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見ろ
俺が死んでいく

歩き続けた靴底のように
じわじわと磨り減りながら

投げ捨てられたタバコのように
息絶えつつも気炎を吐いて

見ろ
俺が死んでいく

乱獲されたリョコウバトのように
骨の髄まで貪られながら

南の島のジョージのように
孤独の中に放り込まれて

見ろ
俺が死んでいる

雨に打たれて朽ちて蕩けて
いつか形を失っていって

死んだ躯も虫に食われて
いつか芽を出し花が咲いても

見ろ
俺が死んでいる

死んで花実が咲くものか


(2009-01-29)
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2010.01.31 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
年越詩祭に参加しています。
その一年で創った作品から一点選んで掲載してもらうという形の祭りです。
選ぶのにまず悩みました(笑)


遅ればせながら、URLを貼っておきますので、よろしければ見に行ってください。
一月末まで存在している期間限定のお祭りです。

たくさんの詩人の作品に出逢えます。

『年越詩祭』


感想などコメントをいただけると幸いです。
2010.01.31 Sun l 瞑想迷走 l コメント (1) トラックバック (0) l top
他の誰が見ていなくても
他の誰も知らなくても

あなたが見ている
あなたが知っている

見て見ぬ振りをしたとしても
素知らぬ顔をしたとしても

天は見ている

そこに誰かがいてもいなくても
世界はそれを知っている

自分に胸を張れるかどうか

その判断を下せるものは
あなただ

あなたが見ている
あなたが知っている

あなたの行為を
あなたの言葉を


(2009-01-27)
2010.01.30 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
甘い甘いマカロンの
雲が崩れてく
君は一人橋の上で
流れる水を見てた

本当に欲しいものは
甘すぎたりしないの

どこかで買えるような
煌びやかさもないの

ただ
そこに
あなたがいればいいだけで


ミント味の飴の風
蜂蜜の太陽
君は一人傘を閉じて
ゆっくり歩いてる

本当が見えることは
甘すぎたりしなくて

どこへも行けるほどの
自由には遠すぎた

ただ
あなたを
やみくもに愛してた


戻れないのは
あの日見ていた空じゃない

君が見下ろす川の流れよりも
時間が過ぎる速さが
二人を押し流した
2010.01.29 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
行き先のない切符を買って乗り込んだ電車
無表情の駅員が僕を見送る
海沿いを走る線路の上で
リズミカルに眠たげに揺れる
窓に映っている景色の中で
自分を探しに行くんですかと
揶揄するように潮騒越しの僕が笑う

愛なんて言葉は不確かに過ぎなかったし
束縛と自由の狭間でがんじがらめ
世界はひとつに収まりきらずに
空中分解しそうな僕だった
途方に暮れて広げた地図さえ
いっそ焼き捨てておしまいなさいと
背後から覗き込んだ車掌が笑う

行き先も決めずにどこへ行くのと
弁当売りの少女が訊くのへ
自分探しさとはさすがに言えずに
笑いを濁して酒を買い込み
浮きつ沈みつの太陽に照らされる
多分きっとなるようになるさと
ほろ酔い加減の僕らも笑う
2010.01.28 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
夕暮れ時の帰り道
ふと見つけた満開の梅
いつも通ってた道なのに
思いがけない宝物のように
まだ冷たい風の中に香る

淡く黄金色に光る夕日が
近づく夜の濃淡に映えて
白くけぶる花びらに光る

いつの間に咲いていたのか
気持ちに余裕がなかった日々を知る

夕暮れ時の帰り道
ふと気づいた満開の梅
通い慣れてた道なのに
思いがけない幸福のように
まだ寂しい夜の中に香る
2010.01.27 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君の特別になりたかったの
今更な笑い話だけれど
君の特別でいたかったの
今ではもう笑うしかないけど

タイミングだよって言ってみた
訳知り顔の君はもう
特別な誰かを見つけたの

惜しいことしたと茶化してた
お調子者の顔しても
君はもう遠すぎるのね

君の特別になりたかったの
今更な告白だけれども
君の特別でいたかったの
今でもまだそう思ってるけれど
2010.01.26 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
すべてのスイッチをオンにして
世界のすべてを受け止める

どんな笑顔も泣き顔も
世界のすべてのカタチなら

取りこぼしたくないんだ
取りそこねたくないんだ

すべてのスイッチをオンにして
あなたのすべてを受け入れる
2010.01.25 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君の眠る場所を
ただ通り過ぎていく
ぼくは夢の旅人
君の胸の中に住む

その曲がり角の先を
ただ通り過ぎていく
君の夢の街角
追いかけてきておくれ

君の紡ぐ世界を
ただ通り過ぎていく
ぼくは夢の唄人
君を待ちわびて歌う

今宵の眠りの中
ただ通り過ぎていく
君の夢とぼくとが
ほんの少し重なる

今夜夢の中で
君と会えるのなら
ぼくは夢の恋人
目覚めまでをともに


(2009-01-21)
2010.01.24 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
分からないんだ
あなたたちの信じているものが
あなたたちが譲れないものが

