行く年来る年
去年を
一昨年を
その昔を
振り返った
今年を
来年もまた
振り返り
振り返り
進んで行く
一昨年を
その昔を
振り返った
今年を
来年もまた
振り返り
振り返り
進んで行く
錆びついたなら磨けばいいんだよ
同じ毎日を繰り返した
流れなかった涙が満ちた
それでなお生きていくかと
雑踏の中で足を止めた
ボロい階段ゆっくりと上がる
靴音だけが僕を包む
黴とホコリと静寂の中
空へと続く扉を開ける
所在なさげな給水搭は
涸れ果てた泉の趣き
底に沈む夢の魚は
一足先に天を目指した
乾く世界をゆっくりと進む
靴音さえも風に消える
ビルと汚れと騒音の上
空へと昇る気流を目指す
錆びた手摺を握り締めた
流さなかった血の匂いがした
僕はまだ生きていけると
踏み出しかけた足を戻した
ボロい階段を飛ぶように下る
靴音が羽ばたきのリズム
過去と未来と現実の中
僕へと続く扉を開けた
地面に足をつけて
雑踏の中を歩き出した
歩き出せた
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
錆色
(2005/11/30)
流れなかった涙が満ちた
それでなお生きていくかと
雑踏の中で足を止めた
ボロい階段ゆっくりと上がる
靴音だけが僕を包む
黴とホコリと静寂の中
空へと続く扉を開ける
所在なさげな給水搭は
涸れ果てた泉の趣き
底に沈む夢の魚は
一足先に天を目指した
乾く世界をゆっくりと進む
靴音さえも風に消える
ビルと汚れと騒音の上
空へと昇る気流を目指す
錆びた手摺を握り締めた
流さなかった血の匂いがした
僕はまだ生きていけると
踏み出しかけた足を戻した
ボロい階段を飛ぶように下る
靴音が羽ばたきのリズム
過去と未来と現実の中
僕へと続く扉を開けた
地面に足をつけて
雑踏の中を歩き出した
歩き出せた
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
錆色
(2005/11/30)
百人百色
たとえば「愛」
たとえば「夢」
たとえば「悪」
たとえば「生」
もしくは「傷」
あるいは「死」
あるいは「恋」
あるいは「無」
それから「言葉」
たった一つの言葉
思い浮かべるものは
いくつもあるけど
たかが一つの言葉
思い描くものは
いくつもあるから
誰一人として
おなじではない
誰一人として
おなじにならない
それがいい
そこがいい
たとえば「夢」
たとえば「悪」
たとえば「生」
もしくは「傷」
あるいは「死」
あるいは「恋」
あるいは「無」
それから「言葉」
たった一つの言葉
思い浮かべるものは
いくつもあるけど
たかが一つの言葉
思い描くものは
いくつもあるから
誰一人として
おなじではない
誰一人として
おなじにならない
それがいい
そこがいい
肉桂玉
色とりどりのニッケ玉
口に入れて噛み砕く
円くて大きな飴玉は
薄く小さく割れるだけ
口に広がるシナモンは
優しいくせに刺激的
甘くて辛くてすっきりと
体の中に染み渡る
色とりどりのニッケ玉
舐めながら町を散歩する
晴れて冷たい冬の日に
肉桂の味はよく似合う
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
肉桂色
(2005/11/29)
口に入れて噛み砕く
円くて大きな飴玉は
薄く小さく割れるだけ
口に広がるシナモンは
優しいくせに刺激的
甘くて辛くてすっきりと
体の中に染み渡る
色とりどりのニッケ玉
舐めながら町を散歩する
晴れて冷たい冬の日に
肉桂の味はよく似合う
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
肉桂色
(2005/11/29)
今宵冷たき躯は
容赦なく寒い
冬の夜が
己以外熱源のない
この部屋へと忍び込む
もはや全てが
零下の領域
指先から奪われる
血のぬくもりと
身体の自由
吐く息は白く
空気を揺さぶるが
圧倒的な夜気に
押しつぶされて散る
朝は遠く
氷の彫像はもう
溶けない予感に襲われ
夜は長く
侵入する絶望を
押し留める術はない
嗚呼
夢と死と朝のいずれの
訪いの足音が
耳元に響いているのか
冬の夜が
己以外熱源のない
この部屋へと忍び込む
もはや全てが
零下の領域
指先から奪われる
血のぬくもりと
身体の自由
吐く息は白く
空気を揺さぶるが
圧倒的な夜気に
押しつぶされて散る
朝は遠く
氷の彫像はもう
溶けない予感に襲われ
夜は長く
侵入する絶望を
押し留める術はない
嗚呼
夢と死と朝のいずれの
訪いの足音が
耳元に響いているのか
零露に似た涙はすみれ色
泣かないで
木枯らしが
君の涙を
凍らせてしまう
泣かないで
雪雲が
君の涙を
結晶に変える
泣くのなら
僕の胸を貸すよ
泣くのなら
僕の腕の中で
冬になんか
渡さない
君の涙も
僕のもの
木枯らしが
君の涙を
凍らせてしまう
泣かないで
雪雲が
君の涙を
結晶に変える
泣くのなら
僕の胸を貸すよ
泣くのなら
僕の腕の中で
冬になんか
渡さない
君の涙も
僕のもの
年越詩祭
さあさ行こうよ
祭りだよ
言葉飛び交う
祭りだよ
さあ最高よ
祭りだよ
言葉溢れる
祭りだよ
どちらさんも
寄っといで
どなたさんも
酔っといで
言葉の演舞を
見ておいき
言葉の円舞を
見ておいで
さあさ行こうよ
祭りだよ
さあ朝以降の
祭りだよ
これから年を越すまで
新たな年を起こすまで
祭りだよ
言葉飛び交う
祭りだよ
さあ最高よ
祭りだよ
言葉溢れる
祭りだよ
どちらさんも
寄っといで
どなたさんも
酔っといで
言葉の演舞を
見ておいき
言葉の円舞を
見ておいで
さあさ行こうよ
祭りだよ
さあ朝以降の
祭りだよ
これから年を越すまで
