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ようこそ
いらっしゃい

おや御結婚なさるのですね
それはおめでたい

それで
なにをお求めですか

ほほう
もちろんございますよ

綺麗でしょう
色違いの切子の硝子の瓶


中で揺れるのは
時が滴り落とした雫

不忘薬と忘却薬

恋人にあなたを忘れぬように
あなたが恋人を忘れるように

ただ一滴
口にすればよろしい


ただし
一つお気をつけなさい

この雫は気まぐれで
一瞬ごとに入れ替わる

さて
どちらが忘却へ誘い
どちらが記憶に縛るか

それはもう
この私すら分からぬこと


それではどうぞ
よい未来を


なんとまあ
人というのは因業なもの

私なら
この六月の雨に

混ぜ合わせ溶かして
どちらも流してしまうけどもね
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2006.06.26 Mon l 黄昏通り l コメント (2) トラックバック (0) l top
天気予報はハズレ
目も染まるような青空
輪郭の光る入道雲
通り過ぎる車は
幾つもの太陽で
ぼくを照らして
眠たげな電線たちは
くっきりと影が落とす

感覚のスイッチを切り替えて
纏いつく熱気を愛しもう
羽毛の肌触りに似た
日向の空気を楽しもう


灼熱の太陽に晒されて
いつもより白く見える手
輪郭のはっきりした世界
通り過ぎるぼくは
自らが見えない分
明確に切り離される
眠たげな現実感が
遠いアスファルトで銀色に踊る

感覚のスイッチを切り替えて
灼けつく暑さを愛しもう
火照る肌に滲む汗すら
日影の恩恵を楽しめる
2006.06.26 Mon l 日々の罅 l コメント (2) トラックバック (0) l top