キャンディ
タルト
プリンにパイ
林檎に
葡萄
それから南瓜
美味しいお菓子を頂戴と
シーツのオバケが跳ね回る
小悪魔天使が駆け回る
クッキー
クリーム
チョコレート
バニラに
カラメル
定番苺
美味しいお菓子を頂戴と
可愛い魔女が駄々こねる
ヴァンピールたちが甘えてる
くれなきゃイタズラしちゃうぞと
小さなオバケが押し寄せる
それはもちろんあげるけど
明日のおやつに食べるのよ
そうしてオバケは夢の中
(2008/10/31)
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苦しいよ
もうだめ
入らないよ
ご飯も
スイーツも
恋愛も
友情も
腹八分くらいがちょうどいい
たまには
胸いっぱいになっても良いけど
言葉が伝わらないとき
右腕の空気が冷たいとき
通話ボタンを押せないとき
とっさに誰もつかまらないとき
ただわけもなく胸がふさぐ日
夢で誰かに恋をしてた日
コトバの暴力を受けてしまった日
世界にたった一人きりの気分の日
ただなんとなく
もうわけもなく
さみしさが胸に押し寄せる夜
天秤にかけてみる
あれとこれ
それとそれ
たとえば愛とか
たとえば夢とか
現実と理想
現在と未来
天秤にかけてみる
あれとこれ
だれとだれ
たとえば恋とか
たとえば思い出
矜持と打算
妥協と駆け引き
どっちが重くても
どっちが軽くても
それはそれで構わない
たとえば釣り合っても
たとえば釣り合わせても
何かの弾みでずれてゆく
天秤にかけてみる
己の本心
己の本音
たとえば建前
たとえば空論
揺れて揺らいで
止まらなくても
比重を知るのが大事だから
まるで手品
なにもないところから
生まれてきたの
恋心
青空の雲みたいに
流れる星みたいに
まるで魔法
あなたを見ていると
溢れてくるの
恋心
ほころんだ花のように
湧き出した泉のように
二人はとても遠かった
何一つ似てなかったし
何一つ一緒じゃなかった
好みも趣味も
見てる景色も
きっと一緒にいたら
いつか窮屈になるね
いつか面倒くさくなるね
今はまだ
退屈を感じなくても
二人はとても遠かった
遠い分だけ近かった
交われないまま近かった
だからずっとこのままで
別の誰かと歩いてく
アロマオイルみたいに
満たして
癒して
いつかなくなればいい
気づかれぬほどささやかに
どこかに留まっていればいい
誰かの通り過ぎた風に
不意に香って消えるような
まるで夢かと思えるほどに
か細く香って消えるような
アロマオイルみたいに
満ちて
和ませ
いつかなくなっていい
(2008/10/29)
君は愛を無駄遣いして
いくつもの恋で泣いてきた
私は愛を出し惜しみして
いくつもの恋を逃げてきた
まるで似てない二人の女
君は夢を誇大に語って
いくつかはそれをものにした
私は夢を小出しに謳って
いくつかをなかったことにした
似ずに似ている二人の女
クールな才女を装いながら
理論武装に溺れる君と
頷き同意を装いながら
別の論理で釘さす私
似てて似てない二人の女
君は反省や後悔をいつか
忘れて再び恋する女
私は反省や後悔をいつも
使いこなせず恋せぬ女
それでもどこだか似ている二人
君も私も結局のところ
それでそうして生きてた女
私も君もそうして生きて
自分を愛して生きてる女
(2008/10/27)
ホットカクテルとチョコレート
空に降る星を眺めながら
甘い甘い夢を見る
もしも今
世界に一人きりでも
多分私はあたたかい
一人でいるのは楽だった
なんでも自分の尺度で計れた
