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ジャコランタン持って
ヒミツの路地を抜けよう
ふわりと翻る
シーツのオバケを追って

赤い月の夜道は
ヒミツの影が揺らめく
ふらりと蘇る
眠れる死者も抜け出す

呪文が響いた夜更けの
ヒミツの扉開けよう
ふるりと震わせる
闇裂く悲鳴残して
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2007.10.31 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
あなたのうしろ
感じたことはない?
息を潜めて佇む
その気配

あなたのうしろ
気付いたことはない?
声を殺して哂う
その気配

あなたのうしろ
変わったことはない?
空気が重たく粘る
その気配

ほら

いま

あなたのうしろ

2007.10.30 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
哀しくて哀しくて
胸が押し潰されそうだったあの日の
切なさを覚えている

悔しくて悔しくて
震えが止められなかったあの日の
憤りを覚えている

だけどもう昔の話で
胸の痛みも
煮えくるはらわたも
夢の幕越しの彼方


嬉しくて嬉しくて
月世界にいるようなあの日の
浮遊感を覚えている

可笑しくて可笑しくて
羽毛に包まれたようなあの日の
くすぐったさを覚えている

それはもう昔の話で
赤らめた頬も
声上げる笑いも
今はただ記憶の隣


だけど覚えている
あの日見た空の色のように
2007.10.30 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あまりたくさんを
求めたわけじゃない
小指の先ほどの愛情

あまりたくさんを
望んだわけじゃない
スプーン一杯ほどの安らぎ

あまりたくさんを
欲しがるわけじゃない
舞い散る花弁ほどの優しさ

あまりたくさんを
乞うたわけじゃない
一息置くほどの余裕

あまりたくさんを
願ったわけじゃない
一秒相手を考える礼儀

たくさんじゃなくてもいい
ほんの少しあれば

世界はそんな小さなもので
出来ているのだから
2007.10.30 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
嫌いなものは
自分で気付こう

切りたいものは
自分で終えよう

着るべきものは
自分で決めよう

綺麗なものは
自分で探そう

岐路に立つ日は
自分で選ぼう
2007.10.29 Mon l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
これはわたしの身体
蹂躙されても

これはわたしの精神
侵掠されても

これはわたしの記憶
強奪されても

これはわたしの言葉
偸盗されても

これはわたしの想い
冒瀆されても

これはわたしの未来
放擲されても

これはわたしの世界
暴虐されても

これはすべてわたし


(2006/09/29)
2007.10.28 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ふわふわのウサギ
もふもふのクマ
ふこふこのヒヨコ

ほこほこのお日様
ほかほかのお布団
ふくふくの手触り

ほわほわのピエロ
もこもこの天使
くたくたの仔猫

ぴかぴかのお日様
ふかふかのお布団
とろとろの眠り

小さいころのあたしの
大事な友達

お日様があたためた
お布団の世界に似た
包み込む友達

大きくなった今でも
大事な存在
2007.10.27 Sat l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
私たちはいつのまにか
何かを失って生きている

いつのまにか消えていた時間
いつのまにか捨てていた思い出
いつのまにか解けていた絆
いつのまにか無くしていた恋
いつのまにか通り過ぎた若さ
いつのまにか溶けていた足元

目にする光景だって
いつのまにか変わっていて
新しいビルの立つ場所に
以前あったものを思い出せない
毎日通った道沿いの
老木がいつ消えたか思い出せない

私たちはいつのまにか
変化に気付かないまま生きている

哀しいことばかりではなくても
切ないことばかりではなくても

いつのまにか
変わっていくものの境目を知らない

いつのまにか重ねられた時間
いつのまにか増えていた思い出
いつのまにか深まっていた絆
いつのまにか始まっていた恋
いつのまにか手にしていた老成
いつのまにか進んでいた足元

目にする光景だって
いつのまにか変わっていて
新しい風の吹く場所の
涼しさを肌で感じたりする
毎日通る道沿いの
花々の移り変わりを感じたりする

私たちはいつのまにか
何かを受け取りながら生きているのだ


(2006/09/27)
2007.10.27 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
遠い昔の恋人よ
あなたの夢を見たよ
色とりどりの花の咲く
広い野原で笑っていたよ

