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優しい羽毛でくすぐるように
掌の中で泳ぐ金魚
赤い尾びれを揺らめかせ
蠱惑な仕草で魅了する

指先に軽く触れながら
掌の中で泳ぐ金魚
艶めく鱗を煌めかせ
飛び跳ねた水でキスをする

君が残した
夏の金魚
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2009.07.31 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
朝日が昇る前の空の色
心から浮かべた溢れる微笑

夢の中で見た風景
壊れてしまった砂時計

フロントガラス越しの夕焼け
別れを言って去っていく背中


そっくりそのまま
切り取って残せたらいいのに
写し取って持っていられたらいいのに

そうはいかないから
心のシャッターで撮っておく


いつでも思い出せるように

いつか
思い出になるように
2009.07.30 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
青く澄み渡った空を見る
溢れんばかりの笑みを見る
心に染み入る品を見る

吹き渡る風の音を聴く
優しい言葉の歌を聴く
大好きな君の声を聞く

咲き誇る花の蜜を飲む
極上の料理を口にする
君の作った菓子を食べる

子猫や子犬を撫で上げる
繊細な彫りを撫でてみる
大好きな君を抱きしめる

海を渡った潮風を吸う
ふわりと香る香水を嗅ぐ
君の入れたお茶を匂う

それが私の糧になる
2009.07.29 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
気配がするので起きてみると
枕元に殿様がいる
いかがなさいましたかと訊くと
悋気に惑わされおぬしを斬ってしまったと言う
ご案じ召されますな、これこの通り成仏しました
そう答えて差し上げると殿様は消えた
これでよく眠れる



蜆の棒手振りをしている
おくれと声がして女が立っている
酔いどれ亭主にね、と
買って行ったが
あの女の亭主は5年も前に死んでいる
そういえば、あの女も昨年死んだのだった
桶の蜆は減っていた



夕暮れ時の橋のたもとで小僧が泣いている
どうしたのかと問えば
川に落し物をしたのだと泣く
そう深い川ではなかったので
何を無くしたのだ、探してやろうと言うと
小僧はのっぺらの顔を指し示した
おいらの顔さ



花街の話である
朝霧と名乗る女に出会った
妾と恋に堕ちておくんなんし
女はそう言って私を手招く
ふらふらと近寄ったが
触れることは出来なかった
名前のような女だった



花街の話である
昼顔と名乗る女に通った
久しぶりでありんすね
恋ひてか寝らむ 昨夜(きそ)も今宵も
そう詠ったあとで
女は花になって消えた
白い花が涙で濡れていた



花街の話である
夕凪と名乗る女が笑った
ぬしさまはご存知でありいせんね
嵐が来れば凪は泡沫
女に抱きしめられた瞬間
あっという間に溺れてしまった



指物屋をしている
鑿が滑って指を切った
作りかけの煙草盆の上に
赤い牡丹が咲いた
同時に哄笑が響いた
大店の女将さんが買っていったが
旦那の愛人に贈るらしい



袋物屋をしている
古着を解いていたら
襟から手紙が出てきた
読むと昔の女が俺に宛てた手紙だった
引き裂いて全ての袋に縫い合わせた
買っていった娘は全て
良いところに縁付いたらしい



下駄の鼻緒が切れてしまった
提灯の火も消え月も隠れた
さても困ったことかなと呟けば
もし、と背後から声がする
よければこれをお使いなさい
下駄の片方を手渡された
雲が切れて去っていく唐傘オバケが見えた



外が賑やかなので覗こうとすると
婆様に止められた
出ちゃならねぇ、あれは百鬼夜行さ
取って喰われてしまうよ
言いながら自分は楽しげに踊って出て行った
毎回自分だけ楽しそうだ
いい加減成仏してくれないと困る






2009.07.28 Tue l 一枚の茶葉 l コメント (2) トラックバック (0) l top
シグナルが遠くで鳴り響く
駆け出せ
駆け出せ
駆け出せ

光は明滅して通り過ぎてく
駆け抜けろ
駆け抜けろ
駆け抜けろ

鼓動を追い越すビートを刻んで
駆けて行け
駆けて行け
駆けて行け

夜空に打ちあがる花火よりも
高速で流れてくテールランプよりも
無人の交差点を照らし出す信号よりも

鮮やかに駆けて行け
2009.07.27 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
月のない夜に
冴え冴えと光る
白い骨

