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背中越しの君の声
聞きながら帰った
二人乗りの自転車
懐かしい曲がり角

夕焼けに向かって走った
二人の秘密の場所
自販機のコーヒー
君はいつもブラック

宵闇が降りてきて
街灯が灯ったら
別れ難く接吻して
手を振って走った

背中越しの思い出
くぐもる声とぬくもり
今でも覚えてるよ
遠く時が過ぎても
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2008.03.31 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
見えない敵がいるぞ

警鐘を打ち鳴らせ

見えない敵がいるぞ

水攻めで追い返せ

侵入してくるやつらは

大砲で吹き飛ばせ

突進してくるやつらは

防壁で跳ね返せ

見えない敵が来たぞ

山の向こうから来たぞ

見えない敵が来たぞ

追い風に乗って来たぞ

敏感なぼくらは

すぐに迎撃体制

鈍感な君らは

憐れむ目つきで見守る

見えない敵がいるぞ

目を真っ赤にして戦え

見えない敵がいるぞ

口と鼻をふさげ

雨の日の翌日には

大量に押し寄せる

今日は好い天気だ

哀しい合戦日和だ


(2007-02-28)
2008.03.30 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
人にされていやなことは
してはいけません
己の尺度で考えても
おそらくは間違いではない

人にされて嬉しいことは
少し考えなさい
己の尺度で考えたら
時として間違えてしまう

物事の善悪を
誰かが教えても
それはきっと
世界共通ではないから

何事も
人にされたことならば
暫し考えなさい
己がすることに
照らし合わせなさい

己の尺度で測れることは
そう大きくも長くもない
手の届く範囲
目の届く範囲
だからこそ考えなさい

それが思いやり


(2007-02-22)
2008.03.29 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
力の限り
叫べばいいじゃないか
あなたの夢を
あなたの希望を
力いっぱい
望めばいいじゃないか
あなたの明日を
誰かの愛を

我慢してたって
伝わらない

そのまま終わっていいのか
明日を無為に待ちうけていいのか

大声で
呼ばわればいいんだ
あなたの求める
あらゆるものを
2008.03.28 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
足掻いた名残を
意外なところで見つける
運が良いか悪いかは
描いた絵では分からない
王が言ったとしても


加害者は誰だ
危害を加えたのは誰だ
苦界に落とされた者を
剣が威嚇する
戸外では嵐が渦巻く


差が一方的に開く
屍骸は放り出される
吸うがいいさ甘い汁を
世外には持っていかれない
疎外感を味わうくらいなら


互いに違えたことを知り
違いに愕然とするだろう
番いであったはずの二人の
手がいつの間にか離れ去り
戸が今はもう開かない


長い孤独の夜はつらい
苦い記憶が蘇る
縫うが良いさと麻を渡され
願いをこめて朝を待つ
ノーが言えずに夜も縫う


羽交い絞めにしたものは
被害妄想の小鳥
不甲斐無いと罵られ
塀がいたずらに逃げ回る
法外な祈りごと飛んでった


紛い物のロケットは
磨いても磨いても光らない
無害だと謳われても
目がいい者は騙されない
もがいているのは己だけ


野外の舞台には
ゆがいた野菜が躍る
要害の城壁で元気に育ったのだ


欄外に記されたメッセージ
利害関係は一致した
ルーが溶けてなくなる頃には
レンガ色の夕餉が並ぶ
労咳の音がどこかから聞こえている


我が意に反したものは全て斬り捨てよと
王が言い放つ
が今や彼の民はもういない

2008.03.27 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
三月のせいだなんて
満月に向かって呟く
泣きたくなる気分も
壊したい衝動も
別れの暗示でさえも
すべてすべて
三月のせい

三月のせいだなんて
春風に飛ばして笑った
終わっていく予感も
戻れない後悔も
旅立つ焦燥さえも
すべてすべて
三月のせい

明日になれば
過ぎ去ってしまうかもしれない

来月になれば
忘れ果ててしまうかもしれない

でもこれは
すべてすべて
三月のせい
2008.03.26 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
水を張った幾枚もの
田んぼに吹く風が
漣を立てて
砕けた夕日を映す
頼りない柔らかさで
列を成す
早緑の幼苗が
未来へと書き綴る
言葉のように
風にそよいで囁く
あぜ道を彩る
白や黄色や薄紫の
小さくも強い花々と
空を渡って家路を急ぐ
鳥の群れのシルエット
ここにはきっと
誰もが抱く
ノスタルジーがあるのだ
ここにはきっと
誰もが祈る
穏やかな日々が見えるのだ