遠い昔の恋人よ
あなたの夢を見たよ
とうに顔さえ忘れ果て
名を呼ぶ声だけ鮮やかな

遠い昔の恋人よ
今も時折夢に見る
忘れた頃に夢に見る

遠い昔の恋人よ
いつでも夢は柔らかく
色とりどりの優しさの
沁みる余韻を残しているよ
2007.10.26 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
愛を歌おう
世界中の子どものために
生まれてきてよかったと
信じてもらえるほどの

愛を歌おう
世界中の大人のために
生きていてよかったと
感じてもらえるほどの

愛を歌おう
世界中のあなたのために
生きててくれてよかったと
伝えるための歌を
2007.10.26 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ついばむようなキスをした

あの時の女の子

かすめるようなキスをした

あの時の男の子

思い出しながら私は今

毒を含んだ唇で

あなたと蕩けるキスをする
2007.10.25 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
指先に触れた
幻の羽
優しいぬくもりで
風を作る

空を見上げても
飛ぶ鳥はなく
雲の切れ間から
光が注ぐ

遠い四月の
舟で見かけた
白い鳥の群れを
思い出してる


頬をかすめてく
幻の羽
優しい夢を見せ
歌を作る

空を見上げると
飛ぶ鳥は鳴く
雲の切れ間から
見下ろしてくる

窓辺の陽射しの
中で見つけた
白い月の陰で
天使が笑う
2007.10.25 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
彗星のような尾を引いて
高いお空を飛んでいく
夕暮れ時の茜空
遠いお空を飛んでいく
あれはどこへと渡る船

燃え盛るような尾を引いて
雲の切れ間を飛んでいく
夕暮れ時の西の空
幻燈のように飛んでいく
あれはどなたを乗せた船

夕暮れ時の空の上
音も立てずに船が行く
夕暮れ時の日を浴びて
煌めきながら船は行く
2007.10.24 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
害虫みたいなもんだ
消しても消しても
湧いて出る

煙みたいなもんだ
掴もうとしたところで
手には取れない

見るのも嫌なら
触るのも厭だ

意味なんて分からないし
意義なんて感じない

害虫の方がマシだ
好きで害を為すわけじゃない

煙の方がマシだ
活用の手立てがないわけじゃない

それなりに
役立つこともあるんだろうか

だとしても相手を間違えている


2007.10.23 Tue l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
青白き
夢ばかりなり
十三夜

銀の香の
素と見紛う
雫かな

満つ月の
白く零れる
夕間暮れ

蜜月の
甘く香れる
胸に似る

月浴びて
風のまにまに
星の降る

毬(いが)を脱ぐ
まろき姿に
月映る

滴れる
甘露を受けて
杯を呑む

吾が指を
貫けてゆくなり
十三夜
2007.10.23 Tue l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
好きな人がいるだけよ

好きな服を着るだけよ

好きな歌を歌うだけよ

好きな本を読むだけよ

好きな時に眠るだけ

好きな風に歩くだけ

好きなものを愛すだけ

それのどこが悪いというの

好きなものがあるだけよ

好きな気持ちがあるだけよ
2007.10.22 Mon l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
足して足して
足して足して
ただ足してくだけなのに
なぜかな
躓いてしまう

足して足して
足して足して
ひたすら足してるだけなのに
どうして
間違えてしまう

使わないから
躓くのかな
遠ざかるから
間違えるかな

足して足して
足して足して
目指す数字になる日まで
とにかく
増やしていくのだ
2007.10.22 Mon l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
どこへ行けばいいのかな

コンパスはぐるぐる

地図はびりびり

来た足跡も残ってない

どこを目指せばいいのかな

木々が覆って

雲が覆って

太陽も星も見えない

どこに行ったらいいのかな

どこでもいいさ

選べばいいさ

だからかえって分からない


どこに行くのがいいのかな
2007.10.22 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
あたしがあたしであるということ