新たな年を起こすまで
仕事納め
お疲れさま
うっかり実感湧かないけど
お疲れさま
とにかく今年はお世話様
窓も拭いたし
机も拭いた
壁にはカレンダ
花には水を
ポットはすっかり空にして
お疲れさま
書類もノートも机に入れて
お疲れさま
パソコンプリンタ電源切って
それからしっかり施錠して
それじゃあまたね
来年ね
うっかり実感湧かないけど
お疲れさま
とにかく今年はお世話様
窓も拭いたし
机も拭いた
壁にはカレンダ
花には水を
ポットはすっかり空にして
お疲れさま
書類もノートも机に入れて
お疲れさま
パソコンプリンタ電源切って
それからしっかり施錠して
それじゃあまたね
来年ね
解悟
ああ
そうだ
深く考えなくたって
心の赴くままでいいんだ
酷く悩まなくったって
心の求めるままでいいんだ
ああ
そうか
あたしはそれが
欲しかったんだ
そうだ
深く考えなくたって
心の赴くままでいいんだ
酷く悩まなくったって
心の求めるままでいいんだ
ああ
そうか
あたしはそれが
欲しかったんだ
ルーレットとクレームブリュレ
ルーレットクレームブリュレは
猫ネコ仔猫
ノワールの毛並み
転がる仕種
丸い瞳のルーレット
焦げたカラメル
甘やかな声
優しい顔のクレームブリュレ
猫ネコ仔猫
じゃれついて
毛玉の振りで
近寄ってくる
猫ネコ仔猫
鳴き声で
遊びとおやつを
ねだってくる
ルーレットとクレームブリュレ
小さな子猫
猫ネコ仔猫
ノワールの毛並み
転がる仕種
丸い瞳のルーレット
焦げたカラメル
甘やかな声
優しい顔のクレームブリュレ
猫ネコ仔猫
じゃれついて
毛玉の振りで
近寄ってくる
猫ネコ仔猫
鳴き声で
遊びとおやつを
ねだってくる
ルーレットとクレームブリュレ
小さな子猫
休暇
やれやれ
良く働いたから
バカンスにでも行こうか
真夏の南の島でのんびり
秘境の温泉旅館でまったり
それとも
貯めてた仕事でも
一つ一つこなしていこうか
使った道具を磨いてみたり
暖炉にくべる薪を割ったり
いやいや
すこし太ってたから
運動なんかしてみようか
煙突するりと抜けれるように
ソリの速度が上がるように
それから
冬が終わる頃には
次の仕事の準備をしよう
夢の卵とか愛の種とか
希望の羽を用意して
それらが
贈った人の心で
いつか育つのを待ちながら
孵って芽吹いて羽ばたいて
こちらも嬉しくなるように
とにかく
良く働いたから
好きなことをしようか
とっておきの酒を飲んだり
仲間とどこかに泊まったり
もちろん
ちゃんと働いたから
君の心にも贈ったさ
それが一体カタチになるかは
サンタの与るところじゃないさ
良く働いたから
バカンスにでも行こうか
真夏の南の島でのんびり
秘境の温泉旅館でまったり
それとも
貯めてた仕事でも
一つ一つこなしていこうか
使った道具を磨いてみたり
暖炉にくべる薪を割ったり
いやいや
すこし太ってたから
運動なんかしてみようか
煙突するりと抜けれるように
ソリの速度が上がるように
それから
冬が終わる頃には
次の仕事の準備をしよう
夢の卵とか愛の種とか
希望の羽を用意して
それらが
贈った人の心で
いつか育つのを待ちながら
孵って芽吹いて羽ばたいて
こちらも嬉しくなるように
とにかく
良く働いたから
好きなことをしようか
とっておきの酒を飲んだり
仲間とどこかに泊まったり
もちろん
ちゃんと働いたから
君の心にも贈ったさ
それが一体カタチになるかは
サンタの与るところじゃないさ
りるるの歌とそのベリル
りるりるりるる
鳥が啼く
あれは深い森の中
りるりるりるる
鳥が啼く
あれは深い愛の歌
雪降る森は真っ白く
眠りを誘って包み込む
草木は凍った雪の下
獣は穿った穴の中
りるりるりるる
鳥が啼く
ただ一点の春の色
りるりるりるる
その羽は
ベリルの光で輝いた
雪降る森に羽ばたいた
翠緑色が魅せていく
草木は溶け出す水の夢
獣は溢れる空の夢
りるりるりるる
鳥が啼く
りるりるりるる
鳥は啼く
鳥が啼く
あれは深い森の中
りるりるりるる
鳥が啼く
あれは深い愛の歌
雪降る森は真っ白く
眠りを誘って包み込む
草木は凍った雪の下
獣は穿った穴の中
りるりるりるる
鳥が啼く
ただ一点の春の色
りるりるりるる
その羽は
ベリルの光で輝いた
雪降る森に羽ばたいた
翠緑色が魅せていく
草木は溶け出す水の夢
獣は溢れる空の夢
りるりるりるる
鳥が啼く
りるりるりるる
鳥は啼く
オルゴール
遠い記憶の隙間から
掘り出してきた骨で
オルゴールを創ろう
硬くて脆くて繊細な
音色を溶かして奏でよう
優しく扱わなければ
粉々に砕け散ってしまう
触れるのを躊躇っていれば
風化して風に舞ってしまう
小さなオルゴールを創ろう
月の滴る音に似た
雪の煌めく音に似た
触れたら溶けて壊れるような
花の開いた音に似た
虹の輝く音に似た
触れたら消えて薄れるような
華奢なオルゴールを創ろう
遠い記憶の隙間では
眠れる想いが骨になる
艶めく化石になる頃に
掘り出してきて
オルゴールを創ろう
掘り出してきた骨で
オルゴールを創ろう
硬くて脆くて繊細な
音色を溶かして奏でよう
優しく扱わなければ
粉々に砕け散ってしまう
触れるのを躊躇っていれば
風化して風に舞ってしまう
小さなオルゴールを創ろう
月の滴る音に似た
雪の煌めく音に似た
触れたら溶けて壊れるような
花の開いた音に似た
虹の輝く音に似た
触れたら消えて薄れるような
華奢なオルゴールを創ろう
遠い記憶の隙間では
眠れる想いが骨になる
艶めく化石になる頃に
掘り出してきて
オルゴールを創ろう
乱立のビルにキラリ
乱立するビルに
キラリキラリ
朝日が光る
上昇する音はみんな
夜明けの波に
掻き消されてく
たくさんの窓辺に
たくさんの太陽
キラリキラリ
