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打ち上げ花火に掴まって
月まで飛んでいこう
銀河を渡る船がほら
ぼくらを待って泊まってる

赤い赤い火星に行こうか
それとも不安な冥王星へ
いっそアンドロメダまでも

発着場から船出して
星まで漕いでいこう
星々を繋ぐ汽車がほら
ぼくらを待って停まってる

遠い遠い果てまで行こうか
それとも不思議なホールの中へ
いっそ時空を超えてまで

汽笛を鳴らして汽車が出る
どこまで乗っていこう
星系を跨ぐ夢がほら
ぼくらを待って止まってる

長い長い旅に出ようか
それとも青い故郷の星へ
いっそ気のまま足のまま

名も無い星まで行ってみようか
太陽忘れて行ってみようか

ぼくらを待って留まってる
夢の果てさえ超えてみようか
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2006.08.31 Thu l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
雨の日には読書を

曇り空越し

降り注ぐ青い光の中で

雨の日には読書を

窓ガラス越し

水槽の中に潜むように

拡散した雨の光と

灯りをひとつ


雨の日には読書を

ページが指に馴染んで

隔たりがなくなるから

雨の日には読書を

水の中の私と

文字だけの世界が溶け合う

眩暈の青い光と

灯りの中で



19:青灯
2006.08.31 Thu l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
ありがとうと

言える人でありたい


エレベータで待っててくれる人

次の人のために扉を支えててくれる人

路地から出てくる車に道を譲ってくれる人

落としたものを一緒に拾ってくれる人

レジでお先にどうぞと言ってくれる人


小さな心がけ一つで

世界は円滑になるから


ありがとうと

言える人でありたい


ありがとうと

言われる人でありたい
2006.08.30 Wed l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
君を思って
時折
ビルの谷間で立ち止まる

君を想って
時折
交差点の中 立ち尽くす

君を懐って
時折
溢れる記憶に立ち竦む


日記にも
アルバムも無い
君との日々を

都会の片隅で

君のいたことの無い
この都会の片隅で


想い出持って
時折
忙しい日々を歩いてる



18:懐君(君ヲ懐ッテ)

2006.08.30 Wed l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
褒めて


綺麗だと言って

素敵だと言って

可愛いと言って

凄いと言って

優しいと言って

頭良いと言って

格好良いと言って


褒めて


料理が上手だと

イラストが上手だと

お話が上手だと

運転が上手だと

運動が上手だと

話を聞くのが上手だと

人を愛するのが上手だと


褒めてやって


役者を殺すのは

褒め言葉だけど


あたしを生かすのも

褒め言葉なの


嘘でもいいけど

お世辞でもいいけど


自信持てよって

褒めてあげて
2006.08.29 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
詩は魔力だ

ぴったりと符合すれば
誰かの心を捉えられる
泣いたり笑ったり
別の世界に連れて行ける

詩は魅力だ

いくつもの言葉が重なって
美しい調べを織り成す
何度だって心揺さぶる
別の世界を広げられる

詩は無力だ

言葉を限りに尽くしても
誰かの心に届かない
伝えようとすればするほど
詩であることから遠ざかる

詩は目力だ

この目で耳で鼻で肌で
心で感じたことを
誰かの目の前に映し出す
別の世界へ誘い込める

詩はモカだ

たとえばたった一杯の珈琲に似た
人生の休憩の一篇
滴り落ちるドリップに似た
人生の小さな波紋



17:詩魔
2006.08.29 Tue l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
ビーズで作った花びらは

甘い香りはしないけど

ビーズで作った水滴は

零れて落ちたりしないけど

私の腕できらきらと

やさしい光を抱くでしょう

私の胸でさらさらと

やさしい歌を歌うでしょう


タオルで作った仔ウサギは

可愛く跳ねたりしないけど

タオルで作った白鳥は

空を飛んだりしないけど

私の腕にふかふかと

やさしい愛を見せるでしょう

私の頬にするすると

やさしい手触りをくれるでしょう


鉛筆で塗った海岸は

波が寄せたりしないけど

鉛筆で塗った青空は

雲が流れはしないけど

私の前でひらひらと

やさしい風にそよぐでしょう

私の指でくるくると

やさしい夢を見るでしょう


ビーズで作った花束は

けして香りはしないけど

タオルで作った動物は

けして鳴いたりしないけど

鉛筆で塗った草原は

けしてそよぎはしないけど


私の中でゆるゆると

やさしいホントになるでしょう
2006.08.28 Mon l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
ようこそいらっしゃい
暑さに魂を抜かれた顔で
この通りに迷い込まれましたか
それもまた一興
お似合いの品がございますよ