紡ぐ言葉があたし自身のものだということ

贈る想いがあたしの本心であるということ

笑う目元が強要されたものでないということ

流す涙をこらえるのも意思であること

好みの服を自分で選ぶということ

好きな人を心に思い描けるということ

はやる心のまま電車に乗るということ

はずむ気持ちのまま何かを始めるということ

あたしがあたしであること

ただあたしとして有ることが出来るということ


39:只有


(2006/09/26)
2007.10.21 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
電線にぶら下がって
さかさまに世界を見下ろした
丸い地平線には
丸い夕日が昇る

電線に引っかかった
半分のお月様が言う
良かったらそこの君
私を揺らしてくれないか

電信柱を蹴飛ばして
身体ごとゆらゆら揺らす
ムーンサルトを決めてから
月ごと空に浮いてみる

お月様に乗っかって
寝転んで世界を見下ろした
丸い地球は
まあるく光っていた
2007.10.20 Sat l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
好きじゃないと思うの
見ればイライラするし
一緒にいればウンザリ
むしろ嫌いだと思うの

なのに

君の好きな歌
耳にしたり
君の乗ってた車
目にしたり
するたび
君を思い浮かべる

君の好きそうな本
読んだ時
君の観そうな映画
見つけた時
君に教えたくなる

これっぽっちも好きじゃないよ
君のことなんて
むしろとっても大嫌いだよ

なのに

どうして笑ってるの

毒を吐いてる酷薄な台詞に
独り言みたいな打ち明けの言葉に


(2006/09/23)
2007.10.20 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top


しまった

タイムオーバー
2007.10.19 Fri l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
今でもまだ
時々夢に見る

今でもまだ
時折影を見る

今でもまだ
時には涙する

今でもまだ
時たま思い出す

今ではもう
遠すぎて忘れた日々
2007.10.18 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
空じゅうに咲いた

うろこ雲が

夕日を浴びて

満開の桜になる


たった一つ

路地を曲がる

その瞬間に

色褪せていく花


たったわずか

鮮やかな色の

その瞬間に

夢を見せる空


夕焼けに向かって帰る

車の中で

残照を見上げ

満開の笑顔になる
2007.10.18 Thu l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
この秋一番の寒さが

連れてきた風の便り

嬉しくて微笑む頬に

降り注ぐ秋の陽射し

胸いっぱいの空気に

すがしい香り乗せて

世界を金色に

変える秋の小花
2007.10.17 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ネコジャラシ野原を

駆けて行った尻尾

風に揺れて揺られて

エノコログサになった


ネコジャラシ野原を

駆けて行ったあの子

秋に吹かれ吹かれて

エノコログサになった


ネコジャラシ野原で

あの子を探すならば

気ままに揺れて手招く

エノコログサをお探し
2007.10.17 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
蕾が枯れる
泉が涸れる
調子も嗄れる

かれはてていく

蕾に水を
泉に水を
喉にも水を

潤いをおくれ

実りも刈れず
息吹も狩れず
他力も借れず

かれはてていく

実りの力を
息吹の力を
自力の力を

満たしておくれ




2007.10.16 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
どこにでもある

ありふれたもの

誰にでもある

当たり前の日々

何気なさ過ぎて

気付かないような

何よりもなお

大事なものたち
2007.10.16 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
あれから幾つも
恋をしたけど
一人の夜に
気が付いたんだ
やっぱり君を
愛してる



あれから幾つも
恋をしている
誰かの隣で
思い出すのよ
あなたとの恋の
激しさを



嫌いで別れた
恋じゃなかった
同じ過ちは
したくない
今でも君は
一人かい



嫌いで別れた
恋じゃなかった
同じ過ちは
したくない
隣で眠る
この人と



こんな静かな
一人の夜には
君の姿が
目に浮かぶ



こんな静かな
添い寝の夜には
過去の自分が
目に浮かぶ



あれから幾つも
恋をしたけど
愛する人は
君だった



あれから幾つも
恋をしている
愛の相手は
いつも今

2007.10.15 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
風に感じた
季節の流れ

頬に感じた
季節の別れ

瞳に映った
季節の吐息

瞼を濡らした
季節の雫

唇を掠める
季節の調べ

首筋を撫でる
季節の揺らぎ

五感の全てが
季節を感じ

語感の全てで
季節を観じる
2007.10.14 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top