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たとえば君が
次に生まれるとき
女でも男でも
ぼくは君に恋するだろう

たとえば君が
空を飛ぶ鳥なら
危険なときには君を守る
扉のない鳥かごになろう

たとえば君が
朝にかかる虹なら
強い陽射しに消えていっても
瞼の裏に焼き付けておこう

たとえば君が
昨日に置いて来た夢なら
今宵眠りに着くまでずっと
その欠片を探し当てよう

たとえば君が
眠り続ける姫ならば
その耳元で愛を囁き
ぼくもまた傍らで眠ろう

たとえば君が
一輪の小さな花なら
散った花びらを飲み干して
君の最期を見届けよう

たとえば君が
今ここにいないとしても
いつでもどんなときも
ぼくは君に恋するだろう


(2009-02-26)
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2010.02.28 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
閉ざされた扉の向こう側に
置いてけぼりにされた小さな私
泣いていたとしてももはや
その声は届かない

聳え立つ瓦礫の向こう側に
取り残されたままの孤独な私
絶望に沈んだ瞳はとうに
伏せられたままで交わらない

心細さの中に立ち竦んだままの
怯えるだけの少女は今でも
どこかできっと泣いている
どこかできっと傷ついている

捨てられた心の向こう側で
置き去りにされてしまった幼い私
彼女は今も泣いてるだろうか
彼女は今も傷ついたままだろうか

それをもはや今の私は知る術もなく
風の音に幻聴を聴く
夜の帳に幻覚を視る


(2009-02-24)
2010.02.27 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
僕たちの旅は
とても遠くまで
とても近くだけ
丘の上から見える
ほんの小さな町と
そこから先に広がる空の
そのまた向こう
光る海岸沿いを
横切っていく線路に沿って

僕たちの旅は
とても果てしなく
とても短くて
朝日が顔を見せる
ほんのわずかの瞬間と
何億光年の星の
そのまた先と
光る銀河の中を
横切っていく彗星に乗って

僕たちの旅は
どこまでも
いつまでも
地図や天球儀の上を
2010.02.26 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
雨の音
沈丁花の匂い
静かに溶け出して
夜はひそやかに

温む雨
涙にも似た温度
優しく溶け合って
夜は甘やかに

夢の中
染み渡る雨音
じんわり交わって
夜は軽やかに
2010.02.25 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
過去にしがみついて楽しい?
どんな素敵な過去も
どんな綺麗な昔も
それはもう戻らないよ

過去に縋りついてれば楽?
どんな素敵な恋も
どんな立派な履歴も
それはもう過去のものだよ

そんなこと分かってる
そう言いながら
昔は良かった
過去を越えられない
そう言って今を拒んでる

過去に固執するの楽しい?
どんなに願ったって
どんなに祈ったって
そこにはもう戻れないよ
それはもう変えられないよ

諦めて踏み出せよ

過去があって今があるって

どんな素敵な過去も
どんな綺麗な昔も
未来には敵わないって
これから変えていこうよ
2010.02.24 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
どっちつかずの自分に
胸の中の声が問う
どうしたいの
どこへ行くの

答えられないと知りながら
その声は消えない

どっちつかずの自分を
頭の中の声が責める
なにしてるの
なにがしたいの

答えは出ないと知りながら
その声は止まない

答えがどこかにあるのなら
答えを確信できるなら

どっちつかずの自分は消えて
一歩進めることだろうに

声は消えない
ずっとずっと

どうしたいの
どこに行くの

なにしてるの
なにをしたいの
2010.02.23 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたのことを考えて摘んだ花
甘く香って髪を飾る
淡く色づき指を染める

あなたのことを想って摘んだ花
愛を歌って風に揺れる
新しい日の夢に匂う

あなたのことを考えて摘んだ花
あたしの想いで咲いた花
2010.02.22 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
苦しいんです
夜も眠れないほど
彼が私に侵食してくる

切ないんです
息も出来ないほどに
彼が私を追い詰めてくる

これは恋というものですか


消せないんです
振り払っても振り払っても
彼の気配が

もどかしいんです
熱に浮かされて彷徨い歩く
夢にも彼が

これは恋というものですか


いいえ違うのです

けして恋ではありません

けして風邪でもありません


哀しいんです
百花繚乱花の季節に
彼は私を閉じ込めていく

これは花粉症というのです


(2009-02-20)
2010.02.21 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
初めてのデートは
あなたから誘ってね
ぎこちなくていいから
私のこと考えて

