どこにもかえらない

言の葉遣いになりたい。 たくさんの言葉とたくさんの感性で誰かの心の琴線を響かせたい。 そう思って今日もまた、詩を書いてます。

うるう年

やあやあ

久しぶり

めったに会わないから

なんとなく

特別な気がするよね

でもまあこれも

同じ一日

特別なことは

何もない

これもまた

大切な一日

じゃあまたね

四年後にね

ぎぶあんどていく

あげる
ぜんぶぜんぶ
あげる
かわいいきみに

あげる
どんなものも
あげる
どんなことも

きみがいらないっていうまで
きみがもういいっていうまで

あげる
ぜんぶぜんぶ
あげる
きみとひきかえ

中央広場の時計塔

元気かい
空に向かって手を振る
あれだよと
星に向かって指差す

雪降る夜の時計塔の下で

モザイクタイルの町並みの
中央広場の時計塔
皆が眠った雪夜更け
僕らは抜け出し空を見る

見えるかい
空に向かって広げる
届くかい
星に向かって呟く

雪降る夜の時計塔の下で

二人の距離は

愛なんて呼べるほど
難しくはなかった
恋だよと言えるほど
簡単でもなかった

二人の間にあった
愛情の重さを
愛情の形を
愛情の深さを

言い表すには
言葉が足りなすぎた

愛なんて告げるほど
軽々しくなかった
恋なんて決めるほど
華々しくなかった

二人の間にあった
微妙な空気を
測れない距離を
強かった気持ちを

言い示すには
言葉は拙すぎた


青空に君を思う

君と暮らした
あの町が
不意に
瞼に
蘇る

君と過ごした
あの日々が
今も
心に
刻んでる

捨てたはずの瑕
もう痛まないけど

この空はどこでも
遠いから
時々君を思い出す

この空はいつでも
輝いて
あの日の二人も見た蒼さ

ねぇ、盗人のフォンダネーヌ

夜になると
ボクの隣から抜け出して
眠る街に出かけてく

黒い衣装を身にまとう
しなやかでうつくしい
フォンダネーヌ

夜に紛れ
窓の鍵をこっそり開けて
するりと闇に身を潜らせる

黒い髪をなびかせて
つややかにうつくしい
フォンダネーヌ

ボクは眠った振りをしてる

夢の向こうの遠い街で
猫の鳴き声がしてる

ねぇ怪盗フォンダネーヌ
今日はなにを盗んだのさ

朝になると
僕の隣に戻ってる
君の寝顔に問い掛ける

黒い毛並みを身にまとう
しなやかでうつくしい
フォンダネーヌ


(2007-01-31)

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真綿の脅迫

きみがいくのなら

止めることは出来ないし

止める権利もありはしない

ただ

覚えておいて

僕は泣くよ

きみがそれを見なくても


(2007-01-28)

