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広い広い部屋が欲しいの
南向きのおおきな窓とね
風通しのいい高い天井

広い広い部屋が欲しいの
眠れるようなソファーとね
抱き心地のいいクッションと

広い広い部屋が欲しいの
大きく素敵な書き物机と
万年筆と羽ペンと

広い広い部屋が欲しいの
美味しい紅茶とお菓子を載せた
テーブルの向こうに昼下り

広い広い部屋が欲しいの
それらの向こうに聳え立つ
天まで届く本棚と
それを埋め尽くす本の山

広い広い部屋が欲しいの

誰かくれると良いのになっ


                  (2005/04/26)
2006.05.16 Tue l 月々 l コメント (6) トラックバック (0) l top
そういう日もあるんだって

駆け出していこう

誰も邪魔できないほど

遠くまで走っていこう


もう誰も追いつけやしないよと

大声で宣言しよう

誰も真似できないほど

高くまで攀じ登っていこう


そんな日もあるんだよ
2006.05.15 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
深紅の薔薇を用意したり
最高級ホテルを予約したり

そんなことしなくても

男はみんなロマンチスト

甘い言葉を囁いて
優しく腕を回すけど

女はきっとリアリスト

自分に酔ってるあなたに気付くわ


夜景を見にドライブしたり
洒落た指輪を贈ってみたり

そんなことをしたりして

男はきっとロマンチスト

気障な台詞を口にして
アツイ瞳で見つめても

女はみんなリアリスト

酔ってる演技の自分に気付くわ


砂を吐くほどクサイ台詞も
過剰すぎて重たい演出も

そんなことしなくても

あたしはきっとあなたが好きよ

素直にあたしを好きでいて
ときには夢を追っていて

ロマンが好きなリアリスト

それでもやっぱりあなたに酔うの


口にしないけど

大好きよ


                  (2005/04/22)
2006.05.15 Mon l 月々 l コメント (4) トラックバック (0) l top
君が苦しいときには
僕は大声で笑うよ
思わずつられてしまう
明るく陽気な笑い声で
悩み事なんて吹き飛ばすほど

君が泣いてるときには
僕は微笑むことにする
ここで泣いていいよって
言葉よりも確実に伝える
暖かい毛布のように微笑うよ

ともに悩んで
一緒に泣いて
悲壮を増してしまうより
僕は笑顔を選ぶ
道化になるよ


僕が悔しいときには
僕は無理にでも笑おう
誰にも気付かれぬよう
明るく陽気な笑い声で
握った拳を解き開くように

僕が悲しいときには
僕はやっぱり微笑む
ここで泣いては駄目だって
自分の胸に伝わるように
だって君を哀しませたくないんだ

ともに怒って
一緒に泣いて
不幸に酔ってしまうより
僕は笑顔を選ぶ
自分のために


君が楽しいときには
僕も楽しく笑える
君が嬉しいときには
僕も自然に笑える

ともに微笑み
一緒に笑って
心から零れてしまうよう
僕は笑顔でいたい
誰かのために
2006.05.14 Sun l 贈花膳 l コメント (5) トラックバック (0) l top
あたしのカラダは
ネジとネジ孔で出来ている
瞳の奥のネジを捻れば
涙が溢れてくる
腕の付け根のネジを捻れば
あなたを抱きしめる
喉の奥のネジを捻って
悦びの声を上げる
秘密のネジ孔は
あなたのネジを待ってる

あなた以外のネジでも合うけどね

あたしのカラダは
ネジとネジ孔で出来ている
あなたと逢う時
どこのネジを緩めても
ココロのネジだけは
緩めない
力尽くで抉じ開けてみてもムダよ

錆びつく前に緩められる?