しっとりと浴びた夜露は
乾いた骨を軋ませる

あれは昔の美姫の嘆きさ
通りすがりの鴉が啼いた

二度と戻らぬ恋人を
待って待ち侘び泣いているのさ


星のない夜に
白々と光る
冷たい骨

要らぬ熱を捨てた白さが
夜の帳に突き刺さる

あれは昔の騎士の名残さ
夜さり歩きの黒猫が云う

二度と逢われぬ恋人を
乞うて焦がれて泣いているのさ


鴉が啄ばむその骨の
黒猫が齧るその骨の

行方は誰も知らぬまま

月も星もない夜のこと


(2008/07/31)
2009.07.26 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
いたずら好きの
小さな風は
つむじ風にもなれない
小さな竜クースツヌ

巻き上がるには
弱すぎて
吹き飛ばすには
小さくて

赤子の巻き毛を
揺らしてみたり
光る埃を
散らすだけ

小さな竜のクースツヌ
ある日どうにも
我慢がならず
大海原へ出て行った

照らす陽射しに
揺らいでみたり
寄せる波間に
沈んでみたり
つぬじかぜには
世界は手ごわい

ある夜とうとう
海の中

おやおやこれはお珍しいと
珊瑚の仙女が笑って言えば

これは遠いところの縁者であると
海馬の賢者が微笑んだ

歓迎を受けたクースツヌ
海の底にて日々過ごす

やはりつむじ風は起こせず
つぬじのままの竜だけど

月夜の卵を
漂わせたり
光る鱗を
撫でたり出来る

小さな竜のクースツヌ
時々海の向こうを思うけど
いつか大きくなる日まで
世界を廻れるその日まで

海の仲間の世界にそよぐ


(2008/07/30)
2009.07.25 Sat l 月々 l コメント (1) トラックバック (0) l top
花火の途切れたその隙に

暗闇の中でキスをした

冷たい唇に染み込んだ

甘いイチゴの味がした
2009.07.24 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
キレイだね

あなたにそう言わせたかったの

たとえば星降る夜の空
たとえば見上げた大花火
たとえば一面の花畑
たとえばせせらぐ澄んだ川

たとえば囀る朝の鳥
たとえば小さな飴細工
たとえば桜の色の貝
たとえば木陰に降る光

キレイだね

あなたにそう言われたかったの

たとえば私
2009.07.23 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
たとえば
右手に持った大豆と
左手の上の林檎とが
重なり合う不思議のように
絶妙なバランスで重なり合った
太陽と月

たとえば
目も眩むほどの明るさの中
確かにそこに存在していたのに
不意に現れたかのように
その一瞬の中で瞬く
冬空の一等星

たとえば
世界が齎した神秘と
自然の巧妙な悪戯とを
まるで意思あるもののように
感じながら一喜一憂する
地上の私たち
2009.07.22 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
残された僅かな単語
繋がらない言葉の羅列
掴めそうで掴めない
暗号にも似た難問

忘れられた机の引き出しに眠る
遠い昔の私のかけら
解いておくれと声がするメモ

残された僅かな記憶
繋がらなくても繋げて
昔を手繰って形にせんとす
2009.07.21 Tue l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top
君は元気ですか

どこにいても
どんなときも
君を思い出しては
呼びかける

君は元気ですか

どんなものも
どんなひとも
君を忘れるには
足りなかった

君は元気ですか

どこにいても
どんなときも
君を思い出すなんて
嘘だけれど

君は元気ですか

どんなものも
どんなひとも
君を不意に思い出させる
ことがあるんだ

君は元気ですか

どこにいても
どんなときも
君の答えはきっと
返ってこないけど

元気ならいいんだ


(2008/07/25)
2009.07.20 Mon l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
おひさまふとん

ふかふかで

ほかほかだ

おひさまふとん

ふわふわで

きもちいい

おひさまふとん

きもちいいけど

ねぐるしい


(2008/07/24)
2009.07.19 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
遠い日に見た夢が
癒えないままに
僕は大人になった

夏の日の潮騒が
胸の傷に沁みて
泣きそうな僕の砂浜は遠い

駆け出した僕の
擦り切れたサンダルの底に
刺さっていた淡い薄桃色

いつの間にかできた青痣
子供じみた感傷の色も
やがて色褪せてなくなる

砕けた貝の欠片
滲んだ葉書の言葉
夏風に揺れる風鈴のささやき

どこへ行ってしまった
灼熱の太陽と情熱に負けない
あの少年の日々よ

遠い日に見た夢が
癒えないままに
僕は夏を見てた


(2008/07/23)
2009.07.18 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
一人じゃないってこと
誰かに教えてもらったとき
自分を少し好きになった

だからあなたにも
教えたい

あなたもまた
一人じゃないこと
2009.07.17 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
七月のある日
僕は世界を見たように思った

