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僕の言葉が君に作用する
君の力が僕に作用する
僕らの歩みが誰かに作用する
誰かの微笑みが僕らに作用する

君の手のひらと僕の手のひら
打ち鳴らしたこちらとあちらで
広がっていくような拍手の嵐
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2009.11.30 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
会ったことのない
あなたが思い描く
アタシの像は
アタシじゃないよ
アタシはもっと
あけすけで
アタシはきっと
慌てんぼうだよ

会ったことのない
あなたが思う
アタシの顔は
アタシじゃないよ
アタシはもっと
ありふれた顔で
アタシはきっと
落胆させるよ


2009.11.29 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ひとしずく垂らした
とわの時間のその欠片
はにかんでキスをした

いとしさのささやきが
まぶたの上に降りてくる
もうすぐここに夢が降る
ヒミツの鍵を携えて
とうめいの天使が
リモーネ色の月を従え
だきしめた愛を配るだろう

けいけんな朝が来るまでは
どこへも行かずに目を閉じて
この世界が廻るのを感じながら
よるのとばりに包まれよう
いそがないでゆっくりと

ハッシャバイ
こもりうたを歌ってあげる
こどくさえも歌の向こうに
へいきな振りも要らないくらい

おやすみなさい
いい夢を
できれば二人で同じ夢を


(2008/11/26)
2009.11.28 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
悩んでみたって
結局は同じこと
いつの間にか始まってる
恋のように
それはいつだって突然で
回避できないんだから

悩んでみたって
結局は変わらない
悪いことではないけれど
時はいつも
前に進んでいくばかりだから
悩む暇がもったいない

それならいっそ
歩きながら考えよう
それならもっと
笑いながら考えよう

悩みの行き着く先なんて
結局は同じ場所
2009.11.27 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
料理が得意じゃない君が
一生懸命作ったごはん
美味しかったよ
ホントだよ
君が作るから美味しいんだよ

でも
今度は一緒につくろうね
2009.11.26 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
追いかけてくるのは時間の足音
気付けばそこに明日が見える
道を作らなきゃその先は
転がり落ちる崖の下
落ちていってもいいけれど
何も形に残せない
締め切りなんかを決めないと
気付けば明日に流される
2009.11.25 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君が大人になったとき
あの星はもうないかもしれない
三つ並んだオリオンや
文字の形のカシオペア

君が大人になったころ
あの星は北極星じゃないかもしれない
ひしゃくを伸ばしたその先の
あそこに見えるあの星さ

そのころ地球はどうなって
僕らはどうしているのかな

たとえば地軸が傾いて
全てが海に沈むかも
たとえば星が落ちてきて
全てが燃えて尽きるかも

君が大人になるまえに
この星はなくなってしまうかもしれない
明日何が起こるのか
ホントのところは誰も知らない

君が大人になるころに
綺麗な世界であるようだといいね
だから僕らは少しでも
綺麗に世界を使うんだ
2009.11.24 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
凍えた指先で紡ぐ言葉が
常夏の島を描く
青く光る空と
押し寄せる透明な海原
まばゆいばかりの白い浜辺に
降り注ぐ熱い太陽

吐く息が白い小部屋で
常春の山を描く
白くけぶる桜と
あふれ出す百花の乱舞
圧倒的なまでの萌えた新芽と
降りしきる春告げの歌

冷たさに震える身のままで
彩りの秋を描く
燃えるような赤い木々と
金色に照り映える黄の葉
温もりと冷たさの同居した風に
舞い落ちる渡り鳥の羽毛

忍び寄る寒さの夜更けに
厳寒の冬を描く
吹き付ける粉雪と
吹きすさぶ北風
息も出来なくなるような寒さと
降り積もる静寂の時間
2009.11.23 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
泣きたいのならば泣けばいいよ
こらえた涙は
淀んで濁って
腐っていくよ
心の奥を
蝕んでくよ