道ゆく人もまだ
寝ぼけたままの街
聳え立つビルだけが
朝の光を知っている
キラリキラリ
塔の上から見下ろした
広がる街が輝いて
偽りの陽光を
きみの上にも投げかける
キラリキラリ
幾つものビルに跳ね返る
その輝きにきみの目も光る
そんな朝
キラリキラリ
朝日が光る
上昇する音はみんな
夜明けの波に
掻き消されてく
たくさんの窓辺に
たくさんの太陽
キラリキラリ
道ゆく人もまだ
寝ぼけたままの街
聳え立つビルだけが
朝の光を知っている
キラリキラリ
塔の上から見下ろした
広がる街が輝いて
偽りの陽光を
きみの上にも投げかける
キラリキラリ
幾つものビルに跳ね返る
その輝きにきみの目も光る
そんな朝
願いの夜に
この寛容な国で
光と愛の聖なる夜
眠る子どもの枕元
恋しい人の腕の中
見知らぬ誰かの頭上にも
それから自分自身にも
優しい夜が降り注いで
朝の光に包まれた愛が
訪れますように
光と愛の聖なる夜
眠る子どもの枕元
恋しい人の腕の中
見知らぬ誰かの頭上にも
それから自分自身にも
優しい夜が降り注いで
朝の光に包まれた愛が
訪れますように
電波の中の赤錆
ケータイ片手に
ハンドル握って
指示器も出さずに
曲がる若者
小さい画面を
必死に見すぎて
前方不注意
睨む女生徒
どんな甘い繰言も
どんな可笑しな文章も
周囲に振り撒く迷惑は
心を酸のように溶かす
暗い劇場
視界を阻む
誰かの鞄の
眩い光
静かな車内に
お構いなしに
見えない相手と
群れてるコドモ
どんな大事なことも
どんな可愛い絵文字も
周囲に振り撒く影響は
心に錆を浮かす
どんなに新鮮なことも
どんなに真剣な言葉も
今この場所で行き交わないで
電波の中の赤錆が
周囲の人を蝕んでいく
何もかも錆付かせる前に
それに気付いて
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
赤錆色
(2005/11/25)
ハンドル握って
指示器も出さずに
曲がる若者
小さい画面を
必死に見すぎて
前方不注意
睨む女生徒
どんな甘い繰言も
どんな可笑しな文章も
周囲に振り撒く迷惑は
心を酸のように溶かす
暗い劇場
視界を阻む
誰かの鞄の
眩い光
静かな車内に
お構いなしに
見えない相手と
群れてるコドモ
どんな大事なことも
どんな可愛い絵文字も
周囲に振り撒く影響は
心に錆を浮かす
どんなに新鮮なことも
どんなに真剣な言葉も
今この場所で行き交わないで
電波の中の赤錆が
周囲の人を蝕んでいく
何もかも錆付かせる前に
それに気付いて
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
赤錆色
(2005/11/25)
爪と月
割れた爪みたいに
空の端に引っかかった月
力任せに取ってしまって
空を半分に切り裂いた
滲んだ血に染まる
西の空の雲が光って
落ちてしまった太陽を
繋ぎとめようとしている
綺麗に塗られていたマニキュア
あなたを掴めないまま
濡れて艶めくグロスの唇
開くのを恐れたまま
裂かれた空から零れた夜が
乾いた瞳を縁取る睫毛に
諦めの溜め息を降り注ぐ
空の端に引っかかった月
力任せに取ってしまって
空を半分に切り裂いた
滲んだ血に染まる
西の空の雲が光って
落ちてしまった太陽を
繋ぎとめようとしている
綺麗に塗られていたマニキュア
あなたを掴めないまま
濡れて艶めくグロスの唇
開くのを恐れたまま
裂かれた空から零れた夜が
乾いた瞳を縁取る睫毛に
諦めの溜め息を降り注ぐ
紅い葡萄の指先
瑞々しい果実を
もぎ取って
きみが口に入れる
皮を剥いて口に入れる
艶々したひとつを
もぎ取って
僕も口に入れる
皮も剥かず口に入れる
一房の葡萄
僕ときみのあいだに
水滴を滴らせて
艶めく紅い葡萄が
きみの指先を染めてく
すべて食べ終わって
少し茶に変わった
きみの紅葡萄の指を
僕は最後に
口に含む
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
紅海老茶
注:このあと、「海老茶」も存在するので、変則的に「紅葡萄茶」にしてみました。
(2005/11/21)
もぎ取って
きみが口に入れる
皮を剥いて口に入れる
艶々したひとつを
もぎ取って
僕も口に入れる
皮も剥かず口に入れる
一房の葡萄
僕ときみのあいだに
水滴を滴らせて
艶めく紅い葡萄が
きみの指先を染めてく
すべて食べ終わって
少し茶に変わった
きみの紅葡萄の指を
僕は最後に
口に含む
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
紅海老茶
注:このあと、「海老茶」も存在するので、変則的に「紅葡萄茶」にしてみました。
(2005/11/21)
あたたかな夕餉と匂い立つお風呂
夜はとっても長いから
冬はとっても寒いから
魔物が寄らないように
病鬼が近づかぬように
おまじないを
いたしましょう
小豆のお粥と
ほっこりカボチャ
愛情と美味しさで
内側から呪文を
温かなお湯に
浮かべた柚子で
温もりと芳しさの
外側からの呪文
外はとっても寒いから
迷信と取ってもいいけれど
あたたかな夕餉と
匂い立つお風呂で
おまじないを
いたしましょう
冬はとっても寒いから
魔物が寄らないように
病鬼が近づかぬように
おまじないを
いたしましょう
小豆のお粥と
ほっこりカボチャ
愛情と美味しさで
内側から呪文を
温かなお湯に
浮かべた柚子で
温もりと芳しさの
外側からの呪文
外はとっても寒いから
迷信と取ってもいいけれど
あたたかな夕餉と
匂い立つお風呂で
おまじないを
いたしましょう
揺籃に寄らん
健やかな寝息と
健やかな身体
健全な眠りの