春の日の
柔らかな日差しが
柔らかな草花が
柔らかな風が

心をほぐしていくのだ
2008.03.25 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
埋めに行こう
私の屍骸を
捨てに行こう
私の遺骸を

梅の花咲く丘を越え
桜舞い散る山を越え
光溢れるあの野辺の
草の波間に墓を掘ろう

埋めに行こう
貴方の芝居を
捨てに行こう
貴方の依頼を

知っていながら騙されて
解っていながら絆された
三度縋れる手を伸べた
もろとも隙間に落とし込もう

埋めに行こう
私の屍骸を
捨てに行こう
貴方の遺骸を

膿めども癒えぬ疵を持ち
倦めども言えぬ瑕を持つ
光もとうに枯れ果てた
愛の狭間に死に果てよう

埋めに行こう
春の野へと
捨てに行こう
陽だまりの中
2008.03.24 Mon l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
彼女の鎖骨には
湖がある
なだらかな稜線のふもと
水をたたえて

彼女の鎖骨には
人魚がいる
つややかな鱗を揺らし
笑みをたたえて

ぼくは時折
鎖骨の彼女に
挨拶をする

ぼくは時折
鎖骨の彼女に
接吻をする

彼女の鎖骨には
湖がある
それを飲み干してから
夜を撫でてく


(2007-02-20)
2008.03.23 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
きみの欠点だね
どんな話もいつか
きみの話にすりかわる

きみの難点だね
どんなシーンもいつか
きみの視点に置き換わる

人の発言先回り
誰も思ってないのに
きみが主体の話を作る

自己顕示欲
さりげなさそうで強いから
ときに僕はうんざりするよ

だけどきみは努力家で
面倒見のいい良い人で
だから余計に言えないよ

きみの短所だよね
どんなことでもいつか
きみは気にしてすりかえる

きみの難所だよね
きみがメインの話を
僕は無理して無視をする

自意識過剰
自然なふりして強いから
ときに僕は困惑するよ

だけど嫌いになれなくて
近くて遠くて近いから
だから容易に言えないよ

僕も似ているよね
どんな話もいつか
自分の話にしたりする

だから僕には言えないよ


(2007-02-19)
2008.03.22 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
形のないものを

言葉にしようとして間違う

変わっていくものを

どうにか留めようとして誤る

間違えてばかりだ

誤ってばかりだ

それでも

目に見えないものを

言葉で伝えようとしてみる

行き過ぎていくものを

切り取って遺そうとしてみる

感じ取った何かを

生きてきた証を
2008.03.21 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ひとつ

人よりも早くきみに

ふたつ

再び会えるように願う

みっつ

見つけて欲しいよどうか

よっつ

夜風に凍える前に

いつつ

いつか言った言葉も

むっつ

睦みあった日々も

ななつ

七色に光って見えたのだから

やっつ

やっつけてしまわないで

ここのつ

個々の罪も忘れてしまえる頃に

とお

遠くまで行こう二人で


(2007-02-16)
2008.03.20 Thu l 月々 l コメント (4) トラックバック (0) l top
夜明けよりも早く
星の眠りの中を
駆け抜ける流星

水晶の梯子を上り
硝子の光を追って
銀の船に飛び乗ろう

小鳥達が群れをなす
天の川が雫を落とす
目覚めを誘って風が吹く

夜明けの藍の世界
星が瞬く空を
未来を載せた流星

のびやかな季節の
眠たげな瞳開けて
宇宙を駆ける船を見送ろう
2008.03.19 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ふわふわ
ふわふわ
ふらふら
ふわふわ

口どけのいいお菓子みたいに
軽やかに舞う綿毛みたいに
春風に乗るシャボンみたいに

ふわふわ
ふわふわ
ふらふら
ふわふわ

鳥が残した羽毛みたいに
風にはぐれた綿雲みたいに
弾けて香る小花みたいに

ふわふわ
ふわふわ
ふらふら
ふわふわ

夢の中へと彷徨い行くよ
幻追いかけ彷徨う幾夜
2008.03.18 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ただ好きなだけでは
どうして駄目なの

