穏やかに過ごす日々を
あなたとともに生きられるなら
こんな日の春風みたいに
花咲く日々を過ごせたら
時折吹き荒れる嵐も
あなたとともに立ち向かいながら
こんな日の陽射しみたいに
優しい日々を過ごせたら
まだ寒い夜には
抱きしめあって
うららかな散歩道では
肩寄せ合って
穏やかに過ごす日々を
あなたとともに生きられたなら
こんな日の風景みたいに
美しい日々を過ごせたら
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一緒にいるだけで
幸せになる
そんな人になりたいな
一緒にいるだけで
幸せだと
言って貰えるといいな
あなたの幸せが
私の幸せ
そんな人になりたいな
私の幸せが
あなたを幸せにする
そう言ってもらいたいな
いとおしくてたまらない
幸せ溢れた
そんな人になりたいな
遠い遠い未来に
遠い遠い星から
この星を眺める
いつかの私
そこから
私は見えますか
私は何か
変わりましたか
遠い遠い昔に
遠い遠い場所から
あの空を眺めた
いつかの私
そこから
私に言えますか
私は何かを
変えるのですと
遠い遠い昔や
遠い遠い未来に
思い馳せてる
いつもの私
そこから
私は進めてますか
私はどこへ
歩いてますか
君を驚かせたいな
公園の桜はそう言って
語り始めた
昔此処がまだ
偉い人の屋敷だった頃
お嬢様が身分違いの恋をした
相手はしがない庭師で
二人は人目を避けるように
楠の下で逢ってた
ほらあそこに見える
大きな楠
ある夜二人は決意した
あらゆる全てを捨てていこうと
お嬢様も庭師も手に手を取って
恋の道行き逃避行
二人の恋は成就したけど
あるとき不意に気がついた
一世一代の恋も
一炊の夢だと
生まれ育ったその場所と
違う土壌に根付くのは
なかなかどうして難しい
私もそうさ苦労をしたよ
二人の恋が始まり終わった
此処に来たのはそのあとさ
だから全ては楠の話
よくある恋のお話さ
君は驚くだろうか
公園の桜はそう言って
最後に加えた
私が無事に根付けたのは
たっぷりの栄養を貰ったからさ
恋より愛より確かなものが
この根っこには絡んでる
二人を真に結びつけたのは
結局のところこの私
だから
私の花の色は
恋によく似た濃い桜
(2009-03-31)
消えた数分間の中で
あなたに手紙を書いた
愛を込めて書いた言葉は
ポストの中で
ほどけて消えたのだ
おそらく涙のにじむ速さで
嘆く声音の鳥の空に
あなたに書いた時間が消えた
シュレーディンガーの猫より確かに
便箋の中に
生きていたはずなのに
おそらく胸の鼓動よりも
(2009-03-26)
ケンカしても
相手が好きだと
言える二人でいてよね
ギクシャクしても
壊れたりしないと
言える二人でいてよね
時々子供っぽい
あなたたち二人
笑い合える二人でいてよね
音が聞こえる
遥か遠くから
それは耳鳴りにも似て
それは潮騒にも似て
そして静寂にも似た音
歌が聞こえる
何処か遠くから
それは囀りにも似て
それは葉擦れにも似て
そして安心にも似た歌
どこから聞こえてくるか
それは知らない
何処か遥か遠くから
声が聞こえる
心の遠くから
それは呟きにも似て
それは祈りにも似て
そして鼓動にも似た声
何を囁いているか
それは知らない
自分の心の遠くから
桜が咲く道を
君の家まで歩く
毎日少しずつ
積もっていく恋心のように
花開いていく道を
淡い淡い薄紅の
道をちょっぴり駆け足で
毎日会いに行く
積み重なってく恋心のように
舞い落ちる花道を
桜が咲く道を
君と一緒に歩く
まるで花のような
笑顔を見せてくれる君と
桜の花の下を
満開の桜の下で
眠る
冷たい月明かりの下で
眠る
夜風の慟哭の下で
眠る
朽ち果てた土の下で
眠る
零れた酒の滴りの下で
眠る
あなたの溜め息の下に
眠る
止まった時間の下に
眠る
もう
目覚めない
(2009-03-23)
明日
今日よりもいい日なら
また
きっとあなたに会える
だから
私はそれをずっと信じて
今日も
明日を夢見て眠るのです
(2009-03-18)
地図の上の道
ずっとずっと辿っていったら
君に着いた
指先一つで君を探す
