いざとなると説明できない
君のクセや好み
なにが得意で
なにが苦手か
いざとなると困ってしまう
君の顔や性格
誰と恋して
なにをしてたか
誰かに言おうとすると
途端に言葉に詰まる
こんなにも知ってるはずなのに
近すぎて難しい
だって言葉にしなくても
なんとなくで分かってるから
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街を歩く若者達は
大きなストラップだ
使っているようで
使われている
いつのまにか
従属している
連絡も
交流も
予定も
財産も
情報も
芸術も
全てがその中に
内包され
全てがそれによって
支配されている
それが全て陰謀だとしたら
街を歩く人々は
大きなストラップは
支配者を失って
半身を失って
いつのまにか
立ち位置を見失う
連絡も
交流も
予定も
財産も
情報も
芸術も
どこかへと消えてしまう
それが全て小さな機械の
逆襲だとしたら
依存するなかれ
それはただの小さな機械だ
(2009-05-26)
真夜中のスイーツみたいに
アタシを誘惑してよ
濃厚な生クリームで
アタシの中を満たしてよ
眠れない夜のお酒みたいに
アタシを陥落してよ
焼け付くほどの強さで
アタシを波に沈めてよ
孤独な夜のメールみたいに
アタシを翻弄してよ
指の先まで震えるくらい
アタシの飢えを感じてよ
(2009-05-25)
ボクの小鳥ちゃんは
気まぐれでワガママで
やきもち焼きで
奔放だ
ボクの小鳥ちゃんは
食欲もおしゃべりも
好奇心だって
旺盛だ
ボクの小鳥ちゃんは
いつだって好きに
飛んできては
飛んでいく
籠の鳥にはならない
可愛い可愛い
ボクの小鳥ちゃん
可憐で優しいお姫様よりも
王子様を待つお嬢様よりも
冒険に出かける少女が好きだった
あの頃からきっと知ってた
幸福は待ってるよりも
掴みに行くものなんだって
走りにくいガラスの靴は要らない
編んで垂らした髪も要らない
欲しいのは明日へと駆けていく足
私たちは籠の鳥ではないけれど
飛んでいかずに過ごしている
あなたたちの平穏を守るため
私たちの平安を願うため
けれど
飛んでいく必要のある鳥を
どうか撃ち殺さないで
ぼろぼろの心を抱えてさ
ずぶぬれの町にいたよ
通り過ぎてく車の中から
声もかけずに見ていたんだ
交わることの出来ない二人は
ただ時折同じ場所で
ほんのわずかにすれ違っては
別々の道を歩くから
本当ならもっと遠くでさ
君のこと忘れてたいんだ
走り去ってく車に乗って
もうずっと離れていたいよ
重なることの出来ない二人は
ただ時折同じ時間に
ほんのかすかに見つけあっては
お互いの道を進むから
ずぶぬれの君の背中に
傘だけでも貸してあげたいけれど
それさえももう出来ない二人
ただ通り過ぎてくだけなんだ
たとえば通り過ぎた時間の中で
やり損ねてきたものたち
たとえば誰かと一緒になって
子を産み育てて送り出すこと
たとえば自分の才を信じて
話を書き上げ託してみること
たとえばケンカのように別れた
誰かに再び会いに行くこと
たとえばあっさり手放したことを
死に物狂いでやること
たとえば通り過ぎた時間の中で
やり残してきたものたち
たとえばそれは今からだって
遅くはないと踏み出すこと
あなたが好きです
そう書かれた小さな紙片
押入れの奥
忘れ去られた手帳の中に
幼い私の胸を焦がした
切ない恋の欠片
捨てられなくてもう一度
手帳に挟んでそっと戻した
(2009-05-20)
危険な橋を渡るのだとすれば
どうすれば良いだろう
今にも崩れそうな足元を無視して
目もくらむような高さも無視して
対岸をただ見つめていれば良いか
ボロボロの手すりに怯え
橋を揺らす風に怯み
足の一歩も踏み出せず立ち竦むか
危険な橋を渡るとすれば
どうするのが良いだろう
己を鼓舞して突き進むか