月下秋花文様茶碗
秋の草花が
月の光の中
人恋しげに揺れております

手重りのするこの茶碗
ぽったりと冷たく
しっとりと馴染む
秋の風のような茶碗ですとも

これで茶を点て飲むならば
たちまちあなたは秋の中

これで酒酌み飲むならば
たちまちあなたは月の下

残暑厳しいこの季節には
なんとも似合いの茶碗でしょう

ただしひとつご注意あれ
これは秋の如き茶碗

独り居住まいの無聊にこそ
似つかわしい秋の野の夢

仙境の如き世界にあって
初めて見ゆる秋の野の夢

夢はいつか覚めるものと
相場が決まっておりましょう

けれど
夢を余所人が侵したならば
覚めるものとて覚めません


秋の野に咲く花の中
囚われてしまわぬよう

楽しむならば孤独のままで

そう
秋は物悲しくあるものですよ



16:如秋(秋ノ如ク)
2006.08.28 Mon l 黄昏通り l コメント (6) トラックバック (0) l top
メモに書いた
大事な言葉が
私の声だ

声に出した
小さな想いが
私の夢だ

夢に見た
不思議な世界が
私の素だ

素材を集めて
綴った話が
私の欠片だ

欠片は輝く
集まって煌めく

煌いて星になると
信じてる

いつかあなたに届く
光を放つと

信じてる
2006.08.27 Sun l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
忘れじの海岸
眼下に見下ろすあなたに
谷底の声が
笑顔を誘う
双眸の哀愁
終焉の波音
大人びた願望
呆然と見送った
屈託のない日々
罅割れた記憶の
苦悩だけが残ったが
違えて消えた約束
束縛を厭うた
歌うたいのあなたは
戯言の溜息
生きるものに贈る
狂う夜の波間に
間に合わぬ涙を震わす



                      (2005/07/26)
2006.08.27 Sun l 月々 l コメント (4) トラックバック (0) l top
生きていりゃ

いいことばかりじゃないし

息してりゃ

いやな匂いも嗅ぐけれど


いつだって

いっしょけんめいに

生きてれば

いずれ良かったと思えるさ


命を賭けるなんて

潔さそうだけど

いいかい

一個しかないんだよ


命を賭してなんて

粋に見えそうだけど

いっそ

いいカッコしいの台詞と思え


生きていりゃ

痛い思いもするけれど

息してりゃ

意外なこともあるけれど


いつだって

生きていたいと思うのさ


いつだって

生きてやろうと思うのさ



2006.08.26 Sat l 日々の罅 l コメント (10) トラックバック (0) l top
好きだといってくれて
ありがとう
素敵だと褒めてくれて
ありがとう

私は私で
小さくてささやかで
それでも誰かに
何かを分けられる
存在だって

気付かせてくれて
ありがとう

分かっていても不安になる
知っていても疑ってしまう
そんな時に

好きだといってくれて
ありがとう
気に入ってくれたりして
ありがとう

私が私で
いてよかったって
思えることにありがとう
思わせてくれてありがとう

ありがとう

私を見つけてくれて



                       (2005/07/25)

2006.08.26 Sat l 月々 l コメント (6) トラックバック (0) l top
心の収まりが付かないので、文字にしてみることにしました。
私の言い分であり、私の都合であり、私自身を擁護する発言ですので、読み進めるに連れて、お気を悪くされる方もおいでだと思います。

以下に書く文章は、『私が書く作品のスタンス』であり、『私が思う作品の捉え方』です。
2006.08.26 Sat l 瞑想迷走 l コメント (3) トラックバック (0) l top
ここじゃない場所
きみじゃない人
探すために歩き出す

いまじゃない時
僕じゃない僕
出会うために歩き出す

心地よかった
掌の中の世界

快かった
卵の中のふたり


夢じゃない明日
楽じゃない日々
越えるために歩き出す

羽ばたくために

歩き出す
2006.08.25 Fri l 花膳 l コメント (34) トラックバック (0) l top
ゆめを見た

誰もいない

なにもかも

なかった夢


寒い風だけが

あたりを撫で

ただ風だけが

吹いて行った


動じぬ世界には

私などいなくて

どこかへ消えた

あとさえ残さず


たばねられた心は

かがやきを喪って

こわいほど閑かな

満たされぬ夢の音


たしかなものは無く

風の声が掻き消して

聞こえるものも無く

例えば目覚めも遠い


ただ閑かな静かな夢だ



15:閑夢
2006.08.25 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった
白くて清潔な仔熊

