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薄暗闇の黄昏時の
町の片隅で扉が開く

此度のお客はどなたでしょう
ないものはございませんよと
店主が昏く笑んでいる

お菓子が欲しいの
痩せるお菓子が
お客の少女のその声で

テーブルの上並んだ瓶が
色とりどりのお菓子を見せる

切なく悶えて身も細る
甘く苦しいキャンディーはいかが

踊り続けたカーレンのように
疲れてしまうチョコレートなら

食べた量だけ痩せていく
小粒で軽いラムネはどうか

星屑まぶして時間を退ける
きらりと光る水飴もどうぞ

但しどれでもご注意を

甘い言葉には裏がある
甘いお菓子には毒がある

それでも良ければさあどうぞ
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2009.09.30 Wed l 黄昏通り l コメント (0) トラックバック (0) l top
重ね合わせた肌の隙間
残されたままの孤独が震える

絡め合った指先の合間
掴み損ねた明日が逃げる

二人
こんなに近いのに遠い

奪い合った熱の余韻
吐息とともに冷めて消える

溶かし合った時間の狭間
隠されていた不安が揺れる

二人
どれだけ近くても遠い


2009.09.29 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
僕の言葉は君に届いているかい
君の声は僕に届けられているかい
言葉は思ったように気持ちを伝えなくて
時々すれ違ってしまうけれど

黙ったままでは伝わらないし
抱きしめたってきっと伝えきれないから
怖がってないで言葉にするんだ
時々すり抜けていってしまうけれど

話をしよう
君と二人

言葉を紡ごう
君と一緒に

僕の言葉は君に届いているかい
君の声を僕は受け止めているかい
2009.09.28 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君の特別になりたい
たとえばこんな寒い夜に
隣にいたいと思うような
たとえばこんな青い空を
一緒に見たいと思うような

君の特別になりたい
たとえば辛くて哀しいときに
泣いてもいいと思えるような
たとえば怖くて寂しいときに
抱きしめて欲しいと思えるような

君の特別になりたい
些細なことに気づいたときに
教えてあげたいと思うような
なんでもないこと話すときに
聞いて欲しいと思うような

君の特別になりたい

恋人という枠じゃなくていい
友達の中の一人でもいい

ただ

君の特別になりたい


(2008/09/30)
2009.09.27 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
掌に乗るような
小さな小さな恋だった
吹けば飛ぶような
軽い軽い恋だった
追いかければ逃げるような
可愛い小憎らしい恋だった
涙を啄ばんでくれる
優しい優しい恋だった

小鳥のような恋は

ある朝
羽ばたいていってしまった

胸の中の籠はただ
風にきしんで揺れている


(2008/09/25)
2009.09.26 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
時計の針を戻すすべは知らないが

なかったことに出来る魔法は知らないが

君の目を過去に向けないことは出来る

詐欺や詭弁といわないでくれないか

これもそう一つの愛さ
2009.09.25 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こういう日もあるさ
たどり着けなかったゴール
開けられなかった扉
そういう日もあるさ

これだけ走っていれば
2009.09.24 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
終わることは始まること
終わったもののかわりに
新しく何かが始まること

枯れてしまった花は
種を落として芽を出して
死んでしまった鳥は
土に還って花になる

行ってしまった夏は
風を冷やして秋になり
逝ってしまった人は
誰かの胸で息づいて

通り過ぎた今日は
時を止めぬままに明日になり
戻らない恋も
いつかはきっと過去になる

終わることは始まること
終わったもののかわりに
新しく何かが始まること



2009.09.23 Wed l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
嵐がやってきて
僕ら濡れ鼠
檳榔の葉の下で
抱き合いながら雨宿り

高い波の向こう
青空が光るけど
遠すぎて届かない
僕らまだ雨の中

小さな島の上で
僕ら濡れ鼠
飛ばされたりしないよう
君をぎゅっと抱きしめた
2009.09.22 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
君ががんばってることを
僕は知ってる

だから言わない
がんばれとは

ただ応援しているよ
君が君の夢を
叶えることを

ただ願っているよ
君が君の明日を
切り開くことを

君が頑張ってることを
僕は知ってる

だから時々
抱きしめるんだ
2009.09.21 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私の言葉が
残るのならば
あなたに好きだと
伝えよう