使命だと言い聞かせて踏み出すか
たいした理由もなかったとしても
行かなくて済む言い訳を考え
行きたくなんかないのだと欺瞞を言うか
それが本心とかけ離れていても
危険な橋がここにある
渡るべきか否か
(2009-05-19)
あなたはあなたに甘いから
正当化するすべを身に付けた
人になする技を手に入れた
あなたはあなたのしたことを
目をそらしては見ないフリ
耳をふさいでしらんぷり
あなたはあなたが好きだから
人の批判を受け流す
しらばっくれて胸を張る
そうして今日ものうのうと
偉そうな顔で生きていく
名前で呼んで
あたしのことを
ヒミツの名前
教えてあげる
あなただけが
呼んでいいわ
優しく呼んで
あたしのことを
可愛い顔で
笑ってみるわ
あなただけに
キスしてあげる
いつでも呼んで
あたしのことを
どこにいたって
飛んでったげる
あなただけを
抱きしめるのよ
誰が悪いとか
誰のせいだとか
そんなことを言わないで
ただ祈ってください
ただ願ってください
この悪夢の終わることを
何が悪いとか
こうしていればとか
そんなことで責めないで
ただ手を貸してください
ただ励ましてください
この地獄が消えるように
次の時代で
生まれ変わっても
また君のそばにいたいな
風になって
雨になって
君の元に
鳥になって
花になって
君の胸に
君を育て
君より生まれ
君とともに
生まれ変わっても
また君のそばにいたいな
誰よりも
君のそばで
君ととわに
身体を駆け巡る熱が
吐息になって空に溶ける
指先に絡まる時間が
無言の中の愛をなぞる
その刹那
私とあなたは一つになる
滴り落ちる月の雫
甘い蜜で背筋を撫でる
重なり合った花の中で
虚空を超えて愛が満ちる
その刹那
私とあなたは永遠を見る
知っているわ
これが幸せな恋ではないこと
知っているわ
これが満たされぬ恋であること
二人はただ
眠るように死んでいく
そんな恋の只中にいた
朽ちた舟で緩やかに漕ぎ出す
誰も届かない水底へ
折れた翼で何処までも堕ちてく
光も射さぬ地の底へ
だから誰も捜さないで
だから二人を連れ戻さないで
二人はただ
この月のない夜だけでも
一緒にいたいだけ
知っているわ
これが幸せな恋ではないこと
知っているわ
これが許されぬ恋であること
だけど今は捜さないで
(2009-05-18)
どこで食べる料理より
あなたの作るご飯が美味しい
ありふれた食材の
ありふれたメニューでも
誰かが首を傾げても
たとえば毒が盛られても
あなたの作るご飯なら
僕は美味しく食べるだろう
何よりのご馳走は
あなたの愛が込められた
あなたへの愛のこもった
あなたの作るご飯なのだから
(2009-05-14)
たまに修行が足りないと思う
そんなときがある
いつもなら受け流す
いつもなら聞き流す
そんな言葉が引っかかるとき
イライラに任せて
吐き出した言葉や
モヤモヤに覆われ
狭まったココロ
ああ修行が足りないなと思う
そんなことがある
いつものように笑え
いつものように落ち着け
そんな言葉を唱えなくては
イライラを飲み込み
吐き出した呼吸に
モヤモヤを拭って
余裕を持つココロ
今はまだ未熟者でいいから
少しずつ修行しよう
感情のままに
誰かを傷付けぬように
たまに思うんだけど
君は一体誰なんだろう
たまに思うんだけど
君の中のあたしは一体誰なんだろう
分からないままでもいいけど
分からないままがいいけど
それでもたまに思うんだ
君の思うあたしの正体は
一体どこの誰なんだろう
それはホントウに
このあたしなのかなって
そこはヒミツの花園
たどり着くには
薔薇の迷路を抜けて
蔦のカーテンを抜けて
庭師の視線を潜り抜けて
そこはヒミツの花園
たどり着くには
棘の垣根を越えて
破れた塀を越えて
恋人の誘惑さえも飛び越えて
咲き誇る花園へようこそ