いとけない子ども
子守唄に揺れる
小船の揺り籠で
どこまで行くのだろう
可能性を秘めて
小さな掌に
幾つも夢を握り
瞑る瞼の下の
無垢な瞳が笑う
揺籃を飛び出して
道を歩き出した
遠い日の子どもは
小さき者を見つめる
あの頃の記憶は
欠片さえもなくても
確かにその昔
子守唄を聴いた
その歌を唄って
小船に寄り添おう
いつか降り立つ日まで
帆になり舵になろう
健やかな身体
健全な眠りの
いとけない子ども
子守唄に揺れる
小船の揺り籠で
どこまで行くのだろう
可能性を秘めて
小さな掌に
幾つも夢を握り
瞑る瞼の下の
無垢な瞳が笑う
揺籃を飛び出して
道を歩き出した
遠い日の子どもは
小さき者を見つめる
あの頃の記憶は
欠片さえもなくても
確かにその昔
子守唄を聴いた
その歌を唄って
小船に寄り添おう
いつか降り立つ日まで
帆になり舵になろう
からっぽ
たまにはさあ
からっぽになるよね
どうしても
何も出ないの
探しても
逆さにしても
遡っても
みあたらないくらい
からっぽにさ
たまになら
いいけどさ
からっぽになるよね
どうしても
何も出ないの
探しても
逆さにしても
遡っても
みあたらないくらい
からっぽにさ
たまになら
いいけどさ
有翼の竜よ
きみのもとに舞い降りた
白く冷たき鱗の主は
空を覆う灰色の
雲の向こうを翔けていく
その呼び声を耳にして
きみは塔へと駆け上がる
どこより高いその場所で
雲の欠片に手をかける
降り注ぎたる綿毛の雪は
冷たく白き鱗を隠し
凍えたきみの指先も
遮るように積もりゆく
塔の上から見下ろせし
地上はもはや色も無く
ただきみだけを残しては
音を立つるは風の声
血も凍えゆく冬の中
白く冷たきその指で
きみは鱗を摘み上げ
その喉元に滑らせる
薄氷の絹を纏うごと
冷たく白き鱗のきみは
白き翼を手に入れて
冷たき空へ翔けあがる
白く冷たき地上の上に
冷たく白き雲だけ残し
呼びし呼ばれし二匹の竜は
光の中へ消えてゆく
あとには白き雪ばかり
白く冷たき鱗の主は
空を覆う灰色の
雲の向こうを翔けていく
その呼び声を耳にして
きみは塔へと駆け上がる
どこより高いその場所で
雲の欠片に手をかける
降り注ぎたる綿毛の雪は
冷たく白き鱗を隠し
凍えたきみの指先も
遮るように積もりゆく
塔の上から見下ろせし
地上はもはや色も無く
ただきみだけを残しては
音を立つるは風の声
血も凍えゆく冬の中
白く冷たきその指で
きみは鱗を摘み上げ
その喉元に滑らせる
薄氷の絹を纏うごと
冷たく白き鱗のきみは
白き翼を手に入れて
冷たき空へ翔けあがる
白く冷たき地上の上に
冷たく白き雲だけ残し
呼びし呼ばれし二匹の竜は
光の中へ消えてゆく
あとには白き雪ばかり
過去を振り返る
「年越詩祭」(不翔少年Bさん)のところで行われるイベントに参加することにしました。
詩を一篇ずつ持ち寄って、鑑賞しあいながら年末のひと時を過ごそう(表現オカシイかしら(笑))、というイベントのようです。
“できれば、「自分が書いた詩のなかで、今年一番好きな詩」と言えるような詩がよいです”とのことなので、今年一年書き溜めた作品をざっと読み返すことにしました。
…なんだ、この量(笑)
このテンプレートはアーカイブの記事一覧が全文掲載じゃないようなのですが、まあ、支障ないかな、と思いながら見返してます。
一番好きだと思えるものなら、最初の部分だけ読んでも好きだろう、と思って。
…が。
未だ、一番は決まりません。
でも、己の一年を振り返って、楽しんでみようと思います。
イベントに興味を惹かれた方はこちら。
「年越詩祭」
20日まで、参加者も募集しているそうです。
詩を一篇ずつ持ち寄って、鑑賞しあいながら年末のひと時を過ごそう(表現オカシイかしら(笑))、というイベントのようです。
“できれば、「自分が書いた詩のなかで、今年一番好きな詩」と言えるような詩がよいです”とのことなので、今年一年書き溜めた作品をざっと読み返すことにしました。
…なんだ、この量(笑)
このテンプレートはアーカイブの記事一覧が全文掲載じゃないようなのですが、まあ、支障ないかな、と思いながら見返してます。
一番好きだと思えるものなら、最初の部分だけ読んでも好きだろう、と思って。
…が。
未だ、一番は決まりません。
でも、己の一年を振り返って、楽しんでみようと思います。
イベントに興味を惹かれた方はこちら。
「年越詩祭」
20日まで、参加者も募集しているそうです。
その日
いるとか
いないとか
見えるとか
見えないとか
追求するのなんて
やめちゃって
作り物とか
陰謀とか
出鱈目とか
子供だましとか
口にするのなんて
やめちゃって
夜更けた部屋で
待ってればいい
静けさの向こうで
鳴らされる
ベルの音や
ソリの音を
眠りの前に
待ってればいい
星空の向こうから
やってくる
その一行や
贈り物を
いるとか
いないとか
見えるとか
見えないとか
たまには横に
置いといて
楽しんじゃえば
必ず胸の中
贈り物が届く
いないとか
見えるとか
見えないとか
追求するのなんて
やめちゃって
作り物とか
陰謀とか
出鱈目とか
子供だましとか
口にするのなんて
やめちゃって
夜更けた部屋で
待ってればいい
静けさの向こうで
鳴らされる
ベルの音や
ソリの音を
眠りの前に
待ってればいい
星空の向こうから
やってくる
その一行や
贈り物を
いるとか
いないとか
見えるとか
見えないとか
たまには横に
置いといて
楽しんじゃえば
必ず胸の中
贈り物が届く
揶揄
揶揄うならいいわ
意地悪に笑って
大人気ない口調で
優しげな目元で
揶揄うならいいわ
髪を引っ張ってみたり
頬をつついてみたり
不意にキスしたり
でも揶揄はいやなの
皮肉げに笑って
冷酷な口調で