                       (2005/04/17)



2006.05.14 Sun l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
誰もいない教室に
ただひとり
見下ろしたグラウンド
君の姿が見える

暮れていく景色の中
君だけを見つける

どこにいても


薄暗くなる教室で
ただひとり
君の席に座って
机に書いた言葉

近すぎて遠すぎるから
ただ二文字言えずに

スキという言葉


誰もいない教室
あとにして
足音の響く廊下
君の名を呟く

残したメッセージを君は
きっと気付かない

それでいいよ


日々の中薄れてく
机の恋心
だけどまた
明日もここで
恋をして


誰もいない教室
ただひとり
君の机に小さく
想いを綴るから
2006.05.13 Sat l 贈花膳 l コメント (8) トラックバック (0) l top
なりたいものも決まってないのに
そんなに朝から晩まで勉強なのね
学校にだって塾にだって
それなりの世界があることは知ってるけど

きみの小さな頭いっぱいに
文法や公式がつまってるんだね
それを悪いとは言わないけれども
たまには脳の違う場所働かせてみない?

教科書も参考書も
世界中の色んな事を教えてくれるけど
空が赤くなる理由を知っているよりも
一日だって同じじゃない空に気付く方が素敵

気分転換も大事だよ

遊びに行こうよ

怪我を承知で木登りしない?


やりたいことを見つけないまま
そんなに毎日のように勉強なのね
学校にだって塾にだって
勉強以外のことは転がってるけど

きみの小さな身体いっぱいに
溢れ出しそうなエネルギーを知ってる?
頭でっかちのままだったら
大事なこと手足が忘れちゃうよ

教室も勉強机も
世界中の知識なんて収まらないから
紀元前の偉人の人生よりも
きみの物語を作りに行こうよ

気分転換も大事だよ

遊びに行こうよ

誰にもナイショで基地を作ろう?


勉強も大事だよね
勉強も楽しいよね

だけど

たまには息抜きしよう?

大人には通れない
秘密の道を見つけに

大人では見られない
たくさんの景色を見つけに

遊ぼうよ

頭だけじゃない
心も身体も
学ぶことはたくさんあるよ

世界がきみを待ってるよ



                      (2005/04/05)




2006.05.13 Sat l 月々 l コメント (2) トラックバック (0) l top
子どものようなお方
手に入らぬものなど
ないと思っておいでね

池に映る朧月とて
魚が跳ねたなら
砕けて消えてしまうものを

頬を濡らす涙も
朝の日が昇れば
乾いて消えてしまうものを


子どものようなお方
意にならぬものなど
ありはしないとお思いね

名にし負う花の命も
日々が過ぎたなら
朽ちて消えてしまうものを

乞うて燃える恋も
時が流れたなら
褪めて消えてしまうものを


子どものようなお方
私だけのものになど
なってはくださらぬでしょう

瑠璃の杯に映る
あの月よりも早く
時が経てばすり抜けてしまう

焚き染めた香の
残り香より薄く
時が経てば遠ざかってしまう


それならば私は

水面を照らす光だけを
遠くから眺めておりましょう


子どものようなお方
現し身の私は
貴方のものにはならぬけれど

この心は
掬い上げた掌中の月の如くに


2006.05.12 Fri l 贈花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
やってみなくちゃ分からない
予測して逃げ腰になるなんて愚の骨頂
いつの日にかね、なんて先延ばしにするな
今やらなくてどうして
そのうちやるつもりだなんて言いきれるものか

始めるのは今だ
今ですら遅すぎるほどだ
そうしているうちに身も心も
歳を取って動かなくなる
今ならまだ
飛ぶことが出来るんだと
翔けることが出来るんだと
奮い立たせていけ

甘っちょろい夢ばかり
偉そうに語っていちゃダメだ
どんな夢だって
口にしているだけじゃ始まらない
その足を踏み出さなければ
ただの世迷言だ

体裁を取り繕ったって
周囲を気にしたって
本当にやりたいことならば
今すぐにでもやるべきなんだ
あとで
やりたかったんだと
なりたかったんだと
偉そうに言うのは
ただの愚者だ

着地点なんて気にしちゃダメだ
雛鳥はまず
羽ばたくことだけを考えるんだ
飛び立ちもしないまま
先のことを考えても無駄さ
飛んでしまえば
世界は広いんだ
どこにでも
安全な着地点は見つかるものさ

行け
お前にはまだ
翔んでいける翼がある
駆けていける足がある

さあ
行け!!