花の香りとお茶と菓子
古い革表紙の本と揺り椅子
用意して待っているわ
そこはヒミツの花園
たどり着くのは
甘やかな夢を持って
軽やかな肢体を持って
境界を越える力のある女の子だけ
どこへでも行かれる
あたしはあたしのものだから
誰とだっていられる
あたしはあたしのものだから
ただ
今だけは
あなたのものになったフリしてあげる
だってそれが
イヤではないの
だってそこが
居心地いいの
霧の朝は
窓の向こうに
塔が見える
しっとり濡れた
真白い塔が
朝日に光る
広がる霧の森
世界を埋め尽くし
塔だけが覗く
あそこにいるのは
美声の歌姫
暁の夢を歌う
霧が晴れれば
消えてしまう
幻の塔
東の窓のカーテンを
開け放したまま眠る
朝になれば
太陽が瞼をこじ開け
頬にキスをしてくれるから
南の小窓を少し
開け放したまま眠る
夜を渡る
そよ風が髪を撫でては
夢にウィンクしてくれるから
北の窓はそっと
閉ざしたままに眠る
窓の外で
誰かが私を呼ばう声が
聞こえたりしないように
西の扉はそっと
閉ざしたまま眠る
朝が来て
太陽が夢から解き放つまで
眠りの中にいられるように
(2009-05-13)
たくさんのありがとうと
たくさんの大好きを
花束にしてプレゼントする
あなたのくれる愛情には
きっと足りないけれど
あなたのくれる慈しみには
きっと及ばないけど
たくさんのありがとうと
たくさんの大好きを
カタチにして
コトバにして
プレゼントする
見返りを求めない
大きな愛を
ありがとうと
(2009-05-11)
何気なく撮った写真に
君がいた
遠い昔を切り取った
一葉の中に
青空を溶かし込んだ
絵の中に
何のけれんみもない
君の姿
ああこんなところに
君がいた
ただそれだけのことが
嬉しかった
懐かしい写真の中に
君を見た
今も元気でいるかな
あの日と同じ青空に訊く
可愛いよって
大好きだよって
毎日言われ続けたら
可愛いあたしになれるかな
綺麗だねって
愛してるって
毎回言われ続けたら
素直なあたしになれるかな
鏡を見ながら考える
あたしが綺麗で可愛いか
あたしは愛すべき人物か
ちょっと信じたりしてみても
自信を持つには遠いから
可愛いよって
愛してるって
ずっと言い続けてね
素敵なあたしになるために
一日一日積み重ねて
あっという間に消えてった
たくさんの思い出と
楽しい気持ちを残して
明日はいつもの明日
明日はいつものあたし
お休み気分を少し引きずって
いつものあたしに戻るんだ
ありがとうの一言を
あなたに伝えたい
近すぎて言えないことも
近すぎて言い過ぎることも
たくさんあったよ
だけどいつでも
あなたがそこにいてくれたから
一番近くにいてくれた人
見守り叱って励ましてくれた
ありがとうの気持ちを
あなたに伝えたい
いつも
いつでも
君に会いたい
そう言える素直な子なら
君は来てくれたかな
君が好きだよ
そう言える可愛い子なら
君は抱きしめてくれたかな
言わなくても分かってくれる
そんなこともあったけど
寂しいんだよ
そう言えるあたしだったら
君はまだ隣にいたのかな
あなたに手紙を書くことにしました
何を書いていいかも分からぬまま
筆を走らせてみることにしました
元気ですか
どうしてますか
私は変わらず生きてます
青空の下で草を食む
兎のようにのんびりと
困ったときに耳の後ろを掻く
あの癖は今もまだ残ってますか
今でもまだあなたの唇は
苦い煙草の味がしますか
あなたの隣にはもう誰かがいますか
いいえもうあなたの隣に未練はないけれど
あなたは今幸せでしょうか
答えを聞いたとき私は
祝福するのでしょうか
嫉妬するのでしょうか
それも分からないから
答えは必要ありません
あなたに手紙を書いてみました
思いつくままに書いてみました
出すことのない手紙だけれど
(2009-05-08)