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エトナはちょっぴりのんびりで
ソリを引けない役立たず
ルドルフみたいに鼻も光らず
ダッシャーのように速くもない
連れて行ったら夜が明けるし
列が乱れて手間取るし
だからいつでもお留守番

白いお髯のサンタクロース
エトナを撫でてこう言った
お前はお前の長所があるし
何よりとても頑張り屋だが
イブの夜は限られてるし
廻りきるには速さが命
だからゴメンよ留守番だ

エトナは笑って頷いて
仲間の出発見送った
足は遅いし列は乱すが
出来ることなら別にある
たとえば飼い葉を入れておいたり
暖炉の薪を足しておいたり
だから留守番も大事な役目

イブが終わって夜が明けるころ
トナカイエトナは空を見る
疲れ果ててる仲間を迎え
新鮮敷き藁に連れて行く
暖かい部屋に連れて行く
それで留守番は終了だ

白いお髯のサンタクロース
やれやれと椅子に腰掛けて
エトナに振り向き微笑んだ
優しく気の付くお前がいるから
家は安心で暖かだ
まるで最高のプレゼント
本当にどうもありがとう
お前は大事な留守番だ

トナカイエトナはそういうわけで
誰にも知られていないけど

トナカイエトナは今年のイブも
サンタの家でお留守番
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2006.12.03 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
こんな夢を見た

金木犀の下に女が立っている
あの女だ
そう思うが
降りしきる花と
噎せ返る薫りに
阻まれて
確かめられない

女は笑っている

表情どころか
顔も見えないが
確かに笑っている

香りの壁が
進もうとする足を留める
橙色の花が
目を凝らす顔に降りかかる

女は笑っている

艶やかな長い髪にも
白いニットの上にも
小さな花が絡まっている

いつのまにか月が出ていて
金木犀と女を照らす

ああ
そうか

この女は
こんな夜に
殺して埋めたのだった

笑って女が消えた

目が覚めると
布団の中に
ひとつだけ花が落ちていた


(2005/11/04)
2006.12.03 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top