                 (2005/04/04)





2006.05.12 Fri l 月々 l コメント (5) トラックバック (0) l top
ほろ酔い気分で

地球を飛び出した

命綱なしの

宇宙遊泳

このまま

月まで行こうか

それとも火星まで


太陽がはじけて

ビールに飛び込んだ

紫外線より

刺激が強い

このまま

飲み干してみようか

それとも零そうか


ほろ酔い気分で

彗星の尾に乗った

長い周期の

旅立ちだった

このまま

どこまで行こうか

それとも帰ろうか


ふわふわと

漂いながら

布団の中に

帰還した
2006.05.11 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
きみのことは
きみが一番知ってるよね
生まれてからずっと
一緒に生きて来たんだもの

だから時折
嫌になったりするんだね
人に見せないとこも
知っていたりするんだもの

教えてあげたい
きみの知らない
きみの良いところ
自分だからこそ
見えない部分があるんだよ

信じてあげて
きみは素敵だって
信じてあげて
きみはきみさ


きみのことを
きみは時々自嘲するよね
長い年月を経て
自分を見失ったりするんだね

だから時折
抱きしめてあげたいんだよ
きみのぬくもりを
わけてあげたいんだもの

伝えてあげたい
きみが言うより
きみの良いところ
他人だからこそ
分かる部分があるんだって

見つけてあげて
きみは素敵だって
見つけてあげて
きみはきみさ


信じてあげて
生きてきた自分を
気付いてあげて
たくさんのきみを
見つけてあげて
どれもきみだよ

きみのことは
きみが一番知ってるよね

だけど
すべてを知ってるわけじゃない

信じてごらん
きみが思うよりも
きみはずっと素敵さ

                 (2005/04/04)

2006.05.11 Thu l 月々 l コメント (6) トラックバック (0) l top
タイトルの通り、カウンター、付けてるんです。
まあ、この数字と、アクセス解析の数字と、全然違ったりするし、記事を表示する時に増えたりするんで、どうということもないんですが。

一応、100単位だとか、並び目だとか、そういうの踏まれた方がいて、申告していただいたら、拙詩を進呈いたします、というのをやってるんですね。
やってる…ていうか、まだ一度しかお受けしてないんですが(笑)

…なんでかな…そういうキリがいい数字、自爆しちゃうんですよ。
今日も、1198だったから、これは暫く更新ボタン、或いは移動するまい、と思ってたんですね。

そろそろ良かろう、と、コメントの返事書こうと、移動したときにそれは起きました。

「1200」

…またか(笑)

実は1000も踏んで(1000!! 人のところで踏みたいよ!!(笑))、一旦数字巻き戻したりもしてたのに。

追記:どうやら、いただいたコメントを拝見して察するに、カウンターの機能が万全じゃないんだか何だかかわかりませんが、同じ番号を複数名の方が踏む、という事態があるようです。
まあ、ご愛嬌、かな(笑)

どなたも御所望にならないかもしれませんが、そういうわけで自爆分をどなたかに進呈いたしたく存じます。
こちらにコメントいただいた方にもれなく(笑)
(ものによってはご希望に添えないこともあると思いますが)

そうですね、本日内(5月11日)であればお受けいたします。

「テーマ」或いは「タイトル」など、お教えくださったら、喜びます。
良ければリクエストください。
2006.05.11 Thu l 瞑想迷走 l コメント (10) トラックバック (0) l top
雨上がり
空気はまるくて
やわらかい