言葉としての
カタチをなくして
風に吹かれて
消えたとしても

どれほど細かい
霧になっても
あなたのことを
包むよう


私の心が
残るのならば
あなたに好きだと
伝えよう

たとえどんなに
遠くにいても
雲から差し込む
光のように

どれほど暗い
闇の中でも
あなたのことを
照らすよう


私の姿が
どこに消えても
あなたに好きだと
伝えよう


(2008/09/24)
2009.09.20 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
歌うたいの歌詞が
突き刺さる夜に
泣き濡れていたのは
公園のブランコの鎖

林檎売りの声が
滴り落ちる夜に
途方に暮れていたのは
電柱にぶら下がる街燈

売れぬ絵描きの筆が
かすれ気味な夜に
画布を塗り潰したのは
浮かれ烏の尾羽

迷い人の影が
倒れ臥した夜に
道を温めようとしたのは
半分に欠けていく月


(2008/09/22)
2009.09.19 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
あたしは自分が好きだし

自分を大事に思ってる

前向き姿勢を目指してて

楽観思考を好んでる

争いごとは嫌いでも

自分の意思は曲げたくない

オトナな意見を口にして

コドモみたいにへそ曲げる

客観的に見たならば

可も不可もないかもだけど

それは確かに欠点や

短所もあったりするけれど

長所や美点も知っている



そんな自分が好きなんだ
2009.09.18 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
僕はいつも
記念日を忘れてしまう

二人が初めて会った日も
初めて一緒に過ごした夜も

自分が生まれたその日さえ

一つだけ
覚えてるのは

大好きな君の誕生日
2009.09.17 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
明日について考える

明日も今日と同じくらい
平穏無事であるだろうか
ささやかな幸せがあるだろうか

思いがけない苦難が待ち受けていたり
予想も出来ない驚きに見舞われたり
苦しんだり悲しんだりしないか

明日について考える
考えても答えは出ないけど

明日について考える
2009.09.16 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
誰かが言う
お前の言葉なぞ
百年後には跡形もないだろう

誰かが言う
百年どころか
三日で忘れ去られることだろう

誰かが言う
お前の言葉なぞ
百万人の中の一つだ

誰かが言う
たとえ目にしても
通り過ぎていくだけの言葉だ


私は言う
だからなんだ
そんなことは知っている

私は言う
百年なんて知らない
ほんの一瞬でも残ればいい


誰かが言う
あなたの言葉が
ほんの少しでも救いになったと

誰かが言う
あなたの言葉で
ほんの少しだけ楽しくなったと


それでいいじゃないか
それがいいじゃないか

百万人のたった一人に
百万年のほんのひとときに
私の言葉が残ればいい
2009.09.15 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
もう若くはないから
遠くまで走ることはできない
少し小高い丘の上から
せいぜい明日を見るだけで
遠い夢を見ながらは
もう走ることは出来ない

もう十代じゃないから
がむしゃらに走ることはできない
足場の悪い道のりならば
よろめき躓き這うだけで
ひたすらゴールを夢見ては
もう走ることは出来ない


それでもまだ
流れ落ちる汗を感じ
動いてる自分を知る


もう若くはないけど
まだ走ろうとすることは出来る
明日より向こうの未来の予測を
変えていこうと足を出す
今まで走った道のりを
振り返りながら足を出す
2009.09.14 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
習うことはすべて
意味がないのかもしれない
学ぶことはすべて
役に立たないのかもしれない

君がもしそう思うのなら
それもひとつの真実かもしれない

けれども本当に
そうだろうか

君の歩む道のりの中で
確かに使わない公式があるだろう

君が選ぶ未来の中で
確かに縁のない偉人だっているだろう

けれども本当に
そうだろうか

君が暮らす日常の中で
たとえば回転は必要じゃないか

君が過ごす関わりの中で
たとえば言葉は必要じゃないか


習うことはすべて
何かの意味があるものだ
学ぶことはすべて
何らかの役に立つものだ

知識でも
会話でも
礼儀でも

学び舎はいろんなことを教えるだろう

常識や
理不尽や
人生も

この世界もまたいろんなことを教えるだろう


吸収しようじゃないか
土が水を飲み込むように

糧にしようじゃないか
水が木々を育むように

習うことのすべてに
何かの意味を見出すことだ
学ぶことのすべてを
役に立つのだと考えることだ


それが人生を楽しむコツだ

そう言ったなら
君はそれも学んでくれるだろうか


(2008/09/19)
2009.09.13 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
超難解な漢字が書けても
超難問な数式が解けても
解らないことばかりだった

