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指先から崩れていく

ほろほろと砂のように

さらさらと砂糖のように


天辺から倒れていく

がらがらとバベルのように

ぐらぐらと地揺れのように


足元から這い寄ってくる

そろそろと悪夢のように

ふらふらと夜風のように


背後から被さって来る

わらわらと声音のように

はらはらと時雨のように


今ここで

倒れ臥したら

跡形もなく消えるだろう

私のいた証など


瞬きさえ壊れていく

うらうらと日和のように

もろもろの呪いのように


今ここで

倒れ臥せたら

跡形もなく消えてもいい

深い眠りと引き換えに
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2006.09.06 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夜を煮詰めて
硝子に溶かして
凍りつくほど冷たく
こごらせた
このペーパーナイフ

恐ろしいほど凝縮された
夜の紫色に白い星が散って
まるで瑠璃に似た
このナイフ

手紙を開けるためのものではなく
言葉を切り裂くためのものではなく

夜を引き裂くためのものでもない


このペーパーナイフは
光を断つためのもの
昼を
清潔なほどに明るい昼を
侵蝕するためのもの

あなたが夜を望むなら
あなたが闇を望むなら

どうぞ
お持ちになるといい


けれど
白い星は一つずつ消えていく
全て無くしてしまったら
それはもう夜ではない

心の闇が溢れ出す前に
胸を裂くしか法は無い

単純なほど簡単なこと

そのナイフは
その夜に潜む紫は

蒼と紅の混ざる色
夜と血潮が溶けた色



24:凝紫(紫ヲ凝ラス)
2006.09.06 Wed l 黄昏通り l コメント (2) トラックバック (0) l top