どこにもかえらない

言の葉遣いになりたい。 たくさんの言葉とたくさんの感性で誰かの心の琴線を響かせたい。 そう思って今日もまた、詩を書いてます。

遠い夏の思い出

色褪せた紫陽花が
真夏の太陽に照らされて
乾いた地面に
透き通る影を落とす

すべてを包んだものは
重たげに揺れる空気
呼吸も止まるような
午後の街を彷徨う

太陽に良く似た
まばゆい向日葵に
見え隠れしながら消えた
遠い日の少女

草いきれの野原
駆け抜けていった
幼い背中の二人
森へと呑み込まれてく

緑の光が零れる
静寂と喧騒の木立
清涼な風が抜けて
少女の髪をなぶる

あのころの二人に
夏は降り注いだ
暑いばかりではない
夏を降り注いだ

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