泣きたいのならば泣けばいいよ
流した涙は
ほどいて溶かして
乾いていくよ
心の奥を
洗っていくよ

いつでも泣いてよくはなくても
どこでも泣いてよくはなくても

泣きたいのならば泣けばいいよ

必要ならば胸を貸すから


(2008/11/21)
2009.11.22 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
不意に分からなくなる
どこに向かっているのか
行き先は知っているのに
不意に分からなくなる

そんなときはないかい

学校への道
会社への道
自宅への道
明日への道

分かっているのに
道を外れたくなる
不意に目にした路地に
反対側のホームに
行ってしまいたくなる

そんなことはないかい

ほらまさに今
そんなときじゃないかい

近道も遠回りも
寄り道も迷った道も
どれもがすべて君の道

不意に分からなくなるときには
思いつくまま歩けばいいさ


(2008/11/19)
2009.11.21 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
頑張りも努力も分かるけど
無かったことにはしないけど
それでもダメなんだ

お願いだ
僕を困らせないでくれないか

僕はただ
笑って君を迎えたいのに

僕はただ
扉を設けただけなのに

頑張りも努力も分かるけど
無かったことにはしないけど
それだけじゃダメなんだ
2009.11.20 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
熊のぬいぐるみのように
あなたを抱きしめてあげる
眠れない夜には一緒に
ぬくもり分け合いながら
同じ夢を見ようよ

手放せないタオルケットみたいに
あなたを抱きしめてあげる
あなたの優しさに包まれながら
くすぐったい気分で
同じ夜を過ごそうよ

母親と子どもみたいに
あなたを抱きしめてあげる
泣きたくなる夜には二人で
鼓動を分かち合いながら
同じ愛を感じよう
2009.11.19 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
破られた地図の片隅
燃え残った手紙の言葉
色褪せた写真の景色
雨上がりの水溜りに残った人影
風の中に紛れたわずかなメロディ

どこにでもある
どこにもない世界
2009.11.18 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
星が流れる夜空を見上げて
新しい恋を願おう
凍える体を自分で抱いて
新しい恋を祈ろう

明日会う人が恋しいとか
何気ない目線が愛しいとか
そういう恋がいつかあるように

誰かの腕が恋しくなる夜には
新しい恋を願おう
優しい指が欲しくなる夜には
新しい恋を祈ろう

凍える夜に流れる星に
2009.11.17 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
何も考えずに
たとえばゲームをしてみる
心を空っぽにして
ただひたすらに落ちてくるブロックや
つみあがるキューブや
そんなものを相手にしてみる

対戦相手なんて要らない

一人きり

そういうのが欲しいときもある
2009.11.17 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君と僕との間に
交わされているのは
同じ言語だと思っていたのに
違うんだね

きっと次元が
きっと時空が
僕の言葉は
歪められて
跳ね返されて
伝わらない

噛み砕いても
骨を折っても
面白いほどに
伝わらない
いっそこのまま
なかったように
飲み込もうか

バベルの塔が
壊れたように
僕の心も
砕けていくよ

君と僕との間に
交わされているのは
同じ言語だと思っていたのに
違うんだね

別物なんだね


(2008/11/17)
2009.11.15 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私を置いていかないで
通り過ぎた過去の中に
私を置いていかないで
風に消えた幻の中に

連れて行けとは言わないから
どうか
私を置いては行かないで

写真も手紙も捨ててもいいわ
匂いも温度も忘れていいわ

私を置いていかないで
忘れ果てた過去の中に
私を置いていかないで
露と消えた夢の中に

共に行こうとはしなくていいから
どうか
私を置いては行かないで

小指の先の爪の分だけ
瞬きに揺れた瞳の分だけ

記憶を置いていかないで
まるで無かった過去のように
すべては置いていかないで
砕けて散った心の果てに


(2008/11/13)
2009.11.14 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
たまには無心になって
釣り糸でもたらしてみようか
いいものが釣れたらいいけど
釣れなくても構わないくらいの気持ちで
ぼんやりと晴れた空眺めて
のんびりと揺れる波見つめて