完全は求めないわ
でもあなたから誘って
万全じゃなくていいから
プランニングしてね

草食的消極さで
あなたを言い表せても
最初くらいイニシアチブは取ってね
私は草原の花にはならない

男の子が思うより
女の子は純情でしたたか
花冠のその下で
鋭い爪を潜めてるの

初めてのデートは
あなたから誘ってね
強くなくていいから
少しは私を騙してね

草食的消極さで
あなたが怖気づくなら
私はもっと魅力的な獲物を
探すために狩りに出るわ

だから

初めてのデートくらい
あなたから誘って

花にするか
豹にするか

あなたに決めさせてあげる


(2009-02-19)
2010.02.20 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
美味しいものを食べたり
綺麗なものを見たり
君にも教えたいよ

いつか一緒に行こうよって

誘うから
2010.02.19 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
その病を治すのは
あなたにしか出来ません

自分をとても愛しすぎ
悲劇のヒロインを演じてしまう
世界の全てを敵にして
自分を憐れみ目を瞑る

誰より自分が不幸だと
悲劇のシナリオを作ってしまう
世界にアピール振りまいて
私を愛せと訴える

自分のことしか見えなくて
慰めも同情も要らないと言い
頑ななまでに突っぱねて
そのくせ不幸を見せ付ける

ちっとも不幸じゃないくせに
見方ひとつで変わるというのに
悲しい自分に酔いしれて
優しい不幸に身を委ねてる

その病を治すのは
あなた自身にしか出来ません
2010.02.18 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
褒められるのは嬉しいけど
褒められすぎると否定したくなるの

いい人だねって言われたり
頑張ってるよねって言われたり
綺麗だよ、可愛いよって言われたり

褒められると嬉しいけれど
違うんだよって言いたくなるの

いい人に見せてるだけだよ
頑張ってなんかないよ
もっと綺麗で可愛い人ばかりだよ

褒められると困っちゃうのに
褒められないのも悲しくなるの

いい人だねって言われたいの
頑張ってるねって言われたいの
綺麗だね、可愛いねって言われたいの

言われたいのに
言われたら困ってしまう

どうしたらいいのかな
2010.02.17 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
旅行カバンひとつ
少しの着替えと文庫本を入れて
リズミカルに走ってく
電車に乗って旅に出る
通り過ぎる町並みに
いつか夢で見た世界を探しながら

行き先のない切符一枚
少しの希望と文庫本を持って
眠るように走ってく
電車に乗って旅に出る
過ぎ去っていく海原に
いつか夢で聞いた言葉を捜しながら

どこまでも
どこまでも

一人きり

旅行カバンひとつ持って
2010.02.16 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
子どもみたいに泣く
大声上げながら泣く
顔真っ赤にして泣く

そんなふうにして泣くことは
もうきっと出来なくても

泣きたいときに泣く

そんな場所があればいい

ただ静かに泣く
はらはらと泣く
声を殺して泣く

そんなふうにして泣くことは
多分きっと苦しくても

泣きたいときに泣く

そんな場所があるといい

2010.02.15 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
とろけるように甘い甘い
恋の味を召し上がれ
こっくりとっくり濃厚な
甘い想いを召し上がれ

スイートチョコの甘さに包む
ときめくような胸の鼓動も

ビターなチョコの陰に隠した
少しほろ苦い涙の味も

どうぞたくさん召し上がれ

胸焼けしそうに甘い甘い
恋の味を召し上がれ
毒にも罠にも気付かないほど
甘くするから召し上がれ
2010.02.14 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
それを食べなくても
あたしは死なないけど
食べたほうがカラダにはいい

一人きりで食べても
あたしは死なないけど
誰かと一緒のほうがココロにはいい

そんなものを食べても
あたしは生きてけるけど
きちんとした食事が本当はいい

好き嫌いを減らして
たとえばあなたと一緒に
作りたての料理を食べたい


(2009-02-16)
2010.02.13 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
好きだと言われたり

可愛いと抱きしめられたり

そんなこともたまにはいい

恋にはまだ遠くても
2010.02.12 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
眠れないよ
布団の中
目を閉じて
遠い夜汽車の音を聞いてる
何を載せて
どこへ行くの
誰を乗せて
どこに行くの

眠れないよ
ぬくもりの中
くるまって
遠い夜空の音を聞いてる
星は光り
どこへ行くの
風は笑い
どこに行くの

眠れないよ
暗がりの中
遠い夜明けの音を待ってる
夢を誘い
どこへ行くの
瞳閉じて
夢の中へ


(2009-02-10)
2010.02.11 Thu l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
そうして気付いたら一人
夢の中にいる
目覚めるには遠すぎる
夜明けの扉

君に告げた言葉が
空回りして空に羽ばたく
零れ落ちる甘い雨は
隠しそこねていた涙
戻れない場所があれば
今すぐにでも駆けていくのに
分かっていた
どこを見ても
夢の中にさえ君はいない

それならばいっそ
存在自体忘れてしまえたら
降り注いでくる虹の欠片
集めて花束にした星屑
優しすぎる場所の中で
今すぐにでも笑えたのに
分かっていた
どこを見ても
夢の中にまで君の面影

