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ただひとつだけ
それだけでいいの
そんなことでわたし
強くなれる

ほんのすこし
それだけでいいの
ささやかなことで
笑っていける

真珠のように

雪の結晶のように

くるんでいって
つつんでいって

ただそれだけで
綺麗になるの

だから

小さくてもいいの
ただひとつ

わたしはそれで

生きていけるの


(2005/11/14)
2006.12.17 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
いらっしゃい
最近はどうやら
お困りのお客が多いようだ

冬の夜長を
もてあまして
それでここへ
いらしたのですか

黄昏の通りに
夜の気配は
雲と散り
霧と消え
しかし
あなたの
朝には遠い

こちらにあるのは
美夢と言うお茶

本来ならば
この店で
取り扱う品では
ないけれど

寝る前に飲めば
たちまち楽しい夢の中
世にも美しい夢の中

ただし飲みすぎにはご注意を

毎夜毎晩楽しむならば
夢の毒素が溜まります
楽しい夢は楽しいままに
美しい夢は美しいままに
しかし
現実が混ざります

かつて選ばなかった
その道の先を
夢は見せてくれましょう

それは楽しく美しく
現実の方が間違いのほどに

そしてお目が醒めた時
あなたの世界は褪めまする

それでも良ければ
この冬の夜長

温かいお茶はいかがです
2006.12.16 Sat l 黄昏通り l コメント (0) トラックバック (0) l top
一緒にいれば
大丈夫だと
思っていたの

優しく抱いて
強く抱いて

まぶたの裏が
桃色に
染まるほどに
抱きしめて

瑞々しかった
果実のように
滴り落ちるほどの愛を

それがあなたを
留めるすべ


そんなことは
まやかしだと
知っていたのよ

優しいキスして
熱いキスして

二人の息が
桃色に
染まるほどに
キスをして

初々しかった
果実のように
離れがたかった愛を

それがあたしを
捕らえるすべ


そして二人は
熟れきった果実

優しく言って
笑って言って

もう終わりだよと
桃色が
褪せてしまうほどの
さよならを

それが二人を
解き放つすべ


そして
二人の距離は遠すぎて
あたしの指は
寒さで桃色

■□■□■□■□■□■□■□■□■□
桃色


(2005/11/12)

2006.12.16 Sat l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
愛してるなんて
言えないけれど
愛してるなんて
言わないけれど

大好きだよ

何気ない顔で
言ってみる
2006.12.15 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
南へ行こう
ここからまっすぐ
雪雲を飛び越えて
荒波を蹴飛ばして
真南に行こう

肌を刺す太陽と
青ざめた海原と
むせ返る花の島

喉が渇けば
べたつくほどに
甘い果実を

眠くなれば
とろけるほどに
甘い夜空を

南へ行こう
うんと遠くへ

濃厚な陽炎と
白すぎる砂浜と
目の覚める色の鳥

刺激が要れば
やけつくほどに
甘いお酒を

人恋しければ
おぼれるほどに
甘い愛撫を

南へ行こう
心だけでも

そして
喉の奥に
甘みを残して

寒い冬の
扉を開けよう
2006.12.15 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あのボールが
宙に浮かんでいる間に
駆けてくんだ
誰もボクを
止められない

あのボールが
人をかわして逃げてく間に
駆け抜けるんだ
ボクも誰かを
かわしていく

あのボールが
ボクを目掛けて来る間に
駆け込むんだ
ボクは誰にも
捕まらない

それで入るのが
たった一点だとしても

それでもやっぱり
大差で負けていても

なんだっていうのさ

結果がどうだったとしても
なかったことにはならないよ

だからボクは
駆けていくんだ
2006.12.14 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
冷たい雨なら
氷の薔薇を
凍えた指で
手折りましょう

