の針が無情にも過ぎてく
待って
止まって
行かないで
無理だと分かってはいるんだけど
待ってて
止まってて
行かないでいて
そぼ降る雨に
吐息をつく庭の木々
濡れて鮮やかな紫陽花の
葉陰に見えた子猫の背中
こちらへおいでと声をかければ
ひとりで生きると決めたから
人のぬくもりは要らないと啼く
放っておくのは寝覚めが悪いと
苦笑混じりに言ったなら
目障りならば去るわと啼いた
あれは私
肩肘張って
濡れるに任せた
紫陽花の色に隠れた
黒く小さな
あれは私
私が寂しくて寒いから
どうぞ隣に来て欲しいのと言えば
ようやく子猫は近寄った
暖かなミルクと紅茶を淹れて
窓越しの雨を見よう
ゆっくり静かに見ていよう
雨が晴れて青空になる頃に
きっと歩いていけるから
(2009-06-09)
大事にしていたのに
消えてしまった
嘆いてももう
戻ってはこない
あの瞬間に
時が戻るなら
今度はこの手を離さずに
しっかり捕まえておくのに
リセットできないゲームでも
最初からやり直せるけど
割れてしまったタマゴなら
他の料理に出来るけど
大事にしていたのに
消えてしまった
存在していたことさえ
確かめることも出来ない
ただ私だけが知っている
ただ私だけが覚えてる
私の時間だけが覚えてる
(2009-06-02)
ささいなことなら
ちょっとしたことなら
泣きたくなっても泣かない
だって泣いたってしょうがない
自分のせいだから
誰のせいでもないから
泣きたくなっても泣かない
分かってるのに進めなくても
本当は
誰かの腕が欲しいけど
誰かの言葉が欲しいけど
泣きたくったって泣かない
誰かに好きだと言われたら
嬉しくなってしまうから
愛していると言われたら
よろめいてしまうかもだから
私を繋ぎとめててね
甘く優しく好きだと言って
激しく強く好きだと言って
私が好きだと言う人は
多分きっとあなただけ
愛しているとは言えないの
思っていたって言えないわ
私を好きでいてね
甘く優しく抱きしめていてね
激しく強く抱きしめてみてね
私も好きでいるわ
愛しているわと告げたげる
あなたが眠ったその隙に
耳元でそっと囁くの
眠れない夜には
少し強いお酒を飲んで
あなたのことを忘れましょう
月はいつでも私のもの
零れた雫が氷と揺れて
子守唄を奏でるから
身体の中に酔いが満ちて
世界の中に宵が満ちたら
目を閉じて忘れましょう
朝が来てしまうまでは
夜はいつでも私のもの
涙も全て包んでいくから
持って行きようのない感情を
持て余していたくないの
誰かにぶつけたくもなくて
そしてあたしは途方に暮れる
土に埋めてしまえたら
水に流してしまえたら
だけどそんなことも出来ずに
そしてあたしは途方に暮れる
泣きたくなるような気分を
抱えたままでいたくないの
叫びだすことだって出来なくて
そしてあたしは途方に暮れる
そしてあたしは途方に暮れる