バーのカウンターの片隅で
煙草吹かしながら酒を飲んでた
そいつは自分は世界だと言った

世界とは存外小さいんだな
酒を酌み交わしながら言うと
世界は大きくて小さいものさ
そう言ってそいつは煙草をぷかり

お望みならば大きくなろうか
そいつの言葉にバーテンダーが一瞥
お客さん店を壊すのはご勘弁
不貞腐れた世界は酒をぐびり

今宵はお前が奢ってくれよ
そいつは僕にそう言って笑う
お前らのツケを払う代わりにさ
たまには逆も悪くないだろ

七月のある日
僕は世界に出会った
倣岸で不遜で不健康な世界は
それでも瞳は澄んでいた
2009.07.16 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
探しているお話はどれですか
よろしければ探してみせましょう

ありきたりでない悲恋もの
見たこともない異世界の話
うろ覚えにしか分からない
幼い日に聞いた話
終わらぬままに終わってしまった
未完のままの誰かの話

探してるお話はどれですか
どんなものでも探してみせましょう

見てきたような歴史もの
背中合わせの恐怖の話
いつか書こうと思ったままの
机の中のあなたの話
どんな人でもただ読むだけで
癒され微笑む優しい話

探してるお話はなんですか
いくらだって探してみせましょう

ただし御代はあなたの話

過去の未来の現在の
あなたの話を切り取って
そっくりそのままもらいます

あなたの人生の落丁を
厭わなければさあどうぞ

何でも探してみせましょう
2009.07.15 Wed l 黄昏通り l コメント (0) トラックバック (0) l top
お月様に恋をした
黄色い黄色いヒマワリは
夕暮れ時の半月に
思いの丈を打ち明けた

お月様は苦笑して
お前は太陽の子供だろう
草木は夜には眠るもの
どうにも世界が違うのさ

それに私が好きなのは
真白い真白い雪の花
世界の全てを白にして
私の光を受ける花

お月様に恋をした
黄色い黄色い夏の花
雪というのが分からずに
空のお日様に頼み込む

私は夏の花だけど
どうにも雪が見てみたい
枯れて種実をつけたなら
どうか冬まで起こしてて

明るく優しいお日様は
よしいいともと引き受けた
木枯らしからも雨からも
冬までお前を守ろうぞ

花はしおれて色褪せて
幾つの種実のその中に
ひときわ大きな種を付け
ヒマワリ想いを託したと

やがて夏が去り秋が来て
落ち葉の布団で冬を待つ
そしてある晩待ち侘びた
真白い雪に巡り合う

お月様に恋をした
小さな小さな花の種は
ああこれこそがあの月の
恋しい愛しい雪なのか

やがて冬も去り春が来て
まばゆい夏が訪れた
恋する恋するヒマワリは
芽を出し葉を成し花咲いた

お月様に恋をした
かつての黄色いヒマワリは
恋い慕うあまりその色を
真っ白な色に染め上げた

ある夕暮れの満月は
真白い花弁のヒマワリに
ほんの小さく笑み浮かべ
その花弁に接吻した
2009.07.14 Tue l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top
飛べると思ったんだ
青い空が見えたから
赤い風船を追いかけた
空は高くて近かった

小さな丸い掌を
指折り数えて足りるほどの
幼い私は行けたんだ


行けると思ったんだ
兎のあとを追ってって
地面の底のまた底に
夢見るように飛んだんだ

風船追いかけ雲の上
兎を追いかけ穴の中
幼い私は行けたんだ


それをたとえ夢と呼んでも
それをたとえ嘘と言っても

幼い私は行ったんだ
2009.07.13 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
薄暗い灯りの中で
ギムレットを飲み干した
あなたがとても好きだった
強いお酒を飲み干した

口を開かぬバーテンと
時を閉ざしたジャズの中
隣に座った面影が
ジンの薫りを漂わす

せめて今宵はあなたと二人
ギムレットに酔いましょう
影も朧な灯りの下で
夢とお酒に酔いましょう

そして最後にあなたを一人
置き去りにして店を出る
今はもうないあなたの影を
店のスツールに置いていく


(2008/07/16)
2009.07.12 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
小さなものが好き

小さなお部屋に
小さな家具を並べ
小さなスイーツを

小さなタンスには
小さな洋服を

小さな出窓には
小さな鉢植えを


小さなものが好き

小さなお庭に
小さな木々を植えて
小さな鳥を添えて

小さな花壇には
小さな蔓薔薇を

小さな門扉には
小さな昼寝猫


小さなものが好き
掌に乗るほどの

小さなものが好き
指先に乗るほどの


小さな我が家には
小さなあなたと
小さなあたしを

小さな青空に
小さな綿雲を

小さな夜空には
小さな星屑を


ああ

でもどうしよう

愛だけが大きくて
この家に入らない


(2008/07/11)
2009.07.11 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
愛のカタチを知っていれば
もっとうまくいったのだろうか
愛のキセキを信じていれば
もっと続いていたのだろうか

