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切手と式は
暮れていく夕空を見ている
青みがだんだんと抜けて
でもまだ
赤くなるには早い
白に近い空

秋だねえと式が言えば
手紙を書かなきゃと切手が言う
秋は手紙を書かなきゃダメなんだ

早くなる夕暮れの速度を式が呟く
切手は額面の数字以外に興味はない
けれど夕暮れの訪れは感じる

うっすら柔らかくなった陽射しを
切手も式も見上げている
夜になれば
夜になれば長い長い孤独が来るのだ

誰といても
何処にいても

それを切手も式も知っている

ぽっかりと浮かんだ白い月には
切手も夜も憧れている
切手は月に宛てる文面を
式は月の自転と公転を計算しながら
見蕩れている

満ちていても
欠けていても

月も切手も式も問題ないという顔で

風が吹いて
速度を計算した式が飛ぶ
鳥が鳴いて
便りを聞き付けた切手が行く

あとには

夕暮れと白い月
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2006.09.07 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
まるで自分じゃないみたい

心と体が一秒ずれる

宇宙遊泳をしているような

もどかしさの感覚


小さな恒星を呑み込んで

体の内側に熱が生まれた

全てを脱ぎ捨て飛び込みたい

息苦しさの心地


視線に錘をつけたように

照準の定まらない瞳

天空で見た遥かな星のように

掴めない遠近


月がゆるりと欠けても

星がわずかに揺れても


ぶれたままの私じゃ

きっときっと気づかない


宇宙空間に放り出されたような

心許なさの具合
2006.09.07 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top