眠れるあなたの
胸に一輪
涙を添えて
飾りましょう

閉ざした瞳の
濡れた睫毛に
零れた花が
香るでしょう

冷たい雨なら
傘も差さずに
凍える愛に
倒れましょう
2006.12.14 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
遠くへ行った恋人が戻ったとき
彼女は老人と結婚式を挙げていた
指輪ひとつで何年も
繋ぎとめられはしないのよ
その後
恋人は死んだが
老人は長生きをした



見知らぬ子どもと手を繋いで歩いている
どこまで行くのかと尋ねると
どこだろうねお母さんと笑う
私には子どもはいないと答えると
信号待ちの間に消えた
地蔵堂の中で地蔵が澄ましている



満月の下に
眩く大きな星が見える
はてあんなところに星があったかと思っていると
飛行機の轟音が近づいてきた
そうであったかと納得しているうちに
月が目の前を通り過ぎていった
星は眩く大きいまま瞬いている



デパートで買い物をしている
5階に行こうと思うのだが
エスカレーターは迷路のように複雑で
いつまでも辿り着けない
これをどうぞと受付嬢が風船をくれたが
4階を通り過ぎる際
値札の角で割れてしまった
落ちていきながら思った
はて何を買いたいのだったか



見知らぬ男と海岸を歩いている
どこもかしこも冬なのに
海だけが夏の色をしている
夏になったら逢いに来てよ
男がそう言って海に飛び込んだ
途端に魚が群れて食い尽くした



懐中時計を拾った
螺旋巻き式で既に止まっている
巻いてくれ巻いてくれと
秒針がこわばったまま叫ぶので
切れそうになるほど巻いてやった
助かった、ところで今は何時だ
時計はそう言ったが
時計に分からぬものが分かるはずはなかった



電話が鳴っている
もしもしと名を名乗ると
私は誰ですかと問われた
仕方がないので
電話帳を開いて好きな名前にしろと言うと
今はないんだと笑われた
腹が立ったので名付けてやった
どこかの国の哲学者の名を



本を読んでいるのだが
挟んだしおりが好き勝手に動く
仕方がないので
自力でページ数を覚えたが
ページの数まで動き出した
128ページまで読んだ



卵が見当たらない
オムレツが食べたいのに
あちこち探していると
郵便受けの中に入っていた
早速割り入れたが
中から出てきたのは
一通のカードだった
所詮郵便受けは郵便受けだ



街を歩いていると
ティッシュを配っていた
歩きつづけていると
ティッシュを欲しがる人がいた
あそこで配ってますよと
振り返ったが
そこには街がなかったので
貰ったばかりのティッシュをやった
2006.12.13 Wed l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
好きな気持ちも

楽しいことも

胸の高鳴りも

新たな発見も

嬉しいことも

笑顔の数も

二倍じゃ足りない

二乗の法則

あなたとあたしの

二人の関係
2006.12.13 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
変わらぬものなど
この世にないとしても
永遠を垣間見た
瞬間ならある

終わらぬものなど
どこにもないとしても
結末の見当たらぬ
瞬間ならある

切り取られ
揺らがない
一瞬を知っている

鮮やかで
色褪せない
一瞬を知っている

不安な夜には
孤独の冬には

暖かい毛布に包まって
変わらないものを抱いて眠る
2006.12.12 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
目覚めた瞬間に
分かる日があるんだ

今日は特別

何かが待ってる気がする

零れ落ちてる
太陽の光に
微笑む

いつもと同じに見えて
違ってる空の蒼さや
遠くから聞こえてる
誰かの歌が証さ

今日ならきっと飛べる
白い翼が見える


どんなにつらくても
心さえここにあるなら

今日も一日

やっていける気がするよ

砕けて舞ってる
幸せの予感を
浴びて

いつでも同じようで
違ってる風の匂いや
隣で佇んでる
誰かの腕が証さ

明日はきっと飛べる
きみにも翼がある


そう
いつでも飛べる

僕らには翼がある
2006.12.12 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
きっと君は
なんてことない
たいしたことない

