FC2ブログ
世界の王様 御触れを出した
王子の呪いを 解いてくれ

王子の魂 身体を抜け出
世界のどこかで 迷ってる

紫の目と 白い毛並みの
猫に宿ると 言うそうな


砂漠の王女は 白沙を固め
砂漠の薔薇で 目を埋めた

雪野の王女は 粉雪を積んで
極光の粒で 目を入れた

高原の姫は 白毛の苔と
ベリーの瞳の 猫にした

海岸の姫は 真珠の粒と
人魚の鱗で 猫にした

都会の王女は 白金の猫
瞳は輝く アメジスト


けれどもどれにも 王子は宿らず

砂漠の猫は 風に崩れて
雪野の猫は 陽射しに溶けて
高原の猫は 枯れてしまって
海岸の猫は 波に解けた
都会の猫は 攫われてしまう


あたしはぱたんと 絵本を閉じて
隣の仔猫に 言い聞かす

いいこと あなたが王子様でも
けして戻っては いけないわ

とかくこの世は 世知辛すぎて
王子様では 生きてけないの


仔猫は軽く 喉を鳴らして
気のない振りで 大あくび


白い和毛と 紫の目の
あたしの可愛い 小さな仔猫は
そんなわけで 今日もまた
仔猫のままで 昼寝する
スポンサーサイト



2006.05.18 Thu l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
重たい雲を掻き分けて
湿った風を押しやって
遠いところに旅に出よう

白すぎるほどの太陽と
目に付き刺さる青空を
追い求めるため旅に出よう

乾いた夏の風が渡る
広い草原に寝転んで
ひなたの匂いの土の上
草笛を吹き鳴らそう

眩しく光る雲が流れる
大海原を前にして
寄せては返す潮騒の歌
松の木陰で聴き惚れよう


大きな雨粒蹴飛ばして
ぬかるむ道を飛び越えて
遠いところに旅に出よう

焦げ付くほどの太陽と
空を突き抜ける雲の城
素肌も灼ける旅に出よう

眩い星の河が流れる
広い砂丘に寝転んで
熱さを残した砂の上
囁きに耳を傾けよう

濃厚に甘い香りに満ちた
秘密の花園に包まれて
囀りさざめく鳥たちの歌
噴水の縁で聴き惚れよう


今にも降りそな雲の下
溢れんほどの水溜りの上

遠いところに旅に出よう
2006.05.18 Thu l 花膳 l コメント (6) トラックバック (0) l top