お日様に会いに行くときも
月夜の夢路に行くときも
一緒だった

抱き上げてしまえるほど軽くて
抱きしめてしまえるほど小さい
なのに
抱きとめるかのように頼れるウィルビー

よく晴れた青空に目を細めると
睫毛に溜まった光の粒が見えることや
いきなりの夕立が訪れると
溶けた道路の上に白い雲が出来ることを

よく冷えた麦茶の入ったグラス
浮かび上がる水滴にいくつもの話があること
いきおいよく回る扇風機の羽根に
話し掛ける秘密の呪文があることを

あたしの膝の上で
あたしの腕の中で
教えてくれた

ふわふわの毛並みの
青い瞳のウィルビー

10歳の夏には
ウィルビーはいなかったけど
あたしは冷凍庫の白熊を食べながら
あの仔熊を思い出して探した

今でも覚えている

9歳の夏
あたしはウィルビーと一緒だった



14:九夏
2006.08.24 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夏が終わっちゃう
海に行かないうちに
肌も焼かないうちに

恋さえもしないまま

このままじゃ
まるで冷蔵庫の中
忘れられたアイスみたいに
スプーン投げ出しちゃうほど
かたくなになってっちゃう

賞味期限はないけれど

美味しく食べるなら
攻撃的な太陽の下で

ああ
夏が終わっちゃう

恋さえもしないまま

このままじゃ
まるでクロゼットの中
隠れたままのワンピースみたい
目を瞠るほど可愛くても
肌寒くなってっちゃう

大事に仕舞っているけれど

可愛く着こなすなら
魅力的な太陽の下で


真夏日が続くうちに
誰かあたしを蕩かして

誰かあたしを連れ去って
2006.08.24 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
どんなに笑っていてもさ
おどけていてもさ
腹の中覗いたら
真っ暗だったりするんだ

どんなに仲が良くても
ふざけていてもさ
瞳の裏覗いたら
真っ黒だったりするんだ

だれだってどこかに
暗闇に通じる場所があるんだ


どんなに怒っていてもさ
まどっていてもさ
胸の中探ってみたら
静かな気持ちがあるんだ

どんなに嘆いていてもさ
ふさいでいてもさ
瞼の裏見つめたら
明るい光があるんだ

だれだってどこかに
青空に通じる道があるんだ



13:暗通(暗ニ通ズ)
2006.08.23 Wed l 花膳 l コメント (6) トラックバック (0) l top
お気に入りの曲の中
大好きな人と眠る
夢の中で
はぐれないよう
手をつないだままで

指先を通して
想いが伝わるから
気持ちが循環していく
鮮やかに溢れていく


穏やかな昼下がり
大好きな人と眠る
心の中
分かち合えるよう
額をくっつけあって

囁きを通して
想いが伝わるから
気持ちを交換し合う
緩やかに流れていく


心地よい匂いの中
大好きな人と眠る
二人の仲
邪魔されぬよう
頬を寄せ合って

温もりを通して
想いが伝わるから
気持ちが混ざり合ってく
心音が重なっていく
2006.08.23 Wed l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
どこに行ってしまったのかな
迷い続けて今どこに
どこへ向かっているのかな
彷徨うばかりで今どこに