蔑んだ目元で
触れもせずに
近寄らずに
不意に遠ざかる
二つの言葉は
違わないさなんて
笑うかしら
同じ意味だなんて
呆れるかしら
揶揄うならいいわ
困らされても
怒らされても
愛があるから
意地悪に笑って
大人気ない口調で
優しげな目元で
揶揄うならいいわ
髪を引っ張ってみたり
頬をつついてみたり
不意にキスしたり
でも揶揄はいやなの
皮肉げに笑って
冷酷な口調で
蔑んだ目元で
触れもせずに
近寄らずに
不意に遠ざかる
二つの言葉は
違わないさなんて
笑うかしら
同じ意味だなんて
呆れるかしら
揶揄うならいいわ
困らされても
怒らされても
愛があるから
年賀状を書こう
いいわよ
まとめてかかってらっしゃい
相手したげるから
ひのふのみいの
お次はだあれ
ほらほら
急いでかかってらっしゃい
受けて立つから
いつむうななの
それからだあれ
いいから
まとめてかかってらっしゃい
あらあなたなの
これで何枚
他にはだあれ
もういない
もういないかしら
そしたらまとめて
ポストにぽん
まとめてかかってらっしゃい
相手したげるから
ひのふのみいの
お次はだあれ
ほらほら
急いでかかってらっしゃい
受けて立つから
いつむうななの
それからだあれ
いいから
まとめてかかってらっしゃい
あらあなたなの
これで何枚
他にはだあれ
もういない
もういないかしら
そしたらまとめて
ポストにぽん
燃やせモヤモヤ
なんだか据わりが悪くって
心の置き場が曖昧で
泣きたいような
怒りたいような
そんな気持ちになるときは
なんだか気分が悪くって
心のやり場がなくなって
辞めたいような
投げたいような
そんな心地になるときは
瞼を落として
息を静めて
頭の中に
紙を広げて
思ったことを
重たいものを
その紙の上に
書きなぐれ
黒くなるまで
書き尽くしたら
読めなくなるまで
埋め尽くしたら
あとは丸めて
燃やしてしまえ
心の中のモヤモヤを
気持ちの中のモヤモヤを
丸めて燃やして灰にして
あとは風に飛ばしてしまえ
いつかどこかで地面に落ちて
花実をつける糧になるから
心の置き場が曖昧で
泣きたいような
怒りたいような
そんな気持ちになるときは
なんだか気分が悪くって
心のやり場がなくなって
辞めたいような
投げたいような
そんな心地になるときは
瞼を落として
息を静めて
頭の中に
紙を広げて
思ったことを
重たいものを
その紙の上に
書きなぐれ
黒くなるまで
書き尽くしたら
読めなくなるまで
埋め尽くしたら
あとは丸めて
燃やしてしまえ
心の中のモヤモヤを
気持ちの中のモヤモヤを
丸めて燃やして灰にして
あとは風に飛ばしてしまえ
いつかどこかで地面に落ちて
花実をつける糧になるから
脱出ゲーム
逃げ出すのさ
ここにあるものを
駆使して
抜け出るのさ
ここで出来ることを
やり遂げて
まるで脱出ゲーム
攻略サイトなんてなくて
誰の助言もなくて
自力で進むしかないさ
まるで脱出ゲーム
限られたアイテムだけで
決められた道順だけで
でも自力でしか進めないのさ
だから
面白いのさ
ここにあるものを
駆使して
抜け出るのさ
ここで出来ることを
やり遂げて
まるで脱出ゲーム
攻略サイトなんてなくて
誰の助言もなくて
自力で進むしかないさ
まるで脱出ゲーム
限られたアイテムだけで
決められた道順だけで
でも自力でしか進めないのさ
だから
面白いのさ
メモに書いた夢も
引出しに仕舞いこんで
忘れた振りの
メモに書いた夢も
いつかは叶う
塵みたいには捨てられず
眠らせたままの
遠い日に呟いた夢も
いつかは叶う
忘れていても
覚えている
眠らせても
感じている
日常の忙しさに
埋もらせたままの
傷跡のような夢も
いつかは叶う
笑われても
信じている
傷口になお
滲んでいる
巡る血にも似た夢を
いつか叶える
忘れた振りの
メモに書いた夢も
いつかは叶う
塵みたいには捨てられず
眠らせたままの
遠い日に呟いた夢も
いつかは叶う
忘れていても
覚えている
眠らせても
感じている
日常の忙しさに
埋もらせたままの
傷跡のような夢も
いつかは叶う
笑われても
信じている
傷口になお
滲んでいる
巡る血にも似た夢を
いつか叶える
無名のロムめ
ちょっとそこのお姉さん
通りすがりに見ていって
何もないけど
何かがあるから
気に入ったなら
寄ってって
ちょいとそこのお兄さん
何かの拍子に来てみてよ
何でもいいなら
何かがあるから
気になったなら
寄ってって
ちょいとそこのお嬢さん
それからそこの坊やたち
何かがあるから
多分あるから
時間つぶしに見ていって
そして右上に
気が付いたなら
コメントもどうぞ
通りすがりに見ていって
何もないけど
何かがあるから
気に入ったなら
寄ってって
ちょいとそこのお兄さん
何かの拍子に来てみてよ
何でもいいなら
何かがあるから
気になったなら
寄ってって
ちょいとそこのお嬢さん
それからそこの坊やたち
何かがあるから
多分あるから
時間つぶしに見ていって
そして右上に
気が付いたなら
コメントもどうぞ
ただそれだけで
ただひとつだけ
それだけでいいの
そんなことでわたし
強くなれる
ほんのすこし
それだけでいいの
ささやかなことで
笑っていける
真珠のように
雪の結晶のように
くるんでいって
つつんでいって
ただそれだけで
綺麗になるの
だから
小さくてもいいの
ただひとつ
わたしはそれで
生きていけるの
(2005/11/14)
それだけでいいの
そんなことでわたし
強くなれる
ほんのすこし
それだけでいいの
ささやかなことで
笑っていける
真珠のように
雪の結晶のように
くるんでいって
つつんでいって
ただそれだけで
綺麗になるの
だから
小さくてもいいの
ただひとつ
わたしはそれで
