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私たちはいつのまにか
何かを失って生きている

いつのまにか消えていた時間
いつのまにか捨てていた思い出
いつのまにか解けていた絆
いつのまにか無くしていた恋
いつのまにか通り過ぎた若さ
いつのまにか溶けていた足元

目にする光景だって
いつのまにか変わっていて
新しいビルの立つ場所に
以前あったものを思い出せない
毎日通った道沿いの
老木がいつ消えたか思い出せない

私たちはいつのまにか
変化に気付かないまま生きている

哀しいことばかりではなくても
切ないことばかりではなくても

いつのまにか
変わっていくものの境目を知らない

いつのまにか重ねられた時間
いつのまにか増えていた思い出
いつのまにか深まっていた絆
いつのまにか始まっていた恋
いつのまにか手にしていた老成
いつのまにか進んでいた足元

目にする光景だって
いつのまにか変わっていて
新しい風の吹く場所の
涼しさを肌で感じたりする
毎日通る道沿いの
花々の移り変わりを感じたりする

私たちはいつのまにか
何かを受け取りながら生きているのだ
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2006.09.27 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
秋の夜に集く虫が

もの哀しげに鳴くのを

明りを消した縁側で聴いてた


虫の音の数々

細い月が照らした庭先

零れ落ちる萩の花

眠りにつくあなたに

降り注いでる


今でも覚えてる

あなた教えてくれた

草の葉で作った虫

起きないあなたの上に置いた

切なげに鳴く虫の代わりに


揺れる草の中

誰も音を立てない

だからゆっくり眠ろう


土の中のあなたのように


40:草虫
2006.09.27 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top