それは人を押しのけてでも
欲しいものなのだろうか

それは屍を生み出してでも
守りたいものなのだろうか

見たことのない人たちだから
行ったことのない町並みだから
壊しても痛くないのだろうか

そうまでして勝ち取った勝利の背後に
刻まれた銃痕は
そこまでしてもぎ取った正義の瞳に
飛び込んだ残骸は

あなたたちに何を齎すのだろうか

昨日までそこで笑っていたはずの子供たちを
さっきまでそこにあったはずの日常を
略奪し蹂躙して

あなたたちは何を悼むのだろうか

分からないんだ
平和ボケしてるからだと言われても

ただひとつ

それはきっと正しくないのだとしか


(2009-01-15)
2010.01.23 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
空にちりばめられた星も
眠りに就きかけた薄雲も
飛ばされてしまうような風の夜

君に伝えようとした言葉さえも
数百キロの彼方に飛んだ

髪をなぶられながら振り返る君が
言いかけた言葉を捕まえようと首を傾げたけど

僕の手を離れた言葉はもう
僕にさえも届かないので
代わりに笑って手を振った

遠くで香る春の兆しが
君の髪を掠めていくのを
一歩後ろから見つめて歩くよ





2010.01.22 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
きっといつかはいなくなる
それが今日でないことを祈る
明日などでないことを願う

一年後も十年後も
ここにこうしていることを
せめて少しでも祈りたい

変わらないものなんてないと
変わりゆくものなのだと知っていても

それでも続いていることを
それでも続いていくことを
せめて少しでも信じたい


2010.01.21 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
耐熱ガラスになりたい
透明に輝いて
華奢なように見せながら

耐熱ガラスになりたい
どんなものだって
受け入れられる強さを持つ

耐熱ガラスになりたい
美しいほどの
笑みを湛えて

耐熱ガラスになりたい
どれほどの熱さも
涼しい顔をしたままの

耐熱ガラスになりたい

落としたら割れるけど
2010.01.20 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君がくれる気遣いの言葉
ありがたいよ
本当に

でも

君がくれる気遣いの言葉に
ボクの気疲れの原因を
君がもたらした
なんて想像は

これっぽっちも
入ってないんだ
2010.01.19 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
凍えた指先をあたためる
熱いココアの湯気に
あなたの微笑みを見た
甘い記憶は
舌を滑って
胸を焼く

ねじれた悲しみを蕩かせる
甘いココアの味に
あなたの想い出を見た
ほろ苦い約束は
口で香って
胸で咲く

夜更けのココアに
あなたの面影を見た
甘くほろ苦くそして熱い
あなたとの恋を見た


(2009-01-14)
2010.01.17 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
落ち着け
自分に言い聞かせる
大丈夫
何度も呟いてみる

この世界は捨てたものじゃないと
人間も捨てたものじゃないと

時折陥ってしまう不信感から
時々嵌り込んでしまう不安感から
抜け出すために
言い聞かせるんだ

頑張れ
自分に言い聞かせる
めげるな
何度も呟いてみる

この世界は悪いことばかりじゃないと
人間は成長できるんだと

芽吹いた種が
いつか大樹になるように

一滴の涙が
いつか雲を生み出すように

あせらずに
自分に言い聞かせる
大丈夫
何度だって呟いてみる


(2009-01-07)
2010.01.16 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君はもうそこにいるの?
気配を感じさせてる
君はもうここにいるの?
兆しが見え始めてる

君の差し伸べた手が
もしかしたらすぐそばに

君が吹きかける息吹が
もしかしたらすぐそこに
2010.01.15 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
晴れ渡る寒空を
静かに横切る鯨を見つけ
追いかけた少年の後ろ姿
耳を真っ赤にさせながら
白い息を吐きながら
ただ天を見上げて駆けていく

冬の日差しを浴びて輝く
大きな魚にも似た飛行船
追いかける少年の輝く笑顔
頬を真っ赤にさせながら
黒い瞳を見開いて
ただ前を見ながら駆けていく

羨ましいほど眩しいのは
微笑ましいほど自由なのは
空を行く船なのか
翔けていく少年か
2010.01.14 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
優しさなんて欲しくない
欲しかったのは確実なもの

半分なんかじゃ足りないくらい
欲しかったのは堅実な効き目

僕の痛みを和らげる呪文
君のつらさを消し去る魔法

そんなものがあるなら良いのに

それともやっぱり
それも優しさで出来てるのかな
2010.01.13 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
素直に泣けたらいいのに
だって誰も分かってくれない
無理やり作った笑顔なんてこと