求めたくなる
愛を
見返りを
あなたを

ただ好かれるだけでは
どうして駄目なの

応えられない
愛も
見返りも
拒絶さえも


何も求めず
何も応えず
生きていくことは
不可能だというの

ただ願うだけ
幸せだけを

それじゃ駄目なの
2008.03.17 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんなに風の強い日は
揺り起こすような風の日は
崩れた墓の石の下から
うずめた記憶が蘇る

百年も前の惨劇も
一昨年喪くした恋の火も
倒れた卒塔婆の隙間から
野草に紛れて蘇る

咲き誇る花を撒き散らし
囀る鳥の羽を毟り取り
こんなに風の強い日は
薄れた墓碑銘滲み出す

暴いてならない過去ならば
覗いてならない過去ならば
地中深くに閉じ込めて
風の止むまでやり過ごせ

こんなに風の強い日は
呼び戻すような風の日は
茂れる草葉の後ろから
殺した記憶が蘇る


(2007-02-14)
2008.03.16 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
柔い身体をくねらせ
走る身体をしならせ
獲物を狙うきみは

濡れる唇で微笑み
光る瞳で射殺す
獲物を捜すきみは

目にもとまらぬ速さで
誰も気付かぬ速さで

誰かの心を鷲掴み


草原を走り抜ける
猫科の獣みたいに
獲物を捕えるきみは

大空を駆け抜ける
音速の機体みたいに
獲物を捉えるきみは

魅惑の指先で手招き
喉もとに喰らいつき

誰かの心を手の中に


きみになら
食べられてもいい

草食動物のふりで
逃げていくから

うつくしい仕草で
魅せつける手管で

ぼくの心をつかまえて


(2007-02-09)
2008.03.15 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あなたにあげるならば

甘く溶けるマシュマロがいいか
香ばしく軽いクッキーがいいか
きらきらと光るキャンディーがいいか

あなたにあげるならば

恋の花咲くブーケがいいか
共に刻める時計がいいか
毀れぬ絆の指輪がいいか

あなたにあげるならば

それとも甘いキス一つ
2008.03.14 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ラジオから聞こえてきた
懐かしい歌を頼りに
君の町へと向かうよ

変わっていく町並み
見知らぬ曲がり角
あの日見送った
背中が見える

今の君はどこで何してるの
今君の隣には誰がいるの

落ちていく夕日の中へ
アクセル踏み込んで行く僕に
ラジオが歌うよ


後戻りは知らない
夕焼けを追ってく
辿り着けるはずもないのに

助手席の地図には
意味のない印
まるで何かを告げるみたいに

今の君は何を歌ってるの
今君に僕は届くの

燃え尽きた夕日の中へ
スピード上げて飛び込む僕に
ラジオが笑うよ
2008.03.13 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
思い知らされると同時に
なんとも言えず安堵する
煩わしさと同居して
諦観さえも漂わす

汝の名は女

満ち引きの汐の如く
満ち欠けの月の如く
緩やかに確実に変化する
母なるは星か海か

汝の名は女

迸る夕日の血潮に似て
蒼醒めた夜明けにも似る
朽ち果ての屍にも似て
豊熟の果実にも似る

汝の名は女
2008.03.12 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
行かないよ
ここにいる
君がもう二度と
戻ってこないとしても
ここにいる
いつまでも

いつまでも
ここにいる
君の帰る場所は
いつだってあるのだと
ここにいて
示してる

示してる
ここにいて
君の夢抱きながら
温かく見守るよ
ここにいる
行かないよ
2008.03.11 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
信じられるかい
君はそんな魔法
信じてやれるかい
笑ったりなんかせずに

それなら何も言えない

信じられるかい
君はそんな奇跡
信じてみれるかい
絶望したりなんかせずに

それなら何も言わない

ただ僕は

君の背中を見ていよう

いつか飛び立つことを信じて
2008.03.10 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
大嫌いを
細かく刻んで
お鍋で煮込んで
スープのように
食べてしまおう

