どこにもかえらない

言の葉遣いになりたい。 たくさんの言葉とたくさんの感性で誰かの心の琴線を響かせたい。 そう思って今日もまた、詩を書いてます。

浮くほどの痩躯

彼はとても細いので
彼はとても軽いので
とうとう空に浮きました

腕がとても長いので
足もとても長いので
空気を掻いて進みます

地上の彼女に手を振って
行って来ますと言いました

地上の彼女は空見上げ
どこまで行くのと訊きました

風の吹くまま
流れるままに
どこへ行くのか分からない

そこで彼女は手を振って
待っているわと言いました

風に吹かれて西東
荒らしに揉まれ北南

彼はとても軽いけど
空でさらに軽くなる
ぐるりと星を廻る頃
身体はいつしか星の外
これでは戻るに戻れない

彼はとても細いので
彼はとても軽いので
とうとう星になりました



瞳を開けたら恋人が
両手の皿を差し出した
どこにも飛んでいかぬよう
さあさあどうぞ召し上がれ

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