どうしてこんなに君が好きなの


大勢の中でも君を見つけて
どんな人でも君に見えてた
どこにいたって君ばかりだった

どうしてこんなに好きなんだろう


グラウンド走る君の背中や
誰かと笑う君の目尻や
そんなことまで追いかけてしまう

どうしてこんなに探しちゃうんだろう


誰も教えてなんかくれない
誰にも教えてなんてやらない
ただ君にだけ耳打ちしようか

どうしてもこんなに君が好きだよ


(2008/09/11)
2009.09.12 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたの喜ぶ顔が見たくて
あなたをハッとさせたくて
私は今日もつくります

余計なお世話と言われたり
見当違いと言われたり
することだってあるかもだけど

あなたの笑う顔が見たくて
あなたをビックリさせたくて
私はこっそりつくります

時々無意味に思えてみたり
無駄骨かもなと思ったり
ちょっぴり不安になったりしても

だけどやっぱり作りたいから
私は今日もつくります
2009.09.11 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
死んでしまいそうな言葉たちよ
目を覚ませ
旅立ってしまった「ら」よ
戻って来い
置き去りにされた「です・ます」よ
しがみつけ

「いただきます」や「おやすみなさい」
「ごめんなさい」に「ありがとう」
胸の奥底で眠りに就くな

発せられる言葉の中で
打ち出されていく文字の中で

細々とでいい
生き抜いていけ
2009.09.10 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
いちいち何にも言わなくたって
二人羽織の要領で
さんざんやってきたことは
四肢の全てが覚えてた

午後の二人の行き先は
ろくろく思案もせぬままに
しちしちいちいち決めもせず
葉っぱのように風のまま進む

くくくと笑える人生が
とうとう見えてきたようだ

2009.09.09 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
流された舟のように
気が付いたらここにいた
舵も櫓もない舟の上で
時が経つのを感じてた

時に書を読み
時に詩を書き
そして眠っては夢を見て

空を見て
流れを見て
時の移ろいを知る

流された舟の上で
気が付いたらここにいた
流れ任せの時の上で
流されない生き方をしながら

時に恋をし
時に孤を愛し
そしてすれ違う舟を見て

人を見て
世界を見て
時の在り方を知る


時に勢いよく
時に澱むように
そして舟は流れていく

2009.09.08 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ここにあるのは
幾つもの物語の箱
幾つものもしもの話
幾つもの誰かの世界

だから

私のものだけど
私のことじゃなくて

私のことだけど
あなたのことにも似てる
2009.09.07 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
何もかもを欲しがって
何一つ手に入らなかった
男が最後に見たものは
倒れた彼を受け止めた
ずっと一緒にいた影法師


何もかもを諦めて
何一つ手にしなかった
男が最後に見たものは
目と鼻の先にある
ずっと欲しかった存在感


ずっと一つを追いかけて
ようやくそれを手に入れた
男がそのあと見たものは
追うべき光がなくなって
あやめも分からぬほどの闇


たった一つを追いかけて
結局それを掴めずに
男があるとき見たものは
視野が狭くて見なかった
思った以上の広い世界


それでも一つを追いかけて
とうとうそれでも手に取れず
男が最後に見たものは
不意に口からこぼれ出た
一途な想いの美しさ


適度にものを欲しがった
そして適度に諦めた
男が思わず見たものは
ほんの一滴で傾きそうな
どっちつかずの欲しいもの


何か一つを欲しがって
それを求めて旅をした
男が探してみたものは
男のためには囀らぬ
どこかの誰かの青い鳥


どれか一つを選べずに
それでもずっと悩んでた
男が最後に得たものは
つまずき転んで倒れ臥し
たまたま手にしたただの石


だれか一人を選べずに
結局すべてを手に入れた
男が最後に見たものは
均等な愛に愛想を尽かし
皆で去ってくその背中


その一瞬を欲しがって
叶えてそれを手に入れた
男がその後見たものは
時計の針が過ぎ去って
途方に暮れた明日だった


(2008/09/04)



