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非常ベルが鳴り響く
防火扉は閉ざされる
階数表示のない階段を
駆け下りていくあたしの足音

踊り場ごとにたたらを踏んで
墜落のように駆け下りて
終わりの気配のない階段を
転げ落ちてくあたしの心音

急かされるように一段降りて
踏み外すようにまた一段
ひたすら続いていく階段を
それでも降りてくあたしの呼吸音

非常ベルが鳴り響く
壁と手すりにこだまして
非常ベルは鳴り響く
あたしの音を掻き消して

それでもあたしは降りていく
出口はないと知りながら

それでもあたしは堕ちていく
行き場はないと知ってても
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2006.03.20 Mon l 花膳 l コメント (8) トラックバック (0) l top
手の届かない場所に
離れていってしまったものを
諦めきれずにいられるのかな

宇宙の果てにまで
遠ざかってしまったものを
取り戻そうと頑張れるのかな

今ただ言えることは
それでもなお
いとおしい
それだけ

抱きしめておかなかった

朝日が浚った闇夜のように
跡形もなくなったもの

愛しさだけ残して


聳え立つほどの壁に
阻まれて消えてしまったものを
なかったことにしてしまえるかな

底が見えないほどの沼に
引きずり込まれて沈んだものを
見なかった振りしてられるのかな

今ただ想うことは
諦念と悔悟の
くるおしさ
それだけ

握り締めておかなかった

嵐が攫った手紙のように
どこかへ消え去ったもの

哀しみだけ残して


胸に空虚の穴を残して
いってしまったものたちを

届かぬ腕(かいな)を振り上げながら
掴もうと足掻く


諦めきれなかったことを
諦めることなんてできるのかな

悔やんでしまったことを
悔やむことなんてできるのかな

今ただ言えるのは
無様な己すら
愛してる
それだけ



2006.03.20 Mon l 花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top