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忘れないで

ここにいたこと

失くさないで

ここにいたもの

今はもう

見えなくても

忘れないで

ここにいたこと

覚えていて

ここにいたもの

あの時世界は

不思議に満ちていたこと
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2007.09.30 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
打ち上げ花火に掴まって
月まで飛んでいこう
銀河を渡る船がほら
ぼくらを待って泊まってる

赤い赤い火星に行こうか
それとも不安な冥王星へ
いっそアンドロメダまでも

発着場から船出して
星まで漕いでいこう
星々を繋ぐ汽車がほら
ぼくらを待って停まってる

遠い遠い果てまで行こうか
それとも不思議なホールの中へ
いっそ時空を超えてまで

汽笛を鳴らして汽車が出る
どこまで乗っていこう
星系を跨ぐ夢がほら
ぼくらを待って止まってる

長い長い旅に出ようか
それとも青い故郷の星へ
いっそ気のまま足のまま

名も無い星まで行ってみようか
太陽忘れて行ってみようか

ぼくらを待って留まってる
夢の果てさえ超えてみようか


(2006-08-31)
2007.09.30 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ありがとうと

言える人でありたい


エレベータで待っててくれる人

次の人のために扉を支えててくれる人

路地から出てくる車に道を譲ってくれる人

落としたものを一緒に拾ってくれる人

レジでお先にどうぞと言ってくれる人


小さな心がけ一つで

世界は円滑になるから


ありがとうと

言える人でありたい


ありがとうと

言われる人でありたい


(2006-08-30)
2007.09.29 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
朝露に濡れた私の庭で
小鳥が鳴くよ
赤く色づく果実の枝で
小鳥が鳴くよ

朝日が照らした私の庭で
小鳥が鳴くよ
赤く色づく小さな胸に
小鳥が鳴くよ

甘い雫で
喉を潤し
明るい光で
羽をあたため

歌を唄おうと
小鳥が鳴くよ

おいでおいでと
小鳥が鳴くよ
2007.09.28 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
朝露が濡らす私の庭で
小鳥が啼くよ
赤くはじけた果実の枝で
小鳥が啼くよ

朝日が晒した私の庭で
小鳥が啼くよ
赤くはじけた小さな胸に
小鳥が啼くよ

滴る雫で
喉を潤し
光で血塗れた
羽をあたため

血潮に濡れた私の庭で
小鳥が啼くよ
赤く色づく血肉と骨で
小鳥が啼くよ

諱を謳おうと
小鳥が啼くよ

おいでおいでと
小鳥が啼くよ

おいでおいでと

小鳥が泣くよ
2007.09.28 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
誰になりたい

何になりたい

大金持ちか

宇宙飛行士か

彼のあの子か

秋の夜風か

路傍の花か

鳴かぬ蛍か

誰になりたい

何になりたい

美貌の人か

本の主役か

親しい友か

綺麗な石か

眠れる獅子か

庭の小鳥か

誰になりたい

何になりたい

あなたになりたい

あなたはいないか

私になりたい

私はいないか
2007.09.27 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
アタシが好きなのは
キミの事よりも
アタシのこと

アタシが大事なのは
アナタの事よりも
アタシのこと

だってそうでしょ

自分なんてどうでもいいなんて

そんな人に好かれたい?


自信がなくても
自身が好きで

だから誰かを
好きになれるの


アタシが好きなのは
キミのことを好きな
アタシのこと

アタシが大事なのは
アナタを守りたい
アタシのこと
2007.09.27 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
目を閉じて考える
口を開く前に
息を吸って考える
眉を上げる前に

怒れる時には
少し
待ってみる

目を閉じて考える
言葉にする前に
息を吸って考える
睨みつける前に

怒れる時こそ
少し
待ってみる
2007.09.26 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あまりに蒼い月夜だったので
そぞろ歩きをしてみた
目的もなく
ふらりふらりと
影と連れ立ち
ゆらりゆらりと

あまりに沁みる月夜だったので
眠る夜道を歩いた
足に任せて
ふらりふらりと
影につられて
ゆらりゆらりと

あまりに胸に沁みる月夜で
不意に涙がこみ上げた
それでも道は
ふらりふらりと
影が手招き
ゆらりゆらりと

あまりに切ない夜の散歩に
不意に影が囁いた
落ちる涙が
ふわりふわりと
月に向かって
ゆらりゆらりと

あまりに蒼い月夜だったので
蒼い涙が浮かんで消えた
月に誘われ
ふわりふわりと
夢に連れられ
ゆらりゆらりと
2007.09.26 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
月見団子が光る
薄が呼ぶように揺れる
秋の虫が奏でる
風の歌の調べ