二人でいるのは楽しかった
楽しみも喜びも何でも二倍
三人集まれば面白かった
足せば僕らの世界が分かった
四つの季節を幾つも巡った
いつも新しい発見をした
五十歩百歩の道を進んだ
すぐに分かるよな歩幅で歩いた
ろくろく見ぬまま日々を過ごして
気付けばぐるりと一回りしてたとか
しちめんどうだと投げ出したまま
とっさに答えが出なかったりとか
蜂だってもはや留まらないような
泣きっ面になるよりは
くくと笑える人生のために
人は誰も歩幅が違う
同じ道を歩いても
速度が違う
見る場所が違う
休みながら行く人もいれば
跳ねるような足取りの人もいる
ただひたすらに駆け抜けていく人も
空を見て歩く人もいれば
道端の花に目を留める人もいる
ただひたすらに道の彼方を見る人も
人は誰も違うのだけど
同じ道を歩いていれば
時にすれ違う
時に並びあう
自分が見つけたものを教えながら
誰かの見ているものを見たりしながら
そうしてまた己の速度で歩いていく
全てウソ
全てユメ
どれもこれも
どこか遠く
違う世界の
そんなお話
寝物語に
読んでちょうだい
お暇潰しに
聞いてちょうだい
一息ついたお茶の時間の
小皿に添えたクッキーみたいに
そんなつもりで
食べてちょうだい
恋人と温泉旅行に出かけた。
温泉から上がって部屋でくつろいでいると、恋人のバッグで電話が鳴った。
いつまでも鳴っているので出ようかとバッグを覗き込むと
トートバッグの底に光るナイフを見つけた。
見なかったことにした。
電話はいつまでも鳴っている。
散歩に行くと言い残して部屋を出た。
最終電車で逃げ帰ろうとしたが、次の駅が終着駅だった。
仕方なく戻ることにした。
一駅分歩いて疲れたが、駅に恋人が待っているのを見て冷や汗をかいた。
どこまで言ってたの、と無邪気に問う恋人の、バッグから覗くスカーフがナイフをくるんでいるのが見えた。
帰り道で雨が降り出した。
私、折りたたみの傘を持っているのよ、と恋人が言ってバッグに手を入れた。
スカーフの中の柄を掴もうとしたので、慌てて止めた。
もうちょっとだし走って帰ろう。
血の雨に降られるよりは、雨に濡れたほうが百倍マシだ。
冷えた体を湯で温めることにした。
団体客が疲れを癒しに入りに来ていた。
浮かない顔をしているね、と一人の男に言われたのでわけを話す。
それならこれを持っていきなと、蛇使いが蛇の卵をくれた。
南国の果物に似た匂いの卵を持ったまま、温泉を出て部屋に戻る。
恋人が誰かに電話をしていた。
部屋に戻ると恋人が待ち受けていた。
遅かったのね、と笑いながらお茶を勧めてきた。
緑色のそれは、お茶というよりも入浴剤入りのお湯のように見えた。
毒々しい色の湯飲みから目をそらし、こんなものを貰ってね、と蛇の卵を見せてみた。
恋人は大きく悲鳴を上げた。
卵が割れると中から暗闇が出てきた。
部屋中が真っ暗になった中で恋人に問う。
お前のバッグの中に入っているナイフは何なのだ。
何のこと、ととぼけた彼女はぱくりと蛇に飲まれてしまった。
とたんに暗闇が弾けて、星空のような一振りのナイフだけが部屋に落ちていた。
柄に蛇が巻きついている。
巻きついた蛇がナイフを飲み込んでしまった。
取り返しのつかないミスをした気になったが、どうしようもない。
蛇が近寄ってきたので、近くにあった箒で庭へと掃き出した。
真っ暗な庭先に、蛇使いが立っている。
金色の瞳がこちらを見て光っていた。
さあ、サーカスへ出かけよう、と蛇使いは言った。
賑やかなジンタが庭先に流れてくる。