水溜り
蹴立てて走れば
あたたかい

まるでそう
とろみを帯びた
水の中

中空に
浮かんだ泡に
よく似てる

わずかなる
抵抗とともに
匂いたつ

甘やかな
質量のある
花の風


風薫る
五月の午後の
雨上がり
2006.05.10 Wed l 日々の罅 l コメント (4) トラックバック (0) l top
此処に足を踏み入れたならば
此の泥濘に身を沈める覚悟である
神為らぬ身で世界を手織る
我が両の手だけを残し居て

彼の人は吾子
彼の地は我が胎内
生まれ出づる時間の流れをば
平面なる場所へと誘う
彼れに見ゆる行く末は
其れに見ゆる来し方は
我が脳内をば凌駕して
此の場所へと散見す
立ち居る哲学の覇者も
世界を席捲した王者も
我が技量なぞ叩打して
縦横無尽に飛翔する
嗚呼
其れが
我ら戯作者の歓喜と苦悩

麻薬の様な汚穢よ
媚薬の様な甘美よ
其の誘惑にて
我が身を縛る此の世界よ

抜け出すことは叶わぬと
脱け出ることは敵わぬと
吾は疾うに覚悟をば決めた
我が身朽ち果てるまで
新たなる世界を生み出さん
手段を変えても
其は不変為り


                  (2005/03/29)

2006.05.10 Wed l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
あたしがもうひとりいたら

まず肩を揉んでもらおう

凝ってるツボなんて

目を瞑ってても分かるだろうから


あたしがもうひとりいたら

ポーズを取ってもらおう

撮ってもらうのでもいいや

少しくらい絵が上達するかな


あたしがもうひとりいたら

一緒に仕事に行こう

片方が仕事してる間に

もうひとりが私事をすればいい


でも

あたしがもうひとりいても

あたしたちは相容れないかも

腹の内が読めすぎちゃって

手の内が見えすぎちゃって

きっと嫌いあうんだろう


あたしがもうひとりいたら

有無を言わさず旅に出そう

二度と会わない決意で

違う人生を送ろう


あたしは

あたしひとりでちょうどいい
2006.05.09 Tue l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
人ごみに紛れて生きている人
安心しているつもりなの
同じように見えたとしたって
誰一人同じではないのに

人陰に隠れて生きている人
安穏としてるつもりなの
光の当たり具合が変わったら
あなたが日向に曝されるのよ

みんなと同じが良いって
みんなと同じで良いって
どんなつもりで言っているの
みんなって誰なの


人並みを目指して生きている人
安逸な気持ちで進まないで
平均値なんて幻の値
存在しない偶像なのよ

人事だと目を逸らして生きている人
安閑としているつもりなの
自分の番が来たときにだけ
こんな筈じゃなかったと言っても遅いわ

みんなはあなたじゃないわ
みんなもあなたじゃないわ
どんなつもりかしらないけれど
あなたはあなたなのよ


人波に揉まれて生きている人
暗澹とした表情ね
そんな自分に倦んだのなら
早く流れから抜け出なさい

大きな流れに身を任せるのは楽ね
自分で切り拓くのよりも楽ね
けれどそのまま生きていたら
あなたの人生の意味はどこなの

みんなと違ってて良いの
みんなが違ってて良いの
どんなつもりでもいいのよ
みんななんてただの象徴

集合体から抜け出して

立って歩いて行きなさい



                   (2005/03/28)
2006.05.09 Tue l 月々 l コメント (3) トラックバック (0) l top
胸の中で燻る火種を
燃え盛る炎にしよう
勢いがついて
誰にも止められなくなるほどに
私の手にも負えないほどに

