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眠る君の頬
軽く啄ばんで
歌ってあげる

光る陽射しの下
羽ばたいた羽で
影を作ろう

芝生を駆けて行く
君の肩の上で
笑ってみたい

お茶の時間には
椅子を止まり木に
囀っておこう

眠る時にはどうか
僕を軽く
抱きしめて

きみの小鳥になりたい

例え叶わぬ恋でも


(2007-04-30)
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2008.05.31 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
紫水晶咲き誇る
真珠の珠をちりばめて

蛋白石は匂い立つ
金剛石を抱きながら

紅玉石を啄ばんで
緑柱石が歌唄う


淡く紫陽花咲き誇る
霧雨の珠をちりばめて

真白い百合は匂い立つ
天の涙を抱きながら

甘く赤い実を啄ばんで
小鳥はほがらに歌唄う
2008.05.30 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
生とは何か

生きていくとは何か

子を為すことか

繁栄の為か

連綿と続く系図を

おのれが途切れさせぬためか

子を為して

死する生物

それが自然の理か

生とはなんだ

生きていくとはなんだ

絶えんとする種の

生とはなんだ

そうではない種の

生とはなんだ

分からないから

生きているのか

分からなくとも

生きていくのか

そもそもその疑に

意味はあるのか

そもそも答えは

存在するのか

生とは何か

生きていくとは何か

それでも世界は

生きていくのか
2008.05.29 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ごろごろと
どろどろと
唸りを上げる
空が鳴く

ぴかぴかと
ぎらぎらと
光が走る
空を裂く

毛布をかぶって
震えてた
ちいさいあたしは
家の中

ざあざあと
ごうごうと
世界が揺れる
空を割る

酒を片手に
空を見る
オトナのあたしは
ほほえんで
ちいさなあたしに
声かける

怖くはないよ
出ておいで
あたしがついてて
あげるから

かみなりさまが
遠くまで
去っていくまで
いてあげる

或いはアンタが
眠るまで
夢の中へと
帰るまで
2008.05.28 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
雨や雪や氷は
ただの水となって
ただの流れとなって
その地を駆けた

時に乾きつつ
時に溢れつつ
低きを求めて
その地を駆けた

鳥が集い
獣が寄って
命が巡る

草が茂り
木々が生えて
緑が満ちる

やがてそれは川と呼ばれ
やがてそこは岸と呼ばれた

そう名付けたものが
岸辺に集い
住み着いた

草木を育て作物と呼び
獣を馴らして家畜と呼んだ

たくさんの血を流し
たくさんの争いを生んで
それらの多くを川に流した

たくさんの血を交わし
たくさんの子を産んで
それらの多くを岸で育てた

雨や雪は氷は
ただの水であり
ただの流れとして
その地を駆けた

時に乾きつつ
時に溢れつつ
多く潤しながら
その地を駆けた

自由に奔放に
あるがままに
その地を駆けた

やがてそれは固められて
やがてそこは固定となった

そう仕向けたものを
ただの水の流れは
ただ静かに受け入れた

その水底で爪を研ぎ
その漣で咆哮を消し
いつか竜となる日まで

やがて再び吠えるまで

岸辺の歴史はそうして
今日も流れに刻まれていく
2008.05.27 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
夕焼け空を横切って
飛行機雲が伸びていく
あれはひとつの
ひとつの川です
夢のほとりで
待ってます

星月の夜に瞬いて
光る機体が流れてく
あれもひとつの
ひとつの星です
小さな願いを
待ってます

高くて蒼い空の上
音も立てずに飛んでいく
あれはひとつの
ひとつの船です
明日への路を
知ってます
2008.05.26 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
二羽の小鳥は
芝生の中で
頭上の空を
眺めてる

丸く広がる
揺らめく空が
歪んだ光を
降り注ぐ

蒼く広がる
波打つ空に
銀色の鳥が
泳いでく

一羽の小鳥が
上を見上げて
空は落ちると
呟いた

一羽の小鳥も
上を見上げて
落ちやしないと
呟いた

庭の小鳥の
小さな空は
大きな空の
下の下

庭の小鳥の
小さな世界は
砕ける波の
底の底


ヒワとアトリは
芝生の中で
頭上の空を
眺めてる


(2007-04-27)
2008.05.25 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
つたえられない

たくさんの想い

えいえんに似てる

たくさんの想い

いまにも溢れる


つたわらない

たいせつな想い

えることの出来た

たいせつな想い

いつでも満ちてる


つたわってほしい

たからものの想い

えがおになりたい

よろこびあいたい

うんめいよりも速く



(2007-04-25)
2008.05.24 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
全てが一瞬の夢だった

あとには何も残らない

ただ

星だけが廻っている

もう誰もいない

星だけが
2008.05.23 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
真夏の果実
滴り落ちる
甘い蜜に
唇濡らす

たわわに揺れる
魅惑の果実
光を弾いて
接吻を待つ

色鮮やかな
あなたの果実
僕を誘って
侵略を待つ

真夏の果実
しどけに潤む
白い歯を立て
あなたを喰らう
2008.05.22 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
修行が足りない

