どこ行くの
どこにも
どこへも行かないよ
そんな風に
言い合って
去ってしまった日々
かつて
そんなこともあったと
思い出す日々
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灯りもない洞窟の中
彷徨って歩く
アリアドネの糸もないのに
ひたすらに歩く
手に触れるものが
壁なのか
異形なのか
それすらも分からぬまま
足音を響かせて
どこまでも歩く
時間もない洞窟の中
彷徨って歩く
目指す出口もないのに
ひたすらに歩く
滴る雫の音が
水なのか
血潮なのか
それすらも分からぬまま
ずぶ濡れになりながら
どこまでも歩く
星一つの明かりすら
射し込まない暗闇で
一秒の在処すら
変幻に変わる暗闇で
己の存在すらも
分からぬまま
どこまでも歩く
爪の中に入り込んだ棘
紙が引き裂いた皮膚
灼けて渇ききった瞳
ぶつけてしまった小指
言いそびれてしまった言葉
掴み損ねてしまった愛情
捉えきれなかった指先
選ばなかった選択
ささやかなのに
ささいなことなのに
致命的な痛み
陽射しは零れて
花は綻び
風はそよいで
鳥が囀る
雲は流れて
影を落として
川は煌めき
光を散らす
街は色づき
人は微笑み
道は遠くで
揺らいで映る
君はどこかで
僕はここで
時は歩いて
空へと続く
星をちりばめた
フロントガラス
霧雨の夜を走る
流星が駆け抜けるのを
目の端で見ている
濡れそぼった僕
アクセルを踏む
霧雨の夜が光る
星空をかき分けるのも
僕の意のまま
七色に光る
小さな粒を
集めて流して
この街を抜けよう
カラダにいいんだよ
飲んでごらんよ
真っ白な王冠を
君にあげるよ
どんなドレスも
敵わない
滑らかな舌触り
青い空と太陽を浴びていた
薫る草と風の匂いのする
ほんのり甘い
素敵な飲み物
ココロにいいんだよ
飲んでごらんよ
イライラしてた日も
甘く変えるよ
遠い昔に
見てたような
穏やかな夢のよな
青い空と太陽を浴びていた
揺れる草と花の匂いのする
ほんのり優しい
素敵な飲み物
雨が降る
追いかけてくる
誰かが僕を
呼んでるよ
風が鳴る
捕まえに来る
誰かが僕を
呼んでるよ
悲鳴を上げても
雨音がかき消すよ
血が流れても
雨粒が洗い流すよ
雨が降る
冷たい指を伸ばす
誰かが僕を
手招くよ
風が鳴る
絡み付いてくる
誰かが僕を
手招くよ
追跡者の影を
風音が吹き消していくよ
くずおれた僕を
狂風が連れ去っていくよ
雨が降る
風が鳴る
誰も僕に
気付かない
声が聞こえる
おいでよと
呼んでいる
おいでよと
ぼやけた太陽も
曖昧な地上も
抜け出して
おいでよと
憂鬱な月曜も
古ぼけた日常も
捨て去って
おいでよと
開け放った窓から
声が届く
おいでよ
涼しい風を従えながら
声が届く
おいでよ
きみとぼくと
ぼくとわたしと
みんなみんな
友達になろう
あなたとも
友達になろう
世界中
友達になろう
きみとわたしの間に
花が咲いて
わたしとあなたの間に
花が咲いて
いつか
世界は
花で埋め尽くされるんだ
友達になろう
何もかも合わない恋をしてたら
消化不良で胃もたれを起こした
好きなだけじゃ駄目なんだね
どうしても手に入れたかったのに
身体中に毒素が廻った
死に到るような恋だったね
特効薬なんてなくて
切除するしかなくて
僕は恋に蝕まれた
穿たれた傷痕に
涙が沁みて痛いけど
切り捨ててしまった恋は
僕の一部じゃないんだ
だけど時折
もうないはずの僕の一部が
思い出したように痛むんだ
(2006.04.27)
難しいのは
その瞬間に
どう動くかではなく
動いた結果を
誰に咎められても
言い訳せずに
立っていられるか
後悔したとしても
誤魔化したりせずに
