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その角を曲がってはいけない

その道を歩いてはいけない

気付いてしまうだろう

誰ももういないことに


その店を目指してはいけない

そのことを思い出してはいけない

気付いてしまうだろう

君ももういないことに


だから全て忘れておしまい

気付いたりしてはいけない

何ももうないなんてこと

気付いたりしなければ

そこはそう

ただの街角
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2008.04.30 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
この手首を切って

あなたにあげましょう

迸るほどの想いごと

いっそあなたにあげましょう

夕映えに良く似た

禍々しいまでの深紅で

染め上げてあげましょう

言葉を綴った指先も

睦み交わした掌も

蒼ざめるほどの緋の色で

覆い尽くしてあげましょう

この喉元を掻き切って

あなたにあげましょう

噎せ返るほどの想いごと

すべてあなたにあげましょう

花びらに良く似た

凶々しいまでの芳香で

包み込んであげましょう

言葉を交わした唇も

絡み合わせた視線さえ

蒼ざめるほどの熱情で

覆い尽くしてあげましょう

炎の色さえ凌駕した

燃やし尽くせぬ想いごと

すべてあなたにあげましょう

すべてあなたにあげましょう


(2007-03-26)
2008.04.29 Tue l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
だめだ
もう動けない
ここまでどうやって
歩いてきたんだっけ
次に出すのは
右足?
それとも左足?

白線の上で綱渡り
気付いたら脇は
断崖絶壁
そしたらもうだめ
動けないんだ

だめだ
もう動けない
今度こそもう
動けないんだ
それでも明日は
来るかな?
それとも来ない?
2008.04.28 Mon l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
割った詩ならいっそ粗末でも

月見を思う松だ

和歌それはそっと追い

要素に蜜添える蔦だ

漢詩予想はもうない

そっと月に夢満つるだけ



(2007-03-30 )




私なら今でも

君を想う

まだ別れは遠いように見える

ただ

感傷はもうない

時に夢見るだけ



(2007-03-30 )


2008.04.27 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
歩いた

行けども

ウルグアイの夜いる

渡る賜杯ナイルの河

言い寄って黙る舌の根

剣(つるぎ)の或いは生じる

危害要るから

担った想い軽くして

当たるらしい昼の光を啜る

もう

満ちるならここに

生きる太陽にある

下へ行こう


(2007-03-20)



逢いたいけどもう

具合の良い私はいないの

可愛いよって騙したのね

次の愛は正直がいい

空になった想い隠して

新しい日の光を進もう

道ならここに

行きたいように明日へ行こう


(2007-03-20)
2008.04.26 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
声を聞かせて

耳を澄ますから

声を聞かせて

初夏の風に乗せて

歌を聴かせて

心澄ますから

そしてわたしに

愛を聴かせて
2008.04.25 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
その日二人は
海辺で出会った
羽持つ男と
鰭持つ女

その日二人は
恋に落ちてた
波打つ際(きわ)の
境を越えて

朝日の昇る波間で見つめ
月の滴る浜でキスした

その日二人は
海辺で出会った
白い天使と
銀色人魚

けれど二人は
海辺で別れた
空の住人
海の住人

天使じゃないさと男が言って
人魚じゃないのと女が言った

そして二人は
海辺で別れた
波打ち際で
一つキスして

そして二人は
笑って去った
青と白との
海と空とに

白い小鳥と銀の魚が
消えてそれきり浜辺は眠る

2008.04.24 Thu l 一枚の茶葉 l コメント (0) トラックバック (0) l top
名はない花は
それでもどこかで
鮮やかに咲く

名はない川は
それでもどこかで
静かに流れる

名はない鳥は
それでもどこかで
美しく啼く

名はない森は
それでもどこかで
育みを繋ぐ

名はない星は
それでもどこかで
煌めいて燃える

名はない石は
それでもどこかで
佇んで眠る

名などなくとも
それでも全ては
確実に在る

名はない僕は
それでもここで
この時を生きる
2008.04.23 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
降りておいで仔猫ちゃん
いつまでそんなとこいるの?
降りておいでよ仔猫ちゃん
そこはそんなに気楽かい?

軒並み皆を見下ろして
優位に立ってるつもりかい?
鏡も人目もない場所で
鈍感な振りする気かい?