ささいなことで

いらつくなんて

全然足りない

もういい大人なのに

居ると思うから間違いだ

在ると思うからなおいけない

初めから無いものと

そう思っていれば

そう諦められるなら

修行が足りない

こんなことなんかで

ひりつくなんて

全然足りない

いい加減大人なのに
2008.05.21 Wed l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
罅割れた時計が
血塗られた過去で
止まる夜には
気をつけて

眠りに就いていた
亡者達が起き上がり
枯れた薔薇を
持ってくる

蒼褪めた花びらに
偽りの接吻を落とそう
立ち消えの悲鳴に
朽ちた鐘が響く

涸れ井戸の中に
落ちた骨が濡れる
星無き闇を見上げ
零れ落ちる溜め息が錆びる

新しい夜明けを乞うて
瑞々しい螺子を捜す
亡者達が近付く
三日月の鎌を持って

逆廻りの時計が
屠られた過去で
止まる夜には
気をつけて



2008.05.20 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
生きた大気

退化を欠いた

今は舞い

進化を監視

ただ命の後の意だった

説明はそここそ廃滅せ

短き夜の良き時間に

確かめ行く夢が下

眠りの輪廻

長き世は予期かな

そこにただ他にこそ

否という意図ない


2008.05.19 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
遠い昔に
想っていた
あなたのこと
今ではもう
夢の彼方

顔も形も
霧の向こう
思い出せない
風に乗せて
声だけが

遠い街の
夜汽車より
もっと微かな
欠片だけが
耳に届く

幼い胸に
染み込んだ
あなたの声は
街の喧騒に
消えてく

身も心も
離れたのに
不意に訪れる
二人の記憶
声だけが

ただ
声だけが


(2007-04-20)
2008.05.18 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
藤樹庵の藤
藤姫は
山向こうにいる
老木の
白藤様と
恋の仲

だけども二人は
遠すぎて
春風任せに
恋文を
互いに交わして
君想う

紫薫れる
藤姫は
香気の美酒に
想い乗せ
使いの鳥に
運ばせる

山の向こうの
白藤は
小壜に入った
紫の
その香に恋を
募らせる

山の彼方の
空遠く
互いに恋を
高まらせ
たなびく雲に
飛び乗った

藤樹庵の藤
藤姫は
山の向こうの
白藤と
一夜の逢瀬を
慈しむ

隔てる距離も
厭わなく
遠いからなお
いとおしい
なればなおこそ
愛しけれ

白藤様と
藤姫は
またの逢瀬の
約束と
互いの小指を
絡めけり

高貴な姫の
紫の
大樹の裾に
ひっそりと
澄み切る白の
藤が咲く


(2007-04-16)
2008.05.17 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
怖いんだ
あの喉を切り裂きそうな感じが
怖いんだ
あの穢れを拒む白さが

ボタンを一つ留めるたびに
首を絞められていくカウントダウンが聞こえる

袖に腕を通すたびに
忙しい一日の始まる悪寒がする

怖いんだ
あの糊の効いた襟元が
怖いんだ
皺一つない隙のなさが

本当だよ
怖いんだ

でも本当に怖いのは
クリーニングのタダ券なんだ
2008.05.16 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
夕暮れが遠くなって
空が輝きを残す
白い綿毛野原を
柔らかな風が駆けた

ほらあそこにいるよ

隣の僕が囁く
僕は目を凝らして
僕の指先を追った
綿毛舞う風の中

駄目だ見えないんだ

隣の僕に囁く
大人になったんだね
小さな僕が呟く
僕と空を見上げて

でも君は見える
夕暮れの空や
軽やかな綿毛を

そう僕は見える
太陽に架かる虹や
道端の小花を

ほらあそこにいるよ

小さな僕が笑った
僕はまばたきを一つ
僕が見たものを見つけた
白い綿毛野原で
2008.05.15 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
地球は本当に廻っているのか

世界は本当に丸いのか

夜空の星は本当に遠いのか

海の果ては本当に陸地なのか

時間の速さは一定なのか

永遠はどこかに存在するのか

自然は本当に毀れるものか

生きているとはどういうことか

心は一体どこにあるのか

生き終えたならどこへ行くのか

果たして本当に明日はあるのか

果たして本当に昨日はあったか

私というのは一体誰か
2008.05.14 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
うん
ずっともう
知っているんだ

そこに隠れてるんだろ

うん
ずっともう
待っているんだ

そこから出てくるのを

小さな庭の片隅で
赤く滴る実をつけた
茱萸の葉陰のその一つ

そら
ずっともう
探してるんだ

君が眠った赤い実を
2008.05.13 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
見たことのない草原を知ってる
ただ広い陸と空を知ってる
透明な空気の甘さや
瞼の裏に溶ける薄紫を
君の笑顔と同じくらい知ってる