何も考えないまま
何も気にしないまま
ただ太陽が動くのを
ただ潮風が当たるのを
感じながらすごしてみようか

指先に触れる感触が
新しい予感を連れてきて
そしたらそこだけに集中しよう
糸の先に何が待っているかなんて
もう一切考えないままでさ

釣っているのか釣られてるのか
意図の先には何があるのか
そんなことはあとで考えて
今はひたすら釣ってみようよ

たまには無心になって
釣り糸でもたらしてみようか
その先に恋が待つのか
それとも何も釣れずに終わるか
やってみなくちゃ分からないし
なにもないなんてありはしないから

どっちに転んでも悪くない
2009.11.13 Fri l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top
君と二人ここにいる奇跡
すり抜けてしまわぬよう
夢に消えてしまわないよう
ぬくもりごと抱きしめた

少し速く高鳴る鼓動も
仔兎のように震える肩も
見上げて微笑む潤んだ瞳も
全部全部抱きしめた

遠くにかすむ虹を見ながら
渡ろうと手を引いたよね
それで僕は悟ってしまった
君と二人ここにいる不思議に

さようならの代わりに
掻き消えてしまわぬよう
風に吹かれてしまわないよう
幻ごと抱きしめた
2009.11.12 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ストレスがたまっていてね、と言うと良い所があると連れて行かれた。
古臭い和室にちゃぶ台が置かれている。
心置きなくひっくり返したまえ。
力いっぱいにちゃぶ台を跳ね飛ばした。
味噌汁やご飯が飛んでいくのを見て酷く後悔した。
小市民めと笑われたが、大声で歌でも歌ったほうがマシだ。



恋人に電話をかけている。
ピンク色の公衆電話は次々に硬貨を吸い込んでいく。
次に会う約束をしている途中で切れてしまった。
返却口に出てきたのはどこか見知らぬ国のコインだった。
電話には使えないようだが、今度恋人に渡してやろう。



デパートでアイボリーのサラダボウルを見つけた。
サラダを入れると美味しく味付けしてくれるボウルだと言う。
評判を調べてみると、サラダの定義に厳しいボウルらしい。
結局のところ、どの料理もサラダ認定をしてくれないので、ただのアイボリーのサラダボウルだ。
私のサラダは私が決めるしかないらしい。



友人が耳打ちをしてきた。
月の雫でこっそり造った酒があるという。
酒盛りといこうじゃないか、と酒宴の用意をした。
それは私のものだ。
曇り空だったのに、隙間から月が覗いて怒ると取り上げてしまった。
今頃雲の裏側で酔いどれているに違いない。
次は昼に飲もう、と友人が耳打ちをした。



探し物が見当たらない。
無くした場所は分かっているのに。
通りすがりの僧侶が言った。
とっくに墓の下だよ。
それ以来、代わりの容れ物が通るのをずっと待っている。



凍えそうな夜の街で靴下を買った。
見栄を張って、空の色をした靴下を買ったが、冬空の青色だったのでとても冷たい。
凍えながら帰った。
太陽の色の靴下なら良かっただろうに。



スケジュール帖に覚えのない丸がついている。
いったいなんだったのか思い出せない。
思い出せないまま当日が来た。
山のようなオレンジが降ってきた。
オレンジ注意報だったらしい。
ジュースにしてもジャムにしてもまだ余っている。
腐る前にどうにかしないと。
さっき気づいたが、数日後の日付にも丸がついていた。



友達に遊ばないかと呼び出された。
迷路のような本屋に連れて行かれた。、
行く先々でオススメの本を紹介し合わないと先へ進めないらしい。
経済の棚と、官能小説の棚で行き詰った。
買いたい本があるのにこのままではレジまで辿り着けない。