心の中に芽生えた棘を
殺気立つ刃にしよう
鋭く裂いて
触れなば切れる剣のように
私をも殺す諸刃のように

喉の奥に潜んだ悲鳴を
吠え猛る獣にしよう
気高く狙う
しなやかな四肢に見蕩れるほどに
私の命も喰い荒らすほどに

瞼の底で途切れた涙を
荒れ狂う海原にしよう
絶え間なく寄せて
全てのものを呑み込むように
私をまるで弄ぶように

日々の隙間が落とした種を
咲き誇る花弁にしよう
優しくそよぎ
誰かが不意に微笑むほどに
私も和み癒せるほどに

2006.05.08 Mon l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
時間は誰にも平等だけど
歴史は誰も同じじゃない

同じ時代を生きたとしても
人生は誰も同じじゃない

流れていく悠久の中に
あたしの道を刻み込め

ここにこうしてあたしがいたと
時代の中に焼き付けろ



新聞の一面を飾っても
ニュースのトップを飾っても

やがて事件は淘汰される
やがて事件は風化してく

流れていく現在の中に
あたしの今を刻み込め

ここにこうしてあたしがいると
時代の中に焼き付けろ



身体はやがて
腐敗し分化し消滅しても

記憶はやがて
風化し透過し払拭しても

あたしはここにこうしていたと
記録の隅に刻み込め

確かにあたしはここにいたこと
時代の中に焼き付けろ



ネットの海に溺れたとしても

情報の山に埋没しても

あたしはここにこうしていると
誰かの脳に刻み込め

検索1つで見つけられると
時代の中に刻み込め



ここにいる



世界中に広がらなくても
時代年表に上らなくても

あたしがここにこうしていると
今この時に刻み込め



あなたの中に焼き付けよう


                      (2005/03/24)

2006.05.08 Mon l 月々 l コメント (5) トラックバック (0) l top
分かっていても
分からなくても

突然であっても
ゆるやかであっても

終わってしまえばあっけない


それはもう
取り戻せたりしない

それはもう
手繰り寄せたり出来ない

終わったものには
さよならと告げるだけ

終わったものには
さよならも届かない


ただ自分に
言い聞かせるため

ただ自分を
言いくるめるため


さよならを言うのだ


似たものがあっても
同じように見えても

返った振りしてみても
帰った振りしても

気付いてしまえば別のもの


名残惜しくてもあっけない

終わってしまえばそっけない


終焉なんてそんなもの
2006.05.07 Sun l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
あたしははなやさんになりたかった
ぼくはおもちゃやさんがよかった
あたし、おひめさまになりたかった
ぼく、あおれんじゃーだったな

消えた瞬間を誰が知っているだろう
それはもう遠い昔に見た夢

私は弁護士になりたかったの
俺は医者になりたかった
私は小説家になりたかったわ
俺はゲームプログラマーだったよ

捨てた瞬間を覚えているはずの
それはでも遠い昔に見た夢

本当に捨てたの?

大きくなって見た夢は
現実を知っただけ
壁を感じて
現実を知った分
捨てきれずにいる

昔見た夢は
時折
胸に去来する

今でも
まだ
どこかで見てる夢



                      (2005/03/18)
2006.05.07 Sun l 月々 l コメント (6) トラックバック (0) l top
昨日まで
君のいた空間に
空っぽの夜が
漂ってる

さびしいな
君のいた気配が
空っぽの部屋に
残ってるのに

今夜はとても静かだよ
時計の針が煩いくらい

今夜はとても長そうだよ
時計の針も無視するくらい


明日からも
君のいない町は
変わらない日々で
続いてく

だけどもう
君のいた日々は
馴染んだ生活の
一部なんだよ

今夜はとても切ないよ
時計の針を戻したいほど

今夜はとても苦しいよ
時計の針が突き刺さるほど


あの針が何度時を打てば
あの針が何度巡り続けば

君は帰ってくるのかな


今夜はとても眠れないよ





2006.05.06 Sat l 花膳 l コメント (4) トラックバック (0) l top
「啼鳥の歌」


世界の果ての 王国に
一人の王様 住んでいた
水晶の城の 塔の上
王様素敵な 銀の籠
一羽の鳥を 閉じ込めた
真珠の色と 射干玉の
美しい羽の その鳥は
朝な夕なに 囀って
王様の耳を 蕩かせた
朝に啼いたら 啼いただけ
国は白々 輝いた
夕に啼いたら 啼いただけ
国はしじまに 包まれた