彼女はどこへ行ったのだ、返してくれと言うと蛇使いは笑った。
鶏や牛を捌くみたいに君を捌いて食べようとした女をかい。
それでも恋人のいない世界は灰色なのだと訴える。
蛇使いの腕に巻きついた蛇がするすると天に伸びて、空中ブランコになった。
一緒に行けば教えてあげようと、蛇使いが誘う。
手を取ろうとした途端、音楽が止んだ。
どうやら時間切れだ。
君はどこまでも草食らしいね、と蛇使いが笑った。
草を食べるのに夢中で、目の前に大きく開いた赤い口があることに気づかない。
だが罠を回避する勘と、出くわさない運は持っている。
理解できずにいると、ロープは蛇に戻り、赤くぬめる口を開けた。
あっという間に飲み込まれてしまった。
運と勘はどこにあるんだろう。
キスの感触で目を覚ますと恋人がいた。
野原に恋人と二人きりでいたらしい。
ラベンダー色の空が見える。
お寝坊ね、と恋人が笑ったがそれどころではない。
あのナイフは何だったのだと訊くと、あなたは誰と来るつもりだったのと訊き返された。
ジンタの曲が鳴ったが、出所は恋人が持っていた電話だった。
促されて耳に当てると、ここにいない恋人の最期の声がした。
ここにいる恋人を見ると、血まみれたナイフを舐めて笑っている。
いつの間に入れ替わったのだったか。
次に目が覚めたとき、隣で寝ているのはどちらの恋人だろうか。
あたし何が欲しいんだろう
あたたかな愛
居心地のいい家
嬉しくなる歌
エンドレスな縁
温度差のない逢瀬
あたし何がしたいんだろう
飼い馴らした柔順さ
切っても切れない絆
口説き上手な唇
けれど羞恥う目元
蠱惑的な仕草
あたし何が欲しいんだろう
寂しがらない夜
静かに眠る朝
澄み渡った昼下がり
急かされるような夕焼け
曹達水の星空
あたし何がしたいんだろう
楽しいだけの一瞬
近づいて触れる肌
爪の先まで満たされる快楽
天に昇りつめるほどの愛
遠ざかれば消える夢
あたし本当は
何が欲しくて
何がしたいの
(2008/10/24)
暖かくして
出ておいで
一緒に夜を
眺めよう
流れる星を
獲ってあげるよ
ココアに浮かべた
マシュマロのように
ゆっくりと夜が
溶けていくのを
甘く二人で
飲み干そうよ
ほらまた一つ
星が流れた
君の願いを
ささやいてごらん
ほらまた一つ
流れていくよ
僕の願いは
もう叶ったよ
隣に座る
星のかけらが
空から降りて
叶えてくれたよ
(2008/10/20)
お財布の中に仕舞ってた
小さな包み紙
お金持ちになれるってさ
冗談めかして言った
あなたの残した置き土産
あの恋はとっくに捨てたけど
これはまだ残しておくわ
恋心の未練じゃないの
あなたにはもう会わない
あなたはもう覚えてない
でも会ったなら言ってあげる
冗談は本当にもなるのよ
ママと君の根比べ
見ててごらん
君に美味しいと言わせてみせる
シチューにカレーにハンバーグ
プリンにケーキにドーナッツ
君の苦手なお野菜を
大好きだよって言わせてみせる
ママと君の知恵比べ
砕け散ったガラスの中で
閉じ込められた花が咲く
触れれば脆く崩れてしまう
尖った破片で指を刺す
零れ落ちてく深紅の花は
滴る雫と混ざり合い
甘く噎せ返る香りを発し
夢の中へと舞っていく
砕け散った水面の夢に
浮かび上がった花が咲く
触れれば暈けて消されてしまう
広がる波紋で胸を突く
漂い沈む濃藍の花は
昇らず消える泡に呑まれ
淡く囁いた吐息を発し
夜の中へと堕ちていく
あなたのくれる
言葉も
気持ちも
嬉しくないわけじゃないけど
自分がまだ