盃に映った叢雲を
酒ごと飲み干してしまう
肌に触れる夜気が
僅かに変わる夜半

冴え渡る光が
音もなく辺りを照らす
美酒を満たす杯が
客人を待ち受ける

白々と零れる
団子を一つ空へ投げて
身代わりとしながら
甘露を飲み干す月
2007.09.25 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君を乗せた船が
月の光に照らされて
ボクの頭上を越えていく
少しいびつな丸い月が
ボクらが見る
最後の同じ月

十五夜の晩に行くの
月の光に良く似た
君の静かな微笑みに
少しゆがんだ口元で応えた
ボクの顔は
笑っていたかな

君はウサギのように
軽やかに跳躍して
ボクの頭上を越えていく
ボクは隠したウサギの瞳で
船を見上げる
同じ月の下で
2007.09.25 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ここには
たくさんの人が倒れている
もう生きてはいないだろう
外は雨が降っている
濡れながら家路を急ぐ
時折崩れた人影を見る以外
誰に会うこともない
それでも構わず
家路を急ぐ

辿り着いた家では
裏の家へと壁をよじ登る
バイクに乗った男が見える
非常識だと憤慨すれば
裏の家から老人が一人
非礼を詫びるかと
待っていたらば
バイクの男を詰りつける
この花を踏んだらなんとする

言うや否やに花を引き抜き
大事に抱えて持ち帰ろうと
まるでこちらは眼中にない
思わず呼び止め叱咤する
待て待てそれは我が家の花で
そもそもここは我が家の敷地
弟子も弟子なら
師匠も師匠だ
一体全体なんとする

叱り付けても涼しい顔なので
いっそそれなら実力行使
腕をねじ上げ動きを封じた
途端にそいつの腕が外れた

ああそうなのか
そうであったか

世界はどうやら
花泥棒だらけだ


2007.09.25 Tue l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ビーズで作った花びらは

甘い香りはしないけど

ビーズで作った水滴は

零れて落ちたりしないけど

私の腕できらきらと

やさしい光を抱くでしょう

私の胸でさらさらと

やさしい歌を歌うでしょう


タオルで作った仔ウサギは

可愛く跳ねたりしないけど

タオルで作った白鳥は

空を飛んだりしないけど

私の腕にふかふかと

やさしい愛を見せるでしょう

私の頬にするすると

やさしい手触りをくれるでしょう


鉛筆で塗った海岸は

波が寄せたりしないけど

鉛筆で塗った青空は

雲が流れはしないけど

私の前でひらひらと

やさしい風にそよぐでしょう

私の指でくるくると

やさしい夢を見るでしょう


ビーズで作った花束は

けして香りはしないけど

タオルで作った動物は

けして鳴いたりしないけど

鉛筆で塗った草原は

けしてそよぎはしないけど


私の中でゆるゆると

やさしいホントになるでしょう


(2006-08-28)
2007.09.24 Mon l 月々 l コメント (4) トラックバック (0) l top
違う世界に入り込む

心半分こちらにいても

違う世界に紛れ込む

身体全てをここに置いても

だから私は

映画を観るし

だから私は

本を読む

違う世界に迷い込む

ときに時間を忘れ去っても

違う世界を創り出す

ときに続きに悩み込んでも

だから私は

話を書くし

だから私は

夢を見る
2007.09.23 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ゆめを見た

誰もいない

なにもかも

なかった夢


寒い風だけが

あたりを撫で

ただ風だけが

吹いて行った


動じぬ世界には

私などいなくて

どこかへ消えた

あとさえ残さず


たばねられた心は

かがやきを喪って

こわいほど閑かな

満たされぬ夢の音


たしかなものは無く

風の声が掻き消して

聞こえるものも無く

例えば目覚めも遠い


ただ閑かな静かな夢だ



15:閑夢


(2006-08-25)
2007.09.23 Sun l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
キスをしたい
噛んで
舐めて
吸い上げて
赤く色づくほどに
キスをしたい

囁きたい
耳元で
啼くように
囁いて
身震いを
感じたい

突き入れたい
全てを
味わって
苦しげに
身悶える
姿を見たい

甘い香りで
惑わせて
汗ばむ肌で
誘い込むから
キスがしたい
2007.09.22 Sat l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった
白くて清潔な仔熊

お日様に会いに行くときも
月夜の夢路に行くときも
一緒だった

抱き上げてしまえるほど軽くて
抱きしめてしまえるほど小さい
なのに
抱きとめるかのように頼れるウィルビー

よく晴れた青空に目を細めると
睫毛に溜まった光の粒が見えることや
いきなりの夕立が訪れると
溶けた道路の上に白い雲が出来ることを

よく冷えた麦茶の入ったグラス
浮かび上がる水滴にいくつもの話があること
いきおいよく回る扇風機の羽根に
話し掛ける秘密の呪文があることを

あたしの膝の上で
あたしの腕の中で
教えてくれた

ふわふわの毛並みの
青い瞳のウィルビー

10歳の夏には
ウィルビーはいなかったけど
あたしは冷凍庫の白熊を食べながら
あの仔熊を思い出して探した

今でも覚えている

9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった


14:九夏


(2006-08-24)
2007.09.22 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
友人と酒を酌み交わしている
寒い寒いと言うので
もっと飲めよと勧めてやったが
もう寝るよと言って
墓石の下に戻っていった