ある日王様 欲出して
鳥に命じて こう言った
朝な夕なに 啼くそなた
天高く昇る 太陽に
その声聴かせて やるが良い
真珠の色と 射干玉の
輝ける羽の その鳥は
それは出来ぬと 王様に
銀の籠から 首振った
私が朝に 歌うなら
お日様を連れて 来るけれど
私が夕に 歌うなら
お月様連れて 来るけれど

それでも王様 頷かず
声高に鳥に こう言った
お前の命 我のもの
啼かぬと言うなら 塔の下
銀の籠ごと 落とそうぞ
真珠の色と 射干玉の
目に鮮やかな その鳥は
いと哀しげな 溜め息で
小さな身体 震わせた
天高く昇る 太陽は
小鳥の歌を 耳にした
彼方で眠る 月と星
小鳥の歌を 耳にした

雲を突き抜け 空を裂き
広い世界に 歌は満ち
全てのものが 歌を聴く
いと妙やかな その調べ
王様の耳を 蕩かせた
真珠の色と 射干玉の
羽持つ鳥の その喉は
歌われぬ歌を 歌い終え
これで終わりと 張り裂けた
切り裂かれた空 血を流す
その血で太陽 溺れ死ぬ
切り裂かれた空 血を流す
その血で月も 溺れ死ぬ

流れ出す血が 赤く染め
水晶の城は 濡れそぼる
やがて乾いた 血の海が
世界を黒く 染め上げた
それきり朝は 二度と来ない
それきり朝は 二度と

来ない


                       (2005/03/14)

2006.05.06 Sat l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
庭の茱萸
赤く色づいて
つややかに光る
口に放り込んだら
とろりと甘いのに
僅かに渋くて

恋みたい


庭の茱萸
星をちりばめて
鮮やかに光る
風に揺らめいても
落ちない振りをして
本当は脆い

恋みたい


食べたいのなら
育てないと駄目ね
お店の棚には
見かけたことがない

食べたいのなら
見極めないと駄目ね
早すぎたら渋い
遅すぎたら落ちる

恋みたい


庭の茱萸
赤く色づいて
つややかに光る

恋よりも慎重に
一粒を見極めて
口に放り込んだ
2006.05.05 Fri l 花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
薔薇は
その気高さゆえに
自らの美を誇るため
誰にも触れられたくなくて
刺をつける

枳殻は
その優しさゆえに
蝶々の羽化を守るため
誰にも触れさせないために
刺をつける

仙人掌は
その賢さゆえに
旅人の渇きを癒すため
悪戯に傷つけられぬよう
刺をつける

柊は
その聖なるゆえに
魔物の侵入を阻むため
悪戯に傷つけさせぬよう
刺をつける

そして
美しい花を咲かせるのだけれど

あなたは

あなたは
その如何なるゆえに
刺をつける



                   (2005/03/11)
2006.05.05 Fri l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
順番待ちの飛行機
見下ろして
送迎デッキは
炎天下の下

強い陽射しに肌を
焦がしながら
君が旅立つのを
上から覗き込んでる

轟音がかき消さなくても
もう言葉は届かないけど
耳鳴りのような音の中で
最後の言葉を呟くよ


まっすぐに伸びてく
滑走路
合図を待つ
スタートラインの上

白い陽射しに機体
輝かせながら
君が旅立つのを
ここから見送ってる

たとえ距離が近づいても
もう姿は見えないけれど
陽炎のような速さの中で
最後の言葉を呟くよ


君を乗せた飛行機
見上げても
送迎デッキは
炎天下の下

呟いた最後の言葉は
誰にも聞こえないまま
冷たい炭酸水と
飲み干して帰るよ

2006.05.04 Thu l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
たいしたことないと思っていたら
本当はとてもすごいことだった
そう分かった途端に
価値が上がった気がした
なんて現金