君から届く手紙には
他愛のない毎日
変わらない笑顔
それから一輪の
ラワンデルの花

枕元の花束が
夢の中へと誘う

君が手紙に書かない
躓いた出来事
隠された涙
それから一言の
君の本心

だから

見たことのない草原へ行こう
ただ広い陸と空を見よう
透明な空気の甘さや
瞼の裏に溶ける薄紫を
君の笑顔とともに抱きしめに行こう

二人を包み咲く花の
夢よりも甘い場所へ
2008.05.12 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
どんなに長い
あなたの指も
どんなに柔い
あなたの舌も
そこにまでは
届かない

どんなに上手い
あなたの技も
どんなに甘い
あなたの声も
底にまでは
届かない

あたしの
奥の奥のそのまた奥


震わせて
揺らして
じらしても

そこにまでは
届かない


どんなに浮名
流したあなたも
どんなに好きな
あなたであっても
個々にまでは
届かない

どんなに熱い
あなたの息も
どんなに篤い
あなたの心も
此処にまでは
届かない

あたしの
奥の奥のそのまた奥


(2007-04-13 )
2008.05.11 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
おっきな目で見上げてくる

もふもふの手触りと

ひなたのにおいの

きみ

小首傾げてさ

ちょっと拗ねたりしてさ

時折鼻を鳴らして甘える

きみ

でもさ僕

まだ眠たいんだよ

もうちょっと寝かせてよ

不満げに耳元で鳴かないで

不服げに顔舐めまわさないで

きみ

ひなたのにおい

草原を走り回る

野原を跳ね回る

そんな夢を見てようよ

一緒にさ


(2007-04-10)
2008.05.10 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
雨が降って

静かに夜を包む

この雨音はまるで

心音に似ている
2008.05.09 Fri l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
いい天気だよ
出かけようよ
こんなところに
篭ってないでと
君が言う

悩んでたって
笑ってたって
同じ一日よ
もったいないと
君が言う

柔らかい五月の風や
目にも優しい若葉の色や
抜ける青さに溶ける雲雀や

甘く香ったお茶を飲んだり
他愛ないよな話をしたり
芝生の上で昼寝をしたり

いい天気だよ
外へ行こうよ
一人っきりで
篭ってないでと
君が言う

嘆いてたって
楽しんだって
同じ一日よ
楽しもうよと
君が言う
2008.05.08 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
眠れぬ夜の
夢に飽いたら
ここにおいで

古老の藤が
昔を語る
この四阿に


眠れぬ夜の
時に飽いたら
ここにおいで

真暗い月が
酒を勧める
この四阿に


まやかしの四阿
夜を持て余す
人には見える

まやかしの四阿
孤が手に負えぬ
人だけ来れる


眠れぬ夜の
孤独に飽いたら
ここにおいで

見えない者も
姿を見せる
この四阿に

まやかしの四阿
優しく包む
朝が来るまで
2008.05.07 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
終わってしまうのは
あっという間
手を伸ばしても
もう届かない

ああすればよかった
こうしたらよかった
そう悔やんでも
もう戻らない

幸せな恋の
終わりみたいに

夜明けの夢の
目覚めみたいに

いってしまうのは
あっという間
手を伸ばしても
もう届かない
2008.05.06 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
何事も程々が肝心
腹八分目
食べ過ぎたら気持ち悪い

何事も程々が肝要
画竜点睛
天に昇ったら白紙に戻る

完璧だなんて苦しいばかり
完全だなんて押しつぶされる

本当は
まったきことがいいこともある

本当は
完了すべきことだってある

でも

何事も程々が一番
頂点制覇
あとはただただ下るだけ
2008.05.05 Mon l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ひい
秀でたものなど何もない
ふう
風変わりなどとも言われない
みい
身なりも特に目立たない

世の中いくらでも替えがいるし
いつ
いつだって変更可能
だけど
むう
難しいことじゃなくたって
なな
七色に光るものを持ってたりする

やっぱり誰にも変わりは出来ない
この
この自分しか自分じゃない
とお
遠くまで叫んだっていい

百年先だって自分は自分


(2007-04-09)
2008.05.04 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あれはもう

十年も前のこと

君にあげた

あの本の127ページ

四葉のクローバーは

色褪せていても

まだそこにあるだろうか

本を読むことなんて

好きじゃなかった君の

本棚に紛れさせた

あの日の本

その行方を知る術はない

いつか

古本屋の軒先で

クローバー入りの本に出会うかも

とうに

記憶と共に

括られて捨てられているかも

でも

あの頃の想いが

色褪せて

乾いて

粉々に風に消えても

時折青く香るように

君の記憶の本棚で

ひっそりと

眠っていればいい

例え君が

存在を忘れていても


(2007-04-06)
2008.05.03 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
さあ行こう

最高の日々が待ってる

待ってるさ

最高を作るのは

自分自身だもの


さあ行こう

最高の明日が待ってる

知ってるさ

最高に思えるのは

自分次第だもの
2008.05.02 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top