雨が降ってきたので
傘を差して出かけた
思ったよりも肌寒いと思っていると
あなたそれはヒガサよ
通りすがりの人に言われた
氷傘を握っていた手から
ゆっくりと凍えていたのだった


女と二人
布団の中に潜っている
お前の肌は冷たいんだなと言うと
あなたが熱いのだと言ったきり
水になって溶けてしまった
抜けるような白い肌の女だった


月の白く冴える夜に
今夜は冷えると呟くと
そんなナリだからだよと笑われた
全身がブリキで出来たロボットだった
寒いはずだと呟くと
そんなナリなのにかと笑われた
温度など関係のないロボットだった
途端に平気になってしまった


月が呼ぶので会いに行くことにした
酒と肴を用意して
屋根の上で迎えを待った
いつまでたっても来ないので
仕方なく一人で飲みながら待った
朝日が呆れたように昇って
ヤツならとっくに酔いつぶれたと告げる
すっかり風邪を引いてしまった


冷えたので風呂に入ることにした
湯船の中は水の温度だ
沸かしますから待っててください
女に言われて追い出される
濡れた身体が外気で冷えたので
思い切って浴槽に飛び込んだ
元と同じ温度なのに温かい気がする
ああこれは女の愛情の温度なのだ
死んでも馴染んでしまおうと沈み込んだ
いつの間にか隣で女が微笑んでいる


ほろ酔い気分で帰っていたところ
闇が喉笛に喰らいついてきた
酔いとともに流れ出るぬくもりが
夜気を少し温かくしていた
代わりに自分が冷えていく


道を歩いていると突然
思いがけない底なし穴に落ちた
腹の底がきゅうっと冷えたが
一向に落下が終わる気配がない
あちらに着いたら強い酒を呑んで
少しでも温まろうと思った
まだ落ちていく


地下のバーで酒を呑んでいる
空調が効きすぎているので
マスターに文句を言った
仕方ありませんよ猛暑ですから
涼しい顔で言っておかわりのグラスを寄越す
彼岸というのに腐ってしまう
そういうことなら仕方がない
曼珠沙華のランプの中で
遠来の客たちは静かに酒を呑んでいる


友人と酒を酌み交わしている
ちっとも酔わないなぁと言うので
もっと飲めよと勧めてやったが
もう帰るよと哀しげに言った
そうか俺はもう死んでいたのだったかと
墓石の下から思った
2007.09.21 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
目の前で緩やかに

伸びていく七色の梯子

雨の気配もないのに

光る空に繋がる

街を駆け回って遊んだ

天使たちの帰り道

伸びていく七色の梯子

金色に光る空に

星を散りばめるため
2007.09.21 Fri l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ナイショの話をしてあげる
だから今宵
こっそりと出ておいで

ナイショの話をしてあげる
だから月にも
星にも隠れて出ておいで

人差し指を口に当てたら
それが合図
夜に紛れて出ておいで

ナイショの話をしてあげる

だからこっそり

出ておいで
2007.09.21 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
青い場所
君のいる
青い場所

光る星
君のいる
光る星

手を振って
飛び跳ねる
僕の影

君の夜に
届けるよ
蒼い夜に

青い星
君のいる
青い星
2007.09.20 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ひとぉつ
ふたぁつ
数えて幾つ

眠りの森は
まだ遠い

みぃっつ
よぉっつ
数えて幾つ

語れる夜は
まだ足らぬ

いつぅつ
むぅっつ
数えて幾つ

零れる夢は
まだ満ちぬ

ななぁつ
やぁっつ
数えて幾つ

両の手指は
まだ折れぬ

ここのつ
見つめて
数えて幾つ

微笑む朝は
まだ明けぬ

とおの夜には
数えて幾つ

千の砂には
まだ秘密
2007.09.19 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
こんなに空の高い日は
こんなに空の蒼い日は

きみの背中に翼が見える

きっとこのまま飛んでいく


こんなに風のそよぐ日は
こんなに木々の揺れる日は

きみの踵に羽が見える

きっとこのまま翔けていく


こんなに星の光る夜は
こんなに月の凪いだ夜は

きみの瞳に虹が見える

きっとこのまま消えていく


こんなに綺麗に見える日は
こんなに素敵な夜ならば

きみの姿が夢に見える

きっとこの手をすりぬける
2007.09.19 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
もはや花は
開き果てて
枯れた