友人が三日月になっていた。
しゃくれた顎とニヒルな口元が魅力的じゃないかと褒めてみる。
そうだろう、と言いながら酒を飲んだが、少々飲みにくそうだった。
程よく酔ったので、友人の上で眠ることにした。
三日月はいい揺り篭にもなる。



銀色の雨が森に降っている。
大きな木の下で見知らぬ女と二人雨宿りをしている。
ずっとあなたを待っていたのです、と女が言った。
思わず抱きしめようとしたが、女が何かを言いかけた。
この香りは恋人の香水だ。
大きな木を回り込んだところに恋人が雨宿りをしていた。
こちらを見てにっこり笑ったが目が笑っていない。
女を振り返ると既にそ知らぬ顔をしていた。

2009.11.11 Wed l 花膳 l コメント (5) トラックバック (0) l top
人生は
悪いことばかりじゃない
良いこと続きでもなくても

人生は
悪いばっかりじゃない
ひとつ見方さえ変えれば
2009.11.10 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あの子がどうして怒ったのか
良く考えてごらん
自分は正しいんだもん
間違ったこと言ってないもん
本当にそう思ってるの
それはあの子を泣かせてまで
主張したいことだったの
本当にそれは正しいの

幾つもの主張があって
幾つもの考えがあるよ
君が思っていることが
絶対の正義だなんて
言うことなんて出来ないのに

上から目線でいるならなおさら
大人のつもりでいるならなおさら
声高に主張を叫んではいけない

どっちが悪いとか
どっちが正しいとか
それを決めるのはあの子でもないし
君でもないよ
折り合う場所を決めることだけ
そこを目指してやってごらん

だからまずは
互いに折れて
ごめんなさいと言ってごらんよ
2009.11.09 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
喫茶店のようなもの

気に入ったものがあれば

一息ついていけばいい

気になったものがあれば

メニューを眺めて見るのもいい

雨が止むまでひとやすみ

疲れが減るまでひとやすみ

喫茶店のようなもの

思いがけず美味しかったり

思っていたのと違っていたり

日をおかずに通ってみたり

一度来たきり忘れてみたり

眠れない夜のひとときに

憂鬱な朝の合いの間に

喫茶店のようなもの

そういう場所になればいい


(2008/11/10)
2009.11.08 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ここで待っていればいつか
迎えに来てくれる
だからずっと待っている

だけどそう?
ほんとうに?

ここで待っていればいつか
迎えに来てくれる?
だからずっと待ってるの?

それでいい?
ほんとうに?

ここで待っていてもいつかは
いつになるか分からない
だからいっそ歩き出す

それでいい?
ほんとうに?

ここで待つべきか歩くべきか
誰にもそう分からない
だからきっと自分次第


(2008/11/07)
2009.11.07 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
この道をどこまで行けば
私に出会えるのだろう
遠くに浮かんだ星の描く
地図の中にも私はいない
どこかにあるはずの答えは
潮騒に似た風の中
届かないまま霞んで消える
手のひらに落ちる月の調べは
時々優しく胸を撫で
しかし行く道を照らすには暗い
ただ暁だけがそこにある
私に出会う旅
今もまだ歩き続ける
2009.11.06 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
綺麗な絵本のように
一頁ずつ魅せたいの
夢なら十夜を繰り返し
百花繚乱のお話で
千もの夜を編みたいの
千変万化の夢の色

数えた十夜が二十五篇
まだまだ足りない夢の森

綺麗な絵本のように
ゆっくりと綴りたい
楽しく明るく恐ろしく
あなたの夢に忍び込む
色とりどりのお話で
あなたの夢を塗っていく
2009.11.05 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
食べられるのを嫌がったクロワッサンが空に逃げて三日月になったが
満月に怒られて食べられてしまった。
ちょっと焦げてたけどなかなか美味かったよ、と昨日の月が言った。