女だと
素敵だと
思えることは嬉しいけど
あなたに答える
すべを持たない
だからお願い
一人にして
あなたの隣にいる
この温度が一番好き
触れた肩から沁みこんでくる
優しい優しいぬくもりが
あなたの目の前にいる
この距離が一番好き
見詰め合ったら照れてしまった
笑顔の吐息が重なる近さが
あなたの後ろにいる
この視界が一番好き
何があっても大丈夫な気がする
あなたの背中の大きさが
(2008/10/15)
年を取った女が
昔の恋を思い出して笑う
とうに冷え切ったぬくもりを
後生大事に抱え込む
枯れてしまった花束も
黒ずんでいった銀の輪も
行方の知れぬ恋人たちも
すべての時を巻き戻し
年を取った女が
昔の恋を抱きかかえて眠る
徐々に冷えていく年月に
気づかぬように目を閉じる
(2008/10/10)
君が僕を好きなことを
僕はずっと知っていた
気づかない振り続けながら
僕はずっと待っていた
君が愛してると
僕に告げるのを
気軽な素振りでくれたチョコや
身軽な言葉のハピバースデー
そこに想いが詰まっているのを
僕はずっと知っていた
君が愛してると
言えずにいるのを
危ういバランスの二人
壊したのは君だった
待っていただけの僕を置いて
消えてしまってもういない
僕も君を好きなことを
僕はずっと知っていた
優位な振り続けながら
僕はずっと待っていた
君に愛してると
告げる日が来るのを
(2008/10/03)
一番初めに
物語を書こうと思ったのは
詩を紡ごうと思ったのは
いつだったろう
一番初めに
物語を書きながら
詩を紡ぎながら
誰に見せたいと思ったのだろう
一番初めに
物語を書き綴りながら
詩を織り紡ぎながら
いったい何を思っただろう
もう忘れてしまうくらい昔
あのときの気持ちはまだ
胸のどこかにあるだろうか
圧倒的な質感で誘う
官能的な香りの
夜の花
まさに圧巻
姿を隠したまま
芳しい香りだけで夜を支配する
愛の花
誘われる
夜気に染み込んだ蜜を飲み干して
夢の中へと潜り込んだらきっと
溺れてしまう
預金通帳の数字が逃げ出した
闇夜に白いページだけが浮かび上がっている。
月に協力してもらって、ようやく捕まえたが、どうにも足りない。
流れ星に数字を印字してもらった。
こっそり多目にしてもらったが、大目に見てもらおう。
夜更けに話を書いていたらページで指を切ってしまった
これを塗るといいわ、と桜貝に入ったハンドクリームを手渡された。
塗ったら傷は塞がったが、潮騒が押し寄せてきた。
たちまち部屋中に桜貝が満ちて、書いていた話は攫われた。
指先が滑るので、今宵はもう何も書けそうになかった。
夜道を歩いているとオレンジが転がってきた
拾い上げると、綺麗な女性がやってきて何事かを話しかけてきた。
言葉が分からずにいると、見かねた空の月が通訳をしてくれた。
君は今、恋の始まりを一つふいにするところだったよ。
自慢たらしく言うので、勉強することにした。
次の満月には見せ付けてやる。
アロマキャンドルはラベンダーの香りがした。
女に愛を伝えたが、炎が揺らめくと返事も揺らいでしまうらしい。
いつまで経っても埒が明かないので、キャンドルを吹き消すと、
ラベンダーの香りだけを残して女は夜に溶けてしまった。
マッチよりは長いかもしれないが所詮儚い夢でしかなかった。
ススキ野原で月を見ながら酒を飲んだ
団子や芋を肴に飲んでいると、月がそれは俺のものだと文句を言った。
降りてきて一緒にやれば良いだろうと言ったが今日ばかりはそういうわけにもいかないと言う。