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ヒミツの

ヒミツの話

ナイショの話

誰にも言っちゃ駄目よ

魔法が解けちゃうから

ヒミツの話

ナイショの話

君にだけ教えたげる

朝を釣る

僕らを乗せた船が
生まれた星へ還る頃
月の漣の向こうに
砂粒ほどの朝が見える

誰もが寝静まって
音一つない夢の中
寄せて返す時間も
朝を手繰り寄せはしない

僕らは糸を垂らし
朝が釣れるのを待つ
鱗煌めかせて逃げる
笑い声が船べりを叩く

そして次の月が
調べを奏でながら昇る
捕らえ損ねた朝は
目覚めぬ夢に潜る

即興詩

それは
なんでもない
いつものような
朝の日の中で
だけどわけもなく

なにも
失わない
見逃さない
ただあるだけで
なのにすり抜ける

まるで
翻る光の尾鰭

まるで
迸る時間の水飛沫

まるで
駆け抜ける記憶の双翼

それは
なんでもない
いつもどおりの
朝の日の中で
だけど唐突に

芽吹く物語

君が生まれたその時

僕は多分空っぽだった

あるいは

空の青さに見惚れていた


君が生まれたその時

僕はおそらく呆けていた

あるいは

鴉が広げた翼を見ていた


君が生まれたその時

僕はきっと信じていた

あるいは

生まれたばかりの君になってた

ロシアンティータイム

机の中にこっそりと
招待状が届いたら
それが合図の忍びごと

素知らぬ顔で
秘密の場所へ

ノックは三回
それから一回

それではどうぞ
秘密のお茶会

ビーカーフラスコ試験管
メスシリンダーガスバーナー
天秤ばかりと薬さじと

丸底フラスコ茶を淹れて
漏斗でコーヒー淹れたなら
薬壜出してご覧じろ

ラベルに書かれたKCN
光る結晶どれくらい

20杯ほど貰おうか
それなら私は15グラム

薬さじ乳鉢薬包紙
天秤分銅ピンセット

お次はこちらのスポイトで
誰もが見てないそのうちに
秘密の液体ひと垂らし

小瓶に貼られた髑髏のマーク
口元にやりと笑ってみせる

さあさあどれでも好きなもの
選んで皆でティータイム

今日の餌食は誰かしら
素知らぬ顔でティータイム

全てがそつなく終わったら
洗って綺麗に元通り

専用戸棚に鍵かけて
それでは皆さんさようなら

机の中にこっそりと
招待状が届くまで

毒を盛られたその人が
次の会を開くまで

どこにでもいる一生徒と
どこにでもある理科室の

顔をしながらさようなら

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不必要なナイフ費

ぎらぎらする
びかびかする
欲望のままに
凶器を探す

ぎらぎらする
びかびかする
ナイフを手に
獲物を探す

ぎらぎらする
びかびかする
血走った目で
誰かを探す

ぎらぎらする
びかびかする
真っ赤な太陽
血塗られて

ぎらぎらする
びかびかする
滾る狂気にも
反射したが

きらきらする
ぴかぴかする
一番星見たら
静まってた

ぎらぎらする
びかびかする
鱗をまとった
魚を買おう

ぎらぎらする
びかびかする
ナイフを手に
料理しよう

ぎらぎらする
びかびかする
ナイフならば
家にあるさ

ぎらぎらする
びかびかする
硬貨を仕舞い
家に帰ろう


(2007-01-25)

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魔法の真帆

まだ見たことのない
ほんとうに遠い国へ
うみを渡っていこう
まっすぐに空に伸びる
ほばしらによじ登って
うみどりと進路を決めよう
まえを見つめるんだ
ほしぞらの下も
うつくしい夕焼けの下も
まるでいつでも違う風景
ほを上げて進んでいこう
うしろを振り向くな
まあたまには困難もあるさ
ほをかけて進む向こうに
うごめく黒い雲
まほに風を受け
ほら進んでいくんだ
うたうように波を蹴って
まぼろしもゆめも
ほんとうと同じ価値
うそだと思うかい
まほうならすぐ隣
ほんきになればいいのさ
うつくしい明日は
またきみの上に降る
ほうせきよりも綺麗な朝を
うけとってごらん


(2007-01-22)

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悪夢

そこに閉じ込めたままの

それが出てくるよ

目をそらしていたはずの

それが身じろぐよ

ほらうっすらと目を開けて

ほらゆっくりと立ち上がる

そこに封印したはずの

それが出てくるよ

血の色をした瞳で

こちらを見据えるよ

チョコレートと魔法の夜

白い息吐きながら
小走りに急ぐ月の道
夜空に浮かぶシルエットの並木
潜り抜けて会いに行こう

渡せなかったチョコが
夜の中で凍って砕ける前に
会いに行こう
胸と抱えた小箱とを
ことこと音を立てさせて

戸を叩けなくて立ち止まる
部屋の灯りをみあげたままで
今宵私に翼があれば
あなたの窓まで飛ぶものを

白い息吐きながら
柔らかく晒される月の下
夜空に流れた星屑一つ
こつんと小窓に突き当たる

音に気づいたあなたの瞳
窓の中から見下ろした
消えてしまったあなたはやがて
微笑みとともに戸を開ける

前夜

君を想う寒い夜

甘い心乗せて

届けに行こう

星屑の降る中を


ふわふわきらり

ふわり
冷たい朝の光に
きらり
輝く小さなシャボン

誰の仕業か
人影もなく
風の気紛れ
左へ右へ

ふわり
凍える朝の空気に
きらり
煌めく小さなシャボン

白く煙った
揺らめく膜は
白く漂う
吐息にも似て

ふわり
静かな朝の目覚めに
きらり
揺らめく小さなシャボン

どこへ行くのか
知る人もなく
風に彷徨い
ふわふわきらり

むみ

味が無い

夢を見る

深い霧の

美しい眸

三たび舞えば

六たび魅せられる

この身は無くとも

夢を見る


(2007-01-19)

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二人の別れ -ナ行-

失くしたものが
なんだったのか
涙を流さず
嘆いている

二度目の別れは
似合わないまま
逃げ出しそうで
睨みあってた

抜け出した午後も
濡れ合った夜も
脱ぎ捨てた服さえ
泥濘の底深く

寝返りで背を向けて
猫みたく丸まって
願いながら眠った
熱烈な抱擁も

のどかな陽射しは
望まれた夢を
乗せたまま消えて
逃れられぬ別れが来る

なにもかもを
二等分には出来ない
盗み出せるのなら
根こそぎ欲しかったけど
残るのは記憶だけ


(2007-01-16)

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瑠璃色くるり

その日
空から落ちてきた
雪に混じって
落ちてきた
瑠璃の色した
羽根一つ

白い景色に
冴え渡る
深い宇宙の
ひとかけら
星を浮かべた
空に似る

ひらりひとひら
雪が舞い
瑠璃の上にも
花が散る
凍る冷たい
星が咲く

指で摘んで
持ち上げた
小さい宇宙の
ひとかけら
壊さぬように
包み込む

塔を登って
空近く
雲の切れ間に
瑠璃を見る
星を浮かべた
瑠璃を見る

指を離せば
飛び立った
澄んだ宇宙の
そのかけら
硝子の速さで
飛び立った

指に滴る
緋の色が
塔の上から
零れ落ち
白い世界の
点になる

瑠璃はくるりと
舞い降りる
紅はつるりと
珠になる
白い世界に
ただ二色

その日
空から降りてきた
雪をすり抜け
降りてきた
瑠璃の色した
鳥一羽

白い景色に
零れてる
赤い雫を
啄ばんで
遠い空へと
飛んでった

そしてあとには
雪景色


(2007-01-10)