愛だと思っていたものは
あなたのカタチと違っていた

愛だと信じていたものは
二人のキョリを隔てていった

情愛のカタチで思い出すあなたと二人
あの頃求めていたものは

恋よりも深いカタチだったのに

今でも一人
見つけきれないまま探している
2009.07.10 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
目を閉じれば思い描くことが出来る

バラ色の朝もやの中で君が生まれた朝を
雨上がりの虹の下を駆けていく幼い君を
君の睫毛に降る星屑が煌きながら揺れるのを

まだ硬い桃の実のような初恋に匂い立つ君を
ひめやかに唄う小鳥のようにキスする君を
小悪魔の笑みで誘いをかける魅惑の君を

今私の部屋の窓辺で外を見ている君の背中を
耳元で囁く忍び笑いの君の声を
揶揄うように髪を引っ張る君の指を

目を閉じれば思い描くことが出来る

だから私は信じない

君がいないなんてこと
2009.07.09 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
一人で星を眺めてた
幾つもの夜

報われない恋も
上手くいかない仕事も
不安なままの明日も
置いてきたままで

ただ星空を眺めてた

時折流れる星屑を見て
遠くで響く夜汽車を聴いて

ただ静かに眺めてた

寄り添う孤独さえ
置いてきたままで

あの時私は
空と二人きりだった
2009.07.08 Wed l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top
満月の光に隠れて
薄雲の後ろでキス
願い事が出来るなら
あなたといつも逢えるのに

そんな二つの星たちは
揺れる笹の音に瞬き
天の川渡って抱き合う
カササギが飛んでく天の下
2009.07.07 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君は一人じゃないよ
そう言ってくれるのは
鳥篭の中で歌う鳥

君の世界は広がってる
来ては過ぎるときの中で
恐れて立ち止まってないで
できるところまで走ってごらん

夢を探しながら自由を求めて
風の向こうまで見えたなら
君もきっといつか気付くだろう
自由なんてものはどこにだって
あるんだって

あの頃見た太陽が今日も
君の上で輝いてるように


君は一人じゃないよ
そう言ってくれるのは
額縁の中で咲く花

君の未来は雨にも似ている
降っては晴れる気まぐれの中
隠れて怯えたりしないで
心行くまで味わってごらん

道に迷いながら答えを呼んで
昨日の足跡を見つけたら
君もきっといつか分かるだろう
描いていくものはどんなにだって
変化するんだって

あの時見た月がいつか
満ちては引いていくように

2009.07.06 Mon l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top
走れ

もっともっと

明日が見える

その先まで


見えそうにないのなら

もっと走れ


(2008/07/04)
2009.07.05 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
彼はとても細いので
彼はとても軽いので
とうとう空に浮きました

腕がとても長いので
足もとても長いので
空気を掻いて進みます

地上の彼女に手を振って
行って来ますと言いました

地上の彼女は空見上げ
どこまで行くのと訊きました

風の吹くまま
流れるままに
どこへ行くのか分からない

そこで彼女は手を振って
待っているわと言いました

風に吹かれて西東
嵐に揉まれ北南

彼はとても軽いけど
空でさらに軽くなる
ぐるりと星を廻る頃
身体はいつしか星の外
これでは戻るに戻れない

彼はとても細いので
彼はとても軽いので
とうとう星になりました



瞳を開けたら恋人が
両手の皿を差し出した
どこにも飛んでいかぬよう
さあさあどうぞ召し上がれ


(2008/07/03)
2009.07.04 Sat l 月々 l コメント (1) トラックバック (0) l top
ソフトクリームの塔に登って
あなたを待とう
夏の日差しより早く
そよぐ風よりも早く
逢いに来てね

溶けてしまう前に

ソフトクリームの塔に登って
あなたを待とう
待ちきれなかったら舐めてしまって
待ち遠しすぎたら食べてしまって
逢いに行くわ

あなたよりも早く

2009.07.03 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
逢えるなら逢いたいよ
彼女が言った
こんな距離なんか飛び越して
こんな時間なんか飛び越えて

逢えるなら逢いたいよ
彼女は言った
今すぐにでも彼のところへ
いつまででも彼のところで

逢えるなら逢いたいよ
彼女は言ったけど
二人が逢えるのは年に一度
二人が逢えるのは三日後の夜
2009.07.02 Thu l 花膳 l コメント (1) トラックバック (0) l top