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暖かく柔らかな水の中
優しく響く子守唄
呼びかけるあなたの声が
響いて満ちて包まれる

愛情で守られた水の中
寄せては返す子守唄
撫でていくあなたの愛が
伝わり波打ち満たされる

これが全ての世界だと
信じていられるような
愛が全ての素材だと
迷わず言えるような

暖かく優しい場所


世界がもっと広いと
愛以外のものがあると
知ってもなお

あなたの心音とララバイが
誰かの心音とララバイが

優しい愛を連れてくる
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2008.12.29 Mon l 贈花膳 l コメント (5) トラックバック (0) l top
眠れない夜があるなら
ここへとおいでよ
優しい味のミルクを
温めてあげるよ
一滴ヒミツのお酒も
加えてあげるよ

君が眠れないそのわけを
夜に打ち明けてごらん
夢を囁く声が聞こえてくるよ


それでもまだ眠れないなら
ここへとおいでよ
静かな色の話を
聞かせてあげるよ
一掴みナイショのスパイス
加えた物語を

君が眠りにつくように
夜が語りだすだろう
夢を紡いだ歌を聴かせるだろう
2008.12.22 Mon l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
月の揺りかご
夜にたゆたう
星の伽話
夜にさざめく

瞳を閉じて
耳を澄ませて

柔らかな光が瞼越しに
降り注ぎながら
揺れるだろう

優しげな声が耳の傍で
眠りを誘って
歌うだろう

青く光る惑星を抱き
明日の夢を見るように

甘く香る朝焼けを待ち
素敵な夢を見るように

月の揺りかご
夢にたゆたう
星のララバイ
夢にさざめく
2008.12.16 Tue l 贈花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
超難解な漢字が書けても
超難問な数式が解けても
解らないことばかりだった

どうしてこんなに君が好きなの


大勢の中でも君を見つけて
どんな人でも君に見えてた
どこにいたって君ばかりだった

どうしてこんなに好きなんだろう


グラウンド走る君の背中や
誰かと笑う君の目尻や
そんなことまで追いかけてしまう

どうしてこんなに探しちゃうんだろう


誰も教えてなんかくれない
誰にも教えてなんてやらない
ただ君にだけ耳打ちしようか

どうしてもこんなに君が好きだよ
2008.09.11 Thu l 贈花膳 l コメント (0) トラックバック (0) l top
机の中にこっそりと
招待状が届いたら
それが合図の忍びごと

素知らぬ顔で
秘密の場所へ

ノックは三回
それから一回

それではどうぞ
秘密のお茶会

ビーカーフラスコ試験管
メスシリンダーガスバーナー
天秤ばかりと薬さじと

丸底フラスコ茶を淹れて
漏斗でコーヒー淹れたなら
薬壜出してご覧じろ

ラベルに書かれたKCN
光る結晶どれくらい

20杯ほど貰おうか
それなら私は15グラム

薬さじ乳鉢薬包紙
天秤分銅ピンセット

お次はこちらのスポイトで
誰もが見てないそのうちに
秘密の液体ひと垂らし

小瓶に貼られた髑髏のマーク
口元にやりと笑ってみせる

さあさあどれでも好きなもの
選んで皆でティータイム

今日の餌食は誰かしら
素知らぬ顔でティータイム

全てがそつなく終わったら
洗って綺麗に元通り

専用戸棚に鍵かけて
それでは皆さんさようなら

机の中にこっそりと
招待状が届くまで

毒を盛られたその人が
次の会を開くまで

どこにでもいる一生徒と
どこにでもある理科室の

顔をしながらさようなら
2008.02.18 Mon l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
がっかりなんてしたくない
ぎっしり詰まった愛の味
ぐっすり眠ってる横顔に
月光の道を辿ってさ
ごっそり運んでいくからね