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蒼い蝶と白い雪野と

冬の蝶を追う
白銀の世界の中
蒼く光る蝶を追う

長い袖をひらめかせ
重みの無い様な足取りで
蒼く光る蝶を追う

君の素足が雪に遺した
浅い浅い僅かな窪み
舞い落ちる小雪に埋もれ
やがて君ごといなくなる

冬の蝶を追う
白銀の世界の中
ただ静かに沈みながら
蒼く光る蝶を追う

オノマトペバレンタイン

がっかりなんてしたくない
ぎっしり詰まった愛の味
ぐっすり眠ってる横顔に
月光の道を辿ってさ
ごっそり運んでいくからね

ざっくり混ぜて練り上げる
じっくり待って出来上がる
ずっとずっと君を想いつつ
絶対的な愛情込めるの
ぞっこんなのよと開き直るわ

だんだん君が好きになる
じりじりこっそり近付いた
ずんずん進んでいきたいけれど
でもでもだけどもじらしたい
どっきりさせたい恋心

ばっちり可愛くおしゃれして
びっくり顔を見てみたい
ぶっちゃけあたしを食べてもいいわ
別にチョコだってあげるけど
ぼやぼやしてたら盗られるわ



ぱっちり開いた瞳の中に
ぴかぴか笑顔のあの子が見える
ぷぷっと笑って抱き寄せてみた
ぺろりと舐めたチョコとあの子は
ぽかぽか春の味がした

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きみへ

いいよ
いつでも
聞いたげるよ

いいよ
いつでも
呼んでいいよ

きみの
気持ちが
晴れるように

きみの
悲しみが
消えるように

いいよ
なんでも
聞いたげるよ

いいよ
なんでも
話してごらん

きみの
ココロが
癒されるよう

きみに
あしたが
とどくように

いいよ
あたしで
構わないなら

いいよ
あたしは
聞いたげるよ

風になろう

どこまでも走り抜けて
君の耳元すり抜けて
春を運ぶ風になろうか

いたずらに舞い上がり
戯れに巻き上げて
困らせるつむじ風になろうか

便りを届けたり
噂を運んだりする
おしゃべりな風になろうか

鳥たちと旅をする
この星をひと廻りする
壮大な風になろうか

風になろう

時折君に囁く

風になろう

天使の種

ほら
見てごらん
これが君の種だ

好きな場所を選んで
好きな時を選んで
蒔いてあげればいい

ほら
見てごらん
これが君の種だ

水をやってみたり
光を当ててみたり
好きに育てればいい

ほら
見てごらん
これが君の種だ

どんな芽を出して
どんな花になるか
君が決めていいんだ

僕は待っているよ

君に会えることを

僕は待っているよ

君と出会う時を

お別れの顔は&お別れの背中

さよならを言うときは

笑ってあなたを送りましょう

涙のかけらも見えぬほど

綺麗に笑ってあげましょう

一番幸福だったときのよに

溢れる笑顔は出来なくたって

お別れすると分かったら

笑ってバイバイいたしましょう

あなたが歩んでいく道の

転がる小石にならぬよう

あなたが進んでいく明日の

つまずく穴にならぬよう

さよならすると決めたなら

笑って背中を押しましょう

何度も何度も振り返っても

素敵な笑顔で見てましょう

あなたの姿が遠くなり

私の顔が見えなくなるまで

ずっと笑って送りましょう




どこまでいけばいいのかな

泣きそな顔を隠してさ

どこまで歩けばいいのかな

君に背中を向けたまま

一番幸福だったときのよに

君ごと世界を抱きしめて

さよならなんて嘘だよってさ

笑って言えたらいいのにね

僕だけ歩んでいく道の

小さな花に思い出す

僕だけ選んでいく明日の

光の朝にも思い出す

さよならすると決めた日の

笑った君のその顔を

何度も何度も振り返っても

笑みを絶やさぬ君のことを

君の気配が遠くなり

二人の距離が離れたら

泣いて歩いていいのかな




(2007-01-05)

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輪を、永遠(とわ)を

輪を広げよう
手を繋いで

自分自身の
右手と左手

君と繋いで
二人の手と手

一人加えて
手と手と手と手

さらにも一人
それから一人

自身の右手と
誰かの左手

誰かの右手と
隣の左手

輪を広げよう
手を繋いで

全ての人と
手を繋いで

永遠に武器など
持たないように

永遠に拳を
握らぬように

手を繋いで
心を繋ごう


(2007-01-03)

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噛んで砕いて飲み込んで

甘くてもいいじゃない

綺麗でもいいじゃない

大事に扱ってよ

壊れそうな飴細工みたいに

優しく扱ってよ

そして

噛み砕いてしまってよ

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