大嫌いを
とことん叩いて
混ぜてしまって
ハンバーグのよに
食べてしまおう

大好きと
混ぜ合わせて
大丈夫で
味調えて

大嫌いも
形がないほど
すりつぶして
身体にいいよと
食べてしまおう

それでも駄目なときに
大嫌いだと
言えばいい


( 2007-02-07)
2008.03.09 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
春が来たよと
告げていく
見えない
誰かの
気配

お日様がほら
柔らかいと
微笑んだ
密かな
気配

眠気でさえも
愛しくなる
温もった
午後の
気配

ほころびそな
蕾を抱いて
楽しげな
花々の
気配

蜂蜜色した光
喉を潤して
囀ってる
小鳥の
気配

春が来たよと
告げていく
見えない
何かの
気配


(2007-02-04)
2008.03.08 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
恋がしたいと思ってるけど
誰でもいいってわけじゃない

ぴったりきっちり当てはまるよな
パズルのピースの恋がいい

しっかりぴっちり合わさるような
手と手を取り合う恋がいい

恋をしたいと思ってるけど
誰でもいいってわけじゃない

だから違うよ諦めようよ
合うよで合わないピースだよ

よく見て拒絶をされてるでしょう
まったく似てない別物さ

恋がしたいと思っていても
誰でもいいってわけじゃない

だから間違うな小さき君よ
君の相手は人じゃない

世界をけぶらせ人を惑わせ
君の目指すは杉林
2008.03.07 Fri l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
オレは普通の人なのに
オレはよくいる奴なのに
いったいぜんたいどういうわけで
スポットライトが当たるんだ

オレは何にもしてないし
オレは目立ちもしないのに
いったいぜんたいどういうわけで
白羽の鏃突き刺さる

それともオレは思ったよりも
有名だったわけなのか

或いはオレは思ったよりも
自他の評価が違うのか

オレは普通の奴なのに
たいしたこともしないのに
いったいぜんたいどういうわけで
名指しでオレが選ばれる

ご愁傷様といわれても
イマイチ何もぴんとこないが

ご心配なくといわれても
愁傷狼狽したくなる

オレは普通の小市民
オレはよくいる奴なのに
いったいぜんたいどういうわけで
こんなことになったのか
2008.03.06 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
時折吹き抜ける一陣の風のように
不意に思うんだ

誰も僕を必要とはしていない
誰も僕を大事とは思っていない

今僕が姿を消しても
きっと誰もそれに気付かない

吹きすぎた風の行方を
誰も気にしないように

不意に思うんだ

誰も僕を上滑りしていく
誰も僕をひと撫でだけしていく

旅先の店の猫のように
きっと誰も明日には忘れる

吹きすぎた風の終わりを
誰も見たことないように

時折吹き抜ける一陣の風に
不意に兆すんだ
2008.03.05 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
届きますように
君の声が
君の好きな人に

晴れ渡る空のように
澄み切った風のように
どこにいても受け取れますように

届きますように
君の想いが
君の大事な人に

新しい朝のように
欠けて満ちる月のように
いつであっても感じ取れますように

届きますように
僕の声が

僕の想いが

君に

誰かに
2008.03.04 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
黄沙に吹かれて
燃える夕日が
ビルの谷間で
ぼんやり光る

象牙の塔を
目指した旅団が
テールランプを
点滅させた

涙零した
君は溜め息
風が揺らして
夕日が歪む

悲哀のせいか
砂のせいかも
見極めさせず
静かに泣いて

黄沙に吹かれて
消える夕日が
沙漠の王女
君を照らした
2008.03.03 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君たちが
明日を担うんだ
君たちが
未来を創るんだ

試行錯誤した大人たちが
思考錯綜したままで
混沌として混乱した世界を
持て余しながら言う

君たちが
国を担うんだ
君たちが
世界を創るんだ

慇懃無礼な大人たちが
陰険プレイで足を引っ張り
困惑した困難な時代を
もてあそびながら言う

明日が来るには
次代が来るには

今の担い手が

明日のためには
次代のためには

次の担い手に

今日を手本に
見せるのが肝心

誰もが
今を担うんだ
誰もが
未来を創るんだ

東奔西走の人々は
狂奔生存のために
こんなにも渾然な世界を
もてはやしながら言うんだ


(2007-02-02)
2008.03.02 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top