奮発して綺麗なピンクのブラウスを買った。
朝焼けの色だねと太陽が言えば、夕焼けの色だろうと月が言う。
どっちの意見も通ったので、朝晩二度出勤する羽目になった。
勤務時間は短くなったが面倒くさい。
次に買うときは、オーロラ色のシャツにしよう。



ぎゅうぎゅうに押しつぶされて羊の群れの中にいた。
編み棒を取り出して片っ端からセーターや手袋を編んでいった。
裸になった羊は去っていくが、5935匹を越えたところで眠ってしまったので抜け出せなかった。
とりあえずほかほかしている



グレーのカッターシャツにアイロンをかけている。
二代目だというアイロンマスターが来て、それでは皺が取れないという。
私ごとシャツを皺ひとつないようにしてくれた。
折り目正しい人間になった。



オレンジのリゾットを作った。
そんな邪道なものは食えぬと老人が怒る。
お客様、これはオレンジのリゾットではありません。
太陽を絞って作ったお粥です。
それならばと老人はぺろりと平らげた。
ペテン師めと太陽が呆れるので言ってやった。
食わせてしまえばこっちのものだ。
食えないやつだと笑われた。



水晶売りの老人が声をかけてきた。
青月光入りの水晶を買わないかと言う。
思ったよりも高かったが、買うことにした。
水晶を月に透かすと落ちた光の中に蒼い薔薇が咲いている。
芳しい香りの中で星の歌を聴きながら眠った。



目の前にでかい山がそびえている。
登るのも厭で、どうしたものかと考えていると声をかけられた。
こうすればいいんだよと、太陽がジェンガか将棋くずしのように木々や土を抜き取った。
なるほど、と思ったが、かえって時間がかかる。
太陽は沈んでしまって手伝ってくれない。
しまいには、上から落ち込んできたブロックに押しつぶされてしまった。
こんなことなら、北風でも捕まえて飛ばしてもらうのだった。



ピンク色の森にいる。
良かったら一緒に住まないかと森人たちに誘われた。
可愛らしいが目がちかちかするので丁重に断る。
彼らの姿をメモ用紙にスケッチして去ることにした。
森の絵は部屋の片隅で、時折ピンク色に揺れている。
今のところ、全身をピンクで染める勇気はない。



気づいたらロンドンにいた。
見つけたチッピーでフィッシュアンドチップスを食べていると、月がやってきた。
同じものを、と注文して腰掛けるので、仕事はどうしたと訊く。
こんな霧の夜じゃあ、仕事なんてやってられないよ。
お前さんもだろ、ジャック、と月にナイフを指差された。
計画を変更して月の野郎をやってやろうかと思ったがやめておいた。
切り裂かなくても、今宵の月は細すぎた。



古くなったノートを拾った。
中に書かれているのは見覚えのある自分の文字だ。
青臭さに赤面しつつびっしり書かれた黒い文字を追った。
文字を捕まえると、昔の自分が浮かび上がってきて、物語を再生しだした。
恥ずかしすぎたので、急いでページをめくった。
何も書かれていない白いページの上で、今の自分が待ち構えている。
さて、何を書いたものか。
2009.11.04 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
指先から冷えていく
あいまいな私の境界線
夜気と同じ温度になれば
砕けて消える雪になる

涙の筋も凍りつく
不確かな私の輪郭線
月に照らされ闇に臥したら
明けても目覚めぬ夢になる

震えさえ消え落ちた
うやむやな私の境目を
熱で溶かして解いてくれたら
夜と別った私になる
2009.11.03 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
緩やかに消えていく
体温のような
記憶のような

緩やかに止まっていく
鼓動のような
時間のような

すり抜けていくものを
抱きしめて離したくない

このままずっと
ともにいられたら
2009.11.02 Mon l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top

人種性別年齢
そんなものは
関係のない

宗教信条言語
そんなことが
瑣末になる

世界に必要なものは



ただそれだけなのだろう


(2008/11/05)
2009.11.01 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top