ざっくり混ぜて練り上げる
じっくり待って出来上がる
ずっとずっと君を想いつつ
絶対的な愛情込めるの
ぞっこんなのよと開き直るわ

だんだん君が好きになる
じりじりこっそり近付いた
ずんずん進んでいきたいけれど
でもでもだけどもじらしたい
どっきりさせたい恋心

ばっちり可愛くおしゃれして
びっくり顔を見てみたい
ぶっちゃけあたしを食べてもいいわ
別にチョコだってあげるけど
ぼやぼやしてたら盗られるわ



ぱっちり開いた瞳の中に
ぴかぴか笑顔のあの子が見える
ぷぷっと笑って抱き寄せてみた
ぺろりと舐めたチョコとあの子は
ぽかぽか春の味がした
2008.02.07 Thu l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
明日なんて見えなくて
生きていることが辛くて
いっそ終わらせてしまおうかと

明日も今日の続きで
生きていくことは苦痛で
いっそ断ち切ってしまおうかと

そう思っては
いけないだろうか


救いなんて見えなくて
孤独に沈むのが怖くて
もはや信じるものなどないと

望みなんて抱けなくて
絶望にまみれるのが不安で
もはや涙も枯れて果てたと

この身を捨てては
いけないだろうか


駄目だと止める者などなくて
やめろと宥める者などなくて

それでも生きては
いけるのだろうか


明日なんて見えないから
もしかしたらなんてこと
いっそ信じてしまおうかと

明日は今日より良くて
生きていくことは歓喜で
そう願ってみようじゃないかと

明日も生きては
いけるのだろうか


生きろと止める者に会うため
笑えと宥める者に会うため

行けるとこまで
生きてみようか

2008.01.21 Mon l 贈花膳 l コメント (3) トラックバック (0) l top
いいお天気ね
呟いた声に
いいお天気ね
笑い声が応える

春の桜も
夏の陽射しも
秋の夜風も
冬の椿も

いい景色よね
微笑んだ声に
いい景色だわ
しみじみと応える

晴れた空にも
雨の音にも
月の光も
雪の白さも

いい眺めよね
楽しげな声に
いい眺めよね
可笑しげに応える

遠い昔の
小さな時分の
想い出を肴に
お茶を飲んで笑う

いい仲間よね
笑い出す声に
いい仲間よね
笑い声が応える
2008.01.07 Mon l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
どうしようもなくて
明日の光も見えず
朽ち果てるのを待つ
そんなのはいやだ

縋りようがなくて
誰の腕も見えず
倒れ臥すのを待つ
そんなのはいやだ

世界がずれていると
知ったのはいつだ
スライドする様に
気付いたのはいつだ


信じようがなくて
立ち位置さえも見えず
埋もれていくのを待つ
そんなのはいやだ

手繰りようがなくて
誰の顔も見えず
孤独だけがいや増す
そんなのはいやだ

世界はずれていても
叱咤して進む
世界を取り戻そうと
傷ついても進む


元通りになるまで
2007.12.20 Thu l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top
お天気のいい日には
秘密の庭で待っているわ
図書室を抜けた温室の先
冬薔薇の小道
小走りで駆けてきて

降り注ぐお日様に
煌めく髪を揺らして微笑うの
ナイショのおしゃべりをしましょう
小鳥達の囀り
それとも少女の笑い声

本の森の中を通り
冬枯れの木立の下を
野放図に乱れる薔薇の間を
こっそりと駆けてきて


お日様の出ない日にも
秘密の庭で待っているわ
図書室を抜けた温室の中
熱いお茶を用意して

手作りの焼き菓子を
頬張りながら微笑うの
ナイショのおしゃべりをしましょう
木枯らしのざわめき
それより少女のさんざめき

本の城の中を通り
枝越しの空の下を
香り立つ鮮やかな薔薇の間を
こっそりと駆け抜けて


図書室の奥の秘密の扉
かけられた呪文を知る少女を
楽しみに待っているわ

ここは秘密の裏庭
2007.12.12 Wed l 贈花膳 l コメント (2) トラックバック (0) l top