そう思ってるに違いない
その
何気ない一言が

どれだけ

あたしの心を動かすのか
あたしの気持ちを揺さぶるのか

知らない

君だけじゃなくて
誰だってそうだけど

でも君だから

あたしの心の振れ幅は

さらに大きくなるんだよ
2006.12.11 Mon l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
眠る私の
腕の上を
背中を
胸元を
太腿を

柔らかく
優しく
はじいた
あなたの指先が
奏でていた
音楽

夢のように聴いた
密やかで
秘めやかな
楽曲

独り寝の
寒い夜に
ふと蘇る

肌の上に
残された
秘密の楽譜を

誰か

奏でてくれるだろうか
2006.12.11 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
おや
いらっしゃい
今日は
お客の多い日ですね

あなたは何を
お探しですか
いったい何を
お求めですか

蒼い月なら
窓の底
紅い夜なら
玻璃の泡

昏い朝なら
螺鈿の硯
脆い陽射しは
波打つ琥珀

ないものなどは
ございません

これですか
これは破緋と
申します

焔を斬り裂き
光を遮り

命の火さえ
断ち切る刀

恋の炎も
紅蓮の怨みも
全て滅ぼす刀

血の雨や
緋い霧が
瞬時に生まれ
闇に呑まれる
稀代の刀

お求めになりますか

これは貪欲
これは強欲

紅を求めて
緋を乞う

扱いきれねば
あなたもまた

刃の露と消えましょう

それで良ければ
お持ちになって

望む緋を
お斬りなさい
2006.12.10 Sun l 黄昏通り l コメント (2) トラックバック (0) l top
出て行くんだ
何も持たずに
全ての糸を
断ち切って

なにももう
ぼくを追っては来れない

出て行くんだ
ぼくはひとりで
全ての意図を
断ち切って

だからもう
ぼくに追っ手は来れない

翼よりも
尾鰭よりも
ぼくはただ
この二本の足で

出かけるんだ
なにも告げずに
全ての帰途を
断ち切って

だからもう
ぼくは負うものを持たない


(2005/11/10)
2006.12.10 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
予定なんて何もないよ

君のために空けておくよ

ウソだよ

冗談だよ

だから

安心して甘いイブを過ごしてよ


予定なんてなくもないよ

うっかり街で出くわすかもね

ウソだよ

冗談だよ

だから

安心して楽しいイブを過ごしてよ


予定なんてホントはあるよ

君をずっと見てるのかもね

ウソだよ

冗談だよ

だから

今はアタシのものでいてよ
2006.12.10 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
本当にちいさなこと

スプーン一杯のハチミツ

零れ落ちたはなびら

青い空に浮かぶ銀の船

夕日の向こうに佇む雲

姿の見えぬ鳥の澄んだ声

窓の向こうの静かな雨音

とるにたらないちいさなこと

街角で見かけた花束

空を目指した赤い風船

漂ってくるお菓子の甘い香り

誰かを待つ見知らぬ人の笑顔

ラジオから聴こえる懐かしい歌声

色づき始めた蔦の美妙

ささやかなこと


愛していることごと



(2005/11/05)
2006.12.09 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
嘘を吐くなら吐きとおせ
嘘を言うなら言い負かせ
破れる嘘ならやめておけ
ばれる嘘などやめておけ

吐いていいとか
吐いては駄目とか
そんなのは
時と場合と人による

嘘を吐くなら己さえ
信じ込むよう言い尽くせ
破れぬ嘘などなくたって
時が経つまで繕って

嘘でいいとか
嘘ならイヤとか
そんなのは
騙されとおせば分からない

嘘を吐くなら気を付けろ
全ての証拠に火を点けろ
それがイヤならやめておけ
ばれる悪ならやめておけ
2006.12.08 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ただもう
延々と
延々と
広がる野原がありました