都合の悪いことなんて
わざと素知らぬ顔をして
棚に上がったオルタナは
涼しい顔で睥睨す

だけど所詮は棚の上
外の世界は見えないよ

そうさ所詮は棚の上
いつかは降りてこなくちゃね

降りておいで仔猫ちゃん
いつまでそんなとこいるの?
降りておいでよ仔猫ちゃん
自分の姿を見てごらん

2008.04.22 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
乗り物に酔ったみたいに

お酒が廻ったみたいに

風邪でも引いたみたいに

気持ち悪い

きっとこれは

地球の回転速度が

変わったに違いない

きっとこれは

地球の地軸の向きが

変わったに違いない

だからこれは

風邪じゃない

病気じゃない
2008.04.21 Mon l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
砂粒ひとつ
集めていけば
砂漠になる

草の芽ひとつ
集めていけば
草原になる

若木をひとつ
集めていけば
樹海になる

山をひとつ
集めていけば
秘境になる

星をひとつ
集めていけば
宇宙になる

人をひとり
集めていけば
家族になる

好きをひとつ
集めていけば
愛情になる

人を
自分を
世界を

愛していけば

明日になる


(2007-03-16)
2008.04.20 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
じっくりとのろのろと

歩いていこう

馬はない

月が出たなら酒を飲み

寒が戻れば火を囲み

ゆっくりとのたのたと

歩いていこう

意味のない

敵兵とともにあるよりは

路傍の花を愛でてこう


(2007-03-13)
2008.04.19 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あたしは思うんです
どうしようもないときに
どうしたらいいのかを

ひたすら悩んでみるべきか
いっそ忘れてみるべきか

当たって砕けてみるべきか
遠回りをしてみるべきか

一歩踏み出すべきなのか
見て見ぬ振りをするべきか

泣いて明け暮れるべきなのか
笑って飛ばしてみるべきか

あたしは思うんです
どうしようもないときは
どうしてもいいのだと

あたしは思うんです
心の中に住んでいる
天使と悪魔に委ねようと

どんな悩みも困難も
心のままに選ぼうと
2008.04.18 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
強い風に吹かれて
窓辺の日記が翻る
悪戯な溜め息が
あの日の二人を開いた

風が吹けば寄り添い
雨が降れば笑った
太陽の下で眠り
月夜に語らった

強い風に吹かれて
窓辺の時間は彷徨える
若葉の薫る影が
昔の幻を見せた

幾つもの出会いと
別れていく景色
変わらぬものがあれば
消えたものも残る

強い風に吹かれた
時が混ざる窓辺で
遠く過ぎたあの日に
今日の花が降り注ぐ

どんなものも全て
重なり合ったページ
記憶は胸の中で
ひだまりへと変わる
2008.04.17 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
誰か教えてください
私のあの窓辺に
花は咲いていますか

誰か教えてください
私のあの垣根に
鳥は囀っていますか

誰か教えてください
私のあの露台に
星は降っていますか

誰か教えてください
私のあの人には
愛が足りていますか

誰か教えてください
私のこの胸には
何を抱けばいいのか

誰か言ってください
私はただそれを
信じていけばいいのだと
2008.04.16 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
誰も思いもしなかった
誰も予想をしなかった
そんな明日が
明日来る

誰の思いも裏切った
誰の予測も擦り抜けた
そんな明日が
明日来る

そしてまた
地球は廻る

そしてまだ
地球は廻る


多分
2008.04.15 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
どんなに同じ色の
どんなにたくさんの
人の中でも
君を見つけられるのは
僕と君との間を結ぶ
赤い糸が見えるからさ

そう言ったら
きっと君は
笑い飛ばすだろう

ほんとは
僕を見つけた君が
花開くように笑うから
太陽のように笑うから

そう言ったら
きっと君は
拗ねて怒るだろうから

僕らを結ぶ赤い糸が
明るくて眩しいからさ
やっぱり僕はそう言うんだ
2008.04.14 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
そんなものは

時間の始まりのように

宇宙の果てのように

なんとなくしか

分からないもの


そんなものは

天上の神様のように

逝った誰かの気配のように

在るとも無いとも

言えないもの


そんなものは

永遠の終わる瞬間や

円周率の最後のように

来ることさえも

分からないもの


(2007-03-11)
2008.04.13 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたの腕の中にいれば
何も怖くないと思っていた
あなたのぬくもりがあれば
何も恐れないと思っていた

安心の中で
私は少しずつ
鈍磨していった

あなたを失くしたときに
気付いた

あなたの腕の中にいたら
何も動けないことを知った
あなたのぬくもりに甘え
何も生み出さないことを知った

不安の中で
私を少しずつ
取り戻していった

あなたを失くしたとしても
歩ける

あなたの腕の中の世界
心地よくて狭すぎた
あなたのぬくもりの世界
眠気を誘ってつらかった

安心と不安
私は少しだけ
分かった

二人を失くしたくないから
行くこと


(2007-03-07)
2008.04.12 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
好きだよ