そうして気付いたら一人
夢の外にいる
行き着くには遠すぎた
永遠の手前で


2010.02.10 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
暑いんだか
寒いんだか

空腹なんだか
満腹なんだか

誰かといたいんだか
一人でいたいんだか

泣きたいんだか
笑いたいんだか

痛いんだか
平気なんだか

自分でも分からないのに

あなたに答えを求めるなんて

甘えなんだか
馬鹿なんだか
2010.02.09 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
初手を間違うと
難しくなるんだ
勝つことがじゃない
綺麗に終わることが

だからボクは今
こんなに疲れて
こんなに虚しい

いい人であろうとか
美しくあろうとか
そういうことなんだ
綺麗に終わることは

だからボクは今
失敗を悔やんで
こんなに空しい

どうせ不毛な試合
どうだっていいけど

初手を間違って
消耗してしまった
勝つことにじゃない
綺麗に終われなかったから
2010.02.08 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
年上の彼女はいつも
微笑んだままで
眠っている

目覚めた彼女に問えば
シアワセなのよと
そう言って笑う

いくつもの日々を
たくさん泣いて
たくさん怒ったから
もうあとは
笑うだけなの

これからの日々を
たくさんの人と
たくさんの愛で
過ごせるから
嬉しいのよ

年上の彼女はいつも
微笑んだままで
そう答える

だから最後は
あなたも笑って
みんなで笑って
シアワセなのよ
そう言って笑う

お別れするのは
哀しいだなんて
苦しいだなんて
陳腐な言葉で
見送らないでね

年上の彼女はそして
微笑んだままで
眠っていた


(2009-02-05)
2010.02.07 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたのこと
ずっと見てたから
あの子に恋したこと
すぐに分かった

分かってる
ずっと隣にいたから
あなたが悩んでること
すぐに感じた

違う恋をしてしまった二人
きっと離れていく
あなたの幸せを願っているけど
今はまだこの手を離せない


どうしよう
板ばさみのまま
あなたに恋したこと
知りたくなかった

あの子のこと
嫌いだったら良かった
あなたが苦しくても
邪魔できたのに

別の恋を始めてしまった二人
こころ離れていく
指も腕も胸も全部繋げても
目線は噛み合わないのね


さよならを言うのならば
せめて私から言わせて
あなたの恋に気付いたことを
あなたに知らせたくないから

同じ恋をしていたはずの二人
今は離れていく
もう戻れないことは知っているから
今夜だけはそばにいて


(2009-02-04)
2010.02.06 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
強要しないで
私の気持ちは
あなたのものじゃない

共用しないで
私の気持ちは
あなたのものじゃない

あなたが私を好きでも
私があなたを好きでも

強制しないで
私の気持ちは
あなたのものじゃない

矯正しないで
私の気持ちは
あなたのものじゃない

あなたのものじゃないのよ
2010.02.05 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
嫌いって言うよりも
苦手って言ってよ
拒絶の柔らかさが違う気がするの

食べるものひとつ取っても
人の食べるものじゃないなんて言わないで
自分が嫌いだからって他人を見下さないで

歌う歌ひとつ取っても
気が知れないだなんて笑い飛ばさないで
自分に合わないからって他人を貶さないで

嫌いって言うよりも
それもありだって言ってよ
離れててもいいから切り捨てないで
2010.02.04 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
折れた爪の先に引っかかった言葉
声にならないまま死んでいく
いっそ零れ落ちてしまえばいいものを
しぶとくしがみついたままで

振り落とそうとしても
剥がそうとしても
折れた爪のささくれに引っかかって

いつまでもそこにあるから
邪魔で目障りでしょうがない

折れた爪の先に引っかかった言葉
声にならないまま残ってる
いっそ切り落としてしまえばいいのだと
爪きりで切ってしまった
2010.02.03 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
それ牽制のつもりなの?
分かりやすくて笑っちゃうわ
人のいい振りをして
有難がってる顔をして
あなた
どこまでも女なのね

それ交戦の構えなの?
いかにも過ぎて呆れちゃうわ
謙遜してる振りをして
私のことを貶める
あなた
どこまでも女なのね

戦う理由はないけれど
そんなつもりなら
相手になるわ
2010.02.02 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
星を見に行こうと君が言った
空を雲が覆う真夜中に
流れる星を捕まえようと君が言った
闇が世界を覆う終末に

そんなものはどこにもないと
もはや見える世界じゃないと
君も僕も知っていたけど

間違いを正しに行こうと君が言った
雨で町が朽ちる真夜中に
哀しみを晴らそうと君が言った
灰が雪に見える終末に

そんなことは容易じゃないと
もはや戻る世界じゃないと
君も僕も知っているけど

それでも世界の全てをまだ知らない
明ける夜のある真夜中も
だから見に行こうと君は言った
終末の終わる明日のことを


2010.02.01 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top