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ただもう
延々と
延々と
広がる野原がありました

ある日
遠くから
飛ばされた
ひとつの木の葉がありました

これはようこそ
遠くから
草はさわさわと言いました

見てきた世界を
聞かせてね
草はざわざわと言いました

お前達など
及びもつかぬ
大木ばかりの森にいた
木の葉はかさこそと言いました

お前達など
見えないほどの
高い大樹の枝にいた
木の葉はがさごそと言いました

お前達など
本当ならば
見下ろされてる側なのに

私は
本当ならば
見下ろしている側なのに

でも
木の葉はもう
大樹の一部じゃ
ありません

それはもう
ただ一枚の
葉っぱです

嘆くばかりの木の葉は
森を恋しがっているばかり

私達は
ここで芽吹き
ここで枯れる
草はさわさわと言いました

あなた方は
高くそびえ
遠くへも飛ぶ
草はざわざわと言いました

花が咲き
種ができ
飛んで行くものもいるけれど

草はただ
さわさわと
ここで歌い
ここで死ぬ

ときに踏まれ
ときに食われ
短い命でもあるけれど

けれど嘆きはしないのです
野原はそよそよと言いました

どこにあっても
それはこの大地の上

どこであっても
それはあるがままのこと

野原と木の葉は
さわさわと
かさこそと
音を立てながら
空を見ていました

よく晴れた冬の日でした


(2006-12-08)
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2008.01.12 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top