ある日
遠くから
飛ばされた
ひとつの木の葉がありました

これはようこそ
遠くから
草はさわさわと言いました

見てきた世界を
聞かせてね
草はざわざわと言いました

お前達など
及びもつかぬ
大木ばかりの森にいた
木の葉はかさこそと言いました

お前達など
見えないほどの
高い大樹の枝にいた
木の葉はがさごそと言いました

お前達など
本当ならば
見下ろされてる側なのに

私は
本当ならば
見下ろしている側なのに

でも
木の葉はもう
大樹の一部じゃ
ありません

それはもう
ただ一枚の
葉っぱです

嘆くばかりの木の葉は
森を恋しがっているばかり

私達は
ここで芽吹き
ここで枯れる
草はさわさわと言いました

あなた方は
高くそびえ
遠くへも飛ぶ
草はざわざわと言いました

花が咲き
種ができ
飛んで行くものもいるけれど

草はただ
さわさわと
ここで歌い
ここで死ぬ

ときに踏まれ
ときに食われ
短い命でもあるけれど

けれど嘆きはしないのです
野原はそよそよと言いました

どこにあっても
それはこの大地の上

どこであっても
それはあるがままのこと

野原と木の葉は
さわさわと
かさこそと
音を立てながら
空を見ていました

よく晴れた冬の日でした
2006.12.08 Fri l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ただの一遍も
ただの一片も
これが
永遠に終わらないなんて
思わなかったことはない

ただの一遍も
ただの一片も
これが
永遠に続くかもなんて
思わなかったことはない

どんな恋も
2006.12.07 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
根の国へ
行く船の過ぐを
見送りて
乗りたる人の
面影を追ふ


その船には
ひとり
ふたり

誰ともつかぬに
ひとり
ふたり

乗り込んでは進む

その船には
あなた
あなた

見送ったのは
わたし
わたし

距離はもう遥か彼方

その船の
行方は
知らず

ただ不意に
前を
通る

まだ乗り込めぬ乗り込まぬ

その船は
遠く
遠く

声だけが
朧に
響く

もう亡い人の声のみが


根の国へ
行く船の過ぎて
櫂の音の
草の陰から
幽かに聞こゆ
2006.12.07 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夕闇が静かに降りる

太陽は微かな吐息を残して沈む

ゆるやかに

秘めやかに

時が過ぎていく

薄蒼い景色の中

昼下がりの残像が

不意に現れては消えていく

一日の悔いも憂いも

残さぬように

人知れず

決意している
2006.12.06 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
いらっしゃい
おや
ずぶ濡れですね

どこも濡れてなどない
そう仰いますか
いえいえ
濡れておりますよ

黄昏の町ゆえに
あなたを濡らしているものが
雨なのか
赤なのか
判りませんがね

ただ少し
金気臭いようですね
うちの陶器たちが震えております

傘をお貸ししましょうか
それともこちらがいいでしょうか

御覧なさい
これは「濡音」という名の鈴
常は泣くように曇った音で鳴ります
これが澄んだ音を響かせるのは
ただひとつ
己よりも世界が湿る刻のみ
それも粘りつき絡みつくような刻にね

かつてこの鈴を持った者は
妙なる音を聴きたくて
類い稀なる音が欲しくて

最後には
己も黒々と濡れながら

この店の奥で眠っております
あの黒光る鞘の中身とともに
ここにお持ちになりましたよ

どうなさいますか

傘にいたしましょうか
それとも
2006.12.06 Wed l 黄昏通り l コメント (2) トラックバック (0) l top
誰もが寝静まった真夜中
しんと染み渡る静けさが
満月の光を包んで降り注ぐ

足元を掬われるほど
高く深い夜空
紗布を月が織り上げ
冷たい虹を写す

凍れる七色から生まれる
銀色の龍が
大気を揺るがせて
声なき声で咆哮する

天狼星が瞬き
その行方を見送る
幻の珊瑚色の月は
流れる雲に眠る

誰もが寝静まる真夜中
しんと澄み渡る静けさが
夜空の夢を包んで降り注ぐ
2006.12.05 Tue l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
どんなに一緒に住んでいようと
どんなに互いを愛していようと
似ぬものは似ぬ
おのれはおのれ