受け止めていられるか
ということの方だ
恋より濃くて
愛より甘い
とろける口どけ
召し上がれ
それが春風スイーツ
咲き乱れる花の香りも
柔らかく温む小川の匂いも
包み込むような陽射しの香りも
世界を湿らすそぼ降る雨も
今朝芽を出した小さな緑も
ほっこり乾いた洗濯物も
こぼれる幸せ
召し上がれ
あなたのために
春風スイーツ
(2006.04.26)
どうしようか
泣きたいみたい
胸の奥底
詰まってるの
取り出せないまま
だって
どうしたら
良かったの
困っているの
切ないみたい
本当はそこに
何もないって
知ってるんだもの
だけど
どうしても
欲しかった
苦しすぎて
何も出来ない
吐いても吐いても
出てこないまま
引っかかってる
そうよ
どうだって
好きだった
どんどん
どんどん
歩いていこう
明日の向こうへ
歩いていこう
昨日が見えてた
あの丘越えて
足跡残した
砂漠を越えて
どんどん
どんどん
歩いていこう
更なる世界を
目指していこう
宇宙に聳える
あの山越えて
足などつかない
大海越えて
どんどん
どんどん
歩いていこう
明日の向こうへ
歩いていこう
なにがしたいの
なにになりたいの
なにがほしいの
なにをのぞむの
だれもがしっているの
ほんとにしっているの
だれもがしらないの
ほんとはしらないの
どこにいきたいの
だれといたいの
どうしたいの
どうなりたいの
どこにあるの
どれなの
どうなの
なにがしたいの
いつかわかるの
窓の向こう
通り過ぎる
人の中に
君を見た
そんな気がした
街の流れ
映像越しに
君の笑顔
見つけ出した
そんな気がした
カーラジオから
零れ落ちた
ノイズの中に
声を聞いた
そんな気がした
どこにも
いないのに
蝶々
蝶々
ひらひら
蝶々
燦々
きらきら
ふわふわ
もこもこ
さやさや
そよそよ
ゆらゆら
さらさら
蝶々
蝶々
ひらひら
蝶々
期待はしすぎちゃダメ
もしかしたらな
くらいでちょうどいい
ワクワクしすぎちゃダメ
楽しいかもな
くらいがちょうどいい
やっぱりダメだったか
こんなもんかな
くらいで済むように
夢を見すぎちゃダメ
やるだけやるか
くらいでちょうどいい
肩の力抜いて
自然体だな
くらいがいいんだよ
遠い森から
聞こえてくる
アナタの歌
もどかしくて
あどけなくて
つたなくて
遠い空から
聞こえてくる
アナタの歌
つっかえながら
とまどいながら
心細げに
遠い夜から
聞こえてくる
アナタの歌
高く渡って
澄んで響いて
夢に届く
時を超えて
アナタの歌が出来るまで
遠い季節に
響いていく
アナタの歌を
聴いて眠ろう
甘く薫る
君に会いたくて
静かな裏道を行く
風は涼しく
陽射しは眩い
五月の昼下がり
白く光る
君に会いたくて
長閑な裏道を行く
猫が寝転び
木の葉がささめく
五月の昼下がり
胸いっぱいに
広がった
甘やかな
香りと
空いっぱいに
広がった
君の健やかな
姿と
花開かせた
君に会いたくて
小さな裏道を行く
約束に似て
秘密にも似た
五月の昼下がり
二人が抱いてた夢は
予感よりも脆かった
取り戻せない昨日に
壊れていく音が響いた
一人で歩くのは
怖くって
二人で行くには
遠くって
足並みが徐々にずれていく
もう
あの頃には
戻れなかった
ああ
夕暮れに
あなたの背中が消えていく
ああ
呼んでも
あなたの背中に届かない
愛の形も分からずに
それでもいけると信じてた
手に入れていたものなど
砂に埋もれて飛び去った
一人で探すには
広くって
二人で探しても
まだ広い
方角が徐々にずれていく
もう
あなたの影
見えなくなった
ああ
風の向こう
あなたの姿が消えていく
ああ
もう二度と
二人の道は揃わない