強いんだなんて言われたり
一人で生きていけるなんて言われたり
だけどそれを笑って受ける

知ってるよって言われたり
我慢しなくて良いよって抱きしめられたり
ホントはどこかで待っている

でもこれが
今の私の選んだ方法

素直に泣けたらいいのに
だけどきっと泣いたりできない
無理やりにだって笑ってみせる

泣くのは一人になってから
2010.01.12 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
生きていくマニュアルがあれば
もしかしたらとても楽なんだろうか
出された問題なんてどれも
答えが決まっているものだろうか
どんなに分厚かったとしても
どんなに難解だったとしても
そこに正しい答えがあるなら
必死になってめくってみるのに

生きていくマニュアルがあれば
もしかしたらとても苦しいだろうか
どんな状況であっても
出すべき答えが決められているのだから
どんなに薄っぺらだったとしても
どんなに簡潔だったとしても
そこに正しい答えがあっても
そんなものに縛られたいだろうか

どっちにしろ

人生にマニュアルなんてものはないのだけれど


2010.01.11 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたのこと
誰よりも好きだと
ずっと思っていた

あなたのこと
好きでいつづければ
きっと通じると

なのにどうして
あなたの横には
私がいないんだろう

彼女よりも
もっとずっと早く
知っていたのに

彼女よりも
もっとずっと強く
想っていたのに

なのにどうして
あなたと笑うのは
私じゃないんだろう

あなたのこと
誰よりも好きだと
ずっと信じていて

ただあなたの
幸せな未来を
願っているのに

なのにどうして
私はあなたを
忘れられないんだろう


なのにどうして
私はあなたを
壊したくなるんだろう


(2009-01-06)
2010.01.10 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
花にうづもれて眠る君の瞼に雪が降る
残照が遠くで熾き火のやうにちらつきて消ゆる

暖めてやらうかと問へば
ぽつかりと眼を開き
融けて仕舞ひますと微笑ふ
それでは抱けんぢやないかと云ふと
雪の華が融けて潤んだ瞳で囁く

貴方も凍えて仕舞へば良いぢやないですか

それもさうかと思つて凩を抱いた
血潮の凍る音がした

花にうづもれて眠る二人の瞼に雪が降る
氷月が遠くで幻燈のやうに惑はせて光る


(2009/01/05)
2010.01.09 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
共存の方法を考えるように
和平の方向を見据えるように
生きていければいいのに

どんな者も
どんなモノも
2010.01.08 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
とてつもなく大きなものが
僕の後ろに立っている
振り返るのが怖くて僕は
その正体を確かめられない

気づかない振りはもう出来ないし
この瞬間にも呼びかけてきそうで
どうしていいか立ちすくんだまま
僕はどうにも確かめられない

のしかかってくるプレッシャーや
押しつぶしそうな恐怖感に
負けてしまいそうで倒れたいけど
斃れてしまえばおしまいだから

とてつもなく大きいものが
僕の後ろに立っている
振り返ったところで僕は
きっと大きさで見極められない

それで僕は路頭に迷って
自分さえもだまし続けて
よたつくように歩きながら
大きなものから目をそらすんだ



2010.01.07 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
立ち位置に迷った独楽がくるくると回る
糸の切れてしまった凧がふらふらと迷う
小鳥に啄ばまれた羽子板の羽がよろよろと舞う

冬枯れの庭の広い空にくるりくるりと明日が飛んで

それも悪くないかと焚き火に当たれば
煙とともに昨日が消えた
2010.01.06 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君の蒔いた種が
花を咲かせるころに
きっとまた帰ってくるよ
甘く香る蜜に誘われ
きっとまた戻ってくるよ

だからごめん
今は僕を行かせておくれ

代わりに僕は鳥を
胸に抱いて持って行く
そっと君に向けて飛ばすよ
高く青い空を翔け抜け
君の元へ歌を送るよ

だからそっと
今は僕を行かせておくれ
2010.01.05 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
耳が鳴って
流れ落ちる音がする
すべての血潮が
どこかへ失われたみたいに

氷のような指と
温度の消えた顔と
定まらない世界

たまにある
そんな世界
2010.01.04 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
明日が来るのが待ち遠しかったのは
いったい幾つまでだったろう

始まる合図に終わりの予感を
感じ始めたのはいつだったのか

最後が来るものならばいっそ
最初がなければいいのだと
いったいいつから諦めたのだろう

過ぎていく時間ばかりを追い続けて
後ろ歩きで歩いていくような
そんな姿勢はいつからだろう

向かい風に向かって歩け
たとえ一歩も進めなくても
風を受けて顔を上げろ
流す涙を吹き飛ばしながら
2010.01.03 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
新しい日の朝日が差して
私の世界を明るくする
満ち足りた空気の中で
大きく深呼吸をする

新しい世界の風に吹かれ
私の髪が舞い上げられる
清められた朝の空気に
やさしく抱かれてみる

新しい年の初めに
2010.01.01 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top