あなたの好きな楽曲をば
あなたの好む色合いをば
真似てみれども
好きにはなれぬ

私の選ぶ選択肢をば
私の思う解答をば
任せてみれども
答えは合わぬ

口癖表情仕草は似れども
互いの思惑判れども
似ぬものは似ぬ
おのれはおのれ

しかして
それこそ
面白し


2006.12.05 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
心のままに
生きなさい
泣こうとも
喚こうとも
心のままに
行きなさい

己のままに
生きなさい
修羅の道も
獣の道でも
己のままに
行きなさい

ただ只管に
生きなさい
血塗られても
精根尽けども
ただ只管に
行きなさい
2006.12.04 Mon l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
きみが望むなら
咲き誇る薔薇の花束
零れ落ちる砂金の山
着尽くせぬほどの衣装
光り輝く宝玉
南の小さな島や
北の氷の山
東の珍らかな鳥
西の香り立つ花
燃え落ちる太陽
冴え渡る月
宝石の如き星
空を渡る虹
すべてを
きみの腕の中に
捧げよう

きみが望むなら
この心の臓も
捧げよう

けれど

きみが望むものは
一輪の薔薇
一粒の砂金
一緒に見る景色

きみが望むものは
きみを包む暖かな腕
包み込む確かな愛

2006.12.04 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
エトナはちょっぴりのんびりで
ソリを引けない役立たず
ルドルフみたいに鼻も光らず
ダッシャーのように速くもない
連れて行ったら夜が明けるし
列が乱れて手間取るし
だからいつでもお留守番

白いお髯のサンタクロース
エトナを撫でてこう言った
お前はお前の長所があるし
何よりとても頑張り屋だが
イブの夜は限られてるし
廻りきるには速さが命
だからゴメンよ留守番だ

エトナは笑って頷いて
仲間の出発見送った
足は遅いし列は乱すが
出来ることなら別にある
たとえば飼い葉を入れておいたり
暖炉の薪を足しておいたり
だから留守番も大事な役目

イブが終わって夜が明けるころ
トナカイエトナは空を見る
疲れ果ててる仲間を迎え
新鮮敷き藁に連れて行く
暖かい部屋に連れて行く
それで留守番は終了だ

白いお髯のサンタクロース
やれやれと椅子に腰掛けて
エトナに振り向き微笑んだ
優しく気の付くお前がいるから
家は安心で暖かだ
まるで最高のプレゼント
本当にどうもありがとう
お前は大事な留守番だ

トナカイエトナはそういうわけで
誰にも知られていないけど

トナカイエトナは今年のイブも
サンタの家でお留守番
2006.12.03 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
こんな夢を見た

金木犀の下に女が立っている
あの女だ
そう思うが
降りしきる花と
噎せ返る薫りに
阻まれて
確かめられない

女は笑っている

表情どころか
顔も見えないが
確かに笑っている

香りの壁が
進もうとする足を留める
橙色の花が
目を凝らす顔に降りかかる

女は笑っている

艶やかな長い髪にも
白いニットの上にも
小さな花が絡まっている

いつのまにか月が出ていて
金木犀と女を照らす

ああ
そうか

この女は
こんな夜に
殺して埋めたのだった

笑って女が消えた

目が覚めると
布団の中に
ひとつだけ花が落ちていた


(2005/11/04)
2006.12.03 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
恋をしてる人
仕事をしてる人
夢を追ってる人

頭のいい人
スタイルのいい人
綺麗な人

お金を持ってる人
資格を持ってる人
親友のいる人

お酒が飲める人
タバコが吸える人
好き嫌いのない人

健康自慢の人
病気自慢の人
死も怖くないと豪語する人

孤独な人
博愛な人
偽善の人

器用な人
要領のいい人
うまく立ち回れる人

でもそれは

別に人生の勝者じゃない

ただたんに

あなたの人生のスパイスなだけ
2006.12.02 Sat l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top