誇る色香は
褪せて果てて
朽ちた

もはや果実は
熟れ果てて
落ちた

匂う果肉は
腐れ果てて
饐えた

もはや誰も
見るものは
いない

もはや誰も
愛でるものは
いない

もはや季節は
盛りの頃を
終えた

だから誰も
見向くものは
いない

そして季節は
静かに流れ
過ぎて

そして密かに
眠れる種が
芽吹く
2007.09.18 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
やあ
ようこそ
いらっしゃい

此度は何を
お求めで

ははあ
なるほど
これは奇異なる
老いる薬をお求めか

年のころなら
十九か二十歳
明るい未来があるものを

一足飛びに
七、八十と
奇異と言わずになんとしょう

若気の至りとは
言いませぬ

若さの過ちとは
申しませぬ

恋は異なもの縁なもの
古今東西恋などは
過つものであるならば
口出しなどは無粋です

もちろん当然
ございます
当店なれば
ないものはない

ここにこれなる
切子の壜は
新月の露を
集めたる

蒼く揺らめく
闇の雫は
陰り落ちたる
極みなり

一口飲めば
ひとまわり
二口飲めば
ふたまわり
十年ぐるりと
老いましょう

ただしお一つ
ご注意を

これなる薬は
新月の
見えぬ光の雫なり

闇の光に引きずられ
ともすれば
月が待ち受ける

三日月色の鎌を持つ
笑みが背後で待ち受ける

それに負けぬと仰せなら
これをばどうぞ
お持ちあれ
2007.09.18 Tue l 黄昏通り l コメント (0) トラックバック (0) l top
遠くで聴こえるあの鈴の音は
あれは風鈴ではありません
あれは鈴虫の鳴く声です

あの子の軒先に吊るしていた
思い出の風鈴はもう
とうに仕舞われてしまいました

あの子の庭でなくのはあれは
秋の虫たちなのです
あの子の泣き声ではありません

確かめに行こうなどと
考えてはなりませんのです
きっと虫が鳴き止んでしまいます

遠くで聴こえるあの鈴の音は

あれは
2007.09.17 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
夏が終わっちゃう
海に行かないうちに
肌も焼かないうちに

恋さえもしないまま

このままじゃ
まるで冷蔵庫の中
忘れられたアイスみたいに
スプーン投げ出しちゃうほど
かたくなになってっちゃう

賞味期限はないけれど

美味しく食べるなら
攻撃的な太陽の下で

ああ
夏が終わっちゃう

恋さえもしないまま

このままじゃ
まるでクロゼットの中
隠れたままのワンピースみたい
目を瞠るほど可愛くても
肌寒くなってっちゃう

大事に仕舞っているけれど

可愛く着こなすなら
魅力的な太陽の下で


真夏日が続くうちに
誰かあたしを蕩かして

誰かあたしを連れ去って


(2006-08-24)
2007.09.17 Mon l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
君を見た

こんなところに

いるはずもないのに

君を見た

雑踏の中

笑顔を浮かべた

君を見た


記憶の隅で眠ってた

遠い昔の君なのに


一目見て

君と分かった

こんなところに

いるはずもないのに


近付けば

声が違う

近付けば

細部が違う

もしかしたら

そうかもしれない


だけど

君を見た
2007.09.16 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夜空を滑る流星を拾つて

闇の中に線を引かう

パチパチとスパアクする

欠片たちを集めて

道路の上に白墨のやうに

様々の線を引かう

しんとした夜気の温度で

道路が冷えていくだらう

流星のスパアクが

線香花火のやうに

光つているその下で

死人の温度になるだらう

さうしたら私は

線の上に寝そべつて

空に浮かぶ点を見つめ

世界の反転を見届けやう

私の下に描かれてゐるのは

此れは星図に成り損ねた

流星の描く星座なのだ


08:星点(星ハ点ズ)


(2006-08-18)
2007.09.16 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
光る白い貝殻で

光る白い砂浜を掘った

光る白い波が押し寄せ

光る白い想いを埋めた

光る白い夜だった


光る白い月日が流れ

光る白い夜明けが来たら

光る白いあなたはいつか

光る白い電車に乗って

光る白い海辺を目指す


光る白い浜辺に立って

光る白い涙を流す

光る白い雫が落ちて

光る白い砂子を濡らす

光る白い波のよに


光る白い砂粒の中

光る白い芽を出して

光る白い花が咲いたら

光る白い指先で

光る白い想いを摘んだ


光る白い鱗を持った

光る白い小魚が

光る白い歯で語る

光る白い夢想を聞いて

光る白い夜に寝る


(2006-08-18)
2007.09.15 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top