孤独なぼくの
哀しい涙が
どこかの街を濡らしてく
郵便受けを鳴らす
気まぐれな君のアナクロな葉書が
ぼくを笑う
言葉すくなに僕を誘う
自由な君の
弾んだ文字が
どこかの日々を綴ってく
地図の上の街
指先だけで辿っていったら
君に着いた
大きいぼくは
入り込めずに
どこかの君をなぞってく
(2009-03-16)
届かない言葉を
放り投げたまま
戻らないものを
待ち続けている
この身ひとつで
ここにいたまま
帰らないものを
待ち続けている
動き出すことを
恐れているまま
探されることを
待ち望んでいる
開き始めた桜のつぼみ
ほんのりと色づく唇の色
つややかに濡れた朝の花弁が
甘く優しいキスを誘う
太陽が柔らかな陽射しで撫でて
東風がくすぐるように愛を囁く
小鳥たちが啄ばんで恋をねだり
下草が熱いまなざしで見つめる
開き始めた桜のつぼみ
ほんのりと染まった初恋の色
時を刻むのは
時計の音と
あなたの鼓動
夜の中
重なったり遅れたり
二つの音が
耳と肌を通して
伝わった
ただそれだけなのに
そこに私の鼓動を重ねたら
どうしてだろう
こんなにもいとおしく
眠りに就ける
他愛もないお話や
甘い甘いスイーツ
春の衣装の女の子たち
悩み事も心配事も
恋の話も誰かのことも
甘いお菓子を口にしながら
華やかに笑って
楽しくさんざめく
可愛らしい女の子たち
嬉しい事も自慢な事も
ナイショ話も悪い話も
お茶と一緒に飲み干して
可愛い可愛い女の子
ちょっぴり毒をにじませながら
楽しいお茶会で笑いあう
想像して欲しい
私と君が出会わなかったら
きっと今
ここに二人いないでしょう?
どんなに優しい夜明けも
幾つもの愛の歌も
君がいるから
こんなにも嬉しいんだよ
ほんのささやかな一歩が
私と君とを引き合わせたね
それが今
ここに二人いる奇跡
どんなに切ない涙も
幾つものケンカだって
君といるなら
きっと乗り越えられるよね
たくさん話をしよう
思い切り笑ったり
遠慮なくケンカしたり
素直に好きだと言い合ったり
君とするなら
大丈夫な気がするんだ
忙しくすることと
忘れることは似ている
そしてそれは
優しさのかけらの色にも
似ているのだ
(2009-03-12)
ある日その街の住人に
白い台本が配られた
明日から街の皆さんは
シナリオに沿って生きなさい
あくる日全ての住人が
台本片手に動き出す
行の隙間はアドリブで
ハプニングにもアドリブで
八百屋の前では恋が芽生えて
図書館の裏で人が刺された
老婆がいきなりロックをがなり
少年は庭にヒミツを埋めた
目覚めるたびに脚本は変わる
昨日の恋は今日には薄れ
刺された男が報復に走る
庭のヒミツは飼い犬が漁る
なんて混沌
なんてカオス
それでも住人は思ってた
平凡平穏ありきたり
それに較べりゃ楽しい毎日
これはとっても刺激的
ある朝住人が目覚めたら
白い台本は白いまま
何も書かれていないまま
街はたちまち大騒ぎ
なんて混沌
なんてカオス
人任せにした人生が
いきなりぽんと返された
途端に途方に暮れて言う
今日から一体どうすれば
平凡平穏ありきたり
どこにでもある日常を
もはやどこかに置き忘れ
アドリブさえも効かぬまま
なんて混沌
なんてカオス
ホントは戻っただけなのに
元に戻っただけなのに
その日その街の住人は
何も出来ずに佇んだ
(2009-03-09)
こんなとき
あなたに会いたくなるよ
どうして
ここに
あなたはいないんだろう
こんなとき
あなたを抱きしめたいよ
どうして
ここに
あなたはいないんだろう
ねえ
どうして
ここに
あなたはいないの
会いたいのに
携帯電話が鳴って切れる
履歴に残った名前が画面にほどける
押そうとしたボタンはいつしか
押せば砕けるガラスに変わる
もうこれで君にはかけられない
携帯電話が鳴って切れる
流れていた音楽が不協和音を奏でた
出ようとした指先はいつか
冷えて凍えた氷に変わる
もうこれで身動きはとれやしない
携帯電話が鳴って切れる
ほんのわずかの些細な出来事
君の思い出がアドレスごと消えて
意味を成さない記号に変わる
もうこれで僕は君を探せない
触れられたところから
幸せになる気がするの
