どこにもかえらない

言の葉遣いになりたい。 たくさんの言葉とたくさんの感性で誰かの心の琴線を響かせたい。 そう思って今日もまた、詩を書いてます。

氷イチゴ

あなたはまるで
練乳のかかった
氷イチゴみたいでした

優しくて
甘くて
だけどいつまでも
喉の奥に絡みつく

可愛くて
赤くて
だけどいつまでも
舌の上にまといつく

あなたはまるで
練乳のかかった
氷イチゴみたいでした

特別で
嬉しい
だけどいつまでも
喉の渇きを癒せない

冷たくて
綺麗で
だけどいつまでも
指の先まで粘ついた

わたしはきっと
何も飾らない
ただの氷が欲しかった


(2007-07-24)

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たとえばきみが

たとえば
きみがいなくても
世界は今日も廻るだろう

たとえば
きみがいなくても
誰かが今日も笑うだろう

たとえば
きみがいなくても
綺麗な花が咲くだろう

たとえば
きみがいなくても
小鳥は空を飛ぶだろう

たとえば
きみがいなくても
どこかで愛が生まれてく

たとえば
きみがいなくても
どこかで夢が叶ってく


たとえば
きみがいなければ
それでも世界は廻っても

たとえば
きみがいなければ
隣の誰かが泣くだろう

たとえば
きみがいなければ
綴った話も終わるだろう

たとえば
きみがいなければ
育てた草木も枯れるだろう

たとえば
きみがいなければ
届かぬ愛があるだろう

たとえば
きみがいなければ
途絶えた夢もあるだろう


たとえば
きみが


(2007-07-24)

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星空のメリーゴーラウンド

流星が降り注ぐ

銀河の中を

僕を乗せた船が

永遠に廻る

いつのまに

はぐれてしまった

きみはもう

地上に帰り着いただろうか


抗えぬ引力に

捕まった船が

蒼い星遠くに見て

いつまでも廻る

サイダァの

泡みたいに弾ける

星屑が

きみの目にも見えるだろうか


誰もいなくなった

孤独のメリーゴーラウンド

幾ら廻ってみても

きみを見つけられない


雨のよに降り注ぐ

流星の中を

僕を乗せた馬が

永遠に巡る

いつの日か

一緒に駆けてゆく

夢を見て

きみの星を見下ろした


(2007-07-12)

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笑顔で

言葉を知らぬ

稚い子どもが

笑う

言葉を忘れた

かつての子どもが

笑う


泣いたり

怒ったりも

するけれど


まだ穢れを知らぬ

小さな子どもが

笑う


もう穢れを捨てた

老いた子どもが

笑う


抱きしめて

少し羨んで

私も笑う


生まれてから

死んでいくまで

笑顔の多い

人でありたい


(2007-07-10)

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矜持

人の言葉なんか盗らない

他人のフレーズなんか要らない

言葉は無限じゃないから

言葉は未曾有じゃないから

どこかにある

どこにでもある

それでも

人の言葉なんて用いない

他人のフレーズなんか使わない


あたしの言葉は

あたしが生み出す


それが矜持


(2007-07-09)

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星の二人

星に願いの

祈りを込めて

馬手に抱いた

いたいけな気持ち

勿論と笑い

来世で逢う夢を

目を覚ます前が

笑顔の終わり

割り切れぬままに

間に合わぬ時刻

酷薄の夜明け

空けてしまう時の

昨日までの距離は

離叛はなお出来ぬ

後朝(きぬぎぬ)の別れ

彼の手を抜けてゆく

行く末を思う

もう一度会えることは

永久の願いと誓い

腕(かいな)を離して別るる

縷々に泣き濡れても

手も取れない二人

足りぬ温もりを傍に欲し


(2007-07-07)

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少年の日の

僕たちの秘密基地は
学校の裏庭にあった
藤棚の向こう
竹林の陰
ビオトープを飛び越えて

アベリアの蜜を吸って
木槿の花を集めた
魚の形に千切って
池に降らせた


僕たちの秘密基地は
音のない裏庭にあった
遠い教室や
体育館から
声が緩やかに届いてくる

ヤマモモの枝に登って
夕焼けを見上げた
たわわに実った果実に
指先を染めながら


僕たちの秘密基地は
もう遠い裏庭にあった
他愛ない話や
傷だらけの手足
秘密の宝さえそこに置いて

金網のフェンス越し
幻影を探した
少年だった僕の
笑い声が聞こえる


(2007-07-06)

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噛まないで

甘い甘いキャラメル
口の中で溶ける
噛んではダメ
噛んではダメよ
優しく舐めて
味わって

力任せに噛んだら
奥歯に嵌ってしまう
いつまでも甘いけれど
いつか虫歯になるわ


甘い甘い恋人
キスの中で溶ける
噛んではダメ
噛んではダメよ
優しく舐めて
味わって

力任せに噛んだら
奥まで嵌ってしまう
いつまでも甘いけれど
いつか蝕まれるわ


噛んではダメ
噛んではダメよ
優しく舐めて
飲み込んで


(2007-07-05)

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完未完

終わらなかったお話は

一体どこにいるの

綴られなかった囁きは

一体どこに行くの

誰か知ってる?


終わってしまったお話は

一体なにになるの

刻んでしまった呟きは

一体なにをするの

誰か分かる?



そこにある

終わっていないお話の

そこにある

終わってしまったお話の

誰か知ってる?

続きを知ってる?


(2007-06-25)

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秘密の少年

秘密の鍵を開けて
入っておいで
手入れを忘れた
茂みの中で
待っているから

錆びた鳥篭と
澱んだ池の傍
蔓薔薇の棘の中に
僕を探して


静かな庭を抜けて
逢いにおいで
歌を忘れた
小鳥達と
待っているから

崩れた四阿と
涸れた井戸の底
昼間の月光の中に
僕を探して


記憶の隙を縫って
ここにおいで
咲くに任せた
花の香りと
待っているから

もがれた羽と
動かぬ微笑み
裏庭に眠る
僕を探して


(2007-06-19)

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