生きていけるの
(2005/11/14)
美夢(みむ)
いらっしゃい
最近はどうやら
お困りのお客が多いようだ
冬の夜長を
もてあまして
それでここへ
いらしたのですか
黄昏の通りに
夜の気配は
雲と散り
霧と消え
しかし
あなたの
朝には遠い
こちらにあるのは
美夢と言うお茶
本来ならば
この店で
取り扱う品では
ないけれど
寝る前に飲めば
たちまち楽しい夢の中
世にも美しい夢の中
ただし飲みすぎにはご注意を
毎夜毎晩楽しむならば
夢の毒素が溜まります
楽しい夢は楽しいままに
美しい夢は美しいままに
しかし
現実が混ざります
かつて選ばなかった
その道の先を
夢は見せてくれましょう
それは楽しく美しく
現実の方が間違いのほどに
そしてお目が醒めた時
あなたの世界は褪めまする
それでも良ければ
この冬の夜長
温かいお茶はいかがです
最近はどうやら
お困りのお客が多いようだ
冬の夜長を
もてあまして
それでここへ
いらしたのですか
黄昏の通りに
夜の気配は
雲と散り
霧と消え
しかし
あなたの
朝には遠い
こちらにあるのは
美夢と言うお茶
本来ならば
この店で
取り扱う品では
ないけれど
寝る前に飲めば
たちまち楽しい夢の中
世にも美しい夢の中
ただし飲みすぎにはご注意を
毎夜毎晩楽しむならば
夢の毒素が溜まります
楽しい夢は楽しいままに
美しい夢は美しいままに
しかし
現実が混ざります
かつて選ばなかった
その道の先を
夢は見せてくれましょう
それは楽しく美しく
現実の方が間違いのほどに
そしてお目が醒めた時
あなたの世界は褪めまする
それでも良ければ
この冬の夜長
温かいお茶はいかがです
桃色遊戯
一緒にいれば
大丈夫だと
思っていたの
優しく抱いて
強く抱いて
まぶたの裏が
桃色に
染まるほどに
抱きしめて
瑞々しかった
果実のように
滴り落ちるほどの愛を
それがあなたを
留めるすべ
そんなことは
まやかしだと
知っていたのよ
優しいキスして
熱いキスして
二人の息が
桃色に
染まるほどに
キスをして
初々しかった
果実のように
離れがたかった愛を
それがあたしを
捕らえるすべ
そして二人は
熟れきった果実
優しく言って
笑って言って
もう終わりだよと
桃色が
褪せてしまうほどの
さよならを
それが二人を
解き放つすべ
そして
二人の距離は遠すぎて
あたしの指は
寒さで桃色
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
桃色
(2005/11/12)
大丈夫だと
思っていたの
優しく抱いて
強く抱いて
まぶたの裏が
桃色に
染まるほどに
抱きしめて
瑞々しかった
果実のように
滴り落ちるほどの愛を
それがあなたを
留めるすべ
そんなことは
まやかしだと
知っていたのよ
優しいキスして
熱いキスして
二人の息が
桃色に
染まるほどに
キスをして
初々しかった
果実のように
離れがたかった愛を
それがあたしを
捕らえるすべ
そして二人は
熟れきった果実
優しく言って
笑って言って
もう終わりだよと
桃色が
褪せてしまうほどの
さよならを
それが二人を
解き放つすべ
そして
二人の距離は遠すぎて
あたしの指は
寒さで桃色
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
桃色
(2005/11/12)
ときには
愛してるなんて
言えないけれど
愛してるなんて
言わないけれど
大好きだよ
何気ない顔で
言ってみる
言えないけれど
愛してるなんて
言わないけれど
大好きだよ
何気ない顔で
言ってみる
真南の甘み
南へ行こう
ここからまっすぐ
雪雲を飛び越えて
荒波を蹴飛ばして
真南に行こう
肌を刺す太陽と
青ざめた海原と
むせ返る花の島
喉が渇けば
べたつくほどに
甘い果実を
眠くなれば
とろけるほどに
甘い夜空を
南へ行こう
うんと遠くへ
濃厚な陽炎と
白すぎる砂浜と
目の覚める色の鳥
刺激が要れば
やけつくほどに
甘いお酒を
人恋しければ
おぼれるほどに
甘い愛撫を
南へ行こう
心だけでも
そして
喉の奥に
甘みを残して
寒い冬の
扉を開けよう
ここからまっすぐ
雪雲を飛び越えて
荒波を蹴飛ばして
真南に行こう
肌を刺す太陽と
青ざめた海原と
むせ返る花の島
喉が渇けば
べたつくほどに
甘い果実を
眠くなれば
とろけるほどに
甘い夜空を
南へ行こう
うんと遠くへ
濃厚な陽炎と
白すぎる砂浜と
目の覚める色の鳥
刺激が要れば
やけつくほどに
甘いお酒を
人恋しければ
おぼれるほどに
甘い愛撫を
南へ行こう
心だけでも
そして
喉の奥に
甘みを残して
寒い冬の
扉を開けよう
誉高きランニングホーマー
あのボールが
宙に浮かんでいる間に
駆けてくんだ
誰もボクを
止められない
あのボールが
人をかわして逃げてく間に
駆け抜けるんだ
ボクも誰かを
かわしていく
あのボールが
ボクを目掛けて来る間に
駆け込むんだ
ボクは誰にも
捕まらない
それで入るのが
たった一点だとしても
それでもやっぱり
大差で負けていても
なんだっていうのさ
結果がどうだったとしても
なかったことにはならないよ
だからボクは
駆けていくんだ
宙に浮かんでいる間に
駆けてくんだ
誰もボクを
止められない
あのボールが
人をかわして逃げてく間に
駆け抜けるんだ
ボクも誰かを
かわしていく
あのボールが
ボクを目掛けて来る間に
駆け込むんだ
ボクは誰にも
捕まらない
それで入るのが
たった一点だとしても
それでもやっぱり
大差で負けていても
なんだっていうのさ
結果がどうだったとしても
なかったことにはならないよ
だからボクは
駆けていくんだ
氷の薔薇
冷たい雨なら