いつか
迷って
出会っても
ああ
空の下で
二人は笑ってすれ違う
ああ
あの夢を
星のように二人目指しても
誰かのトクベツでいたい
あなたじゃなくちゃダメだと
きみだけしかいないんだと
言われたい
言って欲しい
誰かのトクベツになりたい
誰でも良いの誰かで良いの
唯一無二の存在だって
言われたい
言って欲しい
僕を置いていけ
全ての道に
僕を置いていけ
全ての明日に
そしてもう
思い出すな
僕を追い出して
全ての窓から
僕を追い出して
全ての過去から
そしてもう
縋り付くな
カッターナイフで歯を削って
ホチキスで口を塞ごう
消しゴムで言葉を消したら
もう私は電話には出ません
水性のペンで瞳を書いて
修正ペンで虹彩を描いても
涙に滲んで溶けてしまえば
もう私は書類を見ません
定規に背骨を挿げ替え
鋏を両の手に持って
コンパスを足に装備したら
もう私は木偶の坊になる
出鱈目な判子を手当たり次第
歪曲な罫線のノートに押して
スタンプ台に突っ込んで
もう私はメモを取りません
指のあいだを糊付けにして
爪先同士をガムテープで巻き
パンチで心に穴を穿って
もう私は耳を貸しません
計算機がはじき出した
エラーすれすれの時間と
偽りの曜日のあいだ
私は身動きを取りません
だからもう
私をあてにしてはいけないのです
(2006.04.25)
ぼくたちは
同じ歴史を
歩いたはずなのに
なぜだろう
ちょっとずつ
違ってるんだ
本当は
違う世界に
いたのかも
しれないね
欲望の赴くままに
あなたが欲しいの
あなたの指
あなたの唇
あなたの身体
抱きしめて欲しいの
息も絶えるほど
抱き尽くして欲しいの
身悶えるほど
生きたいの
死にそうなくらい
行きたいの
感じたいの
案じちゃうくらい
感じたいの
構わないで
絡まないで
語らないで
離さないで
放れないで
話さないで
交わさないで
躱さないで
乾かないで
掻き乱して欲しいの
掻き回して欲しいの
掻き出して欲しいの
入り込んで欲しいの
取り込んで欲しいの
染み込んで欲しいの
ただ欲望のままに
あなたが欲しいの
愛じゃないの
恋じゃないの
言葉に意味はないの
愛撫が欲しいの
細部まで欲しいの
内部に欲しいの
あたしの指
あたしの唇
あたしの身体
抱きしめられたいの
息も喘ぐほど
抱き壊されたいの
もう会えぬほど
溶け合わなくていいの
くっついていたいの
そんな日もあるのよ
そんな日があるのよ
(2006.04.19)
誰も皆
その行き着く先を
知らない
流した涙の行方
零した吐息の軌跡
生まれたばかりの話
誰も皆
その答えの在処を
知らない
時間の始まる前
宇宙の果ての向こう
ここにいる理由
誰も皆
手探りのままで
それでも
知りたいと願い
誰も皆
迷い子のままで
それでも
行きたいと願う
誰も皆
その先に待つものを
知らない
それでも
いきたいと願う
私は
ここにいて
ここにいない
どこにいるの
だれといるの
私は
ここにいて
ここにいない
どこにあるの
なにがあるの
私は
ここにいて
ここにいない
どうしてなの
なにになるの
私
どこ
私
だれ
私は
ここにいて
ここにいない
どれも私
たぶん私
花は毟られ
草は千切られ
風が通り過ぎる
浮かんだ涙は
風のせいにしてしまえ
渡し損ねた
白い便箋
風が飛ばし去ってく
呟く言葉は
風に攫われた振りをしよう
雲が飛んでく
影の速さで
風が通り抜けてく
手放す気持ちは
風に託してしまおう
よろけるほどに
飛ばされそうに
風の強い日には
溜め息さえも
風の音にしてしまえ
愛しています
あなたの幸せを
願うほどに
愛しています
あなたの喜びを
祈るほどに
愛しています
あなたの存在を
憎むほどに