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銀白のツバナの柔らかな穂が揺れる
金網に絡め取られた綿毛
囚われの天使の羽

錆びたフェンスを掴み
血の匂いの涙を流す
檻の中でもがいた翼

夕暮れの中で
震えるように揺れて
飛び立った白


風の中まるで狂うように舞った
銀白の波打つような綿毛
浪の花が人魚を捕らう

夜の帳下りて
遠い潮の香りの幻夢
星の光に剥がれた鱗

深更の中に
怯えるように揺れて
飛び散った白


銀白のツバナの甘やかな穂が揺れる
目の前を横切った綿毛
牡丹雪が行く手を阻む

朝の光浴びて
高い天を目指した獣
繋がれた綱に足掻く

照らす陽射しの中に
脅かすように揺れて
飛び去った白


銀白が揺れる野原を横目に
未だ日の高い刻限の中
目の前を舞い飛ぶ綿毛

自由の風向き選び
空気の中に浮かぶ銀白
束縛を受けない在り様

見つめる視界の中を
いざなうように揺れて
飛び越えた白
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2006.05.25 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
春には春の
夏には夏の
気配がすぐそこにあって

太陽や風や草木が
包み込む
世界ごとわたしを

時はいつも
軽やかに
雨のように染み込んで

季節の中で
感じるものは

優しく流れている


咲き誇る花の色も
愛を囀る小鳥たちも

立ち昇る入道雲も
照りつける陽射しも



秋には秋の
冬には冬の
息吹きがわたしに寄り添っていて

夕暮れも涙の色も
甘いほど
わたしを締め付ける

時が来れば
緩やかに
風のように近付いて

季節の中で
感じるものは

静かに流れている


高く遠くなった空も
色づく木の葉の降る音も

凍りついた窓辺も
降り頻る粉雪の白さも



季節の中で
受け取るものは

すべて愛おしい
2006.05.25 Thu l 贈花膳 l コメント (6) トラックバック (0) l top