氷の薔薇を
凍えた指で
手折りましょう
眠れるあなたの
胸に一輪
涙を添えて
飾りましょう
閉ざした瞳の
濡れた睫毛に
零れた花が
香るでしょう
冷たい雨なら
傘も差さずに
凍える愛に
倒れましょう
氷の薔薇を
凍えた指で
手折りましょう
眠れるあなたの
胸に一輪
涙を添えて
飾りましょう
閉ざした瞳の
濡れた睫毛に
零れた花が
香るでしょう
冷たい雨なら
傘も差さずに
凍える愛に
倒れましょう
何かを探す夢十夜
遠くへ行った恋人が戻ったとき
彼女は老人と結婚式を挙げていた
指輪ひとつで何年も
繋ぎとめられはしないのよ
その後
恋人は死んだが
老人は長生きをした
見知らぬ子どもと手を繋いで歩いている
どこまで行くのかと尋ねると
どこだろうねお母さんと笑う
私には子どもはいないと答えると
信号待ちの間に消えた
地蔵堂の中で地蔵が澄ましている
満月の下に
眩く大きな星が見える
はてあんなところに星があったかと思っていると
飛行機の轟音が近づいてきた
そうであったかと納得しているうちに
月が目の前を通り過ぎていった
星は眩く大きいまま瞬いている
デパートで買い物をしている
5階に行こうと思うのだが
エスカレーターは迷路のように複雑で
いつまでも辿り着けない
これをどうぞと受付嬢が風船をくれたが
4階を通り過ぎる際
値札の角で割れてしまった
落ちていきながら思った
はて何を買いたいのだったか
見知らぬ男と海岸を歩いている
どこもかしこも冬なのに
海だけが夏の色をしている
夏になったら逢いに来てよ
男がそう言って海に飛び込んだ
途端に魚が群れて食い尽くした
懐中時計を拾った
螺旋巻き式で既に止まっている
巻いてくれ巻いてくれと
秒針がこわばったまま叫ぶので
切れそうになるほど巻いてやった
助かった、ところで今は何時だ
時計はそう言ったが
時計に分からぬものが分かるはずはなかった
電話が鳴っている
もしもしと名を名乗ると
私は誰ですかと問われた
仕方がないので
電話帳を開いて好きな名前にしろと言うと
今はないんだと笑われた
腹が立ったので名付けてやった
どこかの国の哲学者の名を
本を読んでいるのだが
挟んだしおりが好き勝手に動く
仕方がないので
自力でページ数を覚えたが
ページの数まで動き出した
128ページまで読んだ
卵が見当たらない
オムレツが食べたいのに
あちこち探していると
郵便受けの中に入っていた
早速割り入れたが
中から出てきたのは
一通のカードだった
所詮郵便受けは郵便受けだ
街を歩いていると
ティッシュを配っていた
歩きつづけていると
ティッシュを欲しがる人がいた
あそこで配ってますよと
振り返ったが
そこには街がなかったので
貰ったばかりのティッシュをやった
彼女は老人と結婚式を挙げていた
指輪ひとつで何年も
繋ぎとめられはしないのよ
その後
恋人は死んだが
老人は長生きをした
見知らぬ子どもと手を繋いで歩いている
どこまで行くのかと尋ねると
どこだろうねお母さんと笑う
私には子どもはいないと答えると
信号待ちの間に消えた
地蔵堂の中で地蔵が澄ましている
満月の下に
眩く大きな星が見える
はてあんなところに星があったかと思っていると
飛行機の轟音が近づいてきた
そうであったかと納得しているうちに
月が目の前を通り過ぎていった
星は眩く大きいまま瞬いている
デパートで買い物をしている
5階に行こうと思うのだが
エスカレーターは迷路のように複雑で
いつまでも辿り着けない
これをどうぞと受付嬢が風船をくれたが
4階を通り過ぎる際
値札の角で割れてしまった
落ちていきながら思った
はて何を買いたいのだったか
見知らぬ男と海岸を歩いている
どこもかしこも冬なのに
海だけが夏の色をしている
夏になったら逢いに来てよ
男がそう言って海に飛び込んだ
途端に魚が群れて食い尽くした
懐中時計を拾った
螺旋巻き式で既に止まっている
巻いてくれ巻いてくれと
秒針がこわばったまま叫ぶので
切れそうになるほど巻いてやった
助かった、ところで今は何時だ
時計はそう言ったが
時計に分からぬものが分かるはずはなかった
電話が鳴っている
もしもしと名を名乗ると
私は誰ですかと問われた
仕方がないので
電話帳を開いて好きな名前にしろと言うと
今はないんだと笑われた
腹が立ったので名付けてやった
どこかの国の哲学者の名を
本を読んでいるのだが
挟んだしおりが好き勝手に動く
仕方がないので
自力でページ数を覚えたが
ページの数まで動き出した
128ページまで読んだ
卵が見当たらない
オムレツが食べたいのに
あちこち探していると
郵便受けの中に入っていた
早速割り入れたが
中から出てきたのは
一通のカードだった
所詮郵便受けは郵便受けだ
街を歩いていると
ティッシュを配っていた
歩きつづけていると
ティッシュを欲しがる人がいた
あそこで配ってますよと
振り返ったが
そこには街がなかったので
貰ったばかりのティッシュをやった
平方
好きな気持ちも
楽しいことも
胸の高鳴りも
新たな発見も
嬉しいことも
笑顔の数も
二倍じゃ足りない
二乗の法則
あなたとあたしの
二人の関係
楽しいことも
胸の高鳴りも
新たな発見も
嬉しいことも
笑顔の数も
二倍じゃ足りない
二乗の法則
あなたとあたしの
二人の関係
不変を抱いて毛布へ
変わらぬものなど
この世にないとしても
永遠を垣間見た
瞬間ならある
終わらぬものなど
どこにもないとしても
結末の見当たらぬ
瞬間ならある
切り取られ
揺らがない
一瞬を知っている
鮮やかで
色褪せない
一瞬を知っている
不安な夜には
孤独の冬には
暖かい毛布に包まって
変わらないものを抱いて眠る
この世にないとしても
永遠を垣間見た
瞬間ならある
終わらぬものなど