大好き

だぁいすき

なによりも

誰よりも

君のこと

好きだよ

大好き

だぁいすき

笑わないで聞いてね

君が好きで

毎日が嬉しい

君が好きで

明日が楽しみ

好きだよ

大好き

だぁいすき

自分までも

好きになる

優しい気持ちに

なれるんだ


2008.04.11 Fri l 一枚の茶葉 l コメント (0) トラックバック (0) l top
傷なんて見えないのに

何も変わりないのに

ひりひりと痛むんです

火傷したかのように

ひりひりと痛むんです

何も違わないのに

怪我なんてしてないのに



ひりひりと

ひりひりと

痛むんです

心が
2008.04.10 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君はどこに行きたいの

君は誰に会いたいの

君は何を欲しがるの

君は何をやりたいの


ここじゃない

僕じゃない

与えられない

動き出せない


文句ばかりじゃなくて


今を見て

僕を見て


歩こうよ


君は今不安かい

君は今不満かい

君はまだ不平かい

君はまだ戻りたい


不安なら

抱きしめて

嘆きなど

投げ飛ばせ


楽しんでみようじゃないか


明日を見て

君を見て


走り出せ
2008.04.09 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
飛んでいく
すべてすべて
飛んでいく
悩みも鬱も
飛んでいく
あなたも彼女も
飛んでいく
ぜんぶぜんぶ
飛んでいく
涙も愚痴も
飛んでいく
誰かも自分も
飛んでいく
みんなみんな

飛んでいけ
2008.04.08 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
淡く咲いた花びらは
この雨風に散るだろう
夜に煙った花びらは
濡れた地面で光るだろう

それでも凛とあるだろう

薄紅の花びらは
春の嵐に舞うだろう
仄かに香る花びらは
かすかに揺れて誘うだろう

ことさら艶に匂うだろう

乙女の爪の先のように
薄く微笑む唇のように
波に浚われる貝のように
全てを包む雲のように

闇に浮かびし花びらは
かそけき光を放つだろう
夢に霞みし花びらは
朝の淡いに開くだろう

春を奏でて咲くだろう
2008.04.07 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
孤独が匂う
四辻の夜
闇に紛れて
鴉が嘆く
呼ばえ
呼ばえ
魔物が囁く
円く馨った
血の色


絶望が歌う
墓石の下
骨に紛れて
記憶が誘う
夜這え
夜這え
蝙蝠が哄う
淡くけぶった
血の色


月も滴る
血の色
夜闇


(2007-03-06)
2008.04.06 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ばいばい

夜が来て

朝が来たら

また会う気がするね


おはようって

笑いあって

昨日のドラマの

話をしたり

雑誌を読んだり

しそうだね


ばいばい

夜が来て

朝が来たら

もう違う空の下

なのにまだ

会う気がするね


ばいばいまたね



(2007-03-05)
2008.04.05 Sat l 月々 l コメント (3) トラックバック (0) l top
僕がどうして
君を食べないか
分かるかい

毒があるからさ

僕がどうして
君のそばにいるか
分かるかい

餌が来るからさ


君に惹かれて
ふらりふらり

君に魅せられ
ひらりひらり

だから僕は
ここにいるのさ


ホントはどうして
君から離れないか
教えない

綺麗だからさ
2008.04.04 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
なんでもないような街に
ほわりと霞をかけて
ほころんでいく桜
きみの笑顔を誘う
空に良く映えて
薄紅の花弁
くるりと舞い落ちて
きみのうなじをくすぐる

なんでもないような街の
どの道を歩いても
ほら魔法のように
きみの頭上に桜
2008.04.03 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私は何か間違っているかい
私は何か図に乗ってるかい
そんなことはないはずさ
当たり前のことを言ってるだけさ

初対面なら丁寧語
敬語が無理でも正しい言葉で

頼みごとなら腰は低めに
挨拶抜きで用件だけなど論外さ

私は何か間違ってるかい
私はどうも古臭いかい
そんなことはないはずさ
あるべきマナーを言ってるだけさ

親しき仲でも礼儀を持って
適度と節度は忘れずに

世迷言なら寝てから言いな
目が覚めてから言い直せ

私は何か間違ってるかい
確かに正しいばかりじゃないが

私は何か間違ってるかい

糾弾されるよな謂れがあるかい


2008.04.02 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
君たちはまだ小さくて
この大海を知るには幼すぎる
それでも鰭を動かして
泳ぎ始めるんだ

時には嵐に見舞われて
渦に巻かれることもあるだろう
海底深くに逃げてもいい
力をあわせてみるのもいい

不安ストレス疲労に無駄骨
色んな敵に出会うことだってあるだろう
同じように道も色々
それを知ることも生きる術

君たちはまだか弱くて
この大海を知るには若すぎる
それでも鱗を光らせて
渡っていくんだ

世間の荒波に揉まれても
ぬるま湯の誘惑に負けそうでも
時には鱗を傷つけて
泳ぐことを知るんだ

誰もまだ大海の全貌は知らない
明日をそれを知るのは君かもしれない
だから大きく夢を見て
泳ぎ初めてごらん


2008.04.01 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top