貪婪で強欲な王が
戦争の末に全てを失った
倒れ臥した男を
受け止めたのは彼自身の影法師だったが
その地はもはや彼の領土ではなかった


いつでもその他大勢の一人だった男が
今しがた倒れた王の骸を見つけた
なるほどこれが存在感というものか
身ぐるみはいで歩いていると
王と間違われて射殺された


簒奪者は玉座を得た
誰もがひれ伏し
何もかもが足元に広がった
足の踏み場がなくて身動きがとれず
天を仰いで嘆こうとしたが
天もまた足元に落ちていた


お城の皇女に恋をした男は
彼女のために戦い傷ついたが
所詮身分違いの恋は届かず
彼女は隣国へと嫁いでいった
だが心は傷つかなかった
男は幼馴染の女の腕の中で死んだ


恋して焦がれて身を焼いた男が
鳥になって女のところへ飛んでいった
女は恋人と二人で鳥を見上げた
悲しみの嘆きは喉を引き裂いたが
その澄んだ啼き声は女の耳に死ぬまで残った


身の程をわきまえた男が
ある日二人の女に言い寄られた
少し気になっている女と
少し裕福な女
どっちとも決められないまま
時間だけが過ぎていく


幸福を探し続けて
星をいくつもめぐった男
薔薇にフラれ狐に笑われ
見かけた青い鳥は誰かの元で囀っていた
幸福は探すものではないのだと気づいた男は
どこかの星で蕾を抱いた花になった
誰もまだ彼の元を訪れていない


とんでもない大金を手に入れた
使っても使っても使い切れず
やがてだんだん虚しくなった
ある日酔いどれた男は道端で転んだ
手にしたただの黒い石を家宝にすると言い残して
あとは全部人にやってしまった


口も頭も腰もすべて軽い男が
たくさんの女を渡り歩いた
誰もが彼をそんな男だと認識していたが
認識してたが故に変わらぬ現実に気づき
月日が経つにつれて夢から覚めるように去っていった
急激に男は老いて道端に倒れた
もう誰も彼を見向きはしなかった


合わせ鏡に迷い込んだ男が
探し続けた恋人の面影を見つけた
手を伸ばして捕まえたはいいが
時計の針が呪力を解いてしまった
それで彼の腕は彼女の影の中で
今日も生きている


(2008/09/08)
2009.09.06 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私だってたまには
女の子みたいに
甘い甘い夢を見る

赤い糸の先や
包み込まれるぬくもり
絡めた指の形
甘く疼く心


私だってときには
小さな子のように
壊れない夢を見る

フリルやレースみたいに
華やかなものたち
砂糖菓子や花束
クリスタルやシャボン玉


現実はいつでも
冷たくて優しい
現実はときどき
夢よりも明るい


(2008/09/03)
2009.09.05 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
運命って
どこで分かるのかな
いつ感じるのかな

本当は違ってても
あたしが信じればそれは
運命になるのかな

そもそも運命なんて
本当に存在するのかな

運命の人
運命の仕事
運命の日

本当にそれって運命なのかな

運命って
頭で分かるのかな
心で感じるのかな

明日あなたに逢えたら
それは運命なのかな
2009.09.04 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
百円玉一枚
握り締めて駆けてった
通りの角の駄菓子屋で

練り飴
たこせん
フーセンガム
ラムネにチョコに
糸付き飴

頭と指を使って
計算しながら
できるだけたくさん
買おうとしてた小さな僕

当たり付きのガムを買って
オマケ付きのキャラメルを食べた
棒付きのアイス齧りながら
近くの公園のブランコを漕いだね

自転車に乗ってくる
アイスキャンディー売りや
大きな音を立てるポン菓子の機械
世界は素朴な甘さの冒険に満ちてた

百円玉一枚
握り締めて駆けてった
あのころの僕らの世界は

チープなのに
これ以上ないほど贅沢だったよ
2009.09.03 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
動けなくてどうしようかと思った
前に進んだ途端に戻されて
見えていたはずの道が消えていて
途方に暮れたまま立ち尽くした

多分そんな日は
一度眠ってみるのもありなんだと

そう思いながら
2009.09.02 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君と離れ離れになっても
出会う場所を決めておこう
君と会えないときには
いないと呟いて電話するよ

くじけそうなときがあっても
きっと誰かが手を貸してくれる
負けそうな気持ちになっても
きっと誰かと支えていける

必要なものは最小限
いつだってどこにでも行けるように
それから夢と希望と君のこと
何があっても離さぬように
2009.09.01 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top