どうでも良いような気がして捨てたら
大事だったのにと言われてしまった
そう分かった途端に
惜しいことをしたと思った
なんて現金

ものごとの価値なんて
周りの批評でたちまち変わる
なんて単純


                       (2005/03/09)

2006.05.04 Thu l 月々 l コメント (3) トラックバック (0) l top
ほんのちいさな

その指先も
その足も
その身体も

なんて力強い

全身で泣き
全霊で乞い
全力で生きる

いとけなき
みどりごよ

かろき重みいっぱいに
命宿るみどりごよ

母に抱かれ
父に守られ

やわらかな夢を
おおいなる愛を
たえまない笑みを

受けて育てよ


ほんのちいさな

その指先も
その足も
その身体も

とてもおおきな

愛情と
可能性と
生命力に

みちみちているのだから
2006.05.03 Wed l 日々の罅 l コメント (0) トラックバック (0) l top
甘い甘いあたしを優しく口にして。
ゆるんでほどけてとろけてくから
あたしをやさしく口にして。

口だけでいいのよ。あたしを騙して。
くちづけていいのよ。あたしを愛して。
口で貶してもいいわ。あたしを苛めて。
くちどけのいい上質のお菓子のように
あたしを舐めて。

ほろほろとほどけてくでしょ。
ゆるゆるにゆるんでくでしょ。
とろとろにとろけてくでしょ。

あなたの体温で、あたしを溶かして。

おいしかったと言ってくれたらいいわ。
それであたしは消えるから。
くちどけのいいお菓子のように
余韻だけのこして。


(2005/03/04)
2006.05.03 Wed l 月々 l コメント (0) トラックバック (0) l top
藤樹庵さんは
老舗の和菓子屋
今日もわりかし繁盛してる

隣にあるのは
老藤の大樹
そろそろ花が綻び始めた

下には斑の
老猫が眠る
実は年経て尻尾が二つ

藤の向こうには
老人が住む
悠悠自適のご隠居暮らし

さてさてそこで
話が始まる

今宵辺りは
宴の気配
老猫のったり
片目を開けて
老藤の幹と
会話を交わす


空に浮かんだ
細めの月は
地上に降りて老猫の細目

夜に浮かんだ
匂い立つ花は
人に転じて匂い立つ美女

ご隠居こっそり
自宅を脱け出て
猫と藤との宴に混じる

気配に誘われ
宴は佳境
人であるもの人ならぬもの

さてさてそれでは
話を継ごうか

今宵の宴の
主役に沿うた
あの女童
囀り歌う
それに合わせて
花は零れる


藤樹庵さんには
美味しい和菓子
そして美味なる綺譚がひとつ
2006.05.02 Tue l 一枚の茶葉 l コメント (2) トラックバック (0) l top
きみと一緒には走っていけない
置いて行っていいよ
風のように速く

きみと一緒には進んでいけない
違う道でもいいよ
擦れ違うより遠く

きみと一緒の夢は見れない
明日を選んでいいよ
ただ自分のために


泣きたい夜
憂鬱な朝
わずかな孤独
ひそやかな溜め息

一緒に感じてくれたら
遠くにいてもきっと


いつも一緒にはいられない
だからこそいいよね
抱きしめあうより深く

時には一緒に眠りたい
そんなこともあるよね
子どものように泣いて

きみと一緒に笑いたい
例え二人が違っても
恋人よりも甘く


心の片隅
想いの欠片
ほんの指先
ささやかなぬくもり

一緒に感じられたなら
離れていてもきっと


だからただ
きみと一緒の想いが欲しいよ
どんなカタチでも
どんなコトバでもいいよ

それだけは
一緒がいいよ
2006.05.02 Tue l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top