何を欲しがっていたのかな
探していたものは今どこに
何を失ってしまってるのかな
捜しつづけたものは今どこに

立ち止まった時に多分
初めて見える景色があって
探すのをやめたときに
見つかることだってよくある話

だけど
突き動かされてしまう
焦りに
逸りに
希望に

目指している場所はどこに
求めていたものはどこに

壁の見えない迷路に
先の見えない荒野に
放り出されたかのように

心もとないままで
探し続けていたら
自分自身さえも
見失ってしまった

私は誰なんだろう
私はどこなんだろう

2006.08.22 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
君が掬った水の中

僕が放った火花が光る

名残惜しそうに

抗うかのように


目を奪うほどの炎も

燃やし尽くしてしまえば

いつかきっと消えてしまう

君と僕との恋もまた



君が零した涙の中

僕が落とした言葉が揺れる

未練がましいほど

留まるかのように


日を重ねるほどに想いは

もどかしすぎてしまった

いつかきっと持て余してしまう

君と僕の日々もまた



夏の恋はだから

燃え尽きる前にさよなら


胸の奥にくすぶる

熾き火だけを残して


12:残炎

2006.08.22 Tue l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
雲の切れ間に

光る星ひとつ

あれは君の住む星

青い蒼い星


雲に紛れて

揺れる星ひとつ

あれは君のいる星

遠い遠い星


雲に隠れて

灯る星ひとつ

あれは君の眠る星

美しい星


11:疎星
2006.08.21 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
白い球を追った

力の限り走った

痛むものをこらえ

滲むものをぬぐった

焼けた肌に光る

汗が落ちて消える

たくさんのものを

吸い込んだ土の匂い

たぎるような血潮

ほえるような熱意

若人は誰も皆

同じようにそこにいた


登りつめたものの

健闘を称えよう

半ばにして消えたものの

健闘を労おう


この夏は終わった

けれどまた

白い球が光る夏は来る
2006.08.21 Mon l 日々の罅 l コメント (6) トラックバック (0) l top
遠い山に日が落ちたころ

黒い森から蝉が鳴く

夕焼け空を見上げては

切ない声で蝉が鳴く


少年もひとり森の前

夕暮れ空を見上げてる

小麦の色した二の腕も

夕暮れ色に染まってく


さよならさよなら

さよなら夏の日

森に手を振りまた明日



10:暮蝉
2006.08.20 Sun l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
これからふたり
一緒に歩いていくでしょう

いろんなことがあるでしょう
いろんな人に会うでしょう
いろんな嘘があるでしょう
いろんな誤解もあるでしょう
意見の相違もあるでしょう
異変の脅威もあるでしょう
弱いところも見るでしょう
ずるいところも見るでしょう
隣にいることに慣れるでしょう
待たなくなることに慣れるでしょう
情熱の炎が薄れて
静かな愛になるでしょう
忙しい日常にかまけて
粗略になったりするでしょう

あなたがここにいることを
わたしがここにいることを
当たり前だと思うでしょう

だからふたり
忘れずにいましょう

それは大事なことだってこと
当たり前なんてないってこと

あなたがここにいることを
わたしがここにいることを
かけがえないと思いましょう

これからふたり
一緒に歩いていきましょう

一緒に歩いて生きましょう

                      (2005/07/21)


2006.08.20 Sun l 月々 l コメント (6) トラックバック (0) l top
何かを始めるなら
青空の月曜日

さよならを告げるなら
虹の出る火曜日に

思い出と向き合うなら
鳥の鳴く水曜日

どこかへ行くなら
曇った木曜日

忘れたいことなら
喧騒の金曜日

帰ってくるなら
晴れ渡る土曜日

ずっと寝てるなら
小雨の日曜日

傍らに
いつでもお茶の香りを乗せて


09:茶香(茶香シ)
2006.08.19 Sat l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
頑張ってるんだよって
言われてしまうかもしれないけどさ
どうしても言っておきたいの
頑張れよ

酷い仕打ちを食らっても
結構あんたのこと好きだからさ
どうしても言ってやりたいの
頑張れよ

ずっと二人でやってきたじゃん
なんでも二人でやってきたじゃん
だからさ
あんたじゃなきゃいやなんだよ

頑張れよ
いきなり切れたりせずにさ
頑張れよ
あまり熱くならずにさ

頼むから
頑張ってくれよ

あたしのパソコン


                      (2005/07/18)




2006.08.19 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
夜空を滑る流星を拾つて

闇の中に線を引かう

パチパチとスパアクする

欠片たちを集めて

道路の上に白墨のやうに

様々の線を引かう

しんとした夜気の温度で

道路が冷えていくだらう

流星のスパアクが

線香花火のやうに

光つているその下で

死人の温度になるだらう

さうしたら私は

線の上に寝そべつて

空に浮かぶ点を見つめ

世界の反転を見届けやう

私の下に描かれてゐるのは

此れは星図に成り損ねた

流星の描く星座なのだ


08:星点(星ハ点ズ)
2006.08.18 Fri l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
光る白い貝殻で

光る白い砂浜を掘った

光る白い波が押し寄せ

光る白い想いを埋めた

光る白い夜だった


光る白い月日が流れ

光る白い夜明けが来たら

光る白いあなたはいつか

光る白い電車に乗って

光る白い海辺を目指す


光る白い浜辺に立って

光る白い涙を流す

光る白い雫が落ちて

光る白い砂子を濡らす

光る白い波のよに


光る白い砂粒の中

光る白い芽を出して

光る白い花が咲いたら

光る白い指先で

光る白い想いを摘んだ


光る白い鱗を持った

光る白い小魚が

光る白い歯で語る

光る白い夢想を聞いて

光る白い夜に寝る
2006.08.18 Fri l 連玉結 l コメント (2) トラックバック (0) l top
吹き荒れる嵐の中
暗い波の底から
声が聞こえる

ここから出して

私を還して

吹き荒ぶ豪雨の中
砕く波の底から
声が聞こえる

ここにいるよ

還っておいで


耳を貸せば引きずり込まれて
洗われた骨ごと砕け散った波になる

足を止めれば抗えぬまま
囚われの魂は翻弄される泡になる


吹き叫ぶ風の中
寄せる波の底から
声が聞こえる

ここにおいで

帰らないで



07:波声

2006.08.17 Thu l 花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top