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雨粒が町を濡らし
空の境目を隠す
狭められたこの世界を
小さな窓から見ている

湿気た空気の中で
誰もが声を潜めてる
今ならもう何もかも
洗って攫って流れてく

たどり着いた雲の糸
音を立てて降り注ぐ時間
町は砂時計の中
登る前に
堕ちていく


窓ガラスに映りこむ
褪めた色した薄灯り
照らされた顔はどこにも
見えない誰にも分からない

水溜りを蹴り上げて
町を駆け抜ける車
赤く光る目の中に
探した面影見当たらない

手繰り寄せた雲の糸
ばらばらにちぎれて降り注ぐ
町は時を抜け出して
明日さえも
拒んでいる
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2007.03.15 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ぽっかりと
空いてしまった
地図の中
遠い昔に
住んでいた
寂れたアパートは
もう
跡形もない
蜃気楼のように
立ち昇る
幻の中に
あたしがいた
手摺に座ってた
階段を飛び降りた
塀の上を駆け抜けた
あたしがいた
土地は掘り返され
均されて
いつか
幻も埋められる
片隅に咲いた
名も知らぬ野草も
光るガラスの欠片も
埋まっていく
小さな白いその花を
一輪
持ち帰った
残された幻は
風に吹かれて
揺らいで
消えた
ビルが建っても
公園になっても
そこにはもう
あたしはいない
2007.03.15 Thu l 花膳 l コメント (5) トラックバック (0) l top