どこにもないとしても
結末の見当たらぬ
瞬間ならある
切り取られ
揺らがない
一瞬を知っている
鮮やかで
色褪せない
一瞬を知っている
不安な夜には
孤独の冬には
暖かい毛布に包まって
変わらないものを抱いて眠る
輝く翼
目覚めた瞬間に
分かる日があるんだ
今日は特別
何かが待ってる気がする
零れ落ちてる
太陽の光に
微笑む
いつもと同じに見えて
違ってる空の蒼さや
遠くから聞こえてる
誰かの歌が証さ
今日ならきっと飛べる
白い翼が見える
どんなにつらくても
心さえここにあるなら
今日も一日
やっていける気がするよ
砕けて舞ってる
幸せの予感を
浴びて
いつでも同じようで
違ってる風の匂いや
隣で佇んでる
誰かの腕が証さ
明日はきっと飛べる
きみにも翼がある
そう
いつでも飛べる
僕らには翼がある
分かる日があるんだ
今日は特別
何かが待ってる気がする
零れ落ちてる
太陽の光に
微笑む
いつもと同じに見えて
違ってる空の蒼さや
遠くから聞こえてる
誰かの歌が証さ
今日ならきっと飛べる
白い翼が見える
どんなにつらくても
心さえここにあるなら
今日も一日
やっていける気がするよ
砕けて舞ってる
幸せの予感を
浴びて
いつでも同じようで
違ってる風の匂いや
隣で佇んでる
誰かの腕が証さ
明日はきっと飛べる
きみにも翼がある
そう
いつでも飛べる
僕らには翼がある
心の振れ幅
きっと君は
なんてことない
たいしたことない
そう思ってるに違いない
その
何気ない一言が
どれだけ
あたしの心を動かすのか
あたしの気持ちを揺さぶるのか
知らない
君だけじゃなくて
誰だってそうだけど
でも君だから
あたしの心の振れ幅は
さらに大きくなるんだよ
なんてことない
たいしたことない
そう思ってるに違いない
その
何気ない一言が
どれだけ
あたしの心を動かすのか
あたしの気持ちを揺さぶるのか
知らない
君だけじゃなくて
誰だってそうだけど
でも君だから
あたしの心の振れ幅は
さらに大きくなるんだよ
皮膚に残る秘譜
眠る私の
腕の上を
背中を
胸元を
太腿を
柔らかく
優しく
はじいた
あなたの指先が
奏でていた
音楽
夢のように聴いた
密やかで
秘めやかな
楽曲
独り寝の
寒い夜に
ふと蘇る
肌の上に
残された
秘密の楽譜を
誰か
奏でてくれるだろうか
腕の上を
背中を
胸元を
太腿を
柔らかく
優しく
はじいた
あなたの指先が
奏でていた
音楽
夢のように聴いた
密やかで
秘めやかな
楽曲
独り寝の
寒い夜に
ふと蘇る
肌の上に
残された
秘密の楽譜を
誰か
奏でてくれるだろうか
破緋(はひ)
おや
いらっしゃい
今日は
お客の多い日ですね
あなたは何を
お探しですか
いったい何を
お求めですか
蒼い月なら
窓の底
紅い夜なら
玻璃の泡
昏い朝なら
螺鈿の硯
脆い陽射しは
波打つ琥珀
ないものなどは
ございません
これですか
これは破緋と
申します
焔を斬り裂き
光を遮り
命の火さえ
断ち切る刀
恋の炎も
紅蓮の怨みも
全て滅ぼす刀
血の雨や
緋い霧が
瞬時に生まれ
闇に呑まれる
稀代の刀
お求めになりますか
これは貪欲
これは強欲
紅を求めて
緋を乞う
扱いきれねば
あなたもまた
刃の露と消えましょう
それで良ければ
お持ちになって
望む緋を
お斬りなさい
いらっしゃい
今日は
お客の多い日ですね
あなたは何を
お探しですか
いったい何を
お求めですか
蒼い月なら
窓の底
紅い夜なら
玻璃の泡
昏い朝なら
螺鈿の硯
脆い陽射しは
波打つ琥珀
ないものなどは
ございません
これですか
これは破緋と
申します
焔を斬り裂き
光を遮り
命の火さえ
断ち切る刀
恋の炎も
紅蓮の怨みも
全て滅ぼす刀
血の雨や
緋い霧が
瞬時に生まれ
闇に呑まれる
稀代の刀
お求めになりますか
これは貪欲
これは強欲
紅を求めて
緋を乞う
扱いきれねば
あなたもまた
刃の露と消えましょう
それで良ければ
お持ちになって
望む緋を
お斬りなさい
さよならだ
出て行くんだ
何も持たずに
全ての糸を
断ち切って
なにももう
ぼくを追っては来れない
出て行くんだ
ぼくはひとりで
全ての意図を
断ち切って
だからもう
ぼくに追っ手は来れない
翼よりも
尾鰭よりも
ぼくはただ
この二本の足で
出かけるんだ
なにも告げずに
全ての帰途を
断ち切って
だからもう
ぼくは負うものを持たない
(2005/11/10)
何も持たずに
全ての糸を
断ち切って
なにももう
ぼくを追っては来れない
出て行くんだ
ぼくはひとりで
全ての意図を
断ち切って
だからもう
ぼくに追っ手は来れない
翼よりも
尾鰭よりも
ぼくはただ
この二本の足で
出かけるんだ
なにも告げずに
全ての帰途を
断ち切って
だからもう
ぼくは負うものを持たない
(2005/11/10)
本当を隠して
予定なんて何もないよ
君のために空けておくよ
ウソだよ
冗談だよ
だから
安心して甘いイブを過ごしてよ
予定なんてなくもないよ
うっかり街で出くわすかもね
ウソだよ
冗談だよ
だから
安心して楽しいイブを過ごしてよ
予定なんてホントはあるよ
君をずっと見てるのかもね
ウソだよ
冗談だよ
だから
今はアタシのものでいてよ
君のために空けておくよ
ウソだよ
冗談だよ
だから
安心して甘いイブを過ごしてよ
予定なんてなくもないよ
うっかり街で出くわすかもね
ウソだよ
冗談だよ
だから
安心して楽しいイブを過ごしてよ
予定なんてホントはあるよ
君をずっと見てるのかもね
ウソだよ
冗談だよ
だから
今はアタシのものでいてよ
とるにたらないものごと
本当にちいさなこと
スプーン一杯のハチミツ
零れ落ちたはなびら
スプーン一杯のハチミツ
零れ落ちたはなびら