語らいながら飲んでいるうちに心地よくなって眠ってしまった。
目が覚めると、残っていた酒も肴も全てなくなって、朝が来ていた。
久しぶりに会う恋人と小高い丘の上で待ち合わせをした
が、丘一つ分待ち合わせ場所を間違えたらしい。
送電塔の上で電線越しに会話をしながら同じ夜景を眺めた。
呆れ顔の月が全てを見下ろしていた。
暗闇にハイヒールの足音が響く
街灯の下で振り返ってみたが誰もいない。
ただ、私の影の隣に女の影があった。
帰りの遅い私のために女が影だけを迎えに寄越したらしい。
心配せずとも他所に女などいないのに。
夜更けの道にめかしこんでいる影のヒールの音だけが響く。
とてもよく効くダイエットのお菓子を見つけたので友人に薦めてみた。
今そんなものを食べさせるのはやめてくれと友人は怒って空に上ってしまった。
太ったり痩せたり大変だなと思いながら月明かりの下お菓子を食べた。
中秋の名月が近かった。
お茶会をするというので夜の公園に出向いた。
月が持っていたブランデーを垂らしたので、ほろ酔いで浮かれてしまった。
記念写真を撮ろうと誰かが言ったので皆で写ったが、あいにく私は写らなかった。
仕方がないので墓の下で大人しく眠ることにした。
次の茶会はいつだろう。
買い物に行ったら街頭で謎の男がアロマオイルを売っている。
「媚薬入りだよ」と言いながら薄桃色のオイルを勧めたので買ってみた。
帰る道筋で転倒して全て零してしまった。
途端に、全てが求愛してきたので慌てて逃げ帰った。
虫の声が煩くて眠れない。
私は私だけを持っていく
他には何も持たない
歩くための足と
掴むための手と
感じ取るための目と鼻と口と耳
明日を信じて高鳴る胸と
心の中の愛と夢
私は私だけを持っていく
他には何も持たない
突っ走るのはいいけど
ちょっと待って
あなたのスピードで
連れてかないで
一人ならいい
かけっこなら一等賞
二人三脚なら
きっと転んでしまうよ
突き進むのはいいけど
ちょっと待って
あなたのペースに
巻き込まないで
分かり合ってるならいい
騎馬戦なら突撃だ
大勢だったら
ダンスは乱れてしまうよ
運動会ならいいけど
ちょっと待って
あなたのテンションで
攫ってかないで
人にはそれぞれの
生活があるの
誰にもその人の
歩幅があるのよ
漆黒のマント翻して
夢を攫っていく
闇の中
赤く濡れる唇で
眠れる骸に
接吻を頂戴
磔刑の真実が
頽れるよりも早く
此処に来て
優しく抱きしめて
粉々に砕いてしまって
寝台に散った
新月の啜り泣きと
棺を埋め尽くす
薔薇の流す涙に
噎せ返りながら
冷たい微笑で
この指を絡めて
どうぞこのまま
攫って頂戴
(2008/10/02)
嵐のような風の向こう
急ぎ足で流れていく雲が
君の住む城を僕に見せる
隠れていたはずのガラスの塔が
風の向こうで煌いているよ
飛ばされていく小鳥のように
僕の心も乱されるけど
翼を持たない僕の身体は
君の元へと辿りつけない
声も風にかき消されていく
夕暮れ間近の町の空に
君を乗せた城は浮かんで
雲の切れ間を進んでいくよ
滴り落ちる蜜を掌に受けて
喉を鳴らして飲み干した
濡れる唇に星屑が光り
浮かんだ笑みを切り裂く牙
夜よりも濃い闇を纏って
貴女の元へ忍び寄ろう
熱く激しい接吻をあげよう
貴女の白い喉元へ
愛よりも甘い愛の泉に
私を浸してくれないか
誰よりも熱い貴女の胸に
私を埋めてくれないか
零れんばかりの蜜を舐めて
貴女の命を飲み干した
臥せた身体は青白く光り
夜の中へと流れて消える