気のせいかもしれなくても
触れられたところから
愛が広がる気がするの
気のせいに過ぎなくても
だから
もっと触れて
感じさせて
幸せの予感を
もっと触れて
信じさせて
愛の形を
奥の奥まで
ばたばたして
飛んでいくような
あわただしい時間でした
ほら
あの空を飛んでいる
気付いたら
隠れてしまっていた
あっという間の時間でした
ほら
あの星と流れていく
それでそう
こんな時間になったんです
君は時々
違う国の人みたいだ
言葉も文化も習慣も違う
どこか違う国の人みたいだ
それどころか時々
違う国にいるみたいだ
景色も気候も時刻も違う
どこか違う場所にいるみたいだ
戻っといでよ
ここに
戻ってきてよ
ここに
ボクは時々
まるで異邦人みたいだ
身振り手振りを交えながら
君と会話や交流を試みる
そんな風に時々
不思議な気分にとらわれる
苦労したり楽しんだりしながら
君に愛を伝えてるんだ
君に会いに行くよ
そこに
君に愛を言うよ
そこで
あたしがたくさんの男たちを
手玉にとっていた頃
世界はちょろいものだと思っていた
今はもう言えないような我儘を
女王様の託宣のように口にして
意のままに操った気分でいた
仕留めた獲物をいたぶるような仕草で
男を惑わせていた頃
恋愛はちょろいものだと思っていた
あの頃のあたし
(2009-03-05)
明日になれば恋をする
そんな予感のした日から
もう何年も日は過ぎて
ひとり寝る夜の恋の夢
待てど暮らせど来ぬ人を
待ちくたびれた老嬢の
こぼした溜め息ひとひらの
紙片に浮かんだ恋の歌
そこに吹き込む一陣の
風に揺られて鳥になる
空に羽ばたく行く鳥の
切なく響く恋の唄
零れて馨る花びらの
蜜を飲み干し鳥は啼く
探し当てたる待ち人の
掌の上で詩歌となる
風よりも疾く駆け抜けて
老嬢の元へ辿り着く
今その時に始まった
恋はもうはや間に合わぬ
枯れて乾いた唇に
冷たき涙の接吻を
とこしえに眠るかの人の
耳元で歌う愛の歌
明日になれば恋をする
そんな予感はとうに無く
ただ目覚めては遠い日の
愛を鳥音に想うだけ
(2009-03-02)
雨音にかき消されて
悪夢の近寄る気配が見えない
滴り落ちる水音は
闇の中で粘度を増すようで
カーテン越し確かめようと
覗くことも出来ないまま
暗闇に紛れ込んで
悪夢の近付く予感が聞こえない
打ち鳴らされる秒針が
早まる鼓動を押さえつけて
閉じた瞼越し感じる気配を
確かめることも出来ないまま
朝は本当に来るのだろうか
二択ならいいのに
悩まなくて済むのに
好きと嫌い
それだけならいいのに
中途半端でぐらぐら
悩みながらゆらゆら
好きと嫌い
嫌いではないけれど
二択ならいいのに
それなら選べるのに
好きと嫌い
それなら好きと言えるのに
曖昧ラインでふらふら
決められずにいらいら
好きと嫌い
私の心はどこなの
明日が見通せたら
私と君はどうなってるかな
繋いだ手は
絡めた指は
交わす視線は
明日どうなってるのかな
明日が見通せないから
私と君はどうなるか分からない
ただ
繋いだ手や
絡めた指や
交わす視線が
離れていかない日だといいな
私は全てを怖がっていた
絶望も悲しみも
希望や喜びも
私は全てを怖がっていた
明日への道筋も
愛情の予感も
手にしたものはいつか
壊れて消えるのだと
怯えて隠れていた
私は全てを怖がっていた
手にした途端に
幻になるのだと
私は全てを怖がっていた
口にした途端に
魔法は解けるのだと
信じたいものはいつか
崩れて溶けるのだと
怯えて逃げ続けた
私は全てを怖がっている
今も
アルバムの中に詰まった十年間は
とても濃厚な空気をまとったまま
時を止めている
今よりも若い私は
今よりもふくよかで
今よりも野暮ったい
今よりも幼い私は
いくつもの恋を経て
いくつかの傷を得た
アルバムの中に詰まった十年間は
とても濃密な時間を抱いたまま
過去を留めている
今よりもめまぐるしい日々
今よりも輝いてた日々
今よりも溌剌と
今よりも濃い毎日は
いくつかの失敗も経て
今の私になった
アルバムの中に詰まった十年間
気恥ずかしくて懐